JPH0233963Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はキヤスターの上部外周部を覆う半円弧
状のカバー体を有するキヤスター支持台を鋳造成
形するキヤスター支持台鋳造用ダイカスト金型に
関する。

「従来の技術」 この種のキヤスター支持台は従来、左・右半分
に分割した形状のキヤビテイを固定金型と可動金
型との間に形成したダイカスト金型を用いて鋳造
成形していた。このため、カバー体の上面略中央
部に可動金型と固定金型の合せ目部によつてでき
るバリやラインが生じ、鋳造成形だけではカバー
体の上面をきれいに仕上げることができないとい
う欠点があつた。

「本考案の目的」 本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、キヤ
スター支持台のカバー体の上面をきれいな面に仕
上げて商品価値を高めることのできるキヤスター
支持台鋳造用ダイカスト金型を得るにある。

「本考案の目的を達成するための手段」 本考案は半円弧状のカバー体と、このカバー体
内に一体成形されたキヤスターの軸受部材とから
なるキヤスター支持台鋳造用ダイカスト金型にお
いて、前記カバー体の外周部を固定金型に形成し
た凹部で形成するとともに、キヤスターの軸受部
材を可動金型に備えられたスライド中子で形成さ
れる凹部で形成したことを特徴としている。

「本考案の実施例」 以下、図面に示す実施例により、本考案を詳細
に説明する。

第１図ないし第４図の実施例において、１は固
定金型で、この固定金型１にはキヤスター支持台
のカバー体を形成する凹部２と、この凹部２内へ
溶湯を供給する溶湯供給装置（図示せず）のノズ
ル３と連通する湯道４と、支柱挿入孔を形成する
ピン５とが形成されている。

６，６は前記固定金型１に固設された外方へ傾
斜する傾斜ピンである。７は前記固定金型１に型
締め型開き可能に備えられた可動金型で、この可
動金型７には前記傾斜ピン６，６が挿入される挿
入孔８，８が形成され、該可動金型７の型締め型
開き動作によつて開閉方向にスライドするスライ
ド中子９，９Ａが備えられている。

前記スライド中子９，９Ａには型締め時にキヤ
スターの軸受部材を形成する凹部１０、カバー体
の内壁面を形成する内壁面形成部１１および軸孔
を形成するピン１２とが形成されている。

１４は前記可動金型７を型締め型開き方向に移
動させる可動金型作動装置で、この可動金型作動
装置１４は可動金型７を直接作動させる油圧シリ
ンダーであつても良く、可動金型７にリンク機構
を介した油圧シリンダーであつても良い。

１５は前記スライド中子９Ａに備えられた型開
き時に該スライド中子９Ａに付着した、鋳造成形
されたキヤスター支持台１６を外す押出し装置
で、この押出し装置１５はスライド中子９Ａに形
成された複数個の押出しピン挿入孔１７と、この
押出しピン挿入孔１７にそれぞれ挿入された押出
しピン１８と、この押出しピン１８を、型締め時
にはスライド中子９Ａの先端部と先端部が一致す
るように位置させ、型開き時には突出させる電磁
弁が油圧シリンダー等の押出し機構１９とから構
成されている。

上記構成のキヤスター支持台鋳造用ダイカスト
金型は可動金型作動装置１４を作動させて、可動
金型７を固定金型１に所定の押圧力で押圧し型締
め状態とする。この状態ではスライド中子９，９
Ａは傾斜ピン６，６によつて内側方向へスライド
してキヤスター支持台が鋳造成形されるキヤビテ
イ２０が形成される。

この状態で、溶湯供給装置（図示せず）が作動
し、ノズル３、湯道４を介して溶湯がキヤビテイ
２０内へ圧入される。キヤビテイ２０内へ圧入さ
れた溶湯が凝固した所で、第４図に示すように可
動金型作動装置１４を作動させて、可動金型７を
固定金型１より離し型開きを行なう。この型開き
によつてキヤビテイ２０で鋳造成形されたキヤス
ター支持台１６はスライド中子９Ａに付着した状
態で移動するので、固定金型１より外れるととも
に、スライド中子９，９Ａが傾斜ピン６，６の傾
斜によつて外方向へスライドする。このスライド
中子９，９Ａの外方向の移動によつて鋳造成形さ
れたキヤスター支持台１６はスライド中子９とも
外れる。

この状態で押出し装置１５が作動し、押出しピ
ン１８が突出するため、第５図ないし第９図に示
すように鋳造成形された半円弧状のカバー体２１
と、この半円弧状のカバー体２１の内壁略中央部
に形成された軸受部２２を有する軸受け部材２３
と、前記カバー体２１の略中央部よりの外側寄り
の位置に形成された支柱挿入孔２４とからなるキ
ヤスター支持台１６はスライド中子９Ａからも外
れ下方へ落下する。しかる後、押出し装置１５を
元の状態に戻すとともに、可動金型作動装置１４
を可動させて型締め状態とし、前述の動作を繰返
して、次々とキヤスター支持台１６を鋳造成形す
る。

「本考案の効果」 以上の説明から明らかなように、本考案にあつ
ては次に列挙する効果がある。

(1) 固定金型にキヤスター支持台のカバー体の上
面を形成する凹部を形成したので、従来のよう
にカバー体の略中央部より分割したものと比
べ、きれいな仕上がり面が要求されるカバー体
の上面を、きれいな面になるように鋳造成形す
ることができる。したがつて、従来と比べ、鋳
造成形後の後処理が容易になり、コストの低減
を図ることができる。

(2) 前記(1)によつて、商品価値の高いキヤスター
支持台を鋳造成形することができる。

(3) スライド中子の内側面でキヤスターの軸受部
材を成形するため、スライド中子の加工で良
く、従来の可動金型を加工するものに比べ、加
工が容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略断面図、
第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿う概略断面図、第
３図は第２図のＢ−Ｂ線に沿う概略断面図、第４
図は型開き状態を示す概略断面図、第５図ないし
第９図は鋳造成形されたキヤスター支持台を示す
正面図、平面図、底面図、第６図のＣ−Ｃ線に沿
う断面図、第５図のＤ−Ｄ線に沿う断面図であ
る。 １……固定金型、２……凹部、３……ノズル、
４……湯道、５……ピン、６……傾斜ピン、７…
…可動金型、８……挿入孔、９，９Ａ……スライ
ド中子、１０……凹部、１１……内壁面形成部、
１２……ピン、１３……ピン、１４……可動金型
作動装置、１５……押出し装置、１６……キヤス
ター支持台、１７……押出しピン挿入孔、１８…
…押出しピン、１９……押出し機構、２０……キ
ヤビテイ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 半円弧状のカバー体と、このカバー体内に一体
   成形されたキヤスターの軸受部材とからなるキヤ
   スター支持台鋳造用ダイカスト金型において、前
   記カバー体の外周部を固定金型に形成した凹部で
   形成するとともに、キヤスターの軸受部材を可動
   金型に備えられたスライド中子で形成される凹部
   で形成したことを特徴とするキヤスター支持台鋳
   造用ダイカスト金型。