JPH023381B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はサーボモータ等に使用される小型モー
タの簡易な製造方法に関する。

従来の技術 従来から積層した電磁鋼板からなる鉄心をモー
タの外被の一部として用いた永久磁石界磁同期電
動機や誘導電動機が小型の交流サーボモータとし
て使用されている。この種のモータは第２図に示
すように積層された薄肉の鋼板２からなる積層鉄
心１と、この積層鉄心１に巻きつけられた固定子
巻線３と、該積層鉄心１の両端にボルト４によつ
て強固に固定された一対のブラケツト５ａ，５ｂ
によつて支持構造体が構成され、前記積層鉄心１
の中心部を貫通して設けられた中央空間に回転子
８を嵌装し、その軸８ａを前記ブラケツト５ａ，
５ｂに夫々設けられた軸受６，７によつて回転可
能に支持している。

叙上の外被構造の製作に際しブラケツトと鉄心
との間の正確な位置合わせがモータの組立精度の
向上に極めて重要であり、前述のボルトのみによ
る緊締では不充分であるので従来はいんろう継ぎ
又は接着剤等を併用していた。

発明が解決すべき問題点 しかし前述のようないんろう継ぎ又は接着剤の
使用は当然のことながら製作工程の増加を招きコ
ストアツプの原因となつている。

本発明はこのような従来技術の問題点を解決
し、工数を増加させることなく簡易にモータのブ
ラケツトの位置合わせを可能とする構造を提供す
ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 前述の目的は固定子巻線を具えた積層鉄心の両
端面にアルミニウムダイカスト製の一対のブラケ
ツトを装着し、該ブラケツトによつて前記積層鉄
心を強固に挾持してモータの外被構造となしたモ
ータにおいて、鉄心の両端面上に複数の孔を設け
ると共に、鉄心の前記端面に接触するブラケツト
の内側面上に、前記孔と対応する位置に、該孔に
嵌入する突起を設け、又該突起の胴部の最大径を
前記孔の内径よりも若干大きく設定し、更に前記
突起の基部周縁のブラケツトの面上に円環状溝を
刻設したことを特徴とする小型モータのブラケツ
トの位置決め構造によつて達成される。

図面に示す本発明の実施例に基いて更に詳細に
その構成を説明する。

第１図は本発明によつて位置決めされたブラケ
ツトを有するモータの外被構造の部分拡大側面を
示す。この図は基本的には前述の第２図に示す従
来のモータと対応しており、同じ部品には同じ符
号を付している。鉄心１の両端面にはアルミニウ
ムダイカスト製のブラケツト５ａ，５ｂが装着さ
れ、図示しないボルト等によつて緊締されて外被
構造を形成している。このブラケツト５ａ，５ｂ
の内側端面には鋳造の際に複数の突起１１が一体
的に設けられている。一方鉄心１の端面にもこの
突起１１に対応する位置に位置決め孔１２が形成
されている。この孔１２は鉄心１を構成する夫々
鋼板２の所定位置に打抜きによつて設けられた開
口を積層することによつて軸方向に貫通して形成
される。この位置決め孔１２と突起１１との組合
わせによりブラケツト５ａ，５ｂと鉄心１とは容
易に所定の位置関係にセツトされる。

鉄心１の孔１２は±0.01mm程度の精度で作製可
能であるがダイカストによる突起１１の方は±
0.1mm程度の誤差は不可避である。これによつて
生ずる両者の嵌合の誤差を吸収するため本発明に
おいては孔１２を規準として突起１１をこれに強
制的に適合させるようになしている。即ち第３図
ａに示すように突起１１の先端を先細り状のテー
パとなし又胴部の最大径Ｄを孔の内径ｄよりも若
干大きく作製している。この構成によつて両者が
嵌合する際に多少の位置の誤差があつても押圧力
を加えれば突起１１は孔１２内に進入するにつれ
て自然に芯合わせされ、且つ孔１２の縁部の切削
作用によつて比較的軟質の材料からなるその太目
の胴部は削られて丁度孔１２の内径に密嵌するよ
うに加工されながら第３図ｂに示すブラケツトと
鉄心の端面同士が接触する位置まで孔内に圧入さ
れる。第３図ｂ，ｃに示すように突起１１の基部
の周縁には円環状の溝１３が刻設されている。こ
の溝は前記せる突起１１の、孔１２による切削作
用の結果生ずる切り粉１５を受け、最終的に位置
決めが終了した際には該溝１３の壁面と鉄心１の
端面との間で形成される空間内に切り粉１５を封
入する働きを有する。これによつてモータが組立
てられた後この切り粉がモータハウジングと鉄芯
の間に挾まれてハウジングが傾斜したり、モータ
内部に侵入して作動の障害となる危険性が回避さ
れる。

鉄心１を正面から見ると第４図に示すように位
置決め孔１２と緊締用ボルト孔１４とが円周上に
交互に配列されている構成となつていることが応
力配分の関係上好ましい。

発明の効果 以上詳述したように本発明によればアルミニウ
ムダイカスト製のブラケツトに柱状突起を設け、
一方鉄心にはこれを受容する位置決め孔を設けた
ので両者の位置決めが容易に実施でき、又突起の
胴部の最大直径を孔の内径よりも若干太く作製し
ておき圧入の際の孔の縁による切削作用によつて
両者を密嵌せしめるようになしたので、がたの全
くない嵌合を得ることができ、従来の難点であつ
た回転方向のトルクに対しても充分な耐力を持つ
ことができる。更に突起の基部の周縁には円環状
の溝を設けて圧入の際に突起の胴部から生ずる切
り粉をこの中に受けるようになしたので鉄心とブ
ラケツトとの接合面間に切り粉が挾圧されて組立
精度を低下させたり、又は切り粉がモータハウジ
ング内に四散してモータの作動中の障害となるこ
とが防止される。

【図面の簡単な説明】

第２図は本発明の適用されるモータの側断面
図、第１図は本発明の要部を示すブラケツトと鉄
心との嵌合部の部分拡大図、第３図ａ，ｂ，ｃは
夫々突起と位置決め孔との嵌合前の状態、嵌合後
の状態及び突起の平面図、及び第４図は鉄心に設
けられたボルト孔と位置決め孔との配置を示す平
面図である。 １……鉄心、２……鋼板、３……固定子巻線、
５ａ，５ｂ……ブラケツト、１１……突起、１２
……位置決め孔、１３……円環状溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定子巻線を具えた積層鉄心の両端面にアル
   ミニウムダイカスト製の一対のブラケツトを装着
   し、該ブラケツトによつて前記積層鉄心を強固に
   挾持してモータの外被構造となしたモータにおい
   て、鉄心の両端面上に複数の位置決め孔を設ける
   と共に、鉄心の前記端面に接触するブラケツトの
   内側面上に、前記位置決め孔と対応する位置に、
   該孔に嵌入する突起を設け、又該突起の胴部の最
   大径を前記位置決め孔の内径よりも若干大きく設
   定し、更に前記突起の基部周縁のブラケツトの面
   上に円環状溝を刻設したことを特徴とする小型モ
   ータのブラケツトの位置決め構造。 ２ 前記位置決め孔が鉄心を軸方向に貫通して設
   けられている特許請求の範囲第１項に記載された
   構造。 ３ 前記位置決め孔が鉄心の端面の円周上に緊締
   用ボルト孔と交互に設けられている特許請求の範
   囲第１項又は第２項に記載された構造。