JPH0233618Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は圃場に順次野菜苗を植付ける野菜移植
機に関する。

「従来の技術」 従来覆土輪の外周に適宜ラグを突設させ、覆土
時ラグにより覆土輪が回転することによつて移植
部も駆動する所謂単一の覆土輪でもつて覆土と移
植部の駆動の両方を行うようにした手段があつ
た。

「考案が解決しようとする問題点」 しかし乍ら、このような単一の覆土輪でもつて
覆土と移植部の駆動の両方を行う場合、覆土輪に
一体的に設ける前記ラグが苗移植用の畦或いは覆
土部分を破壊するなどの不都合が生ずる許りでな
く、このラグを覆土輪に設ける場合覆土作用に悪
影響を与えないような規制を受けるためラグの接
地が不充分なものとなつて覆土輪の回転が確実に
行われず移植部の駆動も正確には行われない欠点
があつた。

「問題点を解決するための手段」 したがつて本考案は、圃場に苗を植付ける移植
部と、この移植部を駆動する接地駆動輪と、移植
された苗に覆土を施す覆土輪とを備え、前記覆土
輪を回転自在に支持する覆土輪軸を貫通させて前
記接地駆動輪の伝動中間軸を支承させるように構
成したものである。

「作用」 而して本考案によれば、接地駆動輪によつて移
植部の駆動をまた覆土輪によつて覆土・鎮圧作業
を確実に行い得る許りでなく、苗を植付ける畦部
分をラグなどによつて破壊する不都合も解消さ
れ、しかも接地駆動輪の伝動中間軸を移植部に近
接する覆土輪の覆土輪軸に貫通支持させることに
よつてこれら各部品の集約化が図れて構成コンパ
クトにして駆動系も簡単にでき、機体内の組込み
も極めて容易に行えるものである。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は要部の拡大説明図、第２図は全体の
側面図、第３図は同平面図であり、図中１は本機
フレーム２の後部に装設するエンジン、３は前記
エンジン１の下方部に配設するミツシヨン、４は
前記ミツシヨン３に車軸ケース５を介し支持する
後車輪、６は前記フレーム２の中間部に装設する
運転席、７は前記フレーム２の前端に延設する挿
助フレーム８に装備する前車輪、９は前記補助フ
レーム８の中央部に装備する作溝デイスク、１０
は前記補助フレーム８の上方に苗台フレーム１１
を介し配設する移植苗載台、１２は前記フレーム
２に連結支持させる植付フレーム１３に装設して
苗移植用の苗ホルダー１４をホルダーフレーム１
５に備える苗移植部である苗移植装置、１６は前
記植付フレーム１３に備える左右一対の覆土輪、
１７は左覆土輪１６の外側で左後車輪４の前方位
置に配設する苗移植部１２駆動用の接地駆動輪、
１８は本機フレーム２の後方に延設する操向ハン
ドル、１９は車輪スイング調節レバー、２０は走
行変速レバー、２１はホルダー変速レバー、２２
はクラツチレバー、２３はクラツチペダルであ
り、前記作溝デイスク９によつて形成される移植
溝に苗載台１０からの苗をホルダー１４でもつて
移植するとともに、この移植された苗に覆土輪１
６でもつて適宜覆土を施していくように構成して
いる。

第１図及び第４図に示す如く、前記植付フレー
ム１３は前端を本機フレーム２の固定枢支軸２４
に上下揺動自在に支持させると共に、フレーム１
３後端をチエン２５を介して高さ調節自在に本機
フレーム２に吊下げている。また前記接地駆動輪
１７はグランドPTOである駆動輪軸２６を下端
に軸支する支持アーム２７の上端を伝動中間軸２
８を介し前記覆土輪１６の覆土輪軸である軸メタ
ル部材２９に上下揺動自在に支承させると共に、
支持アーム２７の下端を連結ロツド３０・上下調
節用ナツト３１並びに圧縮スプリング３２を介し
て本機フレーム２に支持させて、接地駆動輪１７
を本機フレーム２に取付高さ調節可能に弾圧支持
させるように構成している。そして前記駆動輪軸
２６と中間軸２８とをスプロケツト３３，チエン
３４・変速用多段スプロケツト３５を介して連動
連結させると共に、前記移植部１２の入力スプロ
ケツト３６に前記中間軸２８の出力スプロケツト
３７をチエン３８を介し連動連結させ、前記駆動
軸１７の回転でもつて移植部１２のホルダー１４
を駆動するように構成している。なお、３９，４
０は前記駆動輪１７の外周部に突設するラグであ
る。

一方、前記メタル部材２９は第５図にも示す如
く植付フレーム１３側に固定する取付板４１に回
動支点ボルト４２及び調節ボルト４３並びに調節
長孔４４を介し取付位置調節自在に固定支持させ
ると共に、メタル部材２９の円柱部２９ａ外周に
覆土輪１６のボス部１６ａを回転自在に支持させ
ている。そして前記中間軸２８に対し円柱部２９
ａの軸心方向を異ならせるように形成して、前記
長孔４４に沿わせメタル部材２９の取付位置を変
更させたとき覆土輪１６の覆土角α及び左右の覆
土輪１６，１６間の隙間Ａを可変させるように構
成している。

本実施例は上記の如く構成するものにして、今
作業中においては、前記作溝デイスク９によつて
畦上に形成された移植溝に前記移植部１２のホル
ダー１４により苗が植付けられ、その後覆上輪１
６の覆土・鎮圧作用によつて植付けられた苗に覆
土が施される。またこの機体走行中、前記接地駆
動輪１７が回転することによつて移植部１２の苗
ホルダー１４が駆動し、順次ホルダー１４に供給
される苗が畦の移植溝に植付けされるものであ
る。

またこの場合、駆動輪１７と覆土輪１６とが別
体構造のため、単一構造のものに比べ駆動及び覆
土の両作用が最適条件のもとで確実に行われ、し
かも覆土時ラグ３９，４０が直接畦に作用するこ
とがないので畦の形状を植付後においても損わせ
ることなく良好に保持できる。

さらに、前記駆動輪１７は伝動中間軸２８をメ
タル部材２９に貫通支持させる構造のため、構成
コンパクトにして駆動系も簡潔なものにでき、本
機側への組込も容易に行える。しかも前記中間軸
２８の軸心方向に対しメタル部材２９の円柱部２
９ａの軸心方向を異ならせるため、前記支点ボル
ト４２を中心としてメタル部材２９を長孔４４に
沿わせ可変させたとき、中間軸２８と覆土輪１６
との相対角度を可変させて覆土輪の覆土角α及び
左右の覆土輪１６，１６間の隙間Ａの変更が行え
るもので、したがつて畦形状に適正に対応させて
確実な覆土が行える。

第６図乃至第７図は他の変形構造例を示すもの
であり、該構造のものは前記覆土輪１６の外周に
複数のラグ４５を突設すると共に、前記メタル部
材２９に貫通支持する伝動中間軸２８ａに軸継手
４６及び連結軸２８ｂ並びに支持アーム２７を介
し接地駆動輪１７を取外し自在に連結させ、前記
覆土輪１６のボス部を中間軸２８ａの固定円板４
７にガイドピン４８及びガイド孔４９を介し連動
連結させて、前記中間軸２８ａを覆土輪１６のみ
或いは覆土輪１６と接地駆動輪１７との両者によ
つて回転駆動させるようにしたもので、常時は覆
土輪１６のみの回転によつて移植部１２を駆動す
る一方、覆土輪１６のみでは駆動力が不足するよ
うな必要時にあつては前記軸継手４６を介して前
記中間軸２８ａに接地駆動輪１７を一体装着させ
て確実な移植部１２の駆動力を得るように構成し
ている。

なお、前述実施例において支点ボルト４２側に
も調節長孔４４を形成する構造としても良い。

「考案の効果」 以上実施例からも明らかなように本考案は、圃
場に苗を植付ける移植部１２と、この移植部１２
を駆動する接地駆動輪１７と、移植された苗に覆
土を施す覆土輪１６とを備え、前記覆土輪１６を
回転自在に支持する覆土輪軸２９を貫通させて前
記接地駆動輪１７の伝動中間軸２８，２８ａを支
承させるものであるから、前記駆動軸１７によつ
て移植部１２の駆動がまた覆土輪１６によつて覆
土・鎮圧作業がそれぞれ確実に行える許りでな
く、苗を植付ける畦部分をラグ３９，４０など接
地駆動部分によつて破壊する不都合も解消され、
しかも接地駆動輪の伝動中間軸２８，２８ａを移
植部１２に近接する覆土輪１６の覆土輪軸２９に
貫通支持させることによつてこれら各部品の集約
化が図れて構成コンパクトにして駆動系も簡単に
でき、機体内への組込みをも容易にできるなど顕
著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部を示す説明図、第２図は
全体の側面図、第３図は同平面図、第４図は第１
図の側面説明図、第５図は部分説明図、第６図乃
至第７図は他の変形構造例を示す説明図である。 １２……移植部、１６……覆上輪、１７……駆
動輪、２８，２８ａ……伝動中間軸、２９……覆
上輪軸（メタル部材）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圃場に苗を植付ける移植部と、この移植部を駆
   動する接地駆動輪と、移植された苗に覆土を施す
   覆土輪とを備え、前記覆土輪を回転自在に支持す
   る覆土輪軸を貫通させて前記接地駆動軸の伝動中
   間軸を支承させるように構成したことを特徴とす
   る野菜移植機。