JPH0118294B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、弾性的に可撓のカツプリングに関
し、特に、安全装置が設けられたカツプリングに
関する。

従来知られているカツプリングには、ハブと、
シヤフト若しくは他の伝達部材と、ハブの内面に
接触し半径方向で圧縮されるようにされて上記両
部材を回転連結するエラストマ製スリーブとから
なるものがある。

本発明の目的は、カツプリングのスリーブの軸
方向での安全な配置を維持するための装置で、安
価で使いやすく軸方向でのかなりの力に抵抗で
き、スリーブを介して行われる回転駆動を維持す
る装置を提供するもので、この装置に於いてはワ
ツシヤがスリーブの端部と該端部に近いハブの端
部との間でハブの内面に強制的に嵌め込まれるよ
うにされ、このハブはその外周部分にハブの端部
の方向で軸線に対して傾いている複数の歯が設け
られ、該歯は引抜き力が加わるとハブの内面に当
接して自己固定されるようになつている。

以下、本発明を添付図面に示した実施例に基づ
き説明する。

第１図に断面図で示す本発明に係るカツプリン
グはハブを有しており、該ハブは合成材料から作
つたり、引抜き加工した管の一部から作つたり、
またはシート状金属を筒状にし溶接して作る。ハ
ブの内部には弾性的に変形可能のスリーブ３が設
けられており、該スリーブはハブの内壁５の少な
くとも１部とシヤフトの如きトルク伝達部材７と
の間で半径方向で圧縮されている。トルク伝達部
材７はスリーブの孔９内に挿入され通常の操作に
於いてはハブの回転駆動力がこのスリーブを通し
てのみ行われるようにする。

異常な力の作用によつてスリーブがハブから滑
り出るのを防ぐため、ハブの材料より硬い例えば
スチールの少なくとも１つのワツシヤ１１（第２
図）を有する安全装置が設けられて駆動を維持す
る。ワツシヤはほぼ平らなリングであり、その中
央の開口１３にはカツプリングの作動中に於いて
も部材７が接触することなく通るようになつてお
り、またその外周は少なくとも１つ、好ましくは
等間隔で離された複数の、当該ワツシヤの平面に
対してわずかに傾斜した歯を有している。

ワツシヤ１１はハブの内壁５内でスリーブの端
部１７とハブの端部との間に、好ましくはスリー
ブがトルク伝達部材７及びハブの間に挿入された
後、例えばプレス等によつて強制的に取り付けら
れる。ワツシヤはハブの軸線Ｘ−Ｘに直角でワツ
シヤの歯がハブの端部１９の方向に傾くように
し、歯がハブの孔に沿つて容易に挿入されるよう
にするとともに、軸方向の引抜き力Ｆがかかる
と、当該歯がワツシヤの平面に一致するようにな
りハブの内壁５に当接して固定され、スリーブ３
のストツパとして作用するになされている。

ワツシヤのこのような自己固定を改善するた
め、歯の周端部は引抜き力が加わつた場合にハブ
の内壁５に容易に喰い込むよう鋭くすることがで
きる。

上記の本発明に係るカツプリングに於いては、
非常に広い公差をもつて作ることができる単純で
安価な部材を用い且つ軸方向でのかなりの引抜き
力が対抗できるようにすることができる。

第３図には、第１図に示したカツプリングの変
形例が示されており、該カツプリングに於いては
スリーブのエラストマが劣化した場合に回転駆動
を周知の方法で維持するため、キー２１が設けら
れている。該キーは部材７に固定され２つの直径
方向に伸びる部分２３を有し、該部分は少なくと
も通常の作動状態に於いてはハブの端部１９に設
けられた２つの対応する開口２５内にそれらの周
縁と接触することなく受け入れられている。本発
明によれば、スリーブとキーに対する軸方向での
安全な配置はワツシヤ１１′をキーの前方位置に
設けることにより維持するようになつており、該
ワツシヤは前述の実施例と同様にしてもよいが、
好ましくは第４図に示されたようなものとする。
このワツシヤはキーと同様に２つの直径方向で反
対向きに伸びる部分２７を有しており、該部分は
開口２５内に受け入れられるようにされている。
また、部分２７の両側にはハブの端部１９に向つ
て傾斜する小さな歯１５が設けられ、該歯は当該
ワツシヤがハブ内に設定されたときにハブの端部
内壁に当接してキーの前方若しくはこのキーに当
接して位置決めされ、その自己固定作用により軸
方向での安全装置としての作用をする。

２つの直径方向突出部分の設けられたキーは部
材７に固定しないで、ハブに設けた孔内にその中
心部分を圧入して該ハブと固定することもでき
る。そのような場合、スリーブのエラストマが劣
化したときの回転駆動は、部材７とワツシヤの中
心開口との協働、例えば部材７とワツシヤの中心
開口とを台形にするなどして両者を係合させるこ
とによつて維持される。

図示の実施例では説明のため、本発明をユニバ
ーサルジヨイントのヨークに適用した場合を示し
ており、このユニバーサルジヨイントはワツシヤ
を受け入れる端部と反対側のヨーク端部２９を切
削して、（図示しない）クロス（十字型）部材の
２つのトラニオンをローラベアリングを介して受
け入れる２つのブランチ３１を形成している。

１つの変形例として、ハブのワツシヤを受け入
れる端部と反対側の端部に、ハブの軸線に対して
ほぼ直角な平面面に配置された少なくとも１つの
可撓性タブを有するように加工することもでき
る。

スリーブの軸方向での固定は、上述の如く一端
で行うことも、またワツシヤの両端部分に設けて
両端で行うこともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る装置をユニバーサルジ
ヨイントのヨークに適用した場合の断面図；第２
図は、自己固定ワツシヤの平面図；第３図は、第
１図の装置の変形例を示す断面図；第４図は、第
３図の装置の端面図；である。 ３……スリーブ；５……ハブの内壁；７……ト
ルク伝達部材；１１……ワツシヤ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハブと、シヤフト等のトルク伝達部材と、ハ
   ブとトルク伝達部材との間に半径方向で圧縮され
   るようにして設けられた弾性的に変形可能なスリ
   ーブとを備える型式のカツプリングのための安全
   装置に於いて、スリーブの端部と該端部に近いハ
   ブの端部との間でハブの内壁に強制的に取り付け
   られたワツシヤを有し、該ワツシヤはその外周縁
   部にハブの端部の方向で軸線に対して傾斜し、引
   抜き力が加わるとハブの内壁に当接して当該ワツ
   シヤの自己固定作用を起す歯が設けられているこ
   とを特徴とするカツプリングのための安全装置。 ２ 上記ワツシヤがほぼ平らなリングからなり、
   該リングの外周部分に当該リングの面に対して傾
   斜している歯が設けられている特許請求の範囲第
   １項に記載の安全装置。 ３ 上記ワツシヤがトルク伝達部材をそれと接触
   することなく通すための中央開口を有している特
   許請求の範囲第１項若しくは第２項に記載の安全
   装置。 ４ 上記ワツシヤが、上記歯のハブ内壁との係合
   によつて自己固定されるようにした特許請求の範
   囲第１項、第２項若しくは第３項に記載の安全装
   置。 ５ 上記歯の端部が鋭くされ、該歯がハブの内壁
   に喰い込むことによりワツシヤが自己固定される
   ようにした特許請求の範囲第１項、第２項若しく
   は第３項に記載の安全装置。