JPS5819753Y2 - 磁気デイスクカ−トリツジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は音声信号、ビデオ信号、あるいはデータ信号等
の磁気記録再生に用いられる磁気ディスクカートリッジ
に関する。

近年、磁気ディスクをジャケット内に収容した−１１の
状態で、この磁気ディスクを外部より駆動し、その記録
表面に磁気記録再生ヘッドを圧接して記録再生を可能に
した磁気ディスクカートリッジが実用化されている。

この種磁気ディスクカートリッジは、使用中にもジャケ
ットを取シ外さないため、従来の磁気ディスクを露出し
て使用するものに比べて、記録表面に塵埃が付着するの
を防止できるとともに、内部に紛れ込んだ塵埃あるいは
磁気ディスクより剥れた磁性粉等を、ジャケットと磁気
ディスク間に介在させたクリーニングシートにより、拭
き取ることができる利点を有してしる。

しかしながら、そのクリーニングシートとしては長繊維
をからみ合わせた不織布が一般に用いられているため、
長期間使用すると、磁気ディスクとの摺接により、特に
不織布の長繊維が切断された開口部周辺において、繊維
が毛羽立ち、やがて脱落した繊維が磁気ディスクの記録
表面に付着して、Ｓ／Ｎ比の劣化やドロップアウトの増
加を来たす欠点があった。

そこで、クリーニングシートの開口部周辺に、そのクリ
ーニング効果を損なうことなく繊維の脱落を防止する熱
融着部を形成することが提案されている。

この磁気ディスクカートリッジを第１図および第２図に
ついて説明する。

磁気ディスクカートリッジは、ジャケット１と、それに
包筐れた磁気ディスク２とからなり、この磁気ディスク
２は、柔軟性および弾力性を有するプラスチック製ベー
スフィルムの片面筐たは両面に磁気記録層を塗着するこ
とによって構成され、その中央には駆動軸に係合する孔
３を有するとともに、記録帯幅ａの間に記録トラックが
形成されている。

ジャケット１は硬質ビニル、ポリエステルのような合成
樹脂等の材料で造られた長方形の外側シート４を含み、
この外側シート４には貼合用縁部５Ａ 、５Ｂ 、５Ｃ
が設けられている。

外側シート４の片面には、ポリエステル繊維、ナイロン
繊維、ポリプロピレン繊維等の熱可塑性繊維を含む不織
布で構成されたクリーニングシート６が配置され、その
表面を熱プレスして、直線状に走る貼着用熱融着部７Ａ
、７Ｂ 、７Ｃを形成することにより、クリーニングシ
ート６は外側シート４に融着される。

これら外側シート４およびクリーニングシート６の中央
折曲線すで区分された２つの正方形部分４Ａ、４Ｂおよ
び６Ａ、６Ｂには、磁気ディスク２の中央孔３よりも直
径の大きい、中央孔３周縁部分を露出するための中央開
口８と、磁気ディスク２の記録帯幅ａに互って磁気ヘッ
ドがアクセスするためのスロット９と、磁気ディスク２
の周方向のトラック開始点を検出し、それによって磁気
ディスクの径方向移動開始時点を定め、正しくトラッキ
ングをするための開始点感知孔１０が設けられている。

筐た、クリーニングシート６の中央開口８およびスロッ
ト９の周辺には、熱プレスでこれら開口の周方向に沿っ
て２，３重の線状に走る脱落防止用熱融着部１１Ａ、１
１Ｂが形成されている。

片面にクリーニングシート６が融着された長方形の外側
シート４は、クリーニングシート６側を内側にして、そ
の中央折曲線すより折り曲げられ、クリーニングシート
６０両正方形部分６Ａ、６Ｂ間に磁気ディスク２が介挿
される。

この状態で、各貼合用縁部５Ａ、５Ｂ 、５Ｃがそれぞ
れ折曲線Ｃより折り曲げられ、外側シート４の一方の正
方形部分４Ａの外面と貼り合わされる。

この磁気ディスクカートリッジにおいては、クリーニン
グシート６の開口８，９周辺における不織布の各繊維が
脱落防止用熱融着部１１Ａ、１１Ｂによって互に部分的
に融着されているので、この部分でのクリーニング効果
を損なうことなく、繊維の毛羽立ち、脱落を防ぐことが
できる。

しかし、この脱落防止用熱融着部１１Ａ、１１Ｂは、開
口の周方向に沿って連続して線状に形成されているため
、熱融着により大きな歪が発生し、それによってジャケ
ット１が変形してしまい、商品価値が低下する。

本考案の目的は、このような従来技術の欠点を解消シ、
ジャケットの変形が生じない磁気ディスクカートリッジ
を提供するにある。

この目的を達成するため、本考案は、クリーニングシー
トの少なぐとも磁気ディスクを回転駆動するための開口
周辺を、その開口の周方向に沿って不連続に多数設けら
れたドツト状熱融着部で前記ジャケットの内面に貼着す
るとともに、ジャケットに対する磁気ディスクの挿入方
向の下流側に相当する開口部周辺部分のドツト状熱融着
部の面密度が、開口周辺の他の部分のドツト状熱融着部
の面密度よりも高くなっていることを特徴とする。

次に本考案の実施例を第３図ないし第８図とともに説明
する。

従来と同様に、磁気ディスクカートリッジはジャケット
１と、それに回転自在に収納された磁気ディスク２とか
ら構成されている。

磁気ディスク２は、ベースフィルムの片面または両面に
磁気記録層を塗着形成したものからなり、その中央には
第８図に示すように駆動軸に係合する孔３が穿設され、
また磁気ディスク２の所定個所にはトラック開始点検出
用の透孔１２が形成されている。

ジャケット１内で磁気ディスク２が回転することにより
、前記透孔１２がジャケット１に穿設された開始点感知
孔１０の下を通過し、磁気ディスク２の回転状態が７オ
トセンサにより光学的に検出される。

ジャケットトば、硬質ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂よ
りなる外側シート４と、ポリプロピレン繊維とレイヨン
繊維の混抄不織布からなるクリーニングシート６とから
構成され、クリーニングシート６は外側シート４の片面
に配置されている。

第３図に示すように、２つの中央開口８，８を間にして
クリーニングシート６の長手方向に３本ずつの貼着用熱
融着部７Ａ 、 ７Ｂ 、 ７Ｃ、？Ｄ 、７Ｅ。

７Ｆが形成されている。

この貼着用熱融着部ＩＡ〜７Ｆは所定の幅をもって約４
５度傾斜して直線状に延びて卦り、熱融着部７Ａ〜ＩＣ
と熱融着部７Ｄ−７Ｆは傾斜方向が全く反対で、これら
貼着用熱融着部ＩＡ〜ＩＦによりクリーニングシート６
が外側シート４に貼着される。

外側シート４およびクリーニングシート６の所定個所に
は、中央開口８と、スロット９と、開始点感知孔１０が
穿設されている。

クリーニングシート６における中央開口８の周辺部は、
第４図１よび第５図に示すように多数の四角形のドツト
状第１脱落防止用熱融着部１３によって外側シート４に
貼着固定されている。

このドツト状第１脱落防止用熱融着部１３は、中央開口
８０周方向に沿って多条にかつ各条とも細かく不連続に
区分して形成されており、１つのドツト状第１熱融着部
１３の周囲には非融着部分があり、融着時の熱放散が均
等かつ迅速に行なわれる。

特にこのドツト状第１熱融着部１３の全体の分布状態が
、均一なドツト状熱融着部の面密度（単位面積当りの熱
融蓋部個数）でなく、ジャケット１に対する磁気ディス
ク２の挿入方向Ｘ（第４図。

第８図参照）の下流側に相当する開口周辺部分、すなわ
ち第３図において２つの中央開口８，８の対向する側の
開口周辺部分のドツト状第１熱融着部１３の面密度が、
開口周辺の他の部分よりも高くなっていると、その部分
がしつかつと外側シート４に貼着され、従って磁気ディ
スク２を挿入する際に開口周辺がめくれたり、繊維が脱
落したり、磁気ディスク２の先端を損傷したりすること
がない。

この高密度領域における中央開口８の中心Ｏからの開き
角度θは約２０〜１８０度で、好ましくは３０〜６０度
である。

この実施例では、高密度領域におけるドツト状第１熱融
着部１３の面密度が、開口周辺における他の部分の面密
度の約２倍になっている。

前記開始点感知孔１０が穿設されるところのクリーニン
グシート６の部分には、その穿設の前に磁気ディスク２
の回転方向Ｙ（第４図、第８図参照）に沿って微小間隔
をおいて複数のドツト状第２脱落防止用熱融着部１４が
形成され、これによってクリーニングシート６が外側シ
ート４に貼着されている。

そして開始点感知孔１０を外側ジャケット４およびクリ
ーニングシート６に穿設した際、その開始点感知孔１０
の周辺における磁気ディスク２の回転方向Ｙの上流側に
相当する部分に必ずドツト状第２熱融着部１４があるよ
うに、開始点感知孔１０の大きさを考慮してドツト状第
２熱融着部１４の大きさやそれらの間隔が設計されてい
る。

また、磁気ディスク２の磁気記録層が片面にある場合と
両面にある場合とでは、開始点感知孔１０の穿設位置が
若干界なる。

従って両方の磁気ディスク２に適用できるように、ドツ
ト状第２熱融着部１４は複数列設されている。

第４図は開始点感知孔１０を穿設した状態を示して釦り
、開始点感知孔１０の周辺に釦ける磁気ディスク２の回
転方向Ｙの上流側と下流側の両方に相当する部分にドツ
ト状第２熱融着部１４が形成されている。

クリーニングシート６におけるスロット９の周辺部は、
第３固転よび第７図に示すように、各別に独立した多数
の円形微小非熱融着部１５を残して形成された帯状脱落
防止用熱融着部１６（第１図斜線部分）によって外側シ
ート４に貼着されている。

このスロット９の周辺部における貼着を、前記中央開口
８の周辺部を貼着した場合と同様に不連続な多数のドツ
ト状熱融着部で行なうこともできる。

この場合、スロット９の周辺部における磁気ディスク挿
入方向下流側のドツト状熱融着部の面密度が、スロット
９の周辺部の他の部分より高くなるようにドツト状熱融
着部のパターンを設計するとよい。

第８図は、磁気ディスクカートリッジの底面図である。

片面にクリーニングシート６が貼着された長方形の外側
シート４は、クリーニングシート６を内側にして、その
中央折曲線すより折り曲げられ、クリーニングシート６
の両正方形部分６Ａ。

６Ｂ間に磁気ディスク２が介挿される。

その後各貼合用縁部５Ａ、５Ｂ、５Ｃがそれぞれ折曲線
Ｃに沿って折り曲げられ、外側シート４の他方の正方形
部分４Ａの周辺部に重ねられる。

そして各貼合用縁部５Ａ〜５Ｃは所定の間隔をおいて多
数列設されるドツト状の外側シート貼合用熱融着部１１
によって貼合される。

本考案は前述のような構成になっておシ、特に大きな熱
融着範囲を有するクリーニングシートの磁気ディスクを
回転駆動するための開口周辺を、不連続に多数設けられ
たドツト状熱融着部でジャケットの内面に貼着するため
、熱による歪の発生が少なく、従ってジャケットの変形
が起こらない。

ｌた、ジャケットに対する磁気ディスクの挿入方向の下
流側に相当する開口部周辺部分のドツト状熱融着部の面
密度が、開口周辺の他の部分のドツト状熱融着部の面密
度よりも高くなっており、その部分がしっかりと外側シ
ートに貼着されている。

そのため磁気ディスクをジャケット内に挿入する際に開
口周辺がめくれたり、繊維が脱落したシ、磁気ディスク
の先端が損傷したシするようなことがなく、磁気ディス
クの挿入がスムーズである。

【図面の簡単な説明】

第１図は磁気ディスクカートリッジの断面図、第２図は
従来の磁気ディスクカートリッジのジャケットの内面を
展開して示す平面図、第３図は本考案の実施例に係る磁
気ディスクカートリッジのジャケットの内面を展開して
示す平面図、第４図はそのジャケットの中央開口周辺部
の融着パターンを示す拡大平面図、第５図は第４図Ｉ−
Ｉ線上の拡大断面図、第６図は第４図■−■線上の拡大
断面図、第７図はそのジャケットのスロット周辺部の融
着パターンを示す拡大平面図、第８図はその磁気ディス
クカートリッジの底面図である。 １・・・・・・ジャケット、２・・曲磁気ディスク、４
・・・・・・外側シート、６・・・・・・クリーニング
シート、８・・・・・・中央開口、１３・・・・・・ド
ツト状第１脱落防止用熱融着部、Ｘ・・・・・・磁気デ
ィスクの挿入方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気ディスクと、この磁気ディスクを回転自在に収容し
   かつ収容された磁気ディスクを外部から回転駆動および
   記録再生するための開口を有するジャケットと、磁気デ
   ィスクとジャケット間に介在しかつジャケットと同様な
   開口を有する不織布製クリー二／グシートとを備えた磁
   気ディスクカートリッジにかいて、前記クリーニングシ
   ートの少なくとも磁気ディスクを回転駆動するための開
   口周辺を、その開口の周方向に沿って不連続に多数設け
   られたドツト状熱融着部で前記ジャケットの内面に貼着
   するとともに、ジャケットに対する磁気ディスクの挿入
   方向の下流側に相当する開口部周辺部分のドツト状熱融
   着部の面密度が、開口周辺の他の部分のドツト状熱融着
   部の面密一度よりも高くなっていることを特徴とする磁
   気ディスクカートリッジ。