JPH0235324Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、一対の可動球受部材を有し、両可動
球受部材の下方には各可動球受部材の一部によつ
て開閉される打球入賞部の球入口を各々配置した
パチンコ機の入賞装置に関するものである。

〈従来の技術〉 一対の可動球受部材を有し、該可動球受部材を
開閉することにより球の入賞し易さを換える入賞
装置は、チユーリツプという愛称で呼ばれ、従来
公知である。このチユーリツプは、球が入ると両
可動球受部材が開いて打球を受け入れ易い状態に
変換し、この状態で球が入賞すると両可動球受部
材が閉じて打球を受け入れ難い状態に復帰するよ
うに構成されている。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、従来のチユーリツプは、可動球
受部材を開閉して単に球の入り易さを換えるだけ
で、継続した比較的大きな利益を遊技者に与える
ことができず、昨今ではパチンコ遊技の興趣を十
分に高めることができなくなつてきている。この
ため、可動球受部材を基板の前面で180度宛回転
することにより打球の受け入れ易さを変換させる
所謂回転チユーリツプなどが提案されているが、
これらも実質的には打球の受け入れ易さを単に交
互に変換しているだけであつて、回転チユーリツ
プ単独の変換態様の面白味だけでパチンコ遊技の
内容に獲得できる利益に対して変化を与えて遊技
の興趣を高めるには不十分であつた。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記に鑑み提案されたもので、遊技盤
表面に取付ける基板に通孔を開設するとともに、
該通孔の前側左右に一対の可動球受部材を回動可
能に軸着し両可動球受部材の下方には各可動球受
部材の一部によつて開閉される打球入賞部の球入
口を各々配置し、基板の裏側には両可動球受部材
を回動して可動球受部材が球入口を塞いで遊技者
にとつて不利になる第１状態と、両可動球受部材
を回動して球入口を開放するとともに通孔に球を
案内し易くして遊技者にとつて有利となる第２状
態とに変換する変換手段を設け、上記可動球受部
材が第２状態に変換されることにより上記通孔に
打球が案内され易い状態になつたこと及び打球入
賞部の球入口に打球が流入可能状態になつたこと
を発光源の発光により可視表示する照明手段を備
えたものである。

〈作 用〉 常には両可動球受部材の一部が左右の球入口を
各々塞いで遊技者にとつて不利な第１状態で静止
しているが、例えば特定入賞口に打球が入賞する
と変換手段により両可動球受部材を回動して基板
の通孔に球を案内し易くするばかりでなく球入口
を開放して遊技者にとつて有利な第２状態に変換
する。そして、可動球受部材が第２状態に変換す
ると、照明手段の発光源が発光する。したがつ
て、遊技者は当該入賞装置を始終監視していなく
ても、照明手段の発光により視覚を通して可動球
受部材の第２状態を視認することができ、直ちに
打球飛距離調整をして開放している球入口にだけ
打球を順次入賞させて、利益の拡大を図れる遊技
を継続することができる。

〈実施例〉 以下本案を実施例の図面にもとづいて説明す
る。

パチンコ機１は、第１図で示すように、額縁状
前面枠２の前面に球供給皿３、打球の発射操作部
４などを有し、前面枠２の窓部を裏側から塞ぐよ
うにして設けた遊技盤５の表面にはガイドレール
６で囲まれた遊技部７を有する。そして、遊技部
７内には無数の障害釘（図示せず）、特定入賞口
８、変動入賞具９などを設ける。

したがつて、遊技者が球供給皿３に球を供給
し、発射操作部４を操作して打球発射装置１０を
作動させると、該打球発射装置１０が球供給皿３
から導かれた球を１個宛ガイドレール６を介して
遊技部７内へ発射する。遊技部７内に発射された
打球は障害釘に当りながら流下し、入賞装置９等
に入つて入賞球となつたり、或はそのまま流下し
てアウトロ１１に入つたアウト玉となる。入賞装
置９は遊技盤５表面に取付ける基板１２の表面上
方部分に横長な一対の可動球受部材１３，１３を
左右に棚状に並べて軸着し、該可動球受部材１
３，１３の下方には打球を誘導する誘導枠１４，
１４を設けることにより両可動球受部材１３，１
３の外側端部１３ｂ，１３ｂの下方に球入口１
５′，１５′が開口する打球入賞部１５，１５を形
成し、誘導枠１４，１４を打球が通過できる程度
左右に離隔することにより構成した流下路１６の
下方には打球の受部１７を形成し、該受部１７に
入賞口１８…を開設する。

可動球受部材１３は、一端を肉厚な外側端部１
３ｂに、他端を肉薄な内側端部１３ａに成形した
板部材であつて、後面の途中に支軸１９を植設す
るとともに、該支軸１９と内側端部１３ａとの途
中にガイドピン２０を植設したものである。この
可動球受部材１３を基板１２の前面側に取付ける
には、外側端部１３ｂを外側に、内側端部１３ａ
を内側に位置させ、ガイドピン２０を基板１２の
通孔２１内に挿通して基板裏側に突出させ、この
状態で支軸１９により回動可能に軸着する。な
お、右側に軸着した可動球受部材１３の内側端部
１３ａと左側に軸着した可動球受部材１３の内側
端部１３ａとの間隙は打球が通過できない間隔と
する。

また、基板１２の裏側には、上面に球流入口２
２を有し、下面に球排出口２３を有するケーシン
グ２４を前記通孔２１と連通状にして設け、該ケ
ーシング２４の内部には楔状回転板２５を軸２６
により軸着して成る変換手段を設ける。

楔状回転板２５は、前記可動球受部材１３，１
３の傾斜状態を変換するもので、左右両側部に
略々半円状のカム板２７，２７を有する。カム板
２７は、第３図及び第４図で示すように、楔状回
転板２５の薄肉先端部２５ａが基板１２の通孔２
１に臨んだときに回転板２５よりも上方に位置す
るように形成してあり、一方の外側面にはケーシ
ング２４側面に開設した半円弧状孔２８内に遊嵌
して停止位置を規制するためのピン２９を有し、
他方の外側面には永久磁石３０を有する。該永久
磁石３０はケーシング２４の側面に設けた他の永
久磁石３１との吸引作用により、楔状回転板を第
４図で示す状態、即ちカム板２７が楔状回転板２
５の上方に位置る状態に保持する。

したがつて、ガイドピン２０，２０をカム板２
７，２７上に載置すると、両可動翼１３，１３
は、第６図実線で示すように、対峙する内側端部
１３ａ，１３ａを高く、外側端部１３ｂ，１３ｂ
を低く位置する八字状に停止する第１状態とな
る。この状態においては可動球受部材１３，１３
の内側端部１３ａ，１３ａが通孔２１を遮るとと
もに、可動球受部材１３，１３の上面が外側に向
けて下り傾斜するので、打球が可動球受部材１
３，１３上に流下しても入賞しない状態、即ち遊
技者にとつて不利な状態となる。またこの第１状
態では、可動球受部材１３，１３の外側端部１３
ｂ，１３ｂが打球入賞部１５，１５の球入口１
５′，１５′を規制して打球入賞部１５への打球の
流入を阻止する。したがつて、打球が障害釘や回
転体（俗称風車）３２に弾れて球入口１５′，１
５′に飛来しても、該打球は打球入賞部１５，１
５に流入することはない。

この第１状態で打球が特定入賞口８に入ると、
該打球は、遊技盤５裏面に設けた案内樋３３内を
通つてケーシング２４上面の球流入口２２から楔
状回転板２５上に流下する。楔状回転板２５上に
打球が載ると、該打球は、楔状回転板２５上面の
傾斜により薄肉先端部２５ａに転動し、該先端部
２５ａに形成した第１受片３４に当つて停止す
る。打球が薄肉先端部２５ａに停止すると、該打
球の自重により楔状回転板２５が、永久磁石３
０，３１の吸引作用に抗して薄肉先端部２５ａを
下降する方向に回動する。そして楔状回転板２５
がほぼ90度回動して打球がケーシング２４下方の
球排出口２３に位置すると、該打球は受片３４か
ら外れて球排出口２３からケーシング２４の外部
に排出され、入賞球となる。この状態ではウエイ
ト３５の作用により楔状回転板２５の重心が軸２
６よりも基板１２側に位置しているので、楔状回
転板２５は更に回動し、第５図で示すように、厚
肉後端部２５ｂが基板１２の通孔２１に臨んでピ
ン２９が半円弧状孔２８の基板１２側に位置する
状態まで回動して停止する。この様にして回動板
２５が回動すると、一体的に設けたカム板２７も
同様に上方から下方に回動する。したがつて、ガ
イドピン２０はカム板２７の回動とともに下降す
る。ガイドピン２０が下降すると可動球受部材１
３が支軸１９を中心にして内側端部１３ａを下降
する方向に傾動し、第６図点線で示すように、内
側端部１３ａを低く、外側端部１３ｂを高い位置
する略Ｖ字状に停止する第２状態に変換する。可
動球受部材１３，１３がＶ字状に変換すると、対
峙する内側端部１３ａ，１３ａが通孔２１の開口
下端縁に臨んで該通孔２１を開放するとともに、
可動球受部材１３，１３の上面が通孔２１に向つ
て各々下り傾斜するので、可動球受部材１３，１
３上に打球が流下した場合は該打球を通孔２１に
案内し易い状態、即ち遊技者にとつて有利な状態
となる。

また、可動球受部材１３，１３が第２状態に変
換すると外側端部１３ｂ，１３ｂが上昇して、該
外側端部１３ｂ，１３ｂと誘導枠１４の傾斜上端
との間隔、即ち打球入賞部１５，１５の球入口１
５′，１５′が拡大され、該球入口１５′，１５′内
に打球が通過し得る間隔となる。したがつて、障
害釘や回転体３２によつて弾かれた打球が球入口
１５′，１５′に飛来すると、該打球は球入口１
５′，１５′から打球入賞部１５内に流入可能とな
る。そして、打球入賞部１５内に流入した打球
は、誘導枠１４上面の下り傾斜により転動して流
下路１６内に入り、該流下路１６内を流下して入
賞口１８…のいずれか入り入賞球となる。なお、
図示の実施例のように、特典入賞口１８′を設定
し、該特典入賞口１８′の上方には障害釘３６，
３６を植設することにより打球が特典入賞口１
８′に入り難いようにし、打球が運良く特典入賞
口１８′に入つた場合は遊技者に一層有利な特典
を付与するようにすると、打球入賞部１５への入
賞期待感を更に高めることができる。この場合の
特典としては、他の変動入賞装置３７…を打球が
入り易い状態に変換させることなどが考えられ
る。

本考案の実施例では基板１２の下部に設けた誘
導枠１４を透光性のあるプラスチツクで構成し、
この誘導枠１４の内部に発光源としてランプ３８
を設けて照明手段としてある。したがつて、上記
可動球受部材１３，１３が遊技者にとつて不利な
第１状態から遊技者にとつて有利な第２状態に変
換した場合にランプ３８，３８を点滅させるなど
発光させ、これにより可動球受部材１３，１３が
第２状態に変換したことを遊技者に可視表示する
ことができる。この様にすると、遊技者は入賞装
置９が第２状態に変換したという視覚を通して容
易に視認でき、直ちに打球の飛距離調整を開始し
球入口１５′，１５′へ打球が入賞するようにして
私益拡大が図れるし、またランプ３８，３８の発
光が装飾効果を発揮する。

一方、打球が可動球受部材１３，１３上に流下
して通孔２１内に入ると、該打球は基板１２の裏
側に排出して楔状回転板２５上に載り、該回転板
２５上面の下り傾斜により薄肉先端部２５ａに転
動し、該先端部２５ａに形成した第２受片３９に
当つて停止する。打野が薄肉先端部２５ａに停止
すると、該打球が自重により楔状回転板２５が薄
肉先端部２５ａを下降する方向に戻り回動する。
そして、楔状回転板２５がほぼ90度回転して打球
が球排出口２３に位置すると、該打球は球排出口
２３から排出されて入賞球となる。この状態にお
いては楔状回転板２５の重心が軸２６よりも後方
に位置しているので、楔状回転板２５は更に回動
し、薄肉先端部２５ａが通孔２１に臨んでカム板
２７が楔状回転板２５の上方に位置する状態に復
帰する。カム板２７が下方から上方に回動する
と、ガイドピン２０がカム板２７により持ち上げ
られて上昇する。この様にしてガイドピン２０，
２０が上昇すると、可動球受部材１３，１３が支
軸１９，１９を中心にして戻り傾動し、対峙する
内側端部１３ａ，１３ａを高く、外側端部１３
ｂ，１３ｂを低くして停止する第１状態、即ち、
打球を通孔２１内に受け入れない状態に復帰す
る。

また、可動球受部材１３，１３が第１状態に復
帰すると、外側端部１３ｂ，１３ｂと誘導枠１
４，１４の傾動上端との間隔即ち球入口１５′，
１５′を外側端部１３ｂ，１３ｂが規制して打球
を該球入口１５′，１５′から打球入賞部１５，１
５内に受け入れない状態に復帰する。つまり、遊
技者の利益拡大遊技が終了することになる。

この様に、入賞装置９は、可動球受部材１３，
１３の内側端部１３ａ，１３ａを高く、外側端部
１３ｂ，１３ｂを低くして静止（略八字状に停
止）すると、打球を通孔２１内に受け入れない第
１状態となり、この第１状態においては打球入賞
部１５，１５にも打球を受け入れない状態とな
り、一方、可動球受部材１３，１３の内側端部１
３ａ，１３ａを低く、外側端部１３ｂ，１３ｂを
高くして静止（略Ｖ字状に停止）すると、打球を
通孔２１内に入賞し易い第２状態となり、この第
２状態においては打球入賞部１５，１５にも打球
を受け入れ可能な状態となる。しかし、第２状態
で打球が通孔２１内に入ると可動球受部材１３，
１３が直ちに第１状態に復元してしまう。したが
つて、遊技者は入賞装置９の可動球受部材１３，
１３が第２状態となつたときは、打球入賞部１
５，１５に打球が入り、可動球受部材１３，１３
上に打球が流下しないように打球の飛距離を調整
した発射操作を行なつて大きな利益を得ることが
できる。

なお、上記実施例は、入賞装置９と打球入賞部
１５とを共通の基板１２上に一体的に設けたが、
本考案は入賞装置９と打球入賞部１５とを分離し
て設けてもよい。また、打球入賞部１５は、釘を
列状に植設して構成してもよい。更に、変換手段
は、可動球受部材１３，１３の状態を変換するこ
とができればどのような構成でもよい。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、遊技盤表
面に取付ける基板に通孔を開設するとともに、該
通孔の前側左右に一対の可動球受部材を回動可能
に軸着し、両可動球受部材の下方には各可動球受
部材の一部によつて開閉される打球入賞部の球入
口を各々配置し、基板の裏側には両可動球受部材
を回動して可動球受部材が球入口を塞いで遊技者
にとつて不利になる第１状態と、両可動球受部材
を回動して球入口を開放するとともに通孔に球を
案内し易くして遊技者にとつて有利となる第２状
態とに変換する変換手段を設けたので、可動球受
部材が第２状態に変換した場合には打球が基板の
通孔に入賞し易くなるばかりでなく、球入口が開
放されてここからも打球が入賞できる。したがつ
て、従来のチユーリツプと比較すると、遊技内容
の多様化を図ることができ、且つ利益を拡大でき
る遊技が遊技者の各人の技量に応じて継続される
ので、利益拡大意欲が惹起されてパチンコ遊技の
興趣を従来になく高めることができる。

また、本考案は、可動球受部材が遊技者にとつ
て有利な第２状態に変換されことにより基板の通
孔に打球が案内され易い状態になつたこと及び打
球入賞部の球入口に打球が流入可能状態になつた
ことを発光源の発光により可視表示する照明手段
を備えているので、遊技者は、常時、入賞装置を
凝視していなくても、発光源の発光により視覚を
通じて第２状態への変換を直ちに視認することが
できる。しがつて、発光源の発光が視認されると
速やかに打球飛距離を調整して打球入賞部の球入
口を狙う遊技に切り替え、通孔に打球が案内され
ないようにし、少ない打球の発射で大量の賞球を
獲得可能なチヤンスの発生を確実に報知すること
ができ、遊技者にとつては極めて実用価値が高
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はパチンコ機の正面図、第２図は入賞装置の第１
状態における斜視図、第３図は楔状回転板の斜視
図、第４図は第１状態における入賞装置の断面
図、第５図は第２状態における入賞装置の断面
図、第６図は入賞装置の正面図である。 図中、１はパチンコ機、５は遊技盤、６はガイ
ドレール、７は遊技部、９は入賞装置、１３は可
動球受部材、１５は打球入賞部、１５′は球入口、
３８は発光源として設けたランプである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 遊技盤表面に取付ける基板に通孔を開設すると
   ともに、該通孔の前側左右に一対の可動球受部材
   を回動可能に軸着し、両可動球受部材の下方には
   各可動球受部材の一部によつて開閉される打球入
   賞部の球入口を各々配置し、基板の裏側には両可
   動球受部材を回動して可動球受部材が球入口を塞
   いで遊技者にとつて不利になる第１状態と、両可
   動球受部材を回動して球入口を開放するとともに
   通孔に球を案内し易くして遊技者にとつて有利と
   なる第２状態とに変換する変換手段を設け、上記
   可動球受部材が第２状態に変換されることにより
   上記通孔に打球が案内され易い状態になつたこと
   及び打球入賞部の球入口に打球が流入可能状態に
   なつたことを発光源の発光により可視表示する照
   明手段を備えたことを特徴とするパチンコ機の入
   賞装置。