JPH0235363A - 体液中の特定抗原測定用固定化抗体及び試験片 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は体液中の特定抗原を測定するための固定化抗体
及びそれを用いた試験片に関するものである。

［従来の技術］ 臨床的に重要な体液中の特定抗原の量を抗原抗体反応を
利用して測定する免疫学的測定法は、診断手段として臨
床検査の分野で幅広く利用されている。

免疫学的測定方法としては、ラジオイムノアッセイ（以
下ＲＩＡと称する）、エンザイムイムノアッセイ（以下
ＥＩＡと称する）、フルオロイムノアッセイ（以下ＦＩ
Ａと称する）等が知られている。この内のＥＩＡは、測
定対象である抗原に対して特異的な抗体と酵素とを化学
的に結合させた標識抗体を用いる測定方法である。

この標識抗体を用いて体液中の抗原量を測定する操作方
法には様々な方法がある。

例えば、測定対象である抗原に対して特異的な抗体を何
等かの方法で固相上に固定化した抗体固定化固相を用意
し、その抗体固定化固相と測定対象である抗原を含む体
液とを反応させる。その時抗原は、抗原抗体反応によっ
て固相上の抗体と結合し固相トに捕捉される。−旦、固
相を洗浄し、体液中の余分な成分を除去した後、固相り
に捕捉された抗原と、この抗原に対して特異的な抗体と
酵素とを化学的に結合させた酵素標識抗体溶液とを反応
させると再度、抗原抗体反応を起こし、酵素標識抗体は
固相」二に捕捉される。

固相を洗浄することによって、未反応の酵素標識抗体は
固相上から分離され、固相上には体液中の抗原量に比例
した量の酵素標識抗体が残る。

そこに酵素の基質を添加することによって、酵素との化
学反応により生じる基質の変化量より、固相１−に捕捉
された酵素標識抗体の量が求められ最終的に検体中の抗
原量が推定される。

上記の測定原理は、一般にサンドインチ法と呼ばれる既
知の測定方法であり、多くの市販臨床検査用キットに応
用されている。

ＥＩＡは、ＲＩＡやＦＩＡが標識体を測定するための特
別な測定装置を必要とするのに対し、測定に用いる酵素
の基質に、酵素反応によって色相が大きく変化するもの
を用いれば、測定装置を用いることなく目視的に体液中
の特定抗原を測定することが可能であることから近年、
試験片等に抗体を固定化し、］二記のサンドイツチ法あ
るいは、その他の測定原理を応用して体液中の特定抗原
を目視的に、且つ簡便に測定する臨床検査用キットの開
発が行なわれている。

このような抗体を固定化するために、従来は担体として
ポリスチレンポール、ガラスピーズ、濾紙ｍ維が主に使
われてきた。殊に、ポリスチレンポールやガラスピーズ
の表面には免疫グロブリンのＦｃフラグメントが吸着し
易く、吸着したものが比較的安定であることから多くの
ＥＩＡキットの固相として用いられてきた。

しかし、疎水性のポリスチレンポールやガラスピーズの
表面に固定された抗体は、抗原との反応に長時間を要し
、かつ又抗体を固定化した後の担体を加工することが難
しいことから、本発明の目的とする簡便な臨床検査用キ
ントへの適用には不向きであった。

一般に簡便な臨床検査用キットに用いる担体としては、
濾紙繊維が知られている。例えば、特開昭６０−２４９
０５７号公報では、抗体をカルボニルジイミダゾールで
活性化したクロマトグラフィー用の濾紙に、抗体の燐酸
緩衝液を浸漬させることにより固定化抗体を得る方法が
開示されている。又、クリニカル・ケミストリー（Ｃｌ
ｉｎｉｃａｌＧｈｅｍｉｓｔｒｙ）　Ｖｏｌ、２９　、
ｐ　１５９８〜＋６０３　（＋９８３）には０．１Ｍ過
ヨウ素酸で活性化させた濾紙を抗体と反応させることに
より、固定化抗体を得る方法が開示されている。

しかし、これらの抗体固定化法は化学的にか紙を活性化
する操作を必要とするので、時間がかかり、且つ固定化
した担体表面にムラが生じ易いという問題点を有してい
た。更には、固定する抗体の変性や、化学修飾等の好ま
しくない影響が避けられないという欠点をも有していた
。

特開昭６１−２９２０５９号公報、特開昭６１１７３１
６０号公報には、ポリスチレンポールに抗体を結合し、
多孔質繊維Ｊ−に保持させた固定化抗体が開示されてい
る。

この固定化抗体を用いて得られた試験片は、検体として
尿、あるいは血清を用いる場合には有効であるが、血球
を含む全血を検体として用いる測定には、抗体固定部位
に血球が残るために、１］視的な簡易測定としては、そ
のままでは適用できない。従って、かかる試験片で血中
の特定抗原を測定するためには予め血清分離をする必要
があり、そのためには測定に要するよりも多量の血液が
必要となり、インキュベーターあるいは遠心分離装置等
の機器、及び分離に要する時間をも必要となる。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の第一の目的は、製造が容易で、なおかつ、固定
化した抗体が抗原と接触した時、反応が促進される固定
化抗体を提供することである。

本発明の第二の目的は、上記の固定化抗体を用いて体液
中の特定抗原をＥＩＡを用いて測定するための、製造が
簡単で、かつ全血を検体とした場合にも血球成分の影響
を受けないような試験片を提供することである。

［課題を解決するための手段］ 本発明者は、これらの条件を兼ね備えた固定化抗体及び
試験片を得るべく鋭意研究した結果、体液中の特定抗原
に対して特異的な抗体とスルホン化ｙれたポリエステル
樹脂を混合した固定化抗体を支持体りに塗布し、一定の
温度で乾燥後、得られた試験片が−１−記の性悦を４１
することを見出し本発明を完成した。

すなわち本発明の体液中の特異的抗原結合用固定化抗体
は、体液成分中の特定抗原を結合するための特異的抗体
と、該抗体の担体としてのスルホン化されたポリエステ
ル樹脂とよりなることを特徴とするものである。

一般に、高分子樹脂は有機溶媒に溶かして、塗料、イン
キ、フィルム、接着剤等の原料として使用されてきたが
、近年、有機溶媒の揮発による溶媒臭や引火による火災
の危険性などの見地からより安全な方向として水溶化に
ついての研究がなされてきた。

樹脂を水溶化するための手段としては、樹脂骨格中に親
水性の置換基を導入し、通常は親木基の塩の形で存在さ
せることが一般的であり、その親木基の形により大きく
二つの形、すなわちアニオン型とカチオン型に分けるこ
とができる。これらの水溶性高分子樹脂は、乳化剤を使
用することなく水溶液状態を得ることが可能であり、か
くして有機溶剤を使用しない純粋に水系の高分子樹脂液
ができることになった。

具体的な親木化の方策としては、初めから親木基の塩を
もった原料を使用する方法、例えば、５スルホイソフタ
ル酸・ナトリウム塩のようなジカルボン酸を共重合して
樹脂を得る方法や、塩を形成する能力を持った置換基を
予め導入しておいたのち親木化する方法、例えば、酸価
の高いポリエステルの残存カルボン酸をアルカリで中和
する方法等がある。更には、不飽和結合を持った高分子
樹脂に無機硫酸塩を付加するような高分子量化に直接無
関係な反応で親木基を導入する方法もある。

驚くべきことに、塗料やインク等の基材として開発され
たこのような水溶性高分子樹脂の中でも特にスルホン化
されたポリエステル樹脂は、体液中の特定抗原と結合す
る特異抗体と混合し、一定の厚さで塗布した後、一定の
温度で乾燥してフィルム状にすると、ある種の体液中の
高分子物質、例えば、赤血球等を除去する性能を有する
とともに、目的とする抗原をフィルム上の特異的抗体と
結合きせることかできることを見いだした。

本発明に使用するスルホン化されたポリエステル樹脂と
しては、例えば、大日本インキ化学工業■製のＦＩＮＥ
ＴＥＸ−ＥＳ　（商品名、ファインテックス−ＥＳ）が
特に良好である。

該樹脂は、例えば、テレフタル酸ジメチル６７９部、イ
ソフタル酸ジメチル２２３部、５−スルホイソフタル酸
ジメチル拳ナトリウム塩１０４部、エチレングリコール
４９６部、ジエチレングリコール２１２部、酢酸亜鉛０
．３部、三塩化アンチモン０．５部を混合し、窒素気流
下で１７０〜２００℃に加熱して反応させ、得られたポ
リエステル共重合体をアンモニア木で中和して得ること
ができる。

一般に、スルホン化ポリエステル樹脂のスルホン酸アル
カリ金属化合物含有率は、このポリエステル樹脂の水溶
化と、乾燥後のフィルムの強度との間の重要な因子とな
っている。

本発明に用いられる樹脂は、ポリエステル中の全カルボ
ン酸成分の３〜７．５モル％がエステル形成性スルホン
酸アルカリ金属化合物からなっていることが特徴で、水
溶化とフィルムの強度のバランスの点で、より好ましい
性質を有している。

従って、本発明の固定化抗体は、基材として親木性をも
った該ポリエステル樹脂を使っているため、検体と接触
した際の浸み込み速度が速く、従来のか紙に抗体を化学
的に結合させた固定化抗体に劣ることはない。

しかしながら別の面として、この固定化抗体のもともと
の骨格はポリエステルであるため、検体との接触によっ
て完全に再溶解することはなく、反応後の面は検体が通
った穴と固定化抗体の溶けた穴とが貫通しているものの
、元の樹脂骨格は残存した構造になっているので支持体
から剥離することがない。

又、抗原抗体反応後の洗浄効率は、従来の固定化抗体と
比較すると遥かに優れ、短時間の洗浄により、容易に検
体中の血球成分を除去することが可能である。

スルホン化されたポリエステル樹脂と抗体との混合液は
、支持体上に塗布することによって試験片として使用に
供するが、支持体としては、該混合液と化学的に反応し
ない一定の強度を持ったものが望ましく、特に、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリプロピレン、ポリスチレン等の水不溶性の高
分子化合物の形態のものが良好である。

［実施例］ 以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明する。

なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

実施例１．　　Ｃ反応性蛋白質（ｃｒｔｐ）ａ定則抗体
を固定化した試験片の製造及び全血 中のＣＲＰ測定 本発明の固定化抗体を用いた試験片の有効性をみるため
に、全血中のＣＲＰを測定するための試験片を作成し、
既知の抗体固定化か紙を用いた試験片との比較を行なっ
た。

〈Ｃ反応性蛋白質（ＣＲＰ）測定用固定化抗体〉１％抗
ＣＲＰヤキ抗体ペプシン分解物の０．０１Ｍ燐酸緩衝液
（ｐＨ７，２）　０．４２　ｍｌ、１０％ＢＳＡ含有０
．０１Ｍ燐酸緩衝液（ｐＨ７，２）　０．１　ｍｌ並び
にファインテックス−ＥＳ　　（犬日本インキ化学工業
輛製）０．５　ｍｌを混合し、本発明の固定化抗体を調
製した。

〈Ｃ反応性蛋白質（ＣＲＰ）測定用試験片〉上記の固定
化抗体溶液を縦８０ｍｍ　、横１６０ｍｍの白色のポリ
スチレンテレフタレートフィルムからなる支持体−にに
、幅１０　■、厚さ　１６０Ｐになるように適当な塗布
方法を使って横方向に塗布し、６０°Ｃで１０分間熱風
乾燥機中で乾燥させた。これを縦方向５　ｍｍ　ｖＡに
切断し、本発明による試験片とした。

〈抗体固定化濾紙を用いた試験片〉 又、既知の方法によって、過ヨウ素酸ナトリウムで活性
化した濾紙（ワンドマン社製３ＭＭ　ｃｈｒ、）と　１
％抗ＣＲＰヤキ抗体ペプシン分解物とを反応させること
により得られた抗体固定化ｒ紙を縦１０ｆｆ１１１、横
５ｍｍに切断し、従来の試験片を作成した。

〈全血中のＣＲＰ測定〉 ヒト腹水から精製したＣＲＰ　（シグマ社製）をヘパリ
ンを楕加した正常人の血液で希釈し、　４１１ｇ／ｍｌ
　、　［１４１１ｇ／ｍｌのＣＲＰ含有ヒト全血被検体
とし先に作成した本発明による試験片と従来の試験片の
各試験片に被検体１０ｖ２を適下し、２５°Ｃで１０分
間反応させた後、各試験片」この表面を蒸留水の洗瓶の
水流で洗浄した。この際、各試験片−■二の血球の除去
程度を肉眼にて観察した。

次に、過ヨウ素酸法で調製したペルオキシダーゼ標識−
抗ＣＲＰウサキ抗体１０解を各試験片に適下し、２５°
Ｃで１０分間反応させた。

各試験片」−の表面を蒸留水の洗瓶の水流で洗浄した後
、０．３％過酸化水素水を含む０−トリジン２ｔＪ酸塩
０．３１１ｇ／ｍｌの０．２Ｍ酢酸緩衝液（ｐＨ５，５
）ｔｏｐρを適下し、３０秒間反応させた。

第１表に、各試験片の血球の除去程度及び測定後の呈色
を比較した結果を示す。

以下余白 ｌ５ 第１表の結果より、本発明の試験片は洗瓶の水流によっ
て血球が完全に除去できるのに対して、従来の過ヨウ素
酸処理した濾紙試験片」−には血球が残り、完全に除去
することはできなかった。

呈色も本発明の試験片は、各濃度のＣＲＰを含有するヒ
ト全血検体で、いずれも鮮明な青い呈色が認められた。

これに対し、血球の残存した従来の試験片ではいずれも
ムラのある呈色で、濃度による呈色の差が明確にできな
かった。

実施例２．　フェノバルビッール測定用抗体を固定化し
た試験片の製造及び全血中のフ ー７パルビクール測定 〈フェノバルビッール測定用固定化抗体〉１％抗フェノ
バルビタールウサギ抗体ペプシン分解物の０．０ＩＭ燐
酸緩衝液（ｐＨ７，２）　０．７４　ｍｌ、１０％ＢＳ
Ａ含有０．ＯＩＭ燐酸緩衝液（ｐＨ７，２）　０．１　
ｍｌ並びにファインテックス−ＥＳ　　（大１１本イン
キ化学工業■製）０．５ｍｌを混合し、本発明の固定化
抗体を調製した。

〈フェノバルビッール測定用試験片〉 」二記の固定化抗体溶液を縦８０ＩＩ１ｍ、横１６０ｍ
ｍの白色のポリスチレンテレフタレートフィルムからな
る支持体上に、幅１１０ｌｌ１、厚さ　１６０−になる
ように適当な塗布方法を使って横方向に塗布し、６゜°
Ｃで１０分間熱風乾燥機中で乾燥させた。これを縦方向
５ｆｆｌＩ１幅に切断し、本発明による試験片とした。

〈全血中のフェノバルビクール測定〉 フェノパルビタールナトリウム塩（東京化成工業−製）
を、ヘパリンを添加した正常人の血液に添加し、５０１
１ｇ／ｍｌ濃度の被検体とする。

本試験片に被検体ＩＱｐｎを適下し、２５℃で１０分間
反応させた後、各試験片上の表面を蒸留水の洗瓶の水流
で洗浄した。試験片表面」二の血球は完全に除去された
。次に、混合酸無水物で調製したベルオキシターゼ標識
−フェノバルビタールの燐酸緩衝液溶液１０ｖ２を試験
片に適下し、２５℃で１０分間反応させた。試験片」二
の表面を蒸留水の洗瓶の水流で洗浄した後、０．３％過
酸化水素水を含む。

トリシン２塩酸塩０．３期／ｍｌの０．２ｘ酢酸緩衝液
（ｐＨ５，５）１０解を適下し、３０秒間反応させた。

その結果、希釈に用いた正常人全血を検体とした測定後
の呈色は、鮮明な青色の呈色が認められたのに対し、フ
ェノバルビタ゛−ルを５０１Ｊｇ／ａｌ添加した被検体
では、呈色が認められなかった。

［発明の効果］ 」二連の如く、本発明の体液中の特定抗原測定用固定化
抗体は、体液中の特定抗原を検出するための抗体の担体
としてスルホン化されたポリエステル樹脂を用いるため
、製造が容易であるとともに担体が親木性であるので検
体の浸み込み速度が速く、判定結果が正確、且つ迅速に
得られる。

又、全血を検体とした場合にも洗浄効率が優れており、
短時間の洗浄により容易に血球成分を除去することがで
きる。

更に、本発明の試験片は該固定化抗体を支持体上に塗布
するのみで容易に得ることができ、安価であるとともに
、構造も簡単なので種々の変形も容易であり、使い易く
信頼性が高い。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）体液中の特定抗原を測定するための特異的抗体と、
   該抗体の担体としてスルホン化されたポリエステル樹脂
   とよりなることを特徴とする体液中の特定抗原測定用固
   定化抗体 ２）スルホン化されたポリエステル樹脂中のスルホン基
   が、エステル形成性スルホン酸アルカリ金属化合物とし
   て全カルボン酸成分に対して３〜７．５モル％含有され
   ることを特徴とする請求項１記載の体液中の特定抗原測
   定用固定化抗体 ３）支持体上に請求項１又は請求項２の固定化抗体が塗
   布されたことを特徴とする体液中の特定抗原測定用試験
   片