JPH0234358Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、集合住宅におけるバルコニーにお
ける隔板固定用の排水縦枠の構造に関するもので
ある。

〔従来技術〕

従来から集合住宅のバルコニーには住戸境へ隔
板が取付けられており、また一般的にこの隔板の
近傍に排水用の縦樋が設けられている。

そしてこの従来の隔板および樋としては、第３
図および第４図に示すものが一般に知られてい
る。

即ち隔板１は、上下バルコニースラブ２，３の
室外側端部２ａ，３ａ間へ設けた支持枠４に、隔
板１の室外側端部１ａを固定して取付けられてい
る。

また樋５は、隔板１が取付けられている近傍の
建物躯体６へ設けられている排水用の縦樋７と、
バルコニースラブ２，３の室外側端部２ａ，３ａ
上面に形成されている集水溝８および集水孔９か
らの雨水を縦樋７へ導く呼び樋１０とからなつて
いる。

〔この考案が解決すべき問題点〕

しかし樋５の縦樋７および呼び樋１０が、建物
躯体６やバルコニースラブ２，３から露出してお
り体裁が良くなかつた。

また縦樋７および集水孔９と呼び樋１０との継
手部１１における止水作業が面倒であることと、
縦樋７、呼び樋１０、継手部１１等の部品数が多
いこととから、樋５の取付け作業に多くの時間を
必要とし、費用も多くかかる等の問題点があつ
た。

この考案は前述した事情に鑑み創案されたもの
で、その目的は構造が簡単で体裁が良く、また容
易に取付けることができ、しかも確実に排水を行
えるバルコニーにおける隔板固定用の排水縦枠構
造を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は隣設住戸との境に設けられる隔板の
固定用であり、上下バルコニースラブの室外側端
部へ取付けられている縦枠に、前記バルコニース
ラブ上面からの雨水の排水用縦孔が形成してある
ことを特徴とするバルコニーにおける隔板固定用
の排水縦枠である。そしてこの考案にむれば従来
から隔板を固定する縦枠に排水用縦孔を形成し、
この縦枠へバルコニースラブ上面雨水の排水をな
さしめ、従来の樋として取付けられている縦樋、
呼び樋、継手部等の部材を不用としたものであ
る。

〔実施例〕

以下この考案を図示する実施例によつて説明す
る。

集合住宅１２のバルコニー部１３には、隣設住
戸との境に隔板１４が取付けられている。この隔
板１４の取付けは、建物躯体の柱部１５に設けら
れている支持具１６と、上下バルコニースラブ１
７，１８の室外側端部１７ａ，１８ａ間に設けら
れている支持用の縦枠１９とにより行われてい
る。

この縦枠１９は、内部に上下階の縦枠１９，１
９へ連通している排水用の縦孔２０が設けられて
いるとともに、下端がバルコニースラブ１７，１
８の室外側端部１７ａ，１８ａ上面に形成されて
いる集水溝８位置へ取付けられている。そして下
端取付位置には、集水溝８と縦枠２０とを連通し
ている排水孔２１が形成されている。

このような構成からなる縦枠１９によればバル
コニースラブ１７，１８上面の雨水はまず集水溝
８へ流れ、次にこの集水溝８から縦枠１９の排水
孔２１へ流れ、そしてこの排水孔２１から縦孔２
０へ流れることで外部へ排出される。

なお縦枠１９の形状・構成は、この実施例のも
のに限らず、隔板１４の取付け用である縦枠１９
とバルコニースラブ１７，１８とが一体化されて
いるものならばどのようなものでもよい。

この実施例は、縦枠１９の内部に縦孔２０を設
けたので外観からは隔板１４を支持する縦枠１９
だけ見えることとなり、体裁が良い。

〔考案の効果〕

この考案は以上のような構成からなり、次に述
べる効果を有する。

集合住宅バルコニーにおける隔板取付用の縦
枠に同じバルコニーの排水用樋となる縦孔を一
体的に設けたことにより、従来排水用に建物躯
体へ露出して取付けられていた樋である縦樋、
呼び樋、継手部が不用となり、集合住宅バルコ
ニー部の外観が体裁良くなる。

隔板の支持用縦枠は、隔板が隣設住戸との目
穏しであつてバルコニーの全幅に設ける必要が
あることから、バルコニーの室外側端部へ取付
けられている。

そのため同じくバルコニーの室外側端部上面
に形成されている雨水の集水溝位置となり、特
に集水溝から縦孔へ雨水を導くための部材を取
付ける必要がなく、縦枠へ排水孔を設けるだけ
ですむ。またこのことから隔板取付け用である
縦枠の取付作業だけでよい。

呼び樋やその継手部などが必要なくなり排水
用の縦枠だけとなることは、途中で詰ることが
漏水が少なくなつて排水を確実に行うことがで
きるとともに、保守や止水作業の手間も少なく
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の集合住宅のバルコニー部を
示す縦断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面
図、第３図は従来の集合住宅のバルコニー部を示
す縦断面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ線断面図で
ある。 １……隔板、２……上バルコニースラブ、２ａ
……室外側端部、３……下バルコニースラブ、３
ａ……室外側端部、４……支持枠、４ａ……室外
側端部、５……樋、６……建物躯体、７……縦
樋、８……集水溝、９……集水孔、１０……呼び
樋、１１……継手部、１２……集合住宅、１３…
…バルコニー部、１４……隔板、１５……柱部、
１６……支持具、１７……上バルコニースラブ、
１７ａ……室外側端部、１８……下バルコニース
ラブ、１８ａ……室外側端部、１９……縦枠、２
０……縦孔、２１……排水孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 隣設住戸との境に設けられる隔板の固定用であ
   り、上下バルコニースラブの室外側端部へ取付け
   られている縦枠に、前記バルコニースラブ上面か
   らの雨水の排水用縦孔が形成してあることを特徴
   とするバルコニーにおける隔板固定用の排水縦
   枠。