JPH0231028Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は紙製容器等のパツク入り乳飲料等に
添付されて、飲む場合に引き伸ばして使用される
ストロー構造の技術分野に属する。

〈要旨の概要〉 而して、この考案は内管が外管内に摺動自在に
挿入され、使用前には乳飲料等が密封された紙容
器の対角外側面に添付されており、使用時には該
対角面から取り外し、内管を引き出して伸張され
内外管には相対進退を拘束する係止部が各々形成
されているパツク飲料用ストロー構造に関する考
案であり、特に、上記外管の一部に、リング状の
内向突起が形成され、その外向膨出部から前方に
緩傾斜のテーパー部が形成され内管の後端には該
テーパー部に密着する緩傾斜のテーパー部が形成
されたポリプロピレン製等のパツク入り飲料用の
ストロー構造に係る考案である。

〈従来技術〉 周知の如く、近年の密封包装技術のめざましい
発展に伴い、小型の紙製容器等に密封された牛
乳、果汁等のパツク入り飲料がその手軽さから広
く流通市場に出回るようになり、収納飲料を小型
の紙製容器等からコツプ等に移し替えることなく
直接飲む場合に使用されるストローの需要も従来
以上に多くなつている。

而して、パツク飲料用の該種ストローは一般に
その形状が細長く小さいため紛失し易く、これを
防止するため流通市場に出回る前に、小型紙容器
等の外側面にストローを添付する手段が出願人の
先願考案の実開昭58−173383号公報に示されてい
るように広く一般に採用されている。

そして、上述態様の場合、ストローはその長さ
が可及的に最長姿勢となるように第１図に示す様
にパツク容器３の外側面に対角斜設されて添付さ
れており、容器３内の飲料２を飲む場合に、この
ストロー１０１を外側面から取り外し、容器の上
面等のポリエチレン製薄膜等が予め貼着された孔
１０に、該薄膜を突き破つて差し込み、吸引飲用
に供されるようにされている。

又、ストロー１０１を内外管の二重管タイプに
して伸長、短縮自在にするような態様が、例え
ば、実開昭58−36874号公報や実開昭58−45482号
公報考案等に示されてはいる。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、上述従来態様のパツク入り飲料
用のストローにおいては、容器外側の対角面を利
用してストローを最大長さになるようにされてい
ても、その長さは限界があり、容器内の飲料が残
り少なくなつた場合に、ストロー先端を容器内底
面に当接させると、ストローの他端が容器のスト
ロー挿入口からほとんど露呈せず、飲料が飲み難
いという難点があつた。

又、上述問題点に対処するために、ストローを
内外管が相対摺動自在にされた二重構造とし、使
用前のストローは短縮状態にされて容器に添付さ
れ、使用時には内管を引き伸ばして所定の長さを
確保し、飲み易くした構造のストローも案出され
ているが、ストツパー機構がないため、容器上面
に貼着された薄膜を突き破る場合にストローが縮
まり、更に、吸飲中にも容器底面に当つて縮まる
等してその目的が充分に果せないという欠点があ
つた。

そして、該種短縮伸長自在な二重管式のストロ
ーにおいても、基本的に縮小姿勢が一定サイズで
あるために、引き伸ばした状態でもせいぜい短縮
時の２倍程度にしかならず、したがつて、使用に
際して扱い難いという難点があつた。

これに対して、例えば、先願の実願昭58−
74156号（実開昭59−177372号公報）考案等があ
り、外管に対し摺動自在に内管を内挿し外管に設
けたリング状の内向突起に対し、内管の後端部に
設けた外向テーパー部を形成させ、内管を外管に
対して引き出した時に内管の後端テーパー部が外
管の内向突起部を乗り越えて外管の内向突起前部
のテーパー部に密着させて吸引使用し、その際、
内管に対する逆戻りの後退力が作用した場合に
は、内管の後端のテーパー部と外管の内向突起部
に係合して内管が外管に対し引つ込むことがない
ようにされるような技術がありはする。

しかしながら、該種先願考案の技術においては
外管の内向突起部分の前部に形成したテーパー部
が短い円筒部分を介してその前部に形成されてい
ることにより、内管を外管に対して引き出した時
に内管後端のテーパー部が内管の突起部を越えて
直ちに外管のテーパー部分に密着することがな
く、内管の引き出しプロセスに一種の遊びが形成
され、その分だけがたつきが出るという不都合さ
があり、又、内管の後端のテーパー部が外管の内
向突起部分を乗り越えた後でなくては後退を防止
することが出来ないようにされていた。

〈考案の目的〉 この考案の目的は上述従来技術に基づくパツク
入り飲料用のストロー構造の問題点を解決すべき
技術的課題とし、使用前は相当長の短縮状態にさ
れて容器に添付された場合にも邪魔にならず、使
用時には充分な長さに伸張された姿勢にされ、し
かもその姿勢を維持して飲み易くするようにして
食品産業における包装技術利用分野に益する優れ
たパツク飲料用ストロー構造を提供せんとするも
のである。

〈課題を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は前述課題を解決する
ために、小型の紙製の容器等に密封された牛乳、
果汁等の飲料を飲用するに際し使用されるパツク
入り飲料用のストローを内外管が相対摺動自在に
された二重管構造としてパツクの外側の対角側面
に添着して一体化し、外管の一部にリング状の内
向突起が環設されると共にその外向膨出部からは
直ちに前方に緩傾斜のテーパー部が一体的に形成
され、内管の後端には該外管のテーパー部よりは
傾斜の急なテーパー部を形成して両テーパー部が
密着するようにされ、使用前はストローが短縮状
態にされて添着した容器の対角側面から取り外
し、次いで、飲用時には内外管を長さ方向に相対
伸長して上記テーパー部を互いに密着係合させ、
内、外管の摺動による伸縮が拘束され、しかも、
内管を強く引き出すことにより両テーパー部が圧
締されて内管のテーパー部が外管の内向突起に係
合されることと相俟つて内管が外管内に縮退する
ことによりストローを飲み安い設定長さに確保出
来るようにした技術的手段を講じたものである。

〈実施例〉 次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明
すれば以下の通りである。尚、第５図以下に示す
態様において第３図と同一態様部分は同一符号を
付して説明するものとする。

第２〜４図に示す実施例において、１０１はパ
ツク飲料用ストローであつて、この考案の要旨の
中心を成し、当該実施例においては飲料としての
牛乳２が第１図態様と同様に密封されたパツク３
入り飲料に供される態様であり、ストロー１０１
は紙製の小型角容器３の外側面に、その対角線上
にて包装フイルムを介して所定の溶着手段により
添付されている。

そして、ストロー１０１は第３図に示す様に、
ポリプロピレン製の外管４０１に対し同じくポリ
プロピレン製の内管５０１がそれらの相対向する
内径と外径がほぼ同一にされて相対摺動自在に挿
入され、短縮時に該内管５０１の先端が外管４０
１の先端より設定長さ突出されるような長さに両
管が形成されており、該外管４０１は前部の所定
長さの小径部６と中途から後部の所定長さの大径
部７とが所定のかなりの緩傾斜の角度のテーパー
部８で接続され、更に、該テーパー部８の大径側
の端部には、一体的に連続してストツパー機能を
有する係止部としての断面が略Ｖの字形の突起体
９がその先端を内側に向けて前後に急傾斜の絞り
テーパー面を有して環設されている。

したがつて、該突起体９の前側（図上左側）の
膨出部からは直ちにかなりゆるい緩傾斜のテーパ
ー部８が続いて形成されている。

又、内管５０１はその一般部が外管４０１の小
径部６に内接してそれらの相対向する内径と外径
がほぼ同一にされて相対摺動する長い直管部を有
し、その前端は所定角度の鋭角にカツトされて斜
設され、容器３に穿設されているストロー孔１０
に貼着された所定サイズのポリプロピレン製の薄
膜を突き破り易くされており、後端部（図上右
端）は外管４０１の前記テーパー部８よりは勾配
の急なテーパー角度で外開きにされると共に、端
部を外管４０１の大径部７に内接させる係止部と
してのラツパ状のテーパー部１１が形成されてい
る。

上述構成において、容器３の外側面に添付され
たストロー１０１を適宜に取り外し、上記外管４
０１の後部と内管５０１の前部を持ち、長手方向
へ引き伸ばすと、内管５０１のテーパー部１１の
後端は外管４０１の大径部７の内面に当接して摺
動し、又、内管５０１の直管部は外管４０１の小
径部６に内接して摺動し、内管５０１が外管４０
１から徐々に相対に引き出され、そのテーパー部
１１が外管の突起体９に当接し当該突起体９の急
傾斜の短いテーパー面により挾着状態となる。

そして、更に力を加えて内、外管５０１，４０
１を長手方向に引くと、内管５０１のテーパー部
１１は外管４０１の突起体９にその材質の柔軟な
弾性を介して絞られ、径を急に小さくされると共
に摺動し、ついには、突起体９を乗り越えて内管
５０１の後部のテーパー部１１は管材質であるポ
リプロピレンのもつ弾性により元の形状に拡張復
元され、外管４０１の内向突起９の前側の膨出部
に当接する。

そして、かなりゆるい緩傾斜で前側に形成され
た外管４０１のテーパー部８に内管５０１の後端
のテーパー部１１がで密着して前進せずシールさ
れると共に、内管５０１の後端のテーパー部１１
の後端は外管４０１の突起体９に係止され、その
状態を保ち元に退行して戻ることはない。

この場合、外管４０１のテーパー部８と内管５
０１の後端のテーパー部１１とは緩傾斜の傾斜角
度が前者は後者より小のテーパーに形成されてい
るため、面当接状態は内管５０１の外管４０１に
対する引き出しが強くなるにつれ圧締状態にされ
圧締力は大となり、シール性は極めて良好にな
る。

そして、この状態で内管５０１に不測の後退力
が印加されても両テーパー部８，１１の圧締によ
る摩擦のため内管５０１の外管４０１に対する相
対的後退、即ち、短縮は避けなれない。

又、上述の如く設定長さに引き伸ばされた第４
図に示す状態のストロー１０２を、容器３に穿設
されているストロー孔１０に貼着された薄膜に当
接させて押し込むと、薄膜は破られてストロー１
０１は容器内に挿入され、容器３の中の牛乳２を
吸い上げて、飲むことが出来る。

そして、この間、ストロー１０１は内管５０１
のテーパー部１１の後端が外管４０１の突起体９
に係止されているので、ストロー１０１の先端を
上記薄膜、又は、容器底面に当接した後猶も押圧
した場合にも、その反力により縮まるということ
は上述圧締による摩擦と相俟つて生じなく、引伸
し姿勢を充分に維持することが出来る。

而して、牛乳２を吸引する際にテーパー部１
０，１１の良好なシール性で該牛乳２がリークす
ることは絶対にない。

又、内管５０１を外管４０１に対し相対的に強
く引き出しても図示する様に該外管４０１のかな
り緩いテーパー部の角度と内管５０１の相対的に
は大きい傾斜角度のテーパー部のために内外管４
０１，５０１が強く圧締されて、この点からも内
管５０１の外管４０１に対する退行は前述の如く
防止される。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のではないことは勿論であり、以下のような態様
も採用可能である。

次に、第５図に示す実施例は、上述実施例にお
ける外管４０１の突起体９が周方向所定ピツチで
部分的に形成された突起体９′にされたストロー
１０３の態様であり、その奏する作用効果は上述
実施例と実質的に同様である。

又、上述実施例において、各内管５０６、或
は、外管４０７の先端部は鋭角にカツトせず、第
６図に示す実施例の様に、先端を直角に切断し
て、薄膜に対しては傾斜した姿勢で当接突き破り
をするようにしても良い。

そして、又、ストローの材質はポリプロピレン
以外でも、ポリエチレン等所定の弾性を有するも
のであれば良いし、内管と外管は異材質でも良い
等設計変更も種々可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、簡単な構造ながら、
パツク入り飲料用ストローの伸縮を自在にし、縮
小時には小型化されて容器に対する貼付スペース
を小さく出来、伸張時には所定長さに保持され、
しかも、その伸長姿勢が確実に維持され、飲料が
飲み易くされるという優れた効果が奏される。

而して、この考案におけるストローはパツク側
面に添着状態にして一体化するに際し、外管に対
して内管を押し込んで最小縮小姿勢にして、パツ
クの対角側面に溶着等によりフイルム溶着等によ
り一体化してあるために、短縮最小姿勢でもパツ
クの側面の最大長さの対角線の長さに近い充分な
長さにセツト出来るために、該対角側面から取り
外して伸長姿勢にした時にもより使い易い充分な
長さに伸長出来、パツク飲料の飲用がし易く、使
い勝手が良いという優れた効果が奏される。

つまり、ストローの内管が外管に対して摺動自
在に挿入されていることにより、伸縮が自在にさ
れ、縮小時には小型化されて貼付スペースを小さ
く出来、パツク容器の対角側面に添付することが
可能であるという優れた効果が奏される。

又、上記外管の一部にリング状の内向突起を環
設形成し、更に、その外向膨出部から前方に極め
て緩い緩傾斜のテーパー部を形成し、内管の後端
に該テーパー部に密着するこれよりは大きい角度
の緩傾斜のテーパー部を形成したことにより、伸
張時にストローは所定の長さに維持され、強く引
くことにより内管のきつい緩傾斜のテーパー部が
外管の緩い傾斜のテーパー部に圧締状態になり、
使用時に容器ストロー孔に添着した薄膜や容器底
面からの反力を受けても、内管テーパー部が外管
突起部に係止することと相俟つて長さが縮まるこ
ともなく、パツク入り飲料が極めて飲み易くされ
るという優れた効果も奏される。

而して、内外管の一方の係止部の前後いづれか
一方に他方の相手側のテーパー部に密着するテー
パー面が形成されていることにより、内外管の伸
長時に他方の相手側のテーパー部が一方側のテー
パー面により経時的に順次挟搾されて、素材の弾
性を介し次第に挟搾されて密着係合し、ストツパ
ー機能を果すことがし易くされるという優れた効
果が奏される。

そして、この考案においては外管に設けたリン
グ状の内向突起部分の外向膨出部から直ちに前方
にかけて相当に緩い緩傾斜のテーパー部が形成さ
れていることにより、又、内管の後端部に該テー
パー部に密着するテーパー部がきつい緩傾斜で形
成されていることにより、内管を外管に対し相対
的に引き出した時に内管のテーパー部が外管の突
起部を乗り越えると直ちに外管のテーパー部に密
着し強く引き出すことにより、両テーパー部分が
圧締状態になり、密着状態がより強まつて単にシ
ール性が向上するばかりでなく、圧締による摩擦
のために内管の外管に対する後退が阻止され、そ
して、内管のテーパー部が外管の内向突起部分に
係合することと相俟つて、二重に後退が阻止さ
れ、したがつて、容易なことでは内管が外管内に
引き戻されることがないという優れた効果が奏さ
れる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すものであり、第
１図はパツク入り飲料用ストローが縮小されて容
器に添付された外観斜視図、第２図は上記ストロ
ーを伸張させて容器に差し込んだ外観斜視図、第
３図は第１実施例の縮小時の全体断面図、第４図
は同伸張時の部分断面図、第５図は別の実施例の
要部外観図、第６図は他の実施例の第３図相当断
面図、である。 ５０１，５０２，５０３，５０４，５０５，５
０６，５０７……内管、４０１，４０２，４０
３，４０４，４０５，４０６，４０７，４０８…
…外管、１０１，１０２，１０３，１０４，１０
５，１０６，１０７，１０８，１０９……パツク
飲料用ストロー、９，９′，１３，１５，１８，
２０……係止部（外管）、１１，１４，１６，１
７，２２……係止部（内管）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内管が外管内に摺動自在に挿入され、パツク
   の対角側面に添着されるようにされ内外管の各
   各に相互の進退を拘束する係止部を形成された
   パツク飲料用ストロー構造において、上記外管
   の一部にリング状の内向突起が環設され、その
   リング状膨出部から前方に緩傾斜のテーパー部
   が一体的に接続して形成され、一方内管の後端
   部に上記テーパー部に密接する緩傾斜のテーパ
   ー部が形成されていることを特徴とするパツク
   飲料用ストロー構造。 (2) 上記外管の内向突起体が周方向に対して所定
   ピツチで配設されていることを特徴とする上記
   実用新案登録請求の範囲１項記載のパツク飲料
   用ストロー構造。