JPH11156523A - 金属部材の鋳造方法 - Google Patents
金属部材の鋳造方法Info
- Publication number
- JPH11156523A JPH11156523A JP34438297A JP34438297A JPH11156523A JP H11156523 A JPH11156523 A JP H11156523A JP 34438297 A JP34438297 A JP 34438297A JP 34438297 A JP34438297 A JP 34438297A JP H11156523 A JPH11156523 A JP H11156523A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- cavity
- metal member
- clamping
- metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Golf Clubs (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 薄肉の金属部材などを成形するのに適したビ
レットを用いる鋳造方法を提供する。 【解決手段】 左右一対の可動型31の間にゴルフクラ
ブヘッドのクラウンプレートを成形するためのキャビテ
ィ33を備えた金型29を準備する。両方の可動型31
の接近方向への移動により第1の型締めを行う。両可動
型31の内側端面間にクラウンプレートの厚さの約2倍
程度の隙間35が生じる段階で第1の型締めを完了す
る。第1の型締め後にアルミニウム合金ビレット27を
加圧してキャビティ33内に充填する。そして、アルミ
ニウム合金ビレット27が凝固する前に両可動型31の
内側端面同士が当接するように第2の型締めを行う。
レットを用いる鋳造方法を提供する。 【解決手段】 左右一対の可動型31の間にゴルフクラ
ブヘッドのクラウンプレートを成形するためのキャビテ
ィ33を備えた金型29を準備する。両方の可動型31
の接近方向への移動により第1の型締めを行う。両可動
型31の内側端面間にクラウンプレートの厚さの約2倍
程度の隙間35が生じる段階で第1の型締めを完了す
る。第1の型締め後にアルミニウム合金ビレット27を
加圧してキャビティ33内に充填する。そして、アルミ
ニウム合金ビレット27が凝固する前に両可動型31の
内側端面同士が当接するように第2の型締めを行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半凝固金属を用いて
金属部材を鋳造する方法、すなわち半凝固鋳造方法ある
いはチクソフォーミング方法に関する。
金属部材を鋳造する方法、すなわち半凝固鋳造方法ある
いはチクソフォーミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半凝固鋳造方法又はチクソフォーミング
方法は半凝固状態あるいは半溶融状態に加熱した金属素
材(ビレット)を金型のキャビティ内に加圧充填するこ
とにより所定形状の金属部材を成形する方法であり、一
般的なダイカスト鋳造方法等と比較して鋳造欠陥の少な
い、金属組織が均一な金属部材を成形できるなどの利点
を有していて、特に重量を小さくするために中空状に構
成された金属製のゴルフクラブヘッドのような肉厚が大
きくなく、しかも高い耐衝撃性を要求される金属部材を
この半凝固鋳造方法により製造すれば良質のゴルフクラ
ブヘッドを得ることが可能となる。
方法は半凝固状態あるいは半溶融状態に加熱した金属素
材(ビレット)を金型のキャビティ内に加圧充填するこ
とにより所定形状の金属部材を成形する方法であり、一
般的なダイカスト鋳造方法等と比較して鋳造欠陥の少な
い、金属組織が均一な金属部材を成形できるなどの利点
を有していて、特に重量を小さくするために中空状に構
成された金属製のゴルフクラブヘッドのような肉厚が大
きくなく、しかも高い耐衝撃性を要求される金属部材を
この半凝固鋳造方法により製造すれば良質のゴルフクラ
ブヘッドを得ることが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビレッ
トは金属溶湯と比較して流動性が劣るので薄肉の金属部
材や細かい凹凸形状を有する金属部材を半凝固鋳造方法
により鋳造すると湯回りが悪くなり、また良好な湯回り
を確保しようとすればキャビティ内へのビレットの充填
圧力を大きくしなければならないので鋳造装置が高価な
ものとなってしまう。
トは金属溶湯と比較して流動性が劣るので薄肉の金属部
材や細かい凹凸形状を有する金属部材を半凝固鋳造方法
により鋳造すると湯回りが悪くなり、また良好な湯回り
を確保しようとすればキャビティ内へのビレットの充填
圧力を大きくしなければならないので鋳造装置が高価な
ものとなってしまう。
【0004】そこで、本発明は薄肉の金属部材などを成
形するのに適した半凝固金属又はビレットを用いる鋳造
方法の提供を目的とする。
形するのに適した半凝固金属又はビレットを用いる鋳造
方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の金属部材の鋳造方法は、半凝固金属を金型の
キャビティ内に充填して所定形状の金属部材を成形する
金属部材の鋳造方法であって、前記キャビティが、成形
されるべき前記金属部材の外形よりも大きなスペースを
有することとなるように前記金型の第1の型締めを行
い、この第1の型締めの後に、またはこの第1の型締め
と同時に前記キャビティ内に前記半凝固金属を充填し、
次ぎに、前記キャビティが、成形されるべき前記金属部
材の外形と同じスペースを有することとなるように前記
金型の第2の型締めを行い、この第2の型締め後の前記
キャビティ内で前記半凝固金属を凝固させて前記金属部
材を成形するものである。本発明では型締めを2段階に
分けて行い、第1段階の第1の型締めはキャビティが、
成形されるべき金属部材の外形よりも大きなスペースを
有することとなるように、言い換えると比較的広いスペ
ースを有することとなるように金型の可動側全体を移動
させて行う。鋳造されるべき金属部材が薄肉のものであ
る場合には、キャビティがこの金属部材よりも厚いスペ
ースを有することとなるように第1の型締めが行われ
る。ビレットはこの第1の型締めと同時に、あるいは第
1の型締めの後に広いスペースのキャビティ内に充填さ
れる。ビレットはキャビティの隅々にまで充填されるこ
とが好ましいが、この段階のキャビティに細かい凹凸形
状などがある場合にはこの凹凸形状内などにもビレット
が充填されることは必ずしも必要ではない。しかしなが
ら、第1の型締め後のキャビティ内に充填されたビレッ
ト量は所定形状の金属部材を鋳造するための量よりも多
くなければならず、通常は2倍程度、場合によっては3
倍程度が適量である。キャビティ内にビレットを充填し
た後に第2段階の第2の型締めを行う。第2の型締めは
キャビティが成形されるべき金属部材の外形と同じスペ
ースを有することとなるように、または成形されるべき
金属部材の外形と同じ厚さを有することとなるように金
型の可動側全体を移動させて行われるが、充填されてい
るビレットの量は第2の型締め後のキャビティ内の容量
よりも多いので、第2の型締めが行われるとビレットが
キャビティ内の隅々にまで行き渡り、余分のビレットは
キャビティ外にはみ出す。
の本発明の金属部材の鋳造方法は、半凝固金属を金型の
キャビティ内に充填して所定形状の金属部材を成形する
金属部材の鋳造方法であって、前記キャビティが、成形
されるべき前記金属部材の外形よりも大きなスペースを
有することとなるように前記金型の第1の型締めを行
い、この第1の型締めの後に、またはこの第1の型締め
と同時に前記キャビティ内に前記半凝固金属を充填し、
次ぎに、前記キャビティが、成形されるべき前記金属部
材の外形と同じスペースを有することとなるように前記
金型の第2の型締めを行い、この第2の型締め後の前記
キャビティ内で前記半凝固金属を凝固させて前記金属部
材を成形するものである。本発明では型締めを2段階に
分けて行い、第1段階の第1の型締めはキャビティが、
成形されるべき金属部材の外形よりも大きなスペースを
有することとなるように、言い換えると比較的広いスペ
ースを有することとなるように金型の可動側全体を移動
させて行う。鋳造されるべき金属部材が薄肉のものであ
る場合には、キャビティがこの金属部材よりも厚いスペ
ースを有することとなるように第1の型締めが行われ
る。ビレットはこの第1の型締めと同時に、あるいは第
1の型締めの後に広いスペースのキャビティ内に充填さ
れる。ビレットはキャビティの隅々にまで充填されるこ
とが好ましいが、この段階のキャビティに細かい凹凸形
状などがある場合にはこの凹凸形状内などにもビレット
が充填されることは必ずしも必要ではない。しかしなが
ら、第1の型締め後のキャビティ内に充填されたビレッ
ト量は所定形状の金属部材を鋳造するための量よりも多
くなければならず、通常は2倍程度、場合によっては3
倍程度が適量である。キャビティ内にビレットを充填し
た後に第2段階の第2の型締めを行う。第2の型締めは
キャビティが成形されるべき金属部材の外形と同じスペ
ースを有することとなるように、または成形されるべき
金属部材の外形と同じ厚さを有することとなるように金
型の可動側全体を移動させて行われるが、充填されてい
るビレットの量は第2の型締め後のキャビティ内の容量
よりも多いので、第2の型締めが行われるとビレットが
キャビティ内の隅々にまで行き渡り、余分のビレットは
キャビティ外にはみ出す。
【0006】薄肉の金属部材を鋳造する場合には金型の
可動側全体を移動させて型締めを行うのが普通である
が、金型に移動コアを設けておき、この移動コアを後退
させた状態で第1の型締めを行い、その後、キャビティ
が、鋳造されるべき金属部材の厚さと同じ厚さスペース
を有することととなるように移動コアを前進させて第2
の型締めを行う場合もある。
可動側全体を移動させて型締めを行うのが普通である
が、金型に移動コアを設けておき、この移動コアを後退
させた状態で第1の型締めを行い、その後、キャビティ
が、鋳造されるべき金属部材の厚さと同じ厚さスペース
を有することととなるように移動コアを前進させて第2
の型締めを行う場合もある。
【0007】成形されるべき金属部材が比較的厚肉であ
り、部分的に細かい凹凸形状を有する場合には、第2の
型締め時に金型の可動側全体を移動させるよりも、凹凸
形状を成形するための、すなわち凹凸形状に対応したキ
ャビティ面形状を有するスライドコアを備えた金型を用
い、このスライドコアを第2の型締め時に金型に対して
スライド移動させるほうがはみ出させるビレット量、す
なわち余分はビレット量を少なくすることができる。金
型の第1の型締めは可動側全体を移動させてスライドコ
ア部分以外のキャビティが成形されるべき金属部材の外
形と同じスペースを有することとなるように行われる。
この第1の型締め時にはスライドコアを金型に対して後
退させておき、スライドコア部分のキャビティを凹んだ
状態にしておく。キャビティ内にビレットを充填した後
に第2段階の第2の型締めを行う。第2の型締めはスラ
イドコアを金型に対して前進させてキャビティ全体が成
形されるべき金属部材の外形と同じスペースを有するこ
ととなるように行われる。
り、部分的に細かい凹凸形状を有する場合には、第2の
型締め時に金型の可動側全体を移動させるよりも、凹凸
形状を成形するための、すなわち凹凸形状に対応したキ
ャビティ面形状を有するスライドコアを備えた金型を用
い、このスライドコアを第2の型締め時に金型に対して
スライド移動させるほうがはみ出させるビレット量、す
なわち余分はビレット量を少なくすることができる。金
型の第1の型締めは可動側全体を移動させてスライドコ
ア部分以外のキャビティが成形されるべき金属部材の外
形と同じスペースを有することとなるように行われる。
この第1の型締め時にはスライドコアを金型に対して後
退させておき、スライドコア部分のキャビティを凹んだ
状態にしておく。キャビティ内にビレットを充填した後
に第2段階の第2の型締めを行う。第2の型締めはスラ
イドコアを金型に対して前進させてキャビティ全体が成
形されるべき金属部材の外形と同じスペースを有するこ
ととなるように行われる。
【0008】本発明の金属部材の鋳造方法を用いると金
属製のゴルフクラブヘッドは次の発明によって製造され
る。 (1)ゴルフクラブヘッドのクラウン部を構成すること
となるクラウンプレートを成形するための第1のキャビ
ティを有する第1の金型と、ゴルフクラブヘッドの上面
が開口している中空のヘッド本体を成形するための第2
のキャビティを有し、フェイス部に形成されるスコアラ
インを成形するためのスライドコアを備えた第2の金型
と、を準備し、前記第1のキャビティは前記クラウンプ
レートの厚さよりも大きな厚さスペースを有することと
なるように前記第1の金型の第1の型締めを行い、この
第1の型締めの後に、またはこの第1の型締めと同時に
前記第1のキャビティ内に半凝固金属を充填し、次ぎ
に、前記第1のキャビティがクラウンプレートの厚さと
同じ厚さスペースを有することとなるように前記第1の
金型の第2の型締めを行い、この第2の型締めの後の前
記第1のキャビティ内で前記半凝固金属を凝固させて前
記クラウンプレートを成形し、また、前記スライドコア
を前記第2の金型に対して後退させた状態で前記第2の
金型の第1の型締めを行い、この第1の型締めの後に、
またはこの第1の型締めと同時に前記第2のキャビティ
内に半凝固金属を充填し、次ぎに、前記スライドコアを
前記第2の金型に対してスライド前進させて前記第2の
金型の第2の型締めを行い、この第2の型締め後の前記
第2のキャビティ内で半凝固金属を凝固させて前記ヘッ
ド本体を成形し、その後、前記ヘッド本体の開口縁部に
前記クラウンプレートを溶接固定する、金属製ゴルフク
ラブヘッドの製造方法。 (2)前記第2の金型は前記ヘッド本体の外面にマーク
を刻むための第2のスライドコアを備えていて、前記第
2の金型の前記第1の型締めは、この第2のスライドコ
アを前記第2の金型に対して後退させた状態で行われ、
前記第2の金型の前記第2の型締めの際には、前記第2
のスライドコアを前記第2の金型に対してスライド前進
させる(1)記載の金属製ゴルフクラブヘッドの製造方
法。第2の金型の第1の型締めは第1及び第2のスライ
ドコア部分以外の第2のキャビティがヘッド本体の外形
と同じスペースを有することとなるように行われる。第
2の金型の第2の型締めは第1及び第2のスライドコア
を第2の金型に対して前進させて第2のキャビティ全体
がヘッド本体の外形と同じスペースを有することとなる
ように行われる。
属製のゴルフクラブヘッドは次の発明によって製造され
る。 (1)ゴルフクラブヘッドのクラウン部を構成すること
となるクラウンプレートを成形するための第1のキャビ
ティを有する第1の金型と、ゴルフクラブヘッドの上面
が開口している中空のヘッド本体を成形するための第2
のキャビティを有し、フェイス部に形成されるスコアラ
インを成形するためのスライドコアを備えた第2の金型
と、を準備し、前記第1のキャビティは前記クラウンプ
レートの厚さよりも大きな厚さスペースを有することと
なるように前記第1の金型の第1の型締めを行い、この
第1の型締めの後に、またはこの第1の型締めと同時に
前記第1のキャビティ内に半凝固金属を充填し、次ぎ
に、前記第1のキャビティがクラウンプレートの厚さと
同じ厚さスペースを有することとなるように前記第1の
金型の第2の型締めを行い、この第2の型締めの後の前
記第1のキャビティ内で前記半凝固金属を凝固させて前
記クラウンプレートを成形し、また、前記スライドコア
を前記第2の金型に対して後退させた状態で前記第2の
金型の第1の型締めを行い、この第1の型締めの後に、
またはこの第1の型締めと同時に前記第2のキャビティ
内に半凝固金属を充填し、次ぎに、前記スライドコアを
前記第2の金型に対してスライド前進させて前記第2の
金型の第2の型締めを行い、この第2の型締め後の前記
第2のキャビティ内で半凝固金属を凝固させて前記ヘッ
ド本体を成形し、その後、前記ヘッド本体の開口縁部に
前記クラウンプレートを溶接固定する、金属製ゴルフク
ラブヘッドの製造方法。 (2)前記第2の金型は前記ヘッド本体の外面にマーク
を刻むための第2のスライドコアを備えていて、前記第
2の金型の前記第1の型締めは、この第2のスライドコ
アを前記第2の金型に対して後退させた状態で行われ、
前記第2の金型の前記第2の型締めの際には、前記第2
のスライドコアを前記第2の金型に対してスライド前進
させる(1)記載の金属製ゴルフクラブヘッドの製造方
法。第2の金型の第1の型締めは第1及び第2のスライ
ドコア部分以外の第2のキャビティがヘッド本体の外形
と同じスペースを有することとなるように行われる。第
2の金型の第2の型締めは第1及び第2のスライドコア
を第2の金型に対して前進させて第2のキャビティ全体
がヘッド本体の外形と同じスペースを有することとなる
ように行われる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
施の形態を説明する。
【0010】図1は本発明に係る金属部材の鋳造方法を
用いて製造されたゴルフクラブヘッドを分解した斜視図
である。
用いて製造されたゴルフクラブヘッドを分解した斜視図
である。
【0011】ゴルフクラブヘッド1は上面に開口部3を
有する中空のヘッド本体5と、クラウンプレート7とか
ら構成されていて、ヘッド本体5は、ソール部9、トウ
部11、ヒール部13、直線状のスコアライン15が形
成されたフェイス部17、バック部19及びヒール部1
3の上側に設けられたシャフト取付部21から一体的に
形成されている。クラウンプレート7は開口部3とほぼ
同一形状を有するように形成されていて、外周端部に環
状の凹部23が設けられ、この凹部23の内側に滑らか
に湾曲する球状の凸部25が構成されている。クラウン
プレート7は開口部3を塞ぐようにヘッド本体5の開口
縁部上に載せられて溶接固定され、図2に示すようなゴ
ルフクラブヘッド1が構成される(図2はクラウンプレ
ート7を固定した場合のゴルフクラブヘッドの斜視
図)。
有する中空のヘッド本体5と、クラウンプレート7とか
ら構成されていて、ヘッド本体5は、ソール部9、トウ
部11、ヒール部13、直線状のスコアライン15が形
成されたフェイス部17、バック部19及びヒール部1
3の上側に設けられたシャフト取付部21から一体的に
形成されている。クラウンプレート7は開口部3とほぼ
同一形状を有するように形成されていて、外周端部に環
状の凹部23が設けられ、この凹部23の内側に滑らか
に湾曲する球状の凸部25が構成されている。クラウン
プレート7は開口部3を塞ぐようにヘッド本体5の開口
縁部上に載せられて溶接固定され、図2に示すようなゴ
ルフクラブヘッド1が構成される(図2はクラウンプレ
ート7を固定した場合のゴルフクラブヘッドの斜視
図)。
【0012】図3はクラウンプレート7の鋳造過程を概
略的に説明する図である。
略的に説明する図である。
【0013】クラウンプレート7は成形機により半凝固
アルミニウム合金(アルミニウム合金ビレット)27を
金型29に鋳込んで成形されるものであり、金型29は
左右一対の可動型31の間にクラウンプレート7を成形
するためのキャビティ33を備えている。この金型29
を用いてクラウンプレート7を成形するにはまず、両方
の可動型31を接近方向に移動させて第1の型締めを行
う(図3a)。第1の型締めは両可動型31の内側端面
間(分割面間)にクラウンプレート7の厚さの約2倍程
度の隙間35が生じるように行われるので、キャビティ
33はクラウンプレート7の厚さの約3倍程度の厚さス
ペースを有している。第1の型締め後にアルミニウム合
金ビレット27を加圧して湯道37からキャビティ33
内に充填する。アルミニウム合金ビレット27は630
℃に加熱されて円柱状に形成又は保持された半溶融体で
あり、キャビティ33(第1の型締め時)内の容積より
も若干大きい体積を有していて、このアルミニウム合金
ビレット27を200気圧乃至800気圧で加圧してキ
ャビティ33内に流し込み、充填させる(図3b)。そ
して、アルミニウム合金ビレット27が凝固する前に内
側端面同士が当接するまで両可動型31を接近方向に移
動させて第2の型締めを行う。第2の型締めによりキャ
ビティ33の厚さスペースはクラウンプレート7の厚さ
と一致し、充填されていたアルミニウム合金ビレット2
7の約3分の2が金型29にキャビティ33と接続して
設けられたオーバーフロー部(図示せず)にはみ出す
(図3c)。その後、金型29の型開きを行って金属成
形品を取り出し、湯道部分及びオーバーフロー部分など
を切断してクラウンプレート7を製造する。クラウンプ
レート7をプレス加工又は鍛造により成形すると、スプ
リングバックにより正確な湾曲形状のクラウンプレート
を得ることができず、ヘッド本体5への溶接固定作業が
繁雑となることが多いが、このように製造されたクラウ
ンプレート7はスプリングバックのない、しかもプレス
加工又は鍛造により成形した場合と比較して強度的に劣
らないものとなる。
アルミニウム合金(アルミニウム合金ビレット)27を
金型29に鋳込んで成形されるものであり、金型29は
左右一対の可動型31の間にクラウンプレート7を成形
するためのキャビティ33を備えている。この金型29
を用いてクラウンプレート7を成形するにはまず、両方
の可動型31を接近方向に移動させて第1の型締めを行
う(図3a)。第1の型締めは両可動型31の内側端面
間(分割面間)にクラウンプレート7の厚さの約2倍程
度の隙間35が生じるように行われるので、キャビティ
33はクラウンプレート7の厚さの約3倍程度の厚さス
ペースを有している。第1の型締め後にアルミニウム合
金ビレット27を加圧して湯道37からキャビティ33
内に充填する。アルミニウム合金ビレット27は630
℃に加熱されて円柱状に形成又は保持された半溶融体で
あり、キャビティ33(第1の型締め時)内の容積より
も若干大きい体積を有していて、このアルミニウム合金
ビレット27を200気圧乃至800気圧で加圧してキ
ャビティ33内に流し込み、充填させる(図3b)。そ
して、アルミニウム合金ビレット27が凝固する前に内
側端面同士が当接するまで両可動型31を接近方向に移
動させて第2の型締めを行う。第2の型締めによりキャ
ビティ33の厚さスペースはクラウンプレート7の厚さ
と一致し、充填されていたアルミニウム合金ビレット2
7の約3分の2が金型29にキャビティ33と接続して
設けられたオーバーフロー部(図示せず)にはみ出す
(図3c)。その後、金型29の型開きを行って金属成
形品を取り出し、湯道部分及びオーバーフロー部分など
を切断してクラウンプレート7を製造する。クラウンプ
レート7をプレス加工又は鍛造により成形すると、スプ
リングバックにより正確な湾曲形状のクラウンプレート
を得ることができず、ヘッド本体5への溶接固定作業が
繁雑となることが多いが、このように製造されたクラウ
ンプレート7はスプリングバックのない、しかもプレス
加工又は鍛造により成形した場合と比較して強度的に劣
らないものとなる。
【0014】図4はヘッド本体5の鋳造過程を概略的に
説明する図である。
説明する図である。
【0015】ヘッド本体5も成形機により半凝固アルミ
ニウム合金(アルミニウム合金ビレット)を金型39に
鋳込んで成形されるものであり、金型39は可動上型4
1と下型43との間にヘッド本体5を成形するためのキ
ャビティ45を備えている。下型43には、キャビティ
45のソール部分に臨むキャビティ面47にアルファベ
ット4文字を表す突起49が形成された第1のスライド
コア51が上下方向にスライドできるように嵌め込ま
れ、また可動上型41にはキャビティ45のフェイス部
分に臨むキャビティ面53にスコアライン15(図1参
照)を成形するための突起55が形成された第2のスラ
イドコア57が水平方向にスライドできるように嵌め込
まれていて、この第2のスライドコア57の下面は型締
め時に下型43の分割面上に載せられることとなる。こ
の金型39を用いてヘッド本体5を成形するにはまず、
可動上型41を下降させて第1の型締めを行う(図4
a)。第1の型締めは上型41の下端面(分割面)と下
型43の上端面(分割面)とが当接するように行われ、
キャビティ45はヘッド本体5の外形に等しいスペース
を有することとなるが、第1のスライドコア51は下型
43に対して下降(後退)し、第2のスライドコア57
は可動上型41に対してキャビティ45と反対側に移動
(後退)しているので、キャビティ45はソール部分及
びフェイス部分でヘッド本体5よりも厚いスペースを有
している。そして、第1の型締め後にアルミニウム合金
ビレットを加圧して湯道(図示せず)からキャビティ4
5内に充填する。アルミニウム合金ビレットとしてはや
はり630℃に加熱されて円柱状に形成又は保持され
た、キャビティ45内の容積よりも若干大きい体積を有
する半溶融体を用い、このアルミニウム合金ビレットを
やはり200気圧乃至800気圧で加圧してキャビティ
45内に流し込み、充填させる(図4b)。そして、ア
ルミニウム合金ビレット59が凝固する前に第1のスラ
イドコア51を下型43に対して上方に移動(前進)さ
せ、第2のスライドコア57を可動上型41に対してキ
ャビティ45側に移動(前進)させて第2の型締めを行
う。第2の型締めによりキャビティ45のスペースは全
ての部分でヘッド本体5の外形と一致し、充填されてい
たアルミニウム合金ビレット59のうち少量が、金型3
9にキャビティ45と接続して設けられたオーバーフロ
ー部(図示せず)にはみ出す(図4c)。その後、金型
39の型開きを行って金属成形品を取り出し、湯道部分
及びオーバーフロー部分などを切断してヘッド本体5を
製造する。製造されたヘッド本体5には、図5に示すよ
うにソール部9にアルファベット4文字を表す凹溝61
が成形されることとなる(図5はヘッド本体5のソール
部9外面を示すための斜視図)。
ニウム合金(アルミニウム合金ビレット)を金型39に
鋳込んで成形されるものであり、金型39は可動上型4
1と下型43との間にヘッド本体5を成形するためのキ
ャビティ45を備えている。下型43には、キャビティ
45のソール部分に臨むキャビティ面47にアルファベ
ット4文字を表す突起49が形成された第1のスライド
コア51が上下方向にスライドできるように嵌め込ま
れ、また可動上型41にはキャビティ45のフェイス部
分に臨むキャビティ面53にスコアライン15(図1参
照)を成形するための突起55が形成された第2のスラ
イドコア57が水平方向にスライドできるように嵌め込
まれていて、この第2のスライドコア57の下面は型締
め時に下型43の分割面上に載せられることとなる。こ
の金型39を用いてヘッド本体5を成形するにはまず、
可動上型41を下降させて第1の型締めを行う(図4
a)。第1の型締めは上型41の下端面(分割面)と下
型43の上端面(分割面)とが当接するように行われ、
キャビティ45はヘッド本体5の外形に等しいスペース
を有することとなるが、第1のスライドコア51は下型
43に対して下降(後退)し、第2のスライドコア57
は可動上型41に対してキャビティ45と反対側に移動
(後退)しているので、キャビティ45はソール部分及
びフェイス部分でヘッド本体5よりも厚いスペースを有
している。そして、第1の型締め後にアルミニウム合金
ビレットを加圧して湯道(図示せず)からキャビティ4
5内に充填する。アルミニウム合金ビレットとしてはや
はり630℃に加熱されて円柱状に形成又は保持され
た、キャビティ45内の容積よりも若干大きい体積を有
する半溶融体を用い、このアルミニウム合金ビレットを
やはり200気圧乃至800気圧で加圧してキャビティ
45内に流し込み、充填させる(図4b)。そして、ア
ルミニウム合金ビレット59が凝固する前に第1のスラ
イドコア51を下型43に対して上方に移動(前進)さ
せ、第2のスライドコア57を可動上型41に対してキ
ャビティ45側に移動(前進)させて第2の型締めを行
う。第2の型締めによりキャビティ45のスペースは全
ての部分でヘッド本体5の外形と一致し、充填されてい
たアルミニウム合金ビレット59のうち少量が、金型3
9にキャビティ45と接続して設けられたオーバーフロ
ー部(図示せず)にはみ出す(図4c)。その後、金型
39の型開きを行って金属成形品を取り出し、湯道部分
及びオーバーフロー部分などを切断してヘッド本体5を
製造する。製造されたヘッド本体5には、図5に示すよ
うにソール部9にアルファベット4文字を表す凹溝61
が成形されることとなる(図5はヘッド本体5のソール
部9外面を示すための斜視図)。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属部材
の鋳造方法を用いれば、湯回りが悪くなるような形状を
有する金属部材であっても、ことさら充填圧力などを高
めることなしに半凝固金属を用いて良質に製造すること
ができる。
の鋳造方法を用いれば、湯回りが悪くなるような形状を
有する金属部材であっても、ことさら充填圧力などを高
めることなしに半凝固金属を用いて良質に製造すること
ができる。
【図1】本発明に係る金属部材の鋳造方法を用いて製造
されたゴルフクラブヘッドを分解した斜視図である。
されたゴルフクラブヘッドを分解した斜視図である。
【図2】クラウンプレートを固定した場合のゴルフクラ
ブヘッドの斜視図である。
ブヘッドの斜視図である。
【図3】クラウンプレートの鋳造過程を概略的に説明す
る図である。
る図である。
【図4】ヘッド本体の鋳造過程を概略的に説明する図で
ある。
ある。
【図5】ヘッド本体のソール部外面を示すための斜視図
である。
である。
1 ゴルフクラブヘッド 5 ヘッド本体 7 クラウンプレート 15 スコアライン 17 フェイス部 27,59 ビレット(半凝固金属) 29,39 金型 33,45 キャビティ 51 第1のスライドコア 57 第2のスライドコア 61 凹溝(凹凸形状)
Claims (5)
- 【請求項1】 半凝固金属を金型のキャビティ内に充填
して所定形状の金属部材を成形する金属部材の鋳造方法
であって、 前記キャビティが、成形されるべき前記金属部材の外形
よりも大きなスペースを有することとなるように前記金
型の第1の型締めを行い、 この第1の型締めの後に、またはこの第1の型締めと同
時に前記キャビティ内に前記半凝固金属を充填し、 次ぎに、前記キャビティが、成形されるべき前記金属部
材の外形と同じスペースを有することとなるように前記
金型の第2の型締めを行い、 この第2の型締め後の前記キャビティ内で前記半凝固金
属を凝固させて前記金属部材を成形する、ことを特徴と
する金属部材の鋳造方法。 - 【請求項2】 半凝固金属を金型のキャビティ内に充填
して薄肉の金属部材を成形する金属部材の鋳造方法であ
って、 前記キャビティが、成形されるべき前記金属部材の厚さ
よりも大きな厚さスペースを有することとなるように前
記金型の可動側全体を移動させて第1の型締めを行い、 この第1の型締めの後に、又はこの第1の型締めと同時
に前記キャビテイ内に前記半凝固金属を充填し、 次ぎに、前記キャビティが、成形されるべき前記金属部
材の厚さと同じ厚さスペースを有することとなるように
前記金型の前記可動側全体を移動させて第2の型締めを
行い、 この第2の型締め後の前記キャビティ内で前記半凝固金
属を凝固させて前記金属部材を成形する、ことを特徴と
する金属部材の鋳造方法。 - 【請求項3】 半凝固金属を金型のキャビティ内に充填
して表面に凹凸形状を有する金属部材を成形する金属部
材の鋳造方法であって、 前記凹凸形状を成形するためのスライドコアを備えた金
型を準備し、 このスライドコアを前記金型に対して後退させた状態で
前記金型の第1の型締めを行い、 この第1の型締めの後に、またはこの第1の型締めと同
時に前記キャビティ内に前記半凝固金属を充填し、 次ぎに、前記スライドコアを前記金型に対してスライド
前進させて前記金型の第2の型締めを行い、 この第2の型締め後の前記キャビティ内で前記半凝固金
属を凝固させて前記金属部材を成形する、ことを特徴と
する金属部材の鋳造方法。 - 【請求項4】 前記金属部材は、金属製ゴルフクラブヘ
ッドのクラウンプレートであることを特徴とする請求項
1又は請求項2記載の金属部材の鋳造方法。 - 【請求項5】 前記金属部材は、金属製ゴルフクラブヘ
ッドの少なくともフェイス部を有するヘッド本体であ
り、前記スライドコアは、このフェイス部にスコアライ
ンを成形するためのものであることを特徴とする請求項
3記載の金属部材の鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34438297A JPH11156523A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 金属部材の鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34438297A JPH11156523A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 金属部材の鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11156523A true JPH11156523A (ja) | 1999-06-15 |
Family
ID=18368822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34438297A Pending JPH11156523A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 金属部材の鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11156523A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011067838A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Toyota Motor Corp | 半溶融金属の鋳造方法、及び半溶融金属の鋳造装置 |
JP2017202501A (ja) * | 2016-05-10 | 2017-11-16 | 東芝機械株式会社 | ダイカストマシン及び固液共存金属の成形方法 |
-
1997
- 1997-11-28 JP JP34438297A patent/JPH11156523A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011067838A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Toyota Motor Corp | 半溶融金属の鋳造方法、及び半溶融金属の鋳造装置 |
JP2017202501A (ja) * | 2016-05-10 | 2017-11-16 | 東芝機械株式会社 | ダイカストマシン及び固液共存金属の成形方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5706566A (en) | High output method for fabricating metal wood golf club heads | |
KR100537493B1 (ko) | 가압식 다이캐스팅 장치 및 이를 이용한 다이캐스팅 방법 | |
JPH0563263B2 (ja) | ||
US6945307B2 (en) | Method for manufacturing a golf club head | |
JPH11156523A (ja) | 金属部材の鋳造方法 | |
JP2656334B2 (ja) | 鋳造鍛造方法 | |
JP3154054B2 (ja) | ダイカスト機の鋳込み装置 | |
JP2004306062A (ja) | 車両ホイールの製造方法 | |
US4220190A (en) | Method of making tooling | |
US8276644B2 (en) | Mold and casting method using the mold and design method of the mold | |
JPH0481256A (ja) | ダイカスト鋳造装置 | |
JPH06277817A (ja) | 低圧鋳造装置 | |
CN209334682U (zh) | 一种铝合金压铸系统 | |
JPH0421633Y2 (ja) | ||
JP2854618B2 (ja) | 溶湯鍛造方法 | |
JPH0716779B2 (ja) | 下部加圧方式の高圧鋳造装置 | |
JPS6142447A (ja) | 簡易金型の製作方法 | |
CN210702369U (zh) | 一种汽车零配件生产模具 | |
JP2849312B2 (ja) | 高圧鋳造方法 | |
JPH10156511A (ja) | 局部加圧鋳造方法 | |
JP3077405B2 (ja) | 高圧鋳造用の鋳型及び高圧鋳造方法 | |
JPH079106A (ja) | 圧力鋳造方法 | |
JPH01258858A (ja) | シリンダブロックの鋳造装置 | |
JPS6349342A (ja) | コンロツドの製造方法 | |
JPS607884Y2 (ja) | ホイ−ルの成形装置 |