JPH0233018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本願は、たとえばデイゼルエンジンの排気装置
に用いられるバーナ装置に関する。

〔従来の技術〕

従来提案されているバーナ装置は、第４図、第
５図のように、外周に接線方向に向け空気供給管
１を設けた円筒ケース２内に、一端部にカバー３
を固着した筒体４を配置し、筒体４の他端部に噴
射部５を設け、これらを一体的に固着した構造の
ものである。カバー３は、メインカバー６とサイ
ドカバー部７と衝突カバー部８とから成る。メイ
ンカバー部６は、円筒管の上壁面の一部を長手方
向に切り除いた切欠き溝９を有し、筒体４の一端
下底部に、その軸を筒体４の軸と直交するような
向きにして固着される。サイドカバー部７は、デ
イスク状のものであり、メインカバー部６の一方
開放端に固着され、該開放端を閉塞する。衝突カ
バー部８はメインカバー部６の一方側上端部に固
着され、筒体４の開口面積と同程度の面積を持つ
プレート体である。衝突カバー部８は、筒体４の
開放端の両側部から延びる連結片１０により所定
間隔をへだてて、筒体４に連結されている。メイ
ンカバー部６には、ロツド状の発熱体１１を有す
るグロープラグ１２が挿着されている。

噴射部５の噴射ノズルから噴射された燃料は、
筒体４内を直進し衝突カバー部８に衝突し、微粒
化しながら周囲に散乱する。同時に、円筒ケース
２の空気供給管１から空気が円筒ケース２内に流
入し、該空気は旋回流となつて円筒ケース２内壁
面にそつて進行する。この状態において、加熱さ
れているグロープラグ１２の発熱体１１により、
燃料が着火し、火炎となつて拡がつていくのであ
る。

〔考案により解決すべき問題点〕

上記構造のバーナ装置は、衝突カバー部８に衝
突した燃料粒がメインカバー部６内に多量侵入
し、発熱体１１を冷却させてしまう現象が生じる
のを防止するため、メインカバー部６には、スリ
ツト状の切欠き溝９が設けられている。そのた
め、メインカバー部６内は、空気が侵入し難く酸
素不足となり、着火後の火炎は、メインカバー部
６外方に生成することになる。そうすると、メイ
ンカバー部６の外方は、空気供給管１からの旋回
空気が流通するところであるから、特に旋回空気
量が大のとき、火炎が吹き消されてしまう結果が
生じるのである。このことは、同時に、燃料が着
火し難くなることを意味している。

したがつて本願は、旋回空気流の影響を受け
ず、着火性が向上し、さらに着火後の火炎の伝播
を良くしたバーナ装置を提供しようとするもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

接線方向に空気供給管を設けた円筒ケース内
に、切欠き溝を有する円筒管から成るメインカバ
ー部と衝突カバー部に固着した短筒状のサイドカ
バー部とを一体化したカバーを配設し、円筒ケー
ス端部に設けた燃料噴射部とカバーの衝突カバー
部とを対面させ、上記円筒管内に発熱体を挿着し
た構造とした。

〔作用〕

カバー内に発熱体により着火した火種は、旋回
空気流にさらされないので、旋回空気量が増加し
ても、火種、火炎が吹き消されない。またカバー
は、円筒ケース内に開放しており、火炎の伝播が
助長される。

〔実施例〕

第１図、第２図は、本考案のバーナ装置であつ
て、外周端に接線方向に向け空気供給管２０を設
けた円筒ケース２１内に、端部から所定距離離隔
させてカバー２２を設けるとともに円筒ケース２
１の端部に噴射部２３を設け、これらを一体化さ
せて成る。カバーは、メインカバー部２４とサイ
ドカバー部２５と衝突カバー部２６とを有して成
る。メインカバー部２４は、円筒管から成りその
上壁面の一部を長手方向に切り除いた、巾広の切
欠き溝２７を有しており、円筒管は円筒ケース２
１の側壁から内方に向け挿設、固着されている。
衝突カバー部２６は、半円板状のものであり、メ
インカバー部２４の円筒管の外側にそつて立設さ
れており、円筒ケース２１の端部の噴射部２３に
対面している。なお、衝突カバー部２６の外側に
伸びているものは、燃焼促進板２８である。サイ
ドカバー部２５は、下方が開放する短筒状のもの
であつて、その一端面が衝突カバー部２６の外周
面に固着されており、他端面は円筒ケース２１内
に開口している。

メインカバー部２４の円筒管に連結しているの
は、グロープラグケース２９であり、該ケースに
は、先端にロツド状の発熱体３０を設けたグロー
プラグ３１が挿設される。発熱体３０は、メイン
カバー部２４内に位置する。

このようなバーナ装置は、たとえば第３図に示
される排気浄化装置３２の流入口に配設され使用
に供される。排気浄化装置３２は、流入出管３
３，３４を有するケース３５内に耐熱過体３６
を装着して成り、耐熱過体３６がカーボン微粒
子により目づまりした際に、これを焼却させるた
めの火炎発生装置としてバーナ装置が利用される
のである。

第１図、第２図において、噴射部２３のノズル
（図示せず）から噴射された燃料は、粒状となつ
て直進し、カバー３の衝突カバー部８に衝突し、
微粒子状で周囲に散乱する。同時に、円筒ケース
内２１の空気供給管２０から空気が円筒ケース２
１内に流入し、旋回流となつて進行する。予じめ
スイツチ・オンの状態にされ高温に加熱されてい
るグロープラグ３１の発熱体３０に燃料が衝突、
着火し、さらに火炎となつて広がり、カバー２２
外方の空気と燃料との混合気を燃焼させ、旋回す
る火炎を生じさせる。

カバー２２内は、サイドカバー部２４および衝
突カバー部２６により囲まれており、空気供給管
２０からの空気の旋回流はカバー２２内に浸入し
ない。他方、カバー２２の衝突カバー部２６の対
面は、円筒ケース２１に開口しており、空気の供
給は十分ある。したがつて、発熱体３０により着
火した火炎は、上記旋回流の影響を受けることな
く、円筒ケース２１に向け伝播し得ることにな
る。

〔考案の効果〕

以上のように本考案のバーナ装置は、下方が開
放する短筒状のサイドカバー部と該サイドカバー
部の一方面を閉塞する衝突カバー部と、サイドカ
バー部の下方に設けたメインカバー部とから成る
カバーを有するものであるから、発熱体付近の着
火部が旋回空気流にさらされず、着火性が向上す
る。また、旋回空気流が増大し、これがカバーに
衝突して内部を冷却し着火後の火種を弱化させる
ようなことがあつても、カバー内は完全に閉塞さ
れておらず、円筒ケース２１に開放しているか
ら、火種はこの空間を伝播し、成長し易いので、
火種が消えてしまう恐れは減小する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のバーナ装置断面図、第２図
は第１図の横断面図、第３図はバーナ装置を備え
た排気浄化装置断面図、そして第４図、第５図は
従来のバーナ装置の断面図である。 ２１…円筒ケース、２２…カバー、２４…メイ
ンカバー部、２５…サイドカバー部、２６…衝突
カバー部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周端に接線方向に向け空気供給管を設けた円
   筒ケース内に、上面に長手方向に切欠き溝を設け
   た円筒管から成るメインカバー部と該メインカバ
   ー部の円筒管の外側に固着された衝突カバー部と
   下方が開放する短筒状のものであつて一方開放面
   が上記衝突カバー部に固着されているサイドカバ
   ー部とを一体化して成るカバーを配設し、円筒ケ
   ースの一端に燃料噴射部を設けるとともにカバー
   の衝突カバー部を燃料噴射部に対面させ、メイン
   カバー部の円筒管内に発熱体を挿設して成るバー
   ナ装置。