JPH0235675Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は屋外貯水槽、特にその架台外周に周
壁をつけてポンプ室としたものに関する。

（従来の技術） 従来、屋内貯水槽の架台下枠の梁に揚水ポンプ
を据付け、これを屋外で使用する場合、その架台
外周に、架台の上、下枠間を塞ぐ平板を着脱可能
に取付けるものが出ている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来技術は、本来、屋内用である貯水槽を
屋外で使用する場合、架台の上、下枠外面に平板
を当てるものであるから、屋外貯水槽としては雨
水が浸入しやすいのは、やむを得ない。上述の上
下枠外面と平板内面とを、常に理想的平面で、全
周にわたつて密着状態に保持するのは不可能であ
り、また水槽下部と架台の密着状態も悪いため、
双方の間隙から容赦なく雨水が浸入する。

（問題点を解決するための手段） この考案は貯水槽の架台内部を揚水ポンプ室と
して、架台外周に周壁をつけたものにおいて、 貯水槽下面外縁部は全周にわたり、上記周壁上
縁より多少外側へ出ており、その外側へ出た部分
全長に、上記周壁上縁の高さ以下に垂下した水切
り突条を備えることを特徴とする屋外貯水槽であ
る。

（作用） この考案は、従来利用されていなかつた貯水槽
直下の空間をポンプ室とする新規な構成で満足せ
ず、屋外貯水槽のポンプ室として最も重要な、雨
水防止作用を長年月の使用に耐える完全なものし
た。

すなわち、従来は貯水槽下面外縁部の真下か、
外側に架台外縁部が位置していたが、この場合、
貯水槽下面外縁部が全周にわたり、架台外縁部よ
り外方へ出ているだけでなく、その架台外周の周
壁上縁より、さらに多少側へ出ている。

そして、その外側へ出た部分全長に水切り突条
を設け、これが周壁上縁より下へさがり出ている
から、雨水は水槽槽底を屋根とし、上記水切り突
条をひさしとして、すべて架台周壁の外側へ落下
し、ポンプ室内へ浸入し得ないのである。

（実施例） 第１図はこの考案を適用した屋外貯水槽の一例
を示す。水槽１は上下に分けて各個に成形した繊
維強化樹脂製タンクであり、架台２は鋼製で、そ
の周壁３を一部切欠いて示すように、受枠２ａと
その四隅につけた脚２ｂとをボルト締めで固定し
たものである。周壁３は繊維強化樹脂板四枚を四
面に当て、脚２ｂにネジで取付けている。周壁３
の一面に着脱容易なはめ込み式出入口扉５を付け
ている。

この場合、水槽１にボルト穴を明けられないの
で、架台受枠２ａに従来同様、水槽１の横移動を
止めるストツパ５を数個所に取付けている。

この実施例の架台２は在来のものと異り、底枠
や筋かい材がない。四個の脚２ｂが夫々、受枠２
ａにボルト締めする水平支持部６、筋かい材にか
わる補強材７を備える複合体であつて、これらの
脚２ｂを受枠２ａの四隅に取付けるだけで、水平
荷重に耐える架台として安定する。

周壁３の上縁３ａの位置が、水槽下面１ａ外縁
部の水切り突条４より内側に来る状態を第２，３
図に拡大して示している。第２図は第１図の実施
例に対するもので、水切り突条４はやゝゆるやか
なふくらみになつており、その内側に受枠２ａ外
縁が当つているため、周壁上縁３ａは槽下面１ａ
に達する手前で突条４下端の高さに止つている。
しかし水切り突条４が屋根のひさしの役割をする
から、仮りに周壁３と受枠２ａ外面との間に隙間
ができていても、雨水浸入のおそれはない。

第３図の実施例は周知のパネル組立式水槽１で
あるため、水槽下面１ａの外縁部はパネルフラン
ジ８となり、その外縁に水切り突条４を設けてい
る。この突条４の高さは低いので、周壁上縁３ａ
は原則としてフランジ８の下面に密接させるよう
脚２ｂに周壁３をネジ止めしている。

（考案の効果） この考案は屋外貯水槽の架台内部にポンプを据
える場合、従来、見過ごされがちであつた雨水の
浸入、湿気によるポンプ、モータ、計器への悪影
響を、最も簡単、有効に除去する。

それはポンプ室として製作精度を高めたり、隙
間埋め剤等、経年変化するものを使う必要がな
く、水槽そのものゝ下面外縁部に水切り突条をめ
ぐらし、これを屋根のひさしとし、周壁上縁をそ
れ以上の高さにしたから、構造は簡単であるが、
効果は半永久的である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案一実施例の斜視図、第２図は
その要部拡大断面図、第３図は他の実施例の、第
２図と同様の要部断面図である。 １……水槽、２……架台、３……周壁、４……
水切り突条。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 貯水槽の架台内部を揚水ポンプ室として、架台
   外周に周壁をつけたものにおいて、 貯水槽下面外縁部は全周にわたり、上記周壁上
   縁より多少外側へ出ており、その外側へ出た部分
   全長に、上記周壁上縁の高さ以下に垂下した水切
   り突条を備えることを特徴とする屋外貯水槽。