JPH0232429B2 - Kokanchunaihenokonkuriitojutenhoho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 近年、多層階建築物等の柱として、梁取付基材
を支持する鋼管柱内にコンクリートを充填したも
のが開発されている。このコンクリート充填型の
鋼管柱は、単なる中空状の鋼管柱に比して、充填
コンクリートの剛性効果、応力分担、鋼管の局部
座屈補剛等、種々の利点が予想されているが、実
験、研究の結果実際には次のような問題があつ
た。

即ち、鋼管柱内にコンクリートを充填するに当
つて、この鋼管柱内に突出位置する梁取付基材
（一般にダイアフラムと呼ばれている。）の下面の
隅々にまで確実にコンクリートを注入打設するこ
とが難しく、しかも、鋼管柱内に充填されたコン
クリートが経時的に収縮することも相俟つて、前
記梁取付基材の下面と打設コンクリートの上面と
の間に必然的に空間が発生していた。その結果、
大梁鉄骨のウエツブ方向のせん断力により梁取付
基材を介して伝達される鉛直方向力は鋼管柱のみ
が負担することになり、コンクリート充填型鋼管
柱のメリツトを最大限に生かせないといつた問題
である。

本発明の目的は、上述の問題点を解消すること
のできる有用な鋼管柱内へのコンクリート充填方
法を提供する点にあり、その特徴は、内部充填型
の鋼管柱内のうち、その鋼管柱内に突出する状態
で鋼管柱に支持させた梁取付基材の下側部に、そ
の梁取付基材の下面を覆うロート状堰板を上下に
移動自在に設け、前記鋼管柱内にコンクリートを
充填し、その充填コンクリートを養生固化した
後、前記堰板の上面と梁取付基材の下面との間に
生じる空間内に無収縮モルタルを注入充填する点
にある。

上記特徴方法による作用効果は次の通りであ
る。

つまり、充填コンクリートの養生固化後に、前
記梁取付基材の下方に発生した空間内に無収縮モ
ルタルを注入充填することと、充填コンクリート
の経時収縮に伴つて鋼管柱内を一体的に移動する
堰板により、前記梁取付基材の下面との間に無収
縮モルタルを注入するためのほぼ一定した空間を
確保することができること、ならびに、前記堰板
がロート状であるが故に、コンクリートの充填
時、堰板と鋼管柱とが形成する隅部にまでコンク
リートを密実状態で充填することができることと
の相乗により、大梁鉄骨のウエツブ方向のせん断
力により柱に伝達される鉛直方向力を、鋼管柱の
みならず梁取付基材及び無収縮モルタル、堰板を
介して充填コンクリートにも確実に負担させるこ
とができる。

従つて、鋼管柱の許容圧縮力と充填コンクリー
トの許容圧縮力とが柱の耐圧縮力として働くか
ら、柱全体の強度を可及的に向上し得るに至つ
た。

また、後述実施例でも示すように、前記鋼管柱
が、梁に対応する箇所に、その箇所の下方に位置
する梁取付基材の上面に下端で固着する補強リブ
を固着したものである場合には、前記梁取付基材
の剛性を高めることにより、充填コンクリートへ
の鉛直方向力の伝達の確実化を図ることができる
利点がある。

以下、本発明方法の実施例を図面に基づいて説
明する。

(イ) 第１図で示すように、大梁鉄骨１に対する取
付け部及びコンクリート充填用孔２を夫々備え
た梁取付基材３，３を溶接によつて一体化した
内部充填型鋼管柱４内に、前記梁取付基材３，
３の下側部に位置させて、前記コンクリート充
填用孔２，２内に下方から弾性嵌合保持可能
で、かつ、充填コンクリートの経時収縮に伴つ
て鋼管柱４内を一体的に移動するロート状堰板
５，５を設けている。

前記鋼管柱４のうち大梁鉄骨１に対応する箇
所には、第５図で示すように、前記梁取付基材
３，３のうち下側に位置するもの上面に下端で
固着する平面視ほぼ十字状の補強リブ６…が固
着されている。

前記堰板５は、エキスパンドメタル、鋼板、
合成樹脂板などから製作されていて、かつ、前
記コンクリート充填用孔２内に嵌入する筒部分
５ａを、自由状態、つまり、前記孔２から取外
した状態においては該孔２の内径よりも少し大
なる外径を有し、かつ、直径方向内方に弾性変
形可能に構成している。

(ロ) 第２図、第３図で示すように、前記鋼管柱４
の上下複数箇所に形成された充填口７…に夫々
コンクリート供給ホース８…を接続し、前記鋼
管柱４内にコンクリートａを注入充填する。注
入充填後に前記充填口７…を板９…にて閉塞す
る。

(ハ) 第３図で示すように、充填コンクリートａの
養生固化後に、前記鋼管柱４の、前記堰板５の
下側近くに形成された第２充填口１０…と空気
抜き孔１１…とのうち、前記第２充填口１０…
に夫々モルタル供給用ホース１２…を接続し、
前記堰板５上面と梁取付基材３の下面との間に
発生した空間Ｓ内に無収縮モルタルｂ（例えば、
デンカタスコンモルタル：商品名電気化学工業
株式会社製）を注入充填する。

次に、別実施例について列記する。

〔〕 第６図で示すように、前記鋼管柱４の内面
に、コンクリートの注入充填に伴うロート状堰
板５の上昇移動を許容する状態で、該堰板５を
係止保持する係止部材１３…を固着する。

〔〕 前記鋼管柱４として丸パイプなどを使用す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る鋼管柱内へのコンクリート
充填方法の実施例を示し、第１図乃至第４図は施
工工程図、第５図は第１図の―線断面図、第
６図は別の実施例を示す要部の縦断正面図であ
る。 ３……梁取付基材、４……鋼管柱、５……堰
板、６……補強リブ、ａ……コンクリート、ｂ…
…無収縮モルタル、Ｓ……空間。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内部充填型の鋼管柱４内のうち、その鋼管柱
   ４内に突出する状態で鋼管柱４に支持させた梁取
   付基材３の下側部に、その梁取付基材３の下面を
   覆うロード状堰板５を上下に移動自在に設け、前
   記鋼管柱４内にコンクリートを充填し、その充填
   コンクリートａを養生固化した後、前記堰板５の
   上面と梁取付基材３の下面との間に生じる空間Ｓ
   内に無収縮モルタルｂを注入充填する鋼管柱内へ
   のコンクリート充填方法。 ２ 前記鋼管柱４が、梁１に対応する箇所に、そ
   の箇所の下方に位置する梁取付基材３の上面に下
   端で固着する補強リブ６を固着したものである特
   許請求の範囲第１項に記載の鋼管内へのコンクリ
   ート充填方法。