JPH0539815Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ダイキヤスト金型にバキユーム源に
連なるガス抜き弁を設けて、キヤビテイのガス抜
きをするようにしたダイキヤスト金型装置に関す
る。

（従来の技術） 従来、この種のダイキヤスト金型装置として、
実開昭60−115662号公報や特開昭61−23563号公
報や特開昭62−6751号公報により、該ガス抜き通
路を、弁体と、該弁体の弁杆を周囲に間隔を存し
て挿通する弁孔を有する、該両金型とは別体のバ
ルブシートとから成るガス抜き弁により開閉する
ようにしたものは知られているが、このものでは
バルブシートを一方の金型に固定するを一般とし
ている。

ところで、溶湯の注入完了時点で溶湯はバルブ
シートに当接して閉じ状態に存する弁体に到達し
てそのまま凝固するが、弁体には抜き勾配が付い
ていないため弁体に密着する凝固部分と弁体との
こじりを生じ製品を円滑に離型できなくなる。

かかる不具合を解消すべく、本願出願人は、先
に特開昭62−214676号により、可動金型と固定金
型との一方にこれの分割面より他方の金型側に突
出する張出部を設け、該張出部に該ガス抜き通路
に連通するバルブ室を形成し、該バルブ室に該ガ
ス抜き弁のバルブシートを摺動自在に配設し、型
開き時にバルブシートをバルブ室に対する抜き方
向に摺動させて、弁体を溶湯の凝固部分から引き
離し、製品を弁体とのこじりを生ずることなく円
滑に離型し得るようにしたものを提案した。

（考案が解決しようとする課題） 然し、上記の如くバルブシートをバルブ室に摺
動自在に配設すると、バルブ室にバルブシートと
の間からバリが多少とも侵入し、これが型開き時
に外部へ排出されずにバルブ室に溜り勝ちにな
り、弁体やバルブシートの外面にバリが付着して
バルブ室内壁面との間でこじりを生じ、ガス抜き
弁の作動不良を起すことがある。

本考案は、かかる問題点を解決した、先の提案
の改良装置を提供することをその目的としてい
る。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成すべく、本考案は、可動金型と
固定金型との少なくとも一方の金型の分割面にキ
ヤビテイに連通するガス抜き通路を設け、該ガス
抜き通路を、弁体と、該弁体の弁杆を周囲に間隔
を存して挿通する弁孔を有する、該両金型とは別
体のバルブシートとから成るガス抜き弁により開
閉するようにしたダイキヤスト金型装置であつ
て、該両金型の一方にこれの分割面より他方の金
型側に突出する張出部を設け、該張出部に該ガス
抜き通路に連通するバルブ室を形成し、該バルブ
室に該ガス抜き弁のバルブシートを摺動自在に配
設するものにおいて、該バルブ室内にエアを噴出
するエア噴出口を設けると共に、該バルブ室の内
壁面に外方に連通する排気口を開設したことを特
徴とする。

（作用） 型開き後ダイキヤスト製品をキヤビテイから取
出して、バルブ室内にエアを噴出することで、バ
ルブ室内のバリが排気口及びガス抜き通路から外
部に排出される。

（実施例） 図面で１は可動金型、２は固定金型を示し、該
可動金型１の分割面１ａの上側部と該固定金型２
の分割面２ａの上側部とに中子３，４を夫々埋設
して中子付きの各金型１，２を構成し、該各中子
３，４の分割面にキヤビテイ５に連通する断面半
円形状のガス抜き通路６を夫々形成すると共に、
可動金型１の中子３にこれの分割面より固定金型
２側に突出する張出部７を一体に形成し、該張出
部７に該ガス抜き通路６，６に連通するバルブ室
８を形成し、該バルブ室８に該ガス抜き通路６、
６を開閉するガス抜き弁９の後記するバルブシー
ト９ｅを摺動自在に配設した。

上記ガス抜き弁９は、弁体９ａと、該弁体９ａ
の弁杆９ｂを周囲に間隔を存して挿通する弁孔９
ｃとバキユーム源に連なる外周の吸引口９ｄとを
有するバルブシート９ｅとで構成されるものと
し、バルブシート９ｅの下端部を上記バルブ室８
に摺動自在に嵌合させると共に、該バルブ室８の
底面から前記中子３，４の分割面に亘つてのびて
ガス抜き通路６に連通する、バルブ室８より小径
の小径孔８ａを形成して、該小径孔８ａに弁体９
ａを摺動自在に嵌合させた。また、ガス抜き通路
６，６の上端部から分岐した分岐路６ａ，６ａを
該小径孔８ａの内周壁上部に開口させ、可動金型
１の上側に第１シリンダ１０をブラケツト１０ａ
を介して立設し、該シリンダ１０のピストンロツ
ドを上記バルブシート９ｅに連結し、該バルブシ
ート９ｅの上側に設けた第２シリンダ１１のピス
トンロツドを上記弁杆９ｂに連結し、かくて、第
１シリンダ１０の作動によりバルブシート９ｅを
これの下面がバルブ室８の底面に密着する下動位
置と、該下面が該底面から離間する上動位置とに
移動自在とし、バルブシート９ｅの下動位置にお
いて第２シリンダの作動により弁体９ａをこれが
小径孔８ａ内に分岐路６ａの開口を越えて下動し
た開き状態と、弁体９ａの上面がバルブシート９
ｅの下面に密着した閉じ状態とに切換え自在とし
た。

そして、バルブ室８内にエアを噴出するエア噴
出口１２を設けると共に、該バルブ室８の内壁面
に外方に連通する排気口１３を開設した。

実施例では、エア噴出口１２をバルブシート９
ｅの下面に開設し、該バルブシート９ｅに上方に
のびて該バルブシート９ｅの周面に開口するエア
通路１２ａを穿設して、該エア通路１２ａの開口
に図示しないエア供給源を接続するようにし、又
上記排気口１３をバルブ室８の周壁面にその底面
に達するように開設した。

次に実施例の作用を説明する。

先ず、型締めして、第１シリンダ１０を伸び側
に作動してバルブシート９ｅを下動することで、
排気口１３がバルブシート９ｅの周面で閉塞さ
れ、次いで第２シリンダ１１を伸び側に作動し、
ガス抜き通路６を開放して（第３図示の状態）キ
ヤビテイ５を真空引きし、キヤビテイ５に溶湯を
注入すると共に、注入途中で第２シリンダ１１を
縮み側に作動し、ガス抜き通路６を閉じる（第４
図示の状態）。次いで溶湯が固まつた後型開きし、
第１シリンダ１０を縮み側に作動してバルブシー
ト９ｅを上動し、ダイキヤスト製品をキヤビテイ
５から取出して、エア噴出口１２からバルブ室８
内にエアを噴出するもので、これによりバルブ室
８内のバリ等が排気口１３及びガス抜き通路６を
介して外部に排出される。

（考案の効果） このように本考案によるときは、バルブ室内の
バリ等をエア噴出口からのエアにより外部に排出
できることから、バリ等の付着に起因したガス抜
き弁の作動不良を確実に阻止でき、而もガス抜き
弁の弁体をエア噴出口からのエアで冷却でき、ガ
ス抜き弁の耐久性向上が図れる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施の１例を示す要部の截断側
面図、第２図は可動金型の要部の正面図、第３図
及び第４図は夫々ガス抜き弁の作動状態を示す要
部の截断側面図である。 １……可動金型、１ａ……可動金型の分割面、
２……固定金型、２ａ……固定金型の分割面、５
……キヤビテイ、６……ガス抜き通路、７……張
出部、８……バルブ室、９……ガス抜き弁、１２
……エア噴出口、１３……排気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可動金型と固定金型との少なくとも一方の金型
   の分割面にキヤビテイに連通するガス抜き通路を
   設け、該ガス抜き通路を、弁体と、該弁体の弁杆
   を周囲に間隔を存して挿通する弁孔を有する、該
   両金型とは別体のバルブシートとから成るガス抜
   き弁により開閉するようにしたダイキヤスト金型
   装置であつて、該両金型の一方にこれの分割面よ
   り他方の金型側に突出する張出部を設け、該張出
   部に該ガス抜き通路に連通するバルブ室を形成
   し、該バルブ室に該ガス抜き弁のバルブシートを
   摺動自在に配設するものにおいて、該バルブ室内
   にエアを噴出するエア噴出口を設けると共に、該
   バルブ室の内壁面に外方に連通する排気口を開設
   したことを特徴とするダイキヤスト金型装置。