JPH0114736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は都市ガス等のガスを燃料とする２サイ
クルガスエンジンの給気装置に関するものであ
る。

ガソリンは着火性が良く燃焼させやすいが、特
に都市ガスはガソリンに比して着火性が悪く燃焼
させにくく、都市ガスと空気との混合による混合
気の生成および運転域に適合した混合気に調整す
るための空気の供給には細かい配慮が必要であ
る。

混合気を生成する際は十分な空気量を要し、吸
気に慣性を持たせ体質効率を増すために、吸気管
を長く設定すればよいが、吸気管を長くすると脈
動を生じて安定した性能が得られない。

また、かかる２サイクルガスエンジンでは都市
ガス燃料と空気との混合は燃料−空気混合装置の
ベンチユリー部で行なわれ、その混合気は混合気
吸入路を経てクランク室に流入する。供給される
燃料量はベンチユリー部の負圧により決まるが、
低速回転域から高速回転域、低負荷運転域から高
負荷運転域までの全運転域において適正な混合比
の混合気とするためには、このベンチユリー部の
負圧による燃料量のみの制御だけでは十分でなく
混合気吸入路へ空気も流入させる必要がある。燃
料−空気混合装置を高負荷運転域に適合させる
と、低負荷運転域では混合気が濃厚になりすぎる
ので、混合気吸入路のスロツトル弁よりクランク
室寄りの下流部分に負圧管を接続して大気に連通
させスロツトル弁下流の負圧に応じて空気を供給
する。この空気の供給はその負圧により大気より
供給されるものであるから、負圧管が長いと流路
抵抗が大きく吸入される空気量が過少となる。

そこで、本考案は上記の事情に鑑み、２サイク
ルガスエンジンにおいて、吸入空気に吸気慣性を
持たせ体積効率を増しても脈動を生じず安定した
性能を得るため、混合気吸入路上流端にサージタ
ンクを設け、長い吸気管を介して主エアクリーナ
を接続し、低負荷運転時に混合気吸入路のスロツ
トル弁の下流部分へ空気を供給する副エアクリー
ナを設け、スロツトル弁の下流部分と副エアクリ
ーナとを短かい負圧管で連通させ、下流部分の負
圧に正確に応じた空気量を供給するようにしたも
のである。

以下、本考案を添付する図面に示す具体的な実
施例に基いて詳細に説明する。

この２サイクルガスエンジンのシリング１の周
面に開口した掃気口２はクランク室３に掃気路４
で接続する。また、燃料−空気混合装置５を備え
る混合気吸入路６をクランク室３に連通させ、燃
料−空気混合装置５の下流側にスロツトル弁７を
配置し、クランク室３内が負圧になると空気は燃
料−空気混合装置５に流入し、そのベンチユリー
部に負圧を生じしめそこで燃料を吸引して空気と
燃料とが混じり混合気となり、クランク室３に供
給される。

混合気吸入路６の上流側は機関本体から水平状
に突出し、その上流端に流入した空気を緩衝し、
通常使用されるエアクリーナより小型で、円筒状
筐体のサージタンク８を設ける。吸入空気中の塵
埃を除去する主エアクリーナ９と前記サージタン
ク８とを吸入される空気に慣性を持たせるに十分
な程度の長さを有する吸気管１０で接続連通す
る。吸気管１０のサージタンク８への接続は、サ
ージタンク８内に流入した空気の脈動を十分に緩
衝させるため接線方向に行うとより一層効果的で
ある。

燃料−空気混合装置５を高負荷運転域に適合す
るように設定すると、低負荷運転域では混合気が
濃厚になりすぎるので、それに空気を供給して希
釈して適正な混合比の混合気とするために、混合
気吸入路６のスロツトル弁７よりクランク室寄り
の下流部分１１に負圧管１２の一端を接続させ
る。サージタンク８に主エアクリーナ９より小容
量の副エアクリーナ１３を取付け、前記負圧管１
２の他端を接続連通させ、吸入する空気量をスロ
ツトル弁７下流側の負圧に正確に応じさせるため
負圧管１２を可及的に短かく設定する。

符号１４はガス口ガバナー、１５は排気ポー
ト、１６はマフラ、１７はクランク軸、１８はピ
ストン、１９はコンロツド、２０はシリンダブロ
ツクをそれぞれ示す。

一方、混合気吸入路のスロツトル弁を電子ガバ
ナにより開閉制御する際、スロツトル軸の近傍に
他の機器が配置してあつて、電子ガバナを直接連
結できない場合は、スロツトル軸と離れた位置に
電子ガバナを設置し、ベルト・プーリ、ギヤー、
ワイヤー、リンク、チエーン・スプロケツト等を
介在させてスロツトル弁を駆動させることができ
る。

次に、作動について説明する。

混合気は、クランク室３の負圧により主エアク
リーナ９、吸気管１０、サージタンク８を経て混
合気吸入路６の燃料−空気混合装置５のベンチユ
リー部に流入した空気がそこに負圧を生じしめ燃
料を吸引し混合して生起し、クランク室３に供給
される。

低負荷運転時には、燃料−空気混合装置５を高
負荷運転域に適合するように設定していると、混
合気が濃厚になりすぎるので、負圧管１２が混合
気吸入路６のスロツトル弁７よりクランク室寄り
の下流部分１１に開口してあり、下流部分１１の
負圧により副エアクリーナ１３から負圧管１２を
経て空気を供給し適正な混合比の混合気とする。
この下流部分１１に供給する空気量はそこの負圧
の程度に応じて決まり、スロツトル弁７の開度が
小さい低負荷運転時には下流部分１１は負圧が大
きく負圧管１２より多量の空気が流入し、スロツ
トル弁７の開度が大きくなるに従い下流部分１１
の負圧は小さくなり流入する空気量も減少する。

本考案は、上述のように、混合気吸入路にサー
ジタンク、長い吸気管、主エアクリーナを接続連
通しているので、主エアクリーナから吸入された
空気は長い吸気管を通過する際、十分な慣性を持
つてサージタンクに流入し体積効率を増し、しか
も、その空気はサージタンク内で緩衝調圧されて
脈動を生じることなく安定した性能が得られる。

また、混合気吸入路のスロツトル弁の下流部分
と副エアクリーナとを短かい負圧管で連通させた
から流路抵抗が小さくスロツトル弁の下流部分の
負圧に正確に応じた空気量が供給でき空気量が過
少となることはない。

さらに、混合気吸入路への空気の供給と、スロ
ツトル弁の下流部分への空気の供給とを主エアク
リーナ、副エアクリーナの別系統としたため他の
供給系の影響を全く受けず空気量が不足すること
は皆無である。

本考案の給気装置では機関本体の側方に通常使
用されるエアクリーナより小型のサージタンクを
配置し主エアクリーナは長い吸気管で接続したか
ら、主エアクリーナは任意の箇所に設置すること
が可能となり場所的制約を解消できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の具体的な一実施例で、第１図は
その縦断正面図、第２図は縦断側面図である。 ３……クランク室、６……混合気吸入路、８…
…サージタンク、１０……吸気管、９……主エア
クリーナ、１３……副エアクリーナ、７……スロ
ツトル弁、１１……下流部分、１２……負圧管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランク室に連通接続される混合気吸入路の上
   流端にサージタンクを設け、サージタンクに比較
   的長い吸気管を介して主エアクリーナを接続する
   と共に、副エアクリーナを設けてこの副エアクリ
   ーナと混合気吸入路のスロツトル弁よりクランク
   室寄りの下流部分とを短かい負圧管で接続連通さ
   せたことを特徴とする２サイクルガスエンジンの
   給気装置。