JPH0320952Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば磁気デイスクカートリツジな
どのデイスクカートリツジに係り、特に硬質ケー
ス内にデイスクを回転自在に収容したデイスクカ
ートリツジに関するものである。

ポリ塩化ビニルシートなどで作られたケース内
にデイスクを収容したフレキシブルなデイスクカ
ートリツジが従来より知られているが、このもの
は取り扱い中あるいは保存中に折れ曲がつたり反
つたりすることがあり、そのためにデイスクと磁
気ヘツドとの接触状態が悪くなり、記録再生特性
などが劣下していた。そのため近年、合成樹脂な
どで形成した箱形の硬質ケース内にデイスクを回
転自在に収容したデイスクカートリツジが検討さ
れている。

このものでは従来のフレキシブルなデイスクカ
ートリツジのような変形は起こらないが、問題が
ない訳ではない。すなわち、ケースが合成樹脂な
どの成形体で作られているから、必然的に薄膜状
のデイスクとケースとの間に隙間ができ、ケース
内面にクリーニングシートを貼着してもデイスク
との接触が不完全であるかあるいは全く接触しな
い。そのためにデイスクに対するクリーニング効
果がほとんどなく、デイスク表面に塵埃類が付着
し、それが磁気ヘツドのヘツドギヤツプに入り込
み、結局記録再生特性などに悪影響をおよぼす。

また従来、実開昭57−191983号公報に記載され
ているような磁気デイスクカートリツジが提案さ
れている。

この磁気デイスクカートリツジは、硬質ケース
内に磁気デイスクを回転自在に収容し、その磁気
デイスクと硬質ケースとの間にクリーニングシー
トを介挿したデイスクカートリツジにおいて、硬
質ケースの内面に弾性押圧手段を設け、その弾性
押圧手段によつてクリーニングシートを部分的に
持ち上げて磁気デイスクに押圧する構造になつて
いる。

確かにこの構造では、磁気デイスクの記録面を
クリーニングすることはできるが、問題がない訳
ではない。

すなわち、前記弾性押圧手段として具体的に
は、次のような手段がとられている。すなわち、 高分子フイルムの一端を接着によつて固定
し、高分子フイルムの他端を斜め上方に延ばし
たもの、 硬質ケースの内面に一対の突起を設け、その
突起間に高分子フイルムを湾曲した状態で挿入
したもの、 線ばねの一端を硬質ケースの内面に固定し、
線ばねの他端を斜め上方に延ばしたものであ
る。

このように高分子フイルムあるいは線ばねのい
ずれの場合でも、クリーニングシートを持ち上げ
る部分がケース内面から浮いた状態になつてい
る。そのため長期間使用しているうちに高分子フ
イルムあるいは線ばねが弾性疲労を起こし、クリ
ーニングシートを持ち上げる部分が次第に下がつ
てしまう。このようになると、クリーニング効果
が減退し、甚だしい時にはクリーニング効果が全
く得られないこともある。

また、この提案の構造では、高分子フイルムの
先端部または湾曲した中央の先端部あるいは線ば
ねの細い周面によつてクリーニングシートが持ち
上げられるため、磁気デイスクに対してクリーニ
ングシートが部分的にしか接触しない。

そのためごみはクリーニングシートの一部分に
集められ、そのごみの上にさらに他のごみがかき
集められた状態になる。そのため、ごみの一部が
再び磁気デイスク面に転移することが多々あり、
この点からもクリーニング効果が減退する。

本考案の目的は、このような従来技術の欠点を
解消し、デイスクに対するクリーニング効果が確
実に発揮できるデイスクカートリツジを提供する
にある。

この目的を達成するために、本考案は、ヘツド
挿入口を有する硬質ケース内にデイスクを回転自
在に収容したデイスクカートリツジにおいて、 前記ケースの内面でデイスクと対向する位置に
例えば不織布、スポンジ、フエルトなどの弾性体
を配置し、その弾性体のケース対向面のほぼ全面
がケース内面に当接して、 その弾性体をクリーニングシートで覆つてクリ
ーニングシートにほぼ平担な表面を有する突出部
を形成するとともに、クリーニングシートをケー
ス内面に固着して、 前記クリーニングシートの突出部をデイスク表
面に弾接せしめることを特徴とするものである。

次に本考案の実施例を図とともに説明する。第
１図はデイスクカートリツジの平面図、第２図は
組込み途中の下ケースの平面図、第３図は組込み
完了後の下ケースの平面図、第４図はこのデイス
クカートリツジの要部拡大断面図である。

カートリツジケース１は上ケース１ａと下ケー
ス１ｂとから構成され、このカートリツジケース
１は合成樹脂や金属などの硬質材料で成形され
る。カートリツジケース１の所定位置には記録再
生装置の駆動軸が挿入される駆動軸挿入口２、磁
気ヘツド挿入口３、インデツクスホール４、基準
ピン挿入孔５ａ，５ｂなどが形成されている。

カートリツジケース１内には、磁気デイスク６
が回転自在に収容されている。この磁気デイスク
６は第４図に示すようにベースフイルム７の両面
に磁性層８を塗着形成したものからなり、それの
中央部はハブ９によつて上下から挾持されてい
る。第１図に示すようにこのハブ９に、前記駆動
軸の先端が挿入される挿通孔１０が設けられてい
る。

第２図および第３図に示すように下ケース１ｂ
の内面で駆動軸挿入口２の外周には環状の突堤１
１が形成され、それには磁気ヘツド挿入口３とイ
ンデツクスホール４を閉塞する閉塞板１２が所定
角度回動自在に外嵌されている。１３は閉塞板１
２の抜け止めをする係止突部で、突堤１１の上端
に複数設けられている。デイスクカートリツジを
使用しないときには閉塞板１２によつて磁気ヘツ
ド挿入口３ならびにインデツクスホール４が閉ざ
されており、デイスクカートリツジを記録再生装
置に装着するとき、閉塞板１２が回動されて磁気
ヘツド挿入口３ならびにインデツクスホール４が
開口する仕組になつている。下ケース１ｂの内面
に形成された弧状の凹部１４ａ，１４ｂは、閉塞
板１２の回動角度を規制するためのものである。

第２図に示すように磁気ヘツド挿入口３の中心
線Ｘを中心とした対称位置で、前記凹部１４ａ，
１４ｂから外れ、しかも磁気デイスク６と対向す
る位置に長方形の薄い弾性体１５がそれぞれ配置
される。この弾性体１５は、単層あるいは複数層
になつたレイヨン繊維あるいはボリエステル繊維
などからなる不織布、スポンジあるいはフエルト
などから作られ、第４図に示すように弾性体１５
のケース対向面のほぼ全面がケース内面に当接し
ており、また第２図に示すようにスポツト融着１
６あるいは接着剤、両面粘着テープなどの適宜な
手段により弾性を損わないように固着される。

次に第３図に示すように、２つの弾性体１５
は、レイヨン繊維あるいはポリエステル繊維など
の不織布からなる１枚のクリーニングシート１７
で覆われる。このクリーニングシート１７は、下
ケース１ｂの駆動軸挿入口２ならびに凹部１４
ａ，１４ｂと対向する部分が切除されてほぼ馬蹄
形をしている。クリーニングシート１７の外周部
ならびに中間部分はスポツト融着１６により下ケ
ース１ｂの内面に固着され、さらに弾性体１５を
覆つた部分の弾性体外周相当部分もスポツト融着
１６されている。このようにクリーニングシート
１７で弾性体１５を覆うことにより、クリーニン
グシート１７の一部に長方形でほぼ平担な表面を
有する突出部１８が形成される。また、クリーニ
ングシート１７の弾性体１５の外周相当部分をス
ポツト融着１６することにより、弾性体１５は若
干押圧変形され、クリーニングシート１７の前記
突出部１８に弾発力を付与している。図示してい
ないが上ケース１ａの方も同様に、それの内面に
２つの弾性体１５が磁気ヘツド挿入口３の中心線
Ｘを間にして対称位置に固着され、それらの上を
１枚のクリーニングシート１７で覆い、クリーニ
ングシート１７を上ケース１ａの内面に固着す
る。しかるのち上ケース１ａと下ケース１ｂの間
に磁気デイスク６を介挿し、上ケース１ａと下ケ
ース１ｂとを超音波融着あるいはビス止めなどの
手段で接合する。

このようにしてデイスクカートリツジが組立て
られると、第４図に示すようにクリーニングシー
ト１７の突出部１８，１８の間で磁気デイスク６
が柔らかく挾まれている。従つてデイスクカート
リツジの使用に際して磁気デイスク６を回転すれ
ば、クリーニングシート１７の突出部１８より、
磁気デイスク６の記録帯域に相当する部分がきれ
いに清掃される。また、磁気デイスク６は、磁気
ヘツド挿入口３から挿入された磁気ヘツドと、ク
リーニングシート１７の突出部１８とによつて保
持されるから、磁気デイスク６ががたつかず回転
状態が安定している。

この実施例のように、弾性体１５をクリーニン
グシート１７で若干押圧した状態でクリーニング
シート１７をカートリツジケース１に固着すれ
ば、弾性体１５の弾発力によりクリーニングシー
ト１７の突出部１８にほぼ一定の弾力性が得ら
れ、磁気デイスク６に対するクリーニング効果が
確実に発揮できる。

この実施例では弾性体１５を予めケース１に固
着し、その上にクリーニングシート１７を載せ
て、クリーニングシート１７をケース１の内面に
固着する場合について説明したが、弾性体１５を
予めクリーニングシート１７の方に取り付け、そ
のクリーニングシート１７をケース１の内面に固
着することもできる。

本考案は前述のように、弾性体のケース対向面
のほぼ全面がケース内面に当接しているため、従
来提案されたもののような高分子フイルムあるい
は線ばねが弾性疲労を起こしてクリーニング効果
が減退したりすることがなく、長期間クリーニン
グ効果が発揮できる。

また従来提案されたものでは、デイスクに対し
てクリーニングシートが部分的にしか接触してお
らず、そのため一旦捕集したごみの一部が再び磁
気デイスク面に付着することがある。しかし、本
考案ではクリーニングシートの突出部の表面がほ
ぼ平担になつて広いクリーニング面積を有してい
るため、突出部表面の各部部分でごみを捕集する
ことができる。捕集されたごみはそれぞれクリー
ニングシートの繊維間で確実に保持されるから、
再びデイスク面に付着するようなことはない。

このようなことからデイスクに対するクリーニ
ング効果が確実に発揮でき、またデイスクの回転
にともなう上下のがたつきもなくなり、特性の安
定したデイスクカートリツジが得られる。

【図面の簡単な説明】

図はすべて本考案の実施例に係るデイスクカー
トリツジを説明するためのもので、第１図はデイ
スクカートリツジの平面図、第２図は組込み途中
の下ケースの平面図、第３図は組込み完了後の下
ケースの平面図、第４図はこのデイスクカートリ
ツジの要部拡大断面図である。。 １……カートリツジケース、１ａ……上ケー
ス、１ｂ……下ケース、３……磁気ヘツド挿入
口、６……磁気デイスク、１５……弾性体、１６
……スポツト融着、１７……クリーニングシー
ト、１８……突出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ヘツド挿入口を有する硬質ケース内にデイスク
   を回転自在に収容したデイスクカートリツジにお
   いて、 前記ケースの内面でデイスクと対向する位置に
   弾性体を配置し、その弾性体のケース対向面のほ
   ぼ全面がケース内面に当接して、 その弾性体をクリーニングシートで覆つてほぼ
   平担な表面を有するクリーニングシートの突出部
   を形成するとともに、クリーニングシートをケー
   ス内面に固着して、 前記クリーニングシートの突出部をデイスク表
   面に弾接せしめることを特徴とするデイスクカー
   トリツジ。