JPH0232898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電磁クラツチ・ブレーキのロータ・ア
ーマチユアのハブ部を軸体に固定する装置に関す
る。

従来のこの種の装置においては、キーとキー溝
の構成を用いている。このキー締結装置は、キー
材の圧縮剪断を利用して軸体にハブを締結しトル
クを伝動している。衝撃トルク、変動トルクを伝
動する場合はキー溝の長さを増すかキーを材質の
強いものに変更する必要が生じる。キー溝の長さ
を増した場合は当然ハブの長さも増す必要があ
る。更に、衝撃トルクが交番荷重の場合はキーが
圧縮を受けて摩耗する。キーが摩耗するとキーと
キー溝との間に遊びが増えて伝動装置に悪影響が
起こる。また、テーパーを利用した部材を軸体と
ハブとの間に挿入して、軸方向に圧力を加えてハ
ブを軸体に締結する方法がある。この方法におい
て、大きいスリツプトルクを要望する場合は、軸
体の長手方向に何組ものテーパー部材が必要にな
るが、この増加分に比例して締結力が増大しない
という問題が存する。

また、このテーパー部材だけで軸体とハブとの
同芯度を期待できず必ずセンタリング部が必要と
なる。

本考案は上記キー締結装置とテーパー部材を用
いた固定装置の両者の欠点を除去した固定装置を
提供することを目的とするものである。

以下に本考案の構成を添付図面に示す実施例に
基づいて詳細に説明する。

２は軸体であり、これに電磁ブレーキ４のアー
マチユア６のハブ部６ａが嵌合している。前記ハ
ブ部６ａの両側には一体的にテーパーリング６b₁
と６b₂が形成され、該テーパーリング６b₁と６b₂
の外周面にはそれぞれテーパー面６c₁と６c₂が形
成されている。前記ハブ部６ａには、軸方向にボ
ルト挿入孔８が複数個透設されている。１０はク
ランプリングであり、これの内周面にテーパー面
１０ａが形成され、該テーパー面１０ａは前記テ
ーパー面６c₁に嵌合している。前記クランプリン
グ１０には軸方向に、前記ボルト挿入孔８に対応
してねじ穴１１が透設されている。１２はスラス
トリングであり、これの内周面にテーパー面１２
ａが形成され、該テーパー面１２ａは前記テーパ
ー面６c₂に嵌合している。前記スラストリング１
２には軸方向に、前記ボルト挿入孔８に対応して
ボルト挿入孔１４が透設されている。１６は、軸
体２に嵌合する。電磁クラツチ１８のロータであ
る。前記ロータ１６のハブ部１６ａの一側面には
軸体２に嵌合するテーパーリング２０が当接し、
ハブ部１６ａの他側面には同じく軸体２に嵌合す
るテーパーリング２２が当接している。前記テー
パーリング２０，２２の外周面にはそれぞれテー
パー面２０ａ，２２ａが形成されている。前記テ
ーパーリング２０、前記ロータ１６及び前記テー
パリング２２には、同軸線上に位置して、軸方向
に複数個のボルト挿入孔２４，２６，２８が透設
されている。３０はクランプリングであり、これ
の内径部にテーパー面３０ａが形成され、該テー
パー面３０ａは前記テーパー面２０ａに嵌合して
いる。前記クランプリング３０には前記ボルト挿
入孔２４，２６，２８に対応して該ボルト挿入孔
２４，２６，２８と同数のねじ穴３２が軸方向に
透設されている。３４はスラストリングであり、
これの内周面にテーパー面３４ａが形成され、該
テーパー面３４ａは前記テーパー面２２ａに嵌合
している。前記スラストリング３４には、前記ボ
ルト２４，２６，２８と同数のボルト挿入孔３６
が軸方向に透設されている。

尚、前記テーパーリング６b₁，６b₂，２０，２
２のテーパー形成管壁に軸方向に割り部（切欠
部）を設けるようにしてもよい。

次に本実施例の作用について説明する。

ボルト挿入孔１４，８に挿入したボルト３８を
クランプリング１０のねじ穴１１にねじ込むと、
クランプリング１０とスラストリング１２は内側
に引き寄せられる。これにより、テーパーリング
６b₁，６b₂のテーパー部に軸体２と直角方向に押
圧力が働き、アーマチユア６は軸体２に強固に圧
着固定される。

ロータ１６の場合も同様であり、ボルト挿入孔
３６，２８，２６，２４に挿入したボルト４０を
クランプリング３０のねじ穴３２にきつくねじ込
むと、両側のテーパーリング２０，２２は内側に
引き寄せられる。これにより、テーパーリング２
０，２２のテーパー部に軸体２と直角方向に押圧
力が働き、テーパーリング２０，２２は軸体２に
強固に圧着固定される。さらに両側リング２０，
２２とハブ部１６ａの両側面との間に面圧が作用
して、ハブ部１６ａは両側のテーパーリング２
０，２２に強固に圧着固定される。これにより締
付ボルト４０に曲げ剪断荷重が働かず、ハブ部１
６ａと軸体２間でトルクが伝達される。

本考案はロータ・アーマチユアのハブ部を両側
から締結することにより、締結時の軸方向荷重を
相殺し、ハブを軸方向に移動させることなく正確
な位置に固定することができる。また、センタリ
ング部を必要とせず、衝撃トルク、変動トルクに
よるキーの摩耗がない等の効果が存する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の好適な実施例を示す断面図であ
る。 ２……軸体、６……アーマチユア、６ａ……ハ
ブ部、６b₁，６b₂……テーパーリング、６c₁，６
c₂……テーパー面、８，１４……ボルト挿入孔、
１０……クランプリング、１１……ねじ穴、１２
……スラストリング、１６……ロータ、１６ａ…
…ハブ部、２０，２２……テーパーリング、２０
ａ，２２ａ……テーパー面、２４，２６，２８，
３６……ボルト挿入孔、３０……クランプリン
グ、３２……ねじ穴、３４……スラストリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータ・アーマチユアのハブ部の両側と一体的
   若しくは別体にそれぞれテーパーリングを設け、
   該テーパーリングの外周面にテーパー面を形成
   し、一方のテーパーリングのテーパー面にはスラ
   ストリングを嵌合し、他方のテーパーリングのテ
   ーパー面にはクランプリングを嵌合し、該クラン
   プリングの軸方向にねじ穴を複数個透設し、該ね
   じ穴に対応してボルト挿入孔を前記スラストリン
   グ、前記ハブ部及び前記それぞれのテーパーリン
   グに軸方向に透設し、前記ボルト挿入孔に挿入し
   たボルトを前記クランプリングのねじ穴にねじ込
   むようにしたことを特徴とする電磁クラツチ・ブ
   レーキにおけるロータ・アーマチユア固定装置。