JPH0234425Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、都市ガス等のガスを燃料とする２サ
イクルガスエンジンの給気装置に関するものであ
る。

２サイクルガスエンジンでは、燃料混合気の吹
き抜けを防止するために、掃気行程の初期に、ク
ランク室より送出される混合気に先立つて、シリ
ンダの掃気口とクランク室とを接続する掃気路に
外気導入路を介して導入された、燃料が含まれて
いない空気を噴出して燃焼ガスを吹き払い、次い
で、混合気をシリンダ内に噴出させるようにした
ものがある。また、かかる２サイクルガスエンジ
ンではガス燃料と空気との混合は燃料−空気混合
装置のベンチユリー部で行われ、その混合気は混
合気吸入路を経てクランク室に流入する。供給さ
れる燃料量はベンチユリー部の負圧により決まる
が、低速回転域から高速回転域、低負荷運転域か
ら高負荷運転域までの全運転域において適正な混
合気とするためには、このベンチユリー部の負圧
による燃料量のみの制御だけでは十分でなく、混
合気吸入路へ空気も流入させる必要がある。燃料
−空気混合装置を高負荷運転域に適合させると、
低負荷運転域では混合気が濃厚になりすぎるの
で、混合気吸入路のスロツトル弁よりクランク室
寄りの下流部分に負圧路を接続して大気に連通さ
せスロツトル弁下流の負圧に応じて空気を供給す
る。

空気を機関に供給する際は、大気中の塵埃を除
去するためにエアクリーナを通過させる。そし
て、混合気吸入路の上流側にはエアクリーナが配
置されており、このエアクリーナに上記外気導入
路および負圧路の他端をそれぞれ接続すると、エ
アクリーナの容量を極端に大きくしない限り所要
の掃気路および混合気吸入路への空気量が不足す
ることがあり、また、混合気吸入路と外気導入路
が連通されるため燃料が外気導入路へ逆流する虞
があることが本考案者の実験の結果判明した。

そこで、本考案は上記の事情に鑑みガス燃料と
空気とを適正な混合気とし掃気行程の初期に適量
の空気量を掃気口からシリンダ内へ噴出させ燃料
混合気の吹き抜けを防止するようにし、しかも供
給空気量は全運転域において適量で、且つ、燃料
の混合気吸入路から外気導入路への逆流を防止す
べく、外気導入路と混合気吸入路のスロツトル弁
よりクランク室寄りの下流部分に接続した負圧路
とを連通させて、混合気吸入路の上流側のエアク
リーナとは別箇のエアクリーナに接続したもので
ある。

以下、本考案を添付する図面に示す具体的な実
施例に基いて詳細に説明する。

この２サイクルガスエンジンのシリンダ１の周
面に開口した掃気口２はクランク室３に掃気路４
で接続する。また、燃料−空気混合装置５を備え
る混合気吸入路６をクランク室３に連通させ、混
合気吸入路６の上流側に大気中の塵埃を除去する
エアクリーナ７を設け、混合気吸入路６の燃料−
空気混合装置５の下流側にスロツトル弁８を配置
し、クランク室３内が負圧になると空気はエアク
リーナ７を経て燃料−空気混合装置５に流し、そ
のベンチユリー部に負圧を生じしめ、そこで燃料
を吸引して空気と燃料とが混じり混合気となり、
クランク室３に供給される。

掃気路４の掃気口寄り部は外気導入路９を介し
て、前記混合気吸入路６の上流側のエアクリーナ
７と別箇で、それより小容量のエアクリーナ１０
に連通接続し、外気導入路９の掃気路寄り部は混
合気吸入路６と平行状に配置し、そこに前記スロ
ツトル弁８の回動軸を延設してスロツトル弁８と
ほぼ同位相で流路を開閉する空気制御弁１１を設
ける。また、低負荷運転域における濃厚な混合気
を空気を供給して希釈して適正な混合気とするた
めに、混合気吸入路６のスロツトル弁８よりクラ
ンク室寄りの下流部分１２に負圧路１３の一端を
開口し他端を前記外気導入路９のエアクリーナ寄
り部に連通接続する。

符号１４は排気ポート、１５はクランク軸、１
６はピストン、１７はコンロツド、１８はシリン
ダブロツクをそれぞれ示す。

次に、作動について説明する。

混合気は、クランク室３の負圧によりエアクリ
ーナ７を経て混合気吸入路６の燃料−空気混合装
置５のベンチユリー部に流入した空気が、そこに
負圧を生ぜしめ燃料を吸引し混合して生起し、ク
ランク室３に供給される。

外気導入路９は掃気路４の掃気口寄り部に連通
接続されており、混合気吸入路６上流側エアクリ
ーナ７とは別箇のエアクリーナ１０を経て外気導
入路９に流入した燃料を全く含まない空気は、掃
気行程の初期にクランク室３より送出される混合
気に先立つて掃気口２よりシリンダ１内に噴出し
燃焼ガスを吹き払う。シリンダ１内に噴出する空
気量は外気導入路９の掃気路寄り部にスロツトル
弁８と連動する空気制御弁１１が設けてあり、ま
た、この空気制御弁１１はスロツトル弁８とほぼ
同位相で流路を開閉するように設定してあるの
で、スロツトル弁８が開き混合気を多量に供給す
る高負荷運転時には空気制御弁１１も開き、多量
の空気をシリンダ１内に噴出し、スロツトル弁８
の開度が小さい低負荷運転時には空気制御弁１１
も同様に開度が小さく少量の空気をシリンダ１内
に噴出させるようにし、低負荷運転時には外気導
入路９から流入する空気量が過多となつて、熱効
率が下つたり、エンストが起こらないようにして
ある。

低負荷運転時には、燃料−空気混合装置５を高
負荷運転域に適合するように設定していると、混
合気が濃厚になりすぎるので、負圧路１２を混合
気吸入路６のスロツト弁８よりクランク室寄りの
下流部分１２に開口し、下流部分１２の負圧によ
りエアクリーナ１０から負圧路１３を経て空気を
供給し適正な混合気とする。この下流部分１２に
供給する空気量は、そこの負圧の程度に応じて決
まり、スロツトル弁８の開度が小さい低負荷運転
時には下流部分１２は負圧が大きく負圧路１３よ
り多量の空気が流入し、スロツトル弁８の開度が
大きくなるに従い下流部分１２の負圧は小さくな
り流入する空気量も減少する。

本考案は、上述のように、掃気行程の初期にク
ランク室よりシリンダ内へ送出される混合気に先
立つて燃焼ガスを吹き払う空気を導く外気導入路
と、濃厚な混合気を希釈する空気を供給する混合
気吸入路のスロツトル弁の下流部分に開口する負
圧路とを連通接続して、混合気吸入路上流側エア
クリーナとは別箇のエアクリーナに接続したか
ら、掃気路および混合気吸入路への空気量が不足
することは皆無となる。混合気吸入路上流側エア
クリーナとは別個のエアクリーナに接続したか
ら、掃気行程の初期に適量の空気量を掃気口から
シリンダ内へ噴出させ燃焼効率を向上させ、しか
も供給空気量は全運転域において適量である。そ
の上、混合気吸入路と外気導入路とを空気の供給
に関し積極的に別系統としたため混合気吸入路か
ら燃料が外気導入路へ逆流することは全くなくな
り、燃料混合気の吹き抜けを防止し、燃料消費率
を改善する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の具体的な一実施例で、第１図は
その縦断正面図、第２図はその縦断側面図であ
る。 １……シリンダ、２……掃気口、３……クラン
ク室、４……掃気路、９……外気導入路、６……
混合気吸入路、８……スロツトル弁、１２……下
流部分、１３……負圧路、７……エアクリーナ、
１０……エアクリーナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダの周壁に開口した掃気口とクランク室
   とを掃気路で接続し、掃気路の掃気口寄り部を外
   気導入路を介して大気に連通させる２サイクルガ
   スエンジンにおいて、前記外気導入路と、クラン
   ク室に連通接続される混合気吸入路のスロツトル
   弁よりクランク室寄りの下流部分に接続した負圧
   路とを連通させて、外気導入路と負圧路とを、混
   合気吸入路の上流側のエアクリーナとは別箇のエ
   アクリーナに接続したことを特徴とする２サイク
   ルガスエンジンの給気装置。