JPH0233566Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はたんす、書庫等の扉に使用する差込錠
に関する。

従来の差込錠に、錠杆とつまみと板ばねとにつ
まみの軸を貫通して軸着し、これを本体に内装し
たものがあるが、本体を扉に取付けるための木ね
じを挿込む穴を本体の下方部にあけなければなら
ない。そのため本体の上方外側面に扉にあけたは
め込溝に食込ませるための係止部を設けて、本体
の下方部に挿通した木ねじと係止部とにて扉に本
体を固定しなければならない。すなわち本体の上
方部に係止部を設けないで下方部の木ねじだけで
本体を扉のはめ込溝に緊締することは取付状態が
不安定となる。

また、つまみ軸、板ばねおよび錠杆は鉄杆は
鉄、真鍮、アルミニウム等の材料を使用するため
に、これらの部材を本体に組立てかしめ止めする
作業を必要とし、品質管理が困難で、コスト高と
なる欠点があつた。

実開昭55−118857号公報にありては、支持板に
錠止杆をビスにて上下動するように取り付け、ば
ねにて錠止杆に弾持された操作片を支持板の切欠
窓に進退させるように位置させ、操作片をばねの
弾力に抗して押し操作片と支持板との齧合を外し
同時に操作片を上下方向に力を加えて移動するこ
とにより錠止杆を進退させているものである。従
つて永年変化により腐食するばねを使用したこと
により戸締り錠としての生命が短く、部品数が多
くコスト高となり、組立てに熟練を要し時間がか
かり取扱いが簡単でない欠点がある。

本考案は従来の欠点を無くしたものであつて、
本体と作動部材と錠杆とを強靭な性質を有する合
成樹脂にて同時にまたは各別に量産することがで
きるとともに本体のほぼ中央部に取付用木ねじを
挿通する穴をあけて、本体の上方側面に隆条等の
係止部を設けないでも扉と本体とを強固に結合す
ることができ、作動部材の凹凸部と本体の凹凸部
とを弾力を利用してはめ込み作動部材を上下方向
に往復作動するとともに錠杆の凹凸部と作動部材
の凹凸部とを作動部材と本体とのはめ込みと同時
に一挙に結合することができ、作動部材の爪を本
体の凹凸係部に結合して作動部材を上げた位置で
錠杆を本体上部より突出させた位置すなわち錠杆
の施錠状態を保持し、製作組立容易で低コスト、
均一な品質の差込錠を提供することを目的とする
ものである。

本考案の構成、作用および効果を実施例の図面
について説明する。

１は強靭な性質を有する長方形の合成樹脂製本
体である。この本体１の裏側に、あり溝等の凹凸
３，３′を内側に形成した弾力性を有する側壁４，
４′を設け、側壁４と４′との間に空間部２を設け
る。また本体１の中央部において、空間部２の内
側底部５に木ねじ６を挿通する穴７をあけた案内
筒８を突設し、案内筒８の下方部において本体１
の裏側の両側縁９，９′に鋸歯等の凹凸１０，１
０′を設けた作動部材案内穴１１を設ける。この
穴１１の両側縁９，９′の上面の深さは、空間部
２の内側底部５の深さよりも浅く形成してある。

１２は本体１の一端肉厚部１３にあけた錠杆の
案内穴であり、１５は本体１の他端彎曲部１６の
外周底部に突設した家具の差込錠はめ込み用凹所
１７の内底部に叩込み進入させるための楔であ
る。

１８は本体１と同効材料からなる短形状の作業
部材であつて、その一端正面部につまみ１９を突
設し、その他端正面部に錠杆の頚部にはめ込まれ
るＵ字形溝２０を有する立上り片２１を突設し、
その中間部に前記本体１の案内筒８を遊挿する長
穴２２を形成する。

また作動部材１８の両側縁に本体１のあり溝等
の凹凸３，３′に係合する台形部等の凹凸２３，
２３′を形成し、作動部材１８のつまみ１９の両
側に前記本体１の凹凸１０，１０′に係合する凹
凸２４，２４′を設ける。２５は錠杆であつて前
記本体１の案内穴１２に緩く挿通する外径を有し
その基部に作動部材１８のＵ字形溝２０にはめ込
まれる頚部２６を設ける。

本体１と作動部材１８と錠杆２５は熱可塑性合
成樹脂からなる等質材料によりモールド成形する
ことができる。本考案を組立てるには、本体１の
案内穴１２に本体１の一端外側より錠杆２５の頚
部２６を差込み、頚部２６の端部を案内筒８に接
近させる。次に本体１の裏側より作動部材１８の
つまみ１９を穴１１を通つて本体１の表側に露出
させ本体１の側壁４，４′の内側方に作動部材１
８の両側縁を押し込み錠杆２５の頚部２６に作動
部材１８のＵ字形溝２０を係合し、本体１の側壁
４，４′のあり溝等の凹凸３，３′に作動部材１８
の台形部等の凹凸２３，２３′を係合して作動部
材１８の長穴２２が本体１の案内筒８にはめ込ま
れた状態で作動部材１８が本体１に対して錠杆２
５を進退する方向には摺動するが、本体の凹凸
３，３′より作動部材１８の凹凸２３，２３が濫
りに外れたりしないようにしてある。また作動部
材１８を往復作動すると、作動部材１８の凹凸２
４，２４′が本体１の鋸歯状の凹凸１０，１０′に
摩擦接触しかつ係脱しながら進行し、作動部材１
８をして錠杆２５の先端部が案内穴１２より外部
に突出して家具等に取付けた係止金具または係止
穴（図示せず）に係止させ、また、錠杆２５の先
端部を案内穴１２の内方に後退させて錠杆２５を
家具等の係止金具または係止穴より脱出して家具
本体の扉２７を開放または閉合した状態を保持す
ることができる。

本考案は前記のように構成したことにより、本
体を扉に取付けるのに本体の中央部にあけた穴に
木ねじを挿通して本体を扉に強固に固着すること
ができるとともに、作動部材と錠杆とを軸にてか
しめ付ける手数と板ばね等の部材を省略すること
ができる。また、本体の両側壁の内側に設けた凹
凸と作動部材の両側面の凹凸とを弾性的に係合す
ることができるために、本体と作動部材と錠杆と
を一工程で組付けることができて一旦組立て終れ
ば何れの製品も均質な製品が得られ、製作組立容
易で量産できる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す。第１図は扉に取
付けた状態の本考案の正面図、第２図は縦断側面
図、第３図は裏面図、第４図は分解した斜視図、
第５図は縦断拡大側面図、第６図は本体の平面
図、第７図は同上縦断側面図、第８図は同上裏面
図、第９図は作動部材の平面図、第１０図は同上
側面図、第１１図は同上正面図である。 １：本体、２：空間部、３，３′：あり溝等の
凹凸、４，４′：本体の側壁、５：空間部の内側
底部、６：木ねじ、７：穴、８：案内筒、９，
９′：本体の裏側の両側縁、１０，１０′：本体の
裏側の両側縁に設けた鋸歯等の凹凸、１１：作動
部材案内穴、１２：錠杆の案内穴、１５：楔、１
８：作動部材、１９：つまみ、２０：Ｕ字形溝、
２１：立上り片、２２：長穴、２３，２３′：台
形部等の凹凸、２４，２４′：本体の鋸歯等の凹
凸に係合する凹凸、２５：錠杆、２６：錠杆の頚
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 裏側内側にあり溝等の凹凸３，３′を形成した
   弾力性を有する側壁４，４′とこの弾力性を有す
   る側壁４，４′の間に設けた空間部２とこの空間
   部２の内側底部５に突設した穴７をあけた案内筒
   ８と案内筒８の穴７に挿通して本体１を扉に固着
   するようにした木ねじ６と、案内筒８の下方部に
   おいて裏側に鋸歯等の凹凸１０，１０′を設けた
   両側縁９，９′を有する作動部材案内穴１１と一
   端肉厚部１３にあけた合成樹脂製錠杆２５の案内
   穴１２と他端に設けた楔１５とからなる合成樹脂
   製本体１と、一端正面部に突設したつまみ１９と
   他端正面部に設けた合成樹脂製錠杆２５の頚部２
   ６にはめこまれるＵ字形溝２０を有する立上がり
   片２１と前記合成樹脂製本体の案内筒８を遊挿す
   る長穴２２と前記合成樹脂製本体のあり溝等の凹
   凸３，３′に係合する台形部等の凹凸２３，２
   ３′と前記合成樹脂製本体１の裏側の両側縁９，
   ９′に設けた鋸歯等の凹凸１０，１０′に係合する
   両側縁の凹凸２４，２４′とを有する合成樹脂製
   作動部材１８と、本体１の一端肉厚部１３の案内
   穴１２に挿通され基部に合成樹脂製作動部材１８
   のＵ字形溝２０にはめこまれる頚部２６を設けた
   合成樹脂製錠杆２５と、 よりなり、案内筒８の穴７に木ねじ６を挿通して
   合成樹脂製本体１を扉に固着するようになし、合
   成樹脂製本体１の一端肉厚部１３の案内穴１２に
   合成樹脂製錠杆２５を挿通し合成樹脂製本体１の
   両内側壁４，４′のあり溝等の凹凸３，３′に合成
   樹脂製作動部材１８の台形部等の凹凸２３，２
   ３′を係合し合成樹脂製本体１の裏側の両側縁の
   鋸歯等の凹凸１０，１０′に合成樹脂製作動部材
   １８の両側縁の凹凸２４，２４′を係合し合成樹
   脂製錠杆２５の頚部２６に合成樹脂製作動部材１
   ８のＵ字形溝２０をはめ込んでなることを特徴と
   する家具用差込錠。