JP3077405B2 - 高圧鋳造用の鋳型及び高圧鋳造方法 - Google Patents

高圧鋳造用の鋳型及び高圧鋳造方法

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JP3077405B2 JP04218580A JP21858092A JP3077405B2 JP 3077405 B2 JP3077405 B2 JP 3077405B2 JP 04218580 A JP04218580 A JP 04218580A JP 21858092 A JP21858092 A JP 21858092A JP 3077405 B2 JP3077405 B2 JP 3077405B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧鋳造用の鋳型とこ
の鋳型を用いた高圧鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高圧鋳造法により例えば自動
車用のアルミホイールを製作する場合において、このア
ルミホイールに窓部を形成する場合には、図6または図
7に示すように上型11に鋳抜き部13が形成された鋳
型を用いている。そして、この鋳型は、型締めをした際
に上記鋳抜き部13と下型12との間に一定のクリアラ
ンス17が形成されるように設定されており、これによ
り溶湯充填時の型温度上昇による鋳抜き部13の膨張に
よってこの鋳抜き部13が下型12に衝突することを防
止している。
【0003】ここで、このクリアランス17の厚さは、
上記したように鋳抜き部13の下型12への衝突を防止
するために一定以上の寸法に設定される必要があるので
あるが、必要以上に厚く設定した場合にはこのクリアラ
ンス17内に溶湯(溶融状態のアルミニューム)が流入
し、その流速が非常に速くなるため、金型に溶湯が焼き
付くという問題が発生する。このため、このクリアラン
ス17の厚さは、鋳抜き部13の下型12への衝突を防
止し得る一方、溶湯の流入を阻止し得るといった二つの
要求を満足させるために、通常0.5mm〜2.0mm
程度に設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、クリアラ
ンス17の厚さは溶湯が流入し得ない寸法に設定されて
いるため、図8に示すように湯口16から溶湯Mを充填
するとこのクリアランス17内にガスGが溜まる。とこ
ろが、図9に示すように溶湯充填後において加圧ピン1
5を移動させて最終加圧を行うと、若干量の溶湯Mがこ
のクリアランス17内に流入するためこのガスGがキャ
ビティ14内に押し出されてしまい、鋳造工程が終了し
た後、窓部を形成するためにSの範囲を除去しても、こ
のガスGは製品内部に残ってブリスター不良等の製品不
良を発生する原因となっていた。
【0005】本発明はこの問題を解決するためになされ
たもので、クリアランス内のガスが製品不良の原因とな
ることのない高圧鋳造用の鋳型及びこの鋳型を用いた高
圧鋳造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の問
題を解決するため、鋳型は、上型の鋳抜き部とキャビテ
ィとに跨がった範囲に対向する下型の上面に、前記鋳抜
き部と下型との間に形成されるクリアランスに連続して
溶湯の移動方向に、前記キャビティより薄肉かつ前記ク
リアランスより厚肉の凹部が形成された構成とし、この
鋳型を用いて行う高圧鋳造方法は、溶湯を前記キャビテ
ィおよび前記凹部に充填し、然る後、加圧下において前
記溶湯を凝固させて製品を鋳造し、該製品を型出しした
後、該製品の前記凹部により成形された部分を捨て肉部
として除去することとしたことを特徴とする。
【0007】
【作用】上記構成の鋳型および鋳造方法によれば、キャ
ビティ内の溶湯よりも凹部内の溶湯の方が先に凝固し、
この凹部内の溶湯は加圧直後十分に短い時間で凝固し始
めるするので、クリアランス内のガスがこの凹部内さら
にはキャビティ内に押し出されることはない。
【0008】また、一部のガスが凹部内に押し出された
場合であっても、このガスは凹部内において閉じ込めら
れるので、キャビティ内すなわち製品の内部に押し出さ
れることは確実に防止される。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1ないし図5に基
づいて説明する。本例の高圧鋳造方法に用いられる鋳型
は、自動車用のアルミホイールであって鋳抜きによって
窓部が成形されるもの(以下、「製品」という)を製作
するためのもので、図1または図2に示すように可動型
としての上型1と固定型としての下型2とを備え、両型
1,2が型閉じされると製品を鋳造するためのキャビテ
ィ4が形成されるよう構成されている。
【0010】上型1の下面には、製品に窓部を成形する
ための鋳抜き部3が下方へ突出して形成されており、こ
の鋳抜き部3は上記窓部に対応した形状に形成されると
ともに、製品における窓部の配置に対応して上型1の下
面の所定箇所に配置されている。
【0011】各鋳抜き部3の突出寸法は予め一定寸法に
設定されており、これにより上型1を型閉じした際には
この鋳抜き部3と下型2との間に一定の肉厚のクリアラ
ンス7が形成されるようになっている。このクリアラン
ス7により、型膨張時における鋳抜き部3の下型2への
衝突が防止されるようになっている。
【0012】また、このクリアランス7は、湯口6から
溶湯が充填された際にこのクリアランス7内には溶湯が
流入しないような肉厚となるよう各鋳抜き部3の突出寸
法が設定されている。
【0013】図中5は、溶湯充填後において最終加圧を
行うための加圧ピンであって、上型1に上下方向に摺動
可能に支持されている。
【0014】次に、下型2の上面であって、上記上型1
の鋳抜き部3とこの鋳抜き部3に対して溶湯の移動方向
の前方となるキャビティ4(鋳抜き部3に対して図示右
側のキャビティ)に跨がった範囲に対向する部分には凹
部8が形成されている。
【0015】すなわち、この凹部8は、鋳抜き部3の下
面の中程からキャビティ4の鋳抜き部3寄りの端部に至
る範囲に対向して形成されており、その図示左端側はク
リアランス7に連通し、図示右端側はキャビティ4に開
放されている。また、この凹部8は、クリアランス7よ
りも厚肉かつキャビティ4よりも薄肉に形成されており
(厚さ約3〜6mm)、これによりこの凹部8内に溶湯
を充填可能、かつこの充填された溶湯はキャビティ4内
に充填された溶湯よりも早く凝固して、加圧ピン5によ
る最終加圧がなされる時点で凝固が完了するようになっ
ている。
【0016】このような凹部8が、各鋳抜き部3におい
て、最終加圧によるクリアランス7内のガスの移動方向
の前方となる範囲に対応して形成されている。
【0017】図中6は、溶湯M(本例では溶融状態のア
ルミニューム)をキャビティ4内に充填するために下型
2に設けられた湯口であり、この湯口6は上型1の加圧
ピン5にほぼ対向する位置に設けられている。
【0018】本例の鋳型は以上のような構成とされてお
り、次にこの鋳型を用いた高圧鋳造方法について説明す
る。
【0019】先ず、図3に示すように型閉した状態で湯
口6から溶湯Mが充填される。溶湯Mは図示するように
キャビティ4内のみならず下型2に形成された凹部8内
にも充填される。一方、鋳抜き部3と下型との間に形成
されるクリアランス7内には溶湯Mは充填されず、この
部分にはガスGが溜まっている。
【0020】溶湯Mの充填が完了する時点ではすでに溶
湯Mの凝固が始まっており、これは図4に示すように溶
湯Mが充填された部分で最も薄肉の部分である凹部8の
縁部から始まる。なお、図ではこの部分を「初期凝固部
m」として示した。
【0021】溶湯Mの充填が完了すると、次に、図5に
示すように加圧ピン5が押し下げられて最終加圧が行わ
れる。この最終加圧工程の時点では、凹部8内の溶湯M
の凝固が完了しており、この加圧によってクリアランス
7内のガスGが凹部8内、さらにはキャビティ4内に移
動することを確実に阻止し得る状態となっている。この
ことから、この最終加圧により若干量の溶湯Mがクリア
ランス7内に流入してもガスGはキャビティ4内(製品
となる部分)に移動することはなく、クリアランス7内
に残ったままとなっている。
【0022】次に、この最終加圧工程において、充填さ
れた溶湯Mは一定の圧力下で凝固され、凝固が完了する
と加圧ピン5が上方へ戻されて最終加圧工程が終了す
る。然る後、型開きされて製品の取出しが行われる。
【0023】得られた製品は未だ半製品であり、これに
は仕上げ工程としての切削仕上げが施される。すなわ
ち、図5において二点鎖線よりも下の部分(鋳抜き部3
の下面より図示下側の部分)が切削除去されて、鋳抜き
部3により鋳抜かれた部分のバリが除去されて見栄えの
よい窓部に仕上げられる。また、この切削仕上げによ
り、凹部8により成形された部分(以下、「捨て肉部
9」という)が同時に除去される。以上により、本例の
鋳造方法による一連の工程が終了する。
【0024】本発明は、以上説明したような鋳型および
この鋳型を用いた高圧鋳造方法としたことから、次のよ
うな作用効果をなすすなわち、下型2の上面であって、
鋳抜き部3とこの鋳抜き部3に対して溶湯の移動方向の
前方となるキャビティ4に跨がった範囲に対向する部分
には凹部8が形成され、この凹部8はクリアランス7よ
りも厚肉でキャビティ4よりも薄肉に形成されており、
これによりこの凹部8内に溶湯Mを充填可能、かつこの
充填された溶湯Mはキャビティ4内に充填された溶湯M
よりも早く凝固して、加圧ピン5による最終加圧がなさ
れる時点では凝固が完了するようになっている。
【0025】このことから、最終加圧がなされる時点で
は、クリアランス7内のガスGが凹部8内さらにはキャ
ビティ4内に移動することは確実に阻止される状態とな
っている。従って、キャビティ4内すなわち製品となる
部分にガスGが移動することはなく、ひいてはこのガス
Gが製品となる部分に閉じ込められたまま凝固すること
はなく、ブリスター不良等の製品不良はなくなる。
【0026】なお、最終加圧時において凹部8内に充填
された溶湯Mの凝固が十分でなく、このため一部のガス
Gがこの凹部8内に押し出され、そのまま凝固された場
合であっても、型出し後、捨て肉部9を切削除去するこ
とによりこの一部のガスGが製品不良の原因となること
はない。
【0027】
【発明の効果】本発明は、高圧鋳造法により、窓部を有
する例えば自動車用のアルミホイールを製作する際に用
いられる鋳型の下型には、この窓部を成形するための鋳
抜き部と溶湯の移動方向前方となるキャビティとに跨が
った範囲に対向して凹部を形成する構成としたことか
ら、上記鋳抜き部と下型との間に形成されるクリアラン
ス内のガスが最終加圧時においてキャビティ内に移動す
ることは確実に防止され、これによりこのガスが原因と
なるブリスター不良等の製品不良をなくすことができ
る。
【0028】また、最終加圧時において凹部に充填され
た溶湯の凝固が十分でなく、一部のガスが凹部内に押し
出されてそのまま凝固した場合であっても、凹部の厚み
でガスが広がるのを吸収し、型出し後、この凹部により
成形された捨て肉部を除去することにより、この一部の
ガスが製品不良の原因となることを回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に関し、鋳抜き部および凹部の
周辺を示した鋳型の縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図であって、鋳抜き部およ
び凹部の周辺を示した鋳型の縦断面図である。
【図3】溶湯充填時における鋳型の要部の縦断面図であ
る。
【図4】凹部において初期凝固が始まった時点における
鋳型の要部の縦断面図である。
【図5】最終加圧時における鋳型の要部の縦断面図であ
る。
【図6】従来の鋳型の要部の縦断面図である。
【図7】図6のB−B線断面図であり、従来の鋳型の縦
断面図である。
【図8】溶湯充填時における従来の鋳型の要部の縦断面
図である。
【図9】最終加圧時における従来の鋳型の要部の縦断面
図である。
【符号の説明】 1,11…上型 2,12…下型 3,13…鋳抜き部 4,14…キャビティ 5,15…加圧ピン 6,16…湯口 7,17…クリアランス 8…凹部 9…捨て肉部 M…溶湯 m…初期凝固部 G…ガス

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型の鋳抜き部とキャビティとに跨がっ
    た範囲に対向する下型の上面に、前記鋳抜き部と下型と
    の間に形成されるクリアランスに連続して溶湯の移動方
    向に、前記キャビティより薄肉かつ前記クリアランスよ
    り厚肉の凹部が形成されたことを特徴とする高圧鋳造用
    の鋳型。
  2. 【請求項2】 上型の鋳抜き部とキャビティとに跨がっ
    た範囲に対向する下型の上面に、前記鋳抜き部と下型と
    の間に形成されるクリアランスに連続して溶湯の移動方
    向に、前記キャビティより薄肉かつ前記クリアランスよ
    り厚肉の凹部が形成された高圧鋳造用の鋳型を用いて行
    う高圧鋳造方法であって、 溶湯を前記キャビティおよび前記凹部に充填し、然る
    後、加圧下において前記溶湯を凝固させて製品を鋳造
    し、該製品を型出しした後、該製品の前記凹部により成
    形された部分を捨て肉部として除去することを特徴とす
    る高圧鋳造方法。
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