JPH0233341Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば磁気デイスクカートリツジな
どのデイスクカートリツジに係り、特に硬質ケー
ス内にデイスクを回転自在に収容したデイスクカ
ートリツジに関するものである。

ポリ塩化ビニルシートなどで作られたケース内
にデイスクを収容したフレキシブルなデイスクカ
ートリツジが従来より知られているが、このもの
は取り扱い中あるいは保存中に折れ曲がつたり反
つたりすることがあり、そのためにデイスクと磁
気ヘツドとの接触状態が悪くなり、記録再生特性
などが劣化していた。そのため近年、合成樹脂な
どで成形した箱形の硬質ケース内にデイスクを回
転自在に収容したデイスクカートリツジが検討さ
れている。

このものでは従来のフレキシブルなデイスクカ
ートリツジのような変形は起こらないが、問題が
ない訳ではない。すなわち、ケースが合成樹脂な
どの成形体で作られているから、必然的に薄膜状
のデイスクとケースとの間に隙間ができ、ケース
内面にクリーニングシートを貼着してもデイスク
との接触が不完全であるかあるいは全く接触しな
い。そのためにデイスクに対するクリーニング効
果がほとんどなく、デイスク表面に塵埃類が付着
し、それが磁気ヘツドのヘツドギヤツプに入り込
み、結局記録再生特性などに悪影響をおよぼす。

本考案の目的は、このような従来技術の欠点を
解消し、デイスクに対するクリーニング効果が確
実に発揮できるデイスクカートリツジを提供する
にある。

この目的を達成するため、本考案は、磁気ヘツ
ド挿入口を有する硬質ケース内にデイスクを回転
自在に収容したデイスクカートリツジにおいて、
前記ケースに押圧部材挿入口を形成し、ケース内
面にその押圧部材挿入口を閉塞するようにクリー
ニングシートを配置せしめ、押圧部材挿入口から
挿入される押圧部材によりクリーニングシートを
デイスク表面に接触させて、デイスク表面の清掃
を行なう構成になつていることを特徴とするもの
である。

次に本考案の実施例を図とともに説明する。第
１図ないし第３図は第１実施例を示す図で、第１
図はデイスクカートリツジの平面図、第２図は第
１図Ａ−Ａ線上で切断したところの使用態様を示
す断面図、第３図はそのデイスクカートリツジに
用いるクリーニングシートの拡大断面図である。

カートリツジケース１は第２図に示すように上
ケース１ａと下ケース１ｂとから構成され、この
カートリツジケース１は合成樹脂や金属などの硬
質材料で成形される。ケース１の所定位置には記
録再生装置の駆動軸が挿入される駆動軸挿入口
２、磁気ヘツド挿入口３、インデツクスホール
４、基準ピン挿入孔５ａ，５ｂなどが形成されて
いる。このケース１内に磁性層を両面に形成した
薄膜状の磁気デイスク６が回転自在に収容され、
それの中央部はハブ７によつて上下から挟持され
ている。第１図に示すようにこのハブ７に、前記
駆動軸の先端が挿入される挿通孔８が設けられて
いる。

第１図および第２図に示すように、上ケース１
ａ、ならびに下ケース１ｂにおける磁気ヘツド挿
入口３の両側には、磁気デイスク６の少なくとも
記録帯域にわたつて延びた押圧部材挿入口９ａ，
９ｂがそれぞれ形成されており、上ケース１ａの
押圧部材挿入口９ａと下ケース１ｂの押圧部材挿
入口９ｂとは対向状態にある。これら押圧部材挿
入口９ａ，９ｂは、上ケース１ａならびに下ケー
ス１ｂの内面に貼着あるいは適宜な手段で固設さ
れたクリーニングシート１０で閉塞されている。
このクリーニングシート１０は例えば第３図に示
すように、レイヨンや合成繊維などの不織布１１
と、、ポリエステルやポリ塩化ビニルなどの補強
薄膜１２とをラミネートしたものからなり、若千
の弾性ならびに可撓性を有している。このクリー
ニングシート１０の場合、不織布１１が磁気デイ
スク６と接する側、補強薄膜１２がカートリツジ
ケース１と接する側にそれぞれ配置される。

第２図に示すようにデイスクカートリツジの使
用中に、記録再生装置に設けられた２つの押圧部
材１３が上側の押圧部材挿入口９ａから、またそ
れと対向するように２つのパツド部材１４が下側
の押圧部材挿入口９ｂからそれぞれ挿入される。
そして磁気デイスク６の記録帯域に相当する部分
が押圧部材１３とパツド部材１４との間で柔らか
く挟まれ、磁気デイスク６が上下のクリーニング
シート１０，１０と接した状態で回転される。そ
のため磁気デイスク６の表面がきれいに清掃さ
れ、塵埃などの付着によるトラブルが確実に解消
される。

第４図および第５図は、本考案の第２実施例を
説明するための図である。この実施例の場合、上
ケース１ａに押圧部材挿入口９ａが１つ、下ケー
ス１ｂに押圧部材挿入口９ｂが１つそれぞれ形成
され、これら挿入口９ａ，９ｂの位置は、磁気ヘ
ツド挿入口３の付近でかつそれよりも磁気デイス
ク６の回転方向Ｒの上流側に特定されている。

上ケース１ａの押圧部材挿入口９ａと対向する
下ケース１ｂの部分、ならびに下ケース９ｂの押
圧部材挿入口９ｂと対向する上ケース１ａの部分
には、前記第１実施例のような押圧部材挿入口９
ａ，９ｂは設けられていない。その代り前記対向
部分には、それぞれ第５図に示すようにスポンジ
などの弾性体１５とその上に取り付けられたクリ
ーニングシート１６とからなる支え部材１７が設
置されている。なお、押圧部材挿入口９ａ，９ｂ
は第１実施例と同様に可撓性，弾性を有している
クリーニングシート１０によつて閉塞されてい
る。

従つてデイスクカートリツジを記録再生装置に
装着して使用する際は、第５図に示すように磁気
デイスク６の記録帯域に相当する部分がクリーニ
ングシート１０を介して押圧部材１３と支え部材
１７との間で柔らかく挟まれた状態で、磁気ヘツ
ドと接触する直前にクリーニングされる。

この実施例では弾性体１５とクリーニングシー
ト１６とで支え部材１７を構成した場合について
述べたが、クリーニングシートを１枚あるいは複
数枚重ねて支え部材としたり、あるいはスポンジ
などの弾性体の表面にフツ素樹脂などの滑性シー
トを取り付けて支え部材とすることもできる。

第６図は本考案の第３実施例を示す図である。
この実施例では片面に磁性層を形成した磁気デイ
スク６が用いられ、上ケース１ａにおける磁気ヘ
ツド挿入口３の磁気デイスク回転方向Ｒの上流側
にだけ押圧部材挿入口９が形成され、それがクリ
ーニングシート１０によつて閉塞されている。

なお、下ケース１ｂの押圧部材挿入口９と対向
する部分に第１実施例のようにパツド部材挿入口
を形成し、クリーニングシート１０を介して磁気
デイスク６を押圧部材とパツド部材とで挟むよう
にしてもよい。また、第２実施例のように下ケー
ス１ｂの押圧部材挿入口９と対向する部分に支え
部材を固設し、クリーニングシート１０を介して
磁気デイスク６を押圧部材と支え部材とで挟むよ
うにしてもよい。

本考案は前述のような構成になつており、硬質
ケースを用いたデイスクカートリツジにおいても
デイスクに対するクリーニング効果が確実に発揮
できる。また、押圧部材挿入口はクリーニングシ
ートで閉塞されているから、外部からの塵埃の侵
入が阻止できる。このようなことから、特性の安
定したデイスクカートリツジが得られる。

【図面の簡単な説明】

図はすべて本考案の実施例を説明するためのも
ので、第１図は第１実施例に係るデイスクカート
リツジの平面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線上で切
断したところの使用態様を示す断面図、第３図は
そのデイスクカートリツジに用いられるクリーニ
ングシートの拡大断面図、第４図は第２実施例に
係るデイスクカートリツジの平面図、第５図は第
４図Ｂ−Ｂ線上で切断したところの使用態様を示
す断面図、第６図は第３実施例に係るデイスクカ
ートリツジの平面図である。 １……カートリツジケース、１ａ……上ケー
ス、１ｂ……下ケース、３……磁気ヘツド挿入
口、６……磁気デイスク、９，９ａ，９ｂ……押
圧部材挿入口、１０……クリーニングシート、１
３……押圧部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気ヘツド挿入口を有する硬質ケース内にデイ
   スクを回転自在に収容したデイスクカートリツジ
   において、前記ケースに押圧部材挿入口を形成
   し、ケース内面にその押圧部材挿入口を閉塞する
   ようにクリーニングシートを配置せしめ、押圧部
   材挿入口から挿入される押圧部材によつて前記ク
   リーニングシートをデイスク表面に接触させて、
   デイスク表面の清掃を行なう構成になつているこ
   とを特徴とするデイスクカートリツジ。