JP3038840U - ロータリ式草刈機の草刈刃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切刃再生の手間が減少し、また、本体の繰り
返し使用が可能で経済性にも優れるロータリ式草刈機の
草刈刃を提供することである。 【解決手段】 鋼製本体１に設けられる回転羽根２に切
欠き凹部８を設けてそこに超硬合金製のチップ７を鑞付
けする。そして、このチップ７に切刃４を付ける。チッ
プ７はサーメットチップでもよく、また、切刃４の一部
だけがチップ７で形成されていてもよい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、主にゴルフ場において、ラフと立ち木の廻りの草刈りに利用され るロータリ式草刈機用の草刈刃に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ゴルフ場などで使用されるロータリ式草刈機（図示せず）は、回転軸の先端に 取付けたプロペラ状の草刈刃を地面と平行向きにして回転させることにより、ラ フや立ち木の廻りの草刈りを行う。

【０００３】 このロータリ式草刈機に装備される草刈刃は、図３に示すように、板状本体１ に設けられる回転羽根２の外端側の回転方向前縁部に前下りの斜面３を設けて切 刃４を形成し、さらに、その切刃４の回転方向後方に刈り取られた草を除去する ためのブレーカ５を設けた構造になっている。図示の草刈刃は、竹とんぼの羽根 に似た２枚羽根タイプであり、各羽根に切刃４とブレーカ５が回転中心（軸穴６ の部分）を基準にして点対称に付されている。

【０００４】 この草刈刃の従来品は、切刃４及びブレーカ５も含めて全体が鋼材で作られて いる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

鋼製の草刈刃は、草との摩擦による摩耗が著しく、切刃が次第に摩滅して段々 と切味が悪くなる。従って、正常な切味を得るために度々刃先の再研磨、再研磨 のための草刈機からの脱着を行って再利用する必要があり、また、再研磨不能に なると全体を交換する必要があり、作業性、経済性が悪かった。

【０００６】 この考案は、上記の不具合を解消することを課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案においては、鋼製本体に一体に設けら れる回転羽根の外端側の回転方向前縁部に、超硬合金又はサーメットから成る超 硬チップを取付け、回転羽根に付される切刃の少なくとも一部を前記超硬チップ によって形成したのである。

【０００８】 なお、本体に対する超硬チップの取付けは、前記回転羽根の外端側の回転方向 前縁部に前記チップが適合して嵌まる切欠き凹部を設け、その切欠き凹部との嵌 合面を鑞付けして行うのが望ましい。

【０００９】 また、超硬チップの厚みｔは、回転羽根の厚みＴの０．９〜１．１倍にするの が望ましい。

【００１０】

【作用】

切刃が耐摩耗性の良い超硬合金やサーメットで作られているので、刃先摩耗が 抑制され、切味の早期低下、超硬チップの早期摩滅が起こらない。加えて、チッ プが寿命になるところまで摩耗したときにはそれのみを交換でき、本体の繰り返 し使用が可能である。なお、一部の切刃のみが超硬チップで形成されているもの は、残りの一部の切刃が鋼で形成されるが、この鋼製切刃も超硬チップによる保 護効果が生じて摩耗が抑制される。

【００１１】 次に、超硬チップの厚みについては、回転羽根の厚みの０．９倍未満であると 、回転羽根とチップの接合部に生じる段差によって草刈り時の抵抗が大きくなり 、ロータリ式草刈機の性能に悪影響が出る。また、回転羽根の厚みの１．１倍を 越えると切刃の全重量が重くなり過ぎ、交換等の作業性が悪くなるので、回転羽 根の厚みの０．９〜１．１倍の厚みにするのがよい。

【００１２】 なお、チップ材質としてサーメットを用いるものは、超硬合金を用いるものに 比べてチップの耐摩耗性が高いが、サーメットは超硬合金に比べて欠け易いので 、硬い石、岩、木などが比較的少ない条件の良い場所で使用することを薦める。

【００１３】

【考案の実施の形態】

図１及び図２に、この考案の草刈刃の実施形態を示す。 両図とも、符号１は、鋼製本体を示す。この本体１は、水平回転させる（図の 矢印が回転方向を示す）回転羽根２を、回転中心になる軸穴６の左右に設けて構 成されている。例示の草刈刃は、各回転羽根２の外端側の回転方向前縁部に、切 刃４と、その切刃を鋭利化する斜面３と、刈り取った草を除去するブレーカ５を 設けて作られており、軸穴６の部分をロータリ式草刈機の回転軸に取付けて使用 される。

【００１４】 以上の構成は、従来の草刈刃と同じである。即ち、従来品との相違点は、以下 の部分にある。

【００１５】 図１の草刈刃は、回転羽根２に設けられる切刃４の全体を超硬合金製のチップ ７に形成している。チップ７は、そのチップが適合して嵌まる切欠き凹部８を、 回転羽根２の外嵌側の回転方向前縁部に設け、その切欠き凹部８との嵌合面を鑞 付けして回転羽根に取付けられている。

【００１６】 また、図２の草刈刃は、回転羽根２に付される切刃４の外端側だけを図１の草 刈刃と同様にして回転羽根に取付けた超硬合金製チップ７によって形成している 。その他の構成、寸法諸元は図１の草刈刃と同じである。

【００１７】 なお、図１、図２のどちらの形態の草刈刃も、チップ７の厚みｔは、上述した ように、回転羽根２の厚みＴに対して、好ましくは０．９〜１．１倍の範囲で薄 くしたり、逆に厚くしたりすることがある。また、チップ材質は、サーメットに することもある。

【００１８】 さらに、この考案を適用する草刈刃は、例示の２枚羽根タイプのものに限定さ れない。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案の草刈刃は、回転羽根に付される切刃部の全域 又は一部を超硬合金若しくはサーメットで形成したものであるから、刃先の早期 摩耗や摩耗による有効刃長の縮みが抑制され、寿命が延びて切刃の再生を頻繁に 行う必要がなくなる。

【００２０】 また、消耗品がチップのみとなり、本体は繰り返し使用できるため、経済性も 向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の草刈刃の実施形態を示す斜視図

【図２】他の実施形態の斜視図

【図３】従来のロータリ式草刈機用草刈刃の斜視図

【符号の説明】

１ 鋼製本体 ２ 回転羽根 ３ 斜面 ４ 切刃 ５ ブレーカ ６ 軸穴 ７ 超硬合金製チップ ８ 切欠き凹部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中堂 益男 北海道空知郡奈井江町字奈井江776番地 北海道住電精密株式会社内 (72)考案者 浜田 康 伊丹市昆陽北一丁目１番１号 住友電気工 業株式会社伊丹製作所内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼製本体に一体に設けられる回転羽根の
   外端側の回転方向前縁部に、超硬合金又はサーメットか
   ら成る超硬チップを取付け、回転羽根に付される切刃の
   少なくとも一部を前記超硬チップによって形成したこと
   を特徴とするロータリ式草刈機の草刈刃。
2. 【請求項２】 前記回転羽根の外端側の回転方向前縁部
   に前記チップが適合して嵌まる切欠き凹部を設け、その
   切欠き凹部との嵌合面を鑞付けして前記超硬チップを回
   転羽根に取付けてある請求項１記載のロータリ式草刈機
   の草刈刃。
3. 【請求項３】 前記超硬チップの厚みｔを、回転羽根の
   厚みＴの０．９〜１．１倍にしてある請求項１又は２記
   載のロータリ式草刈機の草刈刃。