JPH0232038Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、脱穀装置で脱穀して排出する排稈
を、その稈身方向と略平行な回転軸に適宜間隔で
配設した刃盤で短く切断するデイスクカツターに
関する。

従来のデイスクカツターでは、互いに平行な高
速回転軸と低速回転軸にそれぞれ刃盤と掻込盤あ
るいは刃盤と刃盤を配設した構造のものがある。
この内、高速回転軸と低速回転軸の両方に刃盤を
配設した構造のものは、刃盤の摩耗が少なく耐久
性が良いが、高速回転軸と低速回転軸の両方に同
一形状の鋭利な凹凸刃縁を形成した刃盤を配設し
ているために、稈身方向を回転軸の軸方向に対し
て傾斜して供給された排稈はその傾斜姿勢のまま
で切断されて切断長さが刃盤の軸方向間隔より長
くなり、低速回転軸あるいは高速回転軸に巻き付
くことがあり、この巻き付いた切断排稈のために
切断機能を阻止されることがあつた。

この考案は、前記の如き不都合を簡単な構造の
変更によつて解消するもので、次の如く構成し
た。

すなわち、低速回転軸１には周縁部に細かい凹
凸状の刃縁を形成した掻込刃盤２と周縁部に粗い
ピツチで掻込突起３を形成した掻込盤４を軸方向
適宜間隔で配設し、高速回転軸５には周縁部に細
かい凹凸状の刃縁を形成した切断刃盤６を、その
周縁部が掻込刃盤２と交差する状態で配設するデ
イスクカツターにおいて、掻込刃盤２の刃縁凸部
７の円弧径Ｒを切断刃盤６の刃縁凸部８の円弧径
ｒより大に形成したことを特徴とするデイスクカ
ツターの構成とする。

この考案は、前記の構成によつて、次の如き技
術的作用効果を奏する。すなわち、低速回転軸１
上へ供給された排稈は、掻込刃盤２と掻込盤４の
掻き送り作用を受けて切断刃盤６の交差部分へ送
られ、切断刃盤６と掻込刃盤２とで切断されるの
であるが、切断刃盤６が主として切断作用をし、
掻込刃盤２が補助的に切断作用をする。この掻込
刃盤２と掻込盤４上へ供給された排稈は、掻込刃
盤２の細かい凹凸刃縁によつて切断刃盤６との交
差部へ送り作用を受けるが、刃縁凸部７の円弧径
Ｒが大きいために、排稈の稈身が滑つて掻込盤４
の掻込突起３が作用するまで切断されず、掻込盤
４の掻込突起３が軸方向に同期することによつて
排稈の稈身全長が軸方向に沿つた状態で切断刃盤
６と掻込刃盤２の切断作用を受けて、所定の長さ
に切断されることになり、低速回転軸１あるいは
高速回転軸５に巻き付くことがない。又、排稈の
株元部から中間にかけて伸びる袴は薄くて柔らか
い為、従来の如く掻込刃盤２の刃縁凸部の円弧径
が小さく後退角が小さい場合には、該掻込盤２に
よる掻込作用時に剪断力が加わり切断されず折れ
曲がつて掻込まれ、切断刃盤６の交差部で引きち
ぎられ各回転軸へ巻付きを発生していた。

しかしながら、この考案にあつては、掻込刃盤
２の刃縁凸部７の円弧Ｒが大きく刃縁の後退角が
大きい為、薄くて柔らかい袴部分に剪断作用を与
えず後方へ滑らしながら確実に切断でき各回転軸
への巻付を防止できるものである。なお、切断刃
盤６に滑り作用が働くことは良くないのでその刃
縁凸部８はできるだけ鋭くする方が良いのであ
る。

次にこの考案の一実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。

低速回転軸１は、断面形状６角の軸で、この軸
断面形状と同一の嵌合孔を形成した掻込刃盤２と
掻込盤４及びカラー受け盤９を挿通し、カラー１
０で軸方向位置を規制する。１１は、低速回転軸
１に対して回転自在にしたルーズカラーである。
掻込刃盤２の周縁部には凹凸の刃縁を形成し、そ
の刃縁凸部７は、1.5mm乃至2.5mm程度の半径を有
する円弧に形成している。掻込盤４は、円盤の周
縁部に６個の突起３を形成したもので、突起３の
先端までの径は、掻込刃盤２の外形よりも大とし
ている。

高速回転軸５も、前記低速回転軸１と同様に６
角形の断面形状で、この軸断面形状と同一の嵌合
孔を形成した切断刃盤６とこの切断刃盤６の両側
に配したカラー受盤１２，１２を挿通し、カラー
１３で軸方向位置を規制する。１４は、ルーズカ
ラーである。切断刃盤６の周縁部には凹凸の刃縁
を形成する。この凹凸の周方向ピツチは該掻込刃
盤２の刃縁凹凸ピツチより細かく、しかも、刃縁
凸部８は、0.5mm乃至1.0mm程度の半径を有する円
弧に形成している。なお、この刃縁凸部８は、円
弧を形成せず鋭角の凸部に形成してもよい。

デイスクカツターに供給される排稈は、低速回
転軸１に設ける掻込盤４の掻込突起３，３と掻込
刃盤２の凹凸刃縁とによつて高速回転軸５に設け
る切断刃盤４との交差部に送り込まれ、掻込刃盤
２の凹凸刃縁と切断刃盤４の凹凸刃縁との間で切
断される。

次に、排稈が回転軸に対して傾斜状態で供給さ
れた場合には、先行する排稈が部分的に掻込刃盤
２に接触しても、刃縁凸部７の円弧Ｒが大きい為
に滑動して待機し、掻込刃盤２の掻込突起３の作
用によつて排稈全体を切断部へ平行状に送り込
み、所定の長さに切断される。

又、排稈の株元側から中間部にかけて伸びる袴
は薄くて柔らかいため掻込刃盤２の刃縁凸部７の
円弧が小さく後退角が小さい場合には、該掻込刃
盤２による掻込時に剪断力が加わり切断されずに
折れ曲がつて掻込まれ、切断刃盤６の交差部で引
きちぎられ回転軸への巻付を発生していたが、こ
の考案にあつては掻込刃盤２の刃縁凸部７の円弧
Ｒが大きく刃縁の後退角が大きい為、薄くて柔ら
かい袴部分に剪断作用を与えず後方へ滑らしなが
ら確実に切断でき、各回転軸への巻付を防止す
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示すもので、第１図
は正面図、第２図は左側面図、第３図及び第４図
は一部の拡大左側面図である。 １……低速回転軸、２……掻込刃盤、３……掻
込突起、４……掻込盤、５……高速回転軸、６…
…切断刃盤、７，８……周縁凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 低速回転軸１には周縁部に細かい凹凸状の刃縁
   を形成した掻込刃盤２と周縁部に粗いピツチで掻
   込突起３を形成した掻込盤４を軸方向適宜間隔で
   配設し、高速回転軸５には周縁部に細かい凹凸状
   の刃縁を形成した切断刃盤６を、その周縁部が掻
   込刃盤２と交差する状態で配設するデイスクカツ
   ターにおいて、掻込刃盤２の刃縁凸部７の円弧径
   Ｒを切断刃盤６の刃縁凸部８の円弧径ｒより大に
   形成したことを特徴とするデイスクカツター。