JPH0230699A - 炭化珪素単結晶成長方法および装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶成長方法および装置

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JPH0230699A
JPH0230699A JP9029389A JP9029389A JPH0230699A JP H0230699 A JPH0230699 A JP H0230699A JP 9029389 A JP9029389 A JP 9029389A JP 9029389 A JP9029389 A JP 9029389A JP H0230699 A JPH0230699 A JP H0230699A
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    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/10Inorganic compounds or compositions
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は炭化珪素単結晶成長方法および装置に関するも
のである。詳しく述べると本発明は、青色発光ダイオー
ド等の応用面に有用な大面積の炭化珪素単結晶を効率よ
く成長させる炭化珪素単結晶成長方法および装置に関す
るものである。
(従来の技術) 従来、炭化珪素単結晶成長方法としては、アチソン法、
液相法、化学気相法、昇華再結晶法などが知られている
。このうちアチソン法は珪石とコークスの混合物を電気
炉で熱して結晶を析出させるものであって、不純物が多
く、また成長が自然発生的な核形成によるものであるた
め、得られる結晶の形および結晶面の制御が困難である
。液相法および化学気相法では、エピタキシャル成長が
可能であるために結晶の形および結晶面の制御が可能で
はあるが、両方法とも結晶成長速度が極めて遅く大型の
炭化珪素単結晶を得ることは困難である。
昇11°(再結晶による結晶成長法としては、適当な温
度分布をもつ黒鉛るつぼ内で原料炭化珪素を昇華させ、
るつぼ内の低温部に再結晶させるレーリー法と、るつぼ
上の低温部に炭化珪素基板を置き、不活性ガス雰囲気を
100To r r程度から真空まで漸減させるタイロ
フらの方法が知られていた。
しかしながらレーリー法においては自然発生的な核形成
により結晶が成長するため結晶の形成および結晶面の制
御が困難であった。一方、タイロフらの方法においては
結晶の成長速度が極めて大きく、また基板上に結晶を成
長させるために結晶の形成および結晶面の制御は可能で
あるが、結晶が柱状に成長しやすく、色々の形や方向の
結晶面が現われ、結晶性が悪いものであった。さらにこ
の点を改良する方法として特公昭59−48792号に
は不活性ガス雰囲気中で炭化珪素粉末を加熱昇華させ、
炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶を成長させるに
おいて、炭化珪素粉末と炭化珪素基板のそれぞれの温度
および温度差、さらに不活性気体の圧力を制御すること
が提唱されており、良質かつ大型の炭化珪素単結晶を速
い速度で成長させることができるとされている。
特公昭59−48792号において述べられるような方
法においては、確かに、単結晶基板上には良質の炭化珪
素単結晶を成長させることができるが、前記炭化珪素単
結晶基板を保持する黒鉛製のるつぼ蓋体にも多結晶の炭
化珪素が成長し、従って単結晶が成長する部分が単結晶
基板の存在する部分に限られてしまうものであった。ま
た結晶成長が進むにつれて、蓋体部分に発生した多結晶
も成長を続けるため、多結晶が単結晶部分に食い込んで
成長する場合があり、この場合においては単結晶の面積
がむしろ小さ(なっていく。さらに周囲に多結晶が成長
すると単結晶を取り出すときに多結晶部分を切り取る必
要性が生じ工程の煩雑化をまねくものとなっていた。
(発明が解決しようとする課題) 従って本発明は、改良された炭化珪素単結晶の成長方法
および装置を提供することを目的とするものである。本
発明はまた、不活性ガス雰囲気中で炭化珪素粉末を昇華
させ、炭化珪素基板上に炭化珪素単結晶を成長させる方
法において、炭化珪素単結晶成長時におけるるつぼ蓋体
部分における多結晶の発生を抑制し、単結晶の炭化珪素
のみを成長させ、断面積の大きな良質の炭化珪素単結晶
を得ることのできる炭化珪素単結晶成長方法および装置
を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記諸目的は、黒鉛製るつぼ内において炭化珪素粉末を
不活性気体雰囲気中で昇華させ、炭化珪素単結晶基板上
に炭化珪素単結晶を成長させる方法において、るつぼの
上端開口部を覆う黒鉛製るつぼ蓋体の内面側中央部に炭
化珪素単結晶基板を取り付け、さらに前記基板よりわず
かに小さい開孔を有しかつるつぼ空間断面と同形状の黒
鉛製仕切り板を前記基板から0.1〜2.0mmの間隔
を開けてるつぼ内に設置して、前記蓋体内面を露出する
ことなく前記基板のみをるつぼ側に露出させ、るつぼ内
に炭化珪素粉末を挿入し、不活性ガス雰囲気中でるつぼ
を2200〜2400℃に加熱保持しかつ前記炭化珪素
単結晶基板およびるつぼ蓋体の温度をるつぼおよび黒鉛
製仕切り板の温度より低温に保って、炭化珪素単結晶基
板上に単結晶を成長させるものである炭化珪素単結晶成
長方法により達成される。
上記諸目的はまた、黒鉛製の発熱体を兼ねるるつぼと、
内面側中央部に炭化珪素単結晶基板の取り付け部を有す
る前記るつぼの上端開口部を覆う黒鉛製るつぼ蓋体と、
前記るつぼ内部に取り付けられた、中央部に所定径の開
孔を有する黒鉛製仕切り板と、るつぼを加熱する加熱手
段と、るつぼを挿入して真空または不活性ガス雰囲気に
制御する真空系とを有することを特徴とする炭化珪素単
結晶成長装置によっても達成される。
本発明はまた、黒鉛製の発熱体を兼ねるるつぼと、内面
側中央部に炭化珪素単結晶基板の取り付け部を有する前
記るつぼの上端開口部を覆う黒鉛製るつぼ蓋体と、前記
るつぼ蓋体内面側に高さ調整可能な黒鉛製取り付け具に
より取り付けられた、中央部に所定径の開孔を有する黒
鉛製仕切り板と、るつぼを加熱する加熱手段と、るつぼ
を挿入して真空または不活性ガス雰囲気に制御する真空
系とを有することを特徴とする炭化珪素単結晶成長装置
を示すものである。本発明はさらに、黒鉛製の発熱体を
兼ねるるつぼと、該るつぼの上部内周面に一体的に取付
けられた中央部に所定径の開孔を有する黒鉛製仕切り板
と、内面側中央部に炭化珪素単結晶基板の取り付け部を
有する前記るつぼの」二端開ロ部を覆う黒鉛製るつぼ蓋
体と、るつぼを加熱する加熱手段と、るつぼを挿入して
真空または不活性ガス雰囲気に制御する真空系とを有す
ることを特徴とする炭化珪素単結晶成長装置を示すもの
である。
(作用) 本発明の炭化珪素単結晶の成長方法は、黒鉛製るつぼ内
において炭化珪素粉末を不活性気体雰囲気中で昇華させ
、るつぼの上端開口部を覆う黒鉛製るつぼ蓋体に配置さ
れ原料粉末よりやや低温に保持されている炭化珪素単結
晶基板上に、昇華した炭化珪素ガスから炭化珪素単結晶
を堆積成長させるものであるが、該炭化珪素単結晶基板
を取り付けたるつぼ蓋体近傍には、前記基板よりわずか
に小さい開孔を有しかつるつぼ空間断面と同形状の黒鉛
製仕切り板が配置されている。このためるつぼ蓋体自体
はるつぼ側に露出することなく、炭化珪素単結晶基板の
みが露出している。該黒鉛製仕切り板の温度を単結晶基
板より高温に設定しておけば昇華した炭化珪素ガスは、
黒鉛製仕切り板上にも堆積することがなく、より低温と
なって露出している炭化珪素単結晶基板上に集中的に堆
積する。従って多結晶の発生が抑制され単結晶だけが成
長し、さらに単結晶は水平方向にも広がることができる
ために単結晶の大型化が図られるものである。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
第1図は本発明の炭化珪素単結晶の成長方法において好
適に用いられる単結晶成長装置の一例を示すものである
第1図に示されるように、該単結晶成長装置は、例えば
円形もしくは箱型などの形状を有する黒鉛製の発熱体を
兼ねるるつぼ1と、内面側中央部に炭化珪素単結晶基板
の取り付け部10を有する前記るつぼ1の上端開口部を
覆う黒鉛製るつぼ蓋体6と、前記るつぼ蓋体6内面側に
高さ調整可能な黒鉛製取り付け具7により取り付けられ
た、中央部に所定径の開孔11を有する前記るつぼ1の
内部空間断面と同形状の黒鉛製仕切り板5とを有してい
る。黒鉛製仕切り板5の内部中央部に設けられた開孔1
1は、前記炭化珪素単結晶基板数り付け部10に取り付
けられる炭化珪素単結晶基板3よりわずかに小さいもの
であり、その形状は得ようとする炭化珪素単結晶の形状
“に左右されるが、好ましくは応用面において特に有用
な円形の炭化珪素単結晶インゴットを得るために円形の
ものとされる。さらにこの実施態様の単結晶成長装置に
おいては、るつぼ1およびるつぼ蓋体6の外周面は、黒
鉛フェルト製の断熱材8により覆われており、さらに真
空排気装置(図示せず)により真空排気ができかつ内部
雰囲気をAr、Xeガスなどの不活性ガスで大気圧から
ITo r r程度まで制御できる容器12に入れられ
ている。またこの容器には、例えば容器外に巻装した高
周波誘導コイルなどのようなるつぼを加熱する加熱手段
(図示せず)が設けられている。しかして、前記高周波
誘導コイルなどの加熱手段および断熱材8は、このよう
な加熱手段によりるつぼ1を加熱した場合、るつぼ1と
黒鉛製仕切り板5の温度が等しくなるように、またるつ
ぼ蓋体6と炭化珪素単結晶基板3の温度がるつぼ1の温
度より低温に保たれるように、より好ましくは50〜1
00℃程度低く保たれるようにその配置を調節しである
第2図は本発明の炭化珪素単結晶成長装置の他の例を示
すものである。
この第2図に示す実施態様は、中央部に所定径の開孔1
1を有する黒鉛製仕切り板5を、第1図に示す実施態様
におけるようにるつぼ蓋体6に取付けることなく、るつ
ぼ1内周面に直接的に取付けて、るつぼ1内部に配した
以外は、前記第1図に示す実施態様におけるものと同様
の構成を有するものである。
すなわち、この実施態様における単結晶成長装置は、黒
鉛製の発熱体を兼ねるるつぼ1と、内面側中央部に炭化
珪素単結晶基板の取り付け部10を何する前記るつぼ1
の上端開口部を覆う黒鉛製るつぼ蓋体6と、前記るつぼ
1の上部内周面に一体的に取付けられた中央部に所定径
の開孔11を有する黒鉛製仕切り板5とを有しており、
そしてこのるつぼ1およびるつぼ蓋体6の外周面は、黒
鉛フェルト製の断熱材8により覆われており、さらに真
空排気装置(図示せず)により真空排気ができかつ内部
雰囲気を不活性ガスで所望の圧力に制御できる容器12
に入れられている。なお、この容器12には、るつぼを
加熱する加熱手段(図示せず)が設けられている。
このような単結晶成長装置を用いて、炭化珪素単結晶を
成長させるには、まず、るつぼ1内に炭化珪素粉末2を
収容し、一方、るつぼ蓋体6の炭化珪素単結晶基板取り
付け部10には、黒鉛製の取り付け具9により炭化珪素
単結晶基板3を取り付ける。
さらに、第1図に示す単結晶成長装置の場合、るつぼ蓋
体6に前記のごとき開口部を有する黒鉛製仕切り板5を
黒鉛製の仕切り板取り付け具7により取り付ける。この
際、黒鉛製仕切り板5と単結晶基板3とが、0.1〜2
.0mmの間隔を有するように仕切り板取り付け具7に
より調節して取り付ける。すなわち、黒鉛製仕切り板5
と単結晶基板3との間隔が2.0mmを越えるものであ
ると、高温に保持して炭化珪素粉末2を昇華させた際、
炭化珪素ガスがるつぼ蓋体6にまで達し、るつぼ蓋体6
に多結晶の炭化珪素が形成されるために望ましくなく、
一方、間隔が0.1mm未満であると、前述したように
炭化珪素単結晶基板3およびるつぼ蓋体6と黒鉛製仕切
り板5との間で温度差を設けることが困難となる虞れが
あるためである。第2図に示す単結晶成長装置において
は、このような黒鉛製仕切り板5が、予め黒鉛製るつぼ
1と一体成形されているが、この場合も、るつぼ蓋体6
へ取付けられる炭化珪素単結晶基板3と該黒鉛製仕切り
板5との間隔は、るつぼ蓋体6への炭化珪素多結晶の形
成防止と炭化珪素単結晶基板3およびるつぼ蓋体6と黒
鉛製仕切り板5との温度差を確保するために、0.1〜
2mmとする。
このように炭化珪素単結晶基板3および黒鉛製仕切り板
5を取り付けたるつぼ蓋体6を、炭化珪素粉末2を収容
してなるるつぼ1にかぶせた後、あるいは、炭化珪素単
結晶基板3を取付けたるっぼ蓋体6を、炭化珪素粉末2
を収容してなる黒鉛製仕切り板5と一体となったるつぼ
1にかぶせた後、系内を真空排気装置(図示せず)によ
り脱気し、不活性ガスを挿入して不活性ガス雰囲気とし
、その後加熱手段(図示せず)によりるっぽ1を加熱し
、炭化珪素粉末2を昇華させて単結晶の成長を図る。こ
の際、るつぼ1の温度が2200〜2400℃の高温に
達するまでは、炭化珪素粉末が蒸発するのを妨げるため
に、不活性ガス雰囲気圧力を約700To r r程度
とし、十分高温となってから不活性ガス圧力を徐々に減
少させていき、1〜100To r rで数時間保ち、
炭化珪素単結晶を炭化珪素単結晶基板上に成長させる。
なお、加熱温度が2200℃未満では炭化珪素の昇華が
十分なものではなく、一方2400℃を越えるものであ
ると炭化珪素の成長が阻害されるので好ましくない。こ
こで、前記したようにるつぼ蓋体6は、黒鉛製仕切り板
5の存在により昇華する炭化珪素ガスに曝されることな
く、またこの黒鉛製仕切り板5は、炭化珪素単結晶基板
3よりも高温に保たれているために、結晶の成長は、炭
化珪素単結晶基板3上において主としておこなわれ、多
結晶の成長が抑制されるために、多結晶の付着していな
い大断面積の、特に望ましくは、産業上において極めて
利用価値の高い円形大断面積の炭化珪素単結晶の製造が
可能となるものである。
なお、本発明の炭化珪素単結晶の成長方法において、炭
化珪素粉末としては各種のものが用いられ得るが、好ま
しくは、例えば市販されている炭化珪素研磨材などの炭
化珪素粉末を、弗酸と硝酸の混合物で洗浄し、表面に付
着している酸化物や不純物を除去し、純水にて洗浄後乾
燥させ、さらに真空中で1800〜2000℃で熱処理
を行なったものを用いることが望ましい。
また炭化珪素単結晶基板としては、例えば炭化珪素研磨
材を工業的に製造するときに副産物として得られる不定
形の単結晶を整形、研磨し、さらに研磨傷を除去するた
めに溶融水酸化カリウム中でエツチングし、王水および
弗酸による酸洗浄の後乾燥させた単結晶基板が用いられ
得る。また本発明の成長方法から製造した単結晶を切断
して得られた単結晶基板を用いても良いことは言うまで
もない。なお、使用可能な炭化珪素単結晶基板としては
、上記のごときものに限定されるものではない。
(実施例) 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例1 第1図に示すような構成の単結晶成長装置を用いて、炭
化珪素単結晶の成長を試みた。
まず、炭化珪素粉末2として、市販されている炭化珪素
研磨材の54番と80番とを1=1で混合したものを用
い、これを弗酸と硝酸の混合物(1: 1)で10分間
洗浄した後、純粋で洗浄し、エチルアルコールで置換し
、真空乾燥機で乾燥させ、あらかじめ2400℃で熱処
理した黒鉛製るつぼ1に入れ、10−6〜10−7T 
o r rの高真空で1800〜2000℃に加熱し、
10分間熱処理を行なった。
一方、種結晶である炭化珪素単結晶基板3は、炭化珪素
研磨材を工業的に製造する過程で副産物として得られた
単結晶を整形したものを研磨し、500℃に加熱溶融さ
せた水酸化カリウム中でエツチングして研磨傷を取り去
り、純水にて洗浄し、王水中で15分間洗浄し、純水に
て洗浄後、さらに弗酸で5分間洗浄して純水洗浄した後
、窒素吹付けにより乾燥したものを用いた。炭化珪素単
結晶基板3の形状は、黒鉛製仕切り板5の直径10mm
の開孔11より大きな多角形のものを用いた。
上記のごとく前処理を行なった単結晶基板3を黒鉛製取
り付け具9により黒鉛製るつぼ蓋体6に取り付け、さら
に黒鉛製仕切り板5を炭化珪素単結晶基板3との間の距
離が0.5mmとなるように調製して、黒鉛製取り付け
具7により取り付けた。上記のごとく熱処理を行なった
炭化珪素粉末2の入った黒鉛製るつぼ1に、炭化珪素単
結晶基板3を取り付けたるつぼ蓋6を被せ、周囲および
上下に黒鉛製フェルト8を取り付け、石英製の容器12
に導入し、6X10−7Torrの高真空に排気し、不
純物となる残留ガスを取り除いた。
次に、容器12内に高純度Arガスを導入し、圧力を7
3QTorrに保ち、高周波誘導加熱によりるつぼ1壁
面温度が2200〜2400℃となるように結晶成長炉
系を加熱した。なお、るつぼ壁面温度は、黒鉛製フェル
ト8に開けた穴を通して容器12の外から二色温度計を
用いて測定した。るつぼ壁面温度が十分高温に達し、一
定となった時点で容器12内のArガス圧力を1時間で
700To r rから10To r rまで漸減して
いき、10Torrで3時間の結晶成長を行なった。
なお、結晶成長を終了する際、るつぼ温度を下げていく
過程において低温での結晶成長が起こる可能性があるの
で、結晶成長を終了する際には、Arガス圧力を大気圧
まで上昇させ、炭化珪素の蒸発を防止した。
この結果、黒鉛製仕切り板5の中央部の円形開孔11に
は直径が開孔直径10mmより約20%大きく、厚さが
約5mmの炭化珪素単結晶インゴット4が成長した。一
方、黒鉛製仕切り板5上には、炭化珪素多結晶が若干成
長していたが、単結晶の成長を阻害する程には成長して
おらず、多結晶の付着していない単結晶だけを成長させ
ることができた。
実施例2 第2図に示すような構成の単結晶成長装置を用いて、炭
化珪素単結晶の成長を試みた。
使用した炭化珪素粉末2および種結晶である炭化珪素基
板3は、実施例1と同じ処理を施したものを使用した。
炭化珪素単結晶基板3の厚さは1゜0mmのものを使用
し、るつぼ1と黒鉛製仕切り板5は、単結晶基板3と仕
切り板5との間隔が1゜2mmになるように一体成形し
たものを用い、熱処理を施した炭化珪素粉末2を入れた
該るつぼ1に、炭化珪素単結晶基板3を取り付けた蓋体
6を被せ、周囲および上下に黒鉛製フェルト8を取付け
、石英製の容器12に導入し、6X10−7T。
rrの高真空に排気し、残留ガスを取除いた。
次に、Arガス導入、昇温、減圧を実施例1と同様に行
ない、結晶成長を行なった。この結果、黒鉛製仕切り板
5の中央部の円形開孔11には直径が開孔直径13mm
より約50%大きな直径2Qmm、厚さが約18mmの
炭化珪素単結晶インゴット4が成長した。一方、黒鉛製
仕切り板5上には、炭化珪素多結晶が若干成長していた
が、単結晶の成長を阻害する程には成長しておらず、多
結晶の付着していない単結晶だけを成長させることがで
きた。
(発明の効果) 以上述べたように本発明は、るつぼの上端開口部を覆う
黒鉛製るつぼ蓋体の内面側中央部に炭化珪素単結晶基板
を取り付け、さらに前記基板よりわずかに小さい開孔を
有しかつるつぼ空間断面と同形状の黒鉛製仕切り板を前
記基板から0.1〜2、Ommの間隔を開けてるつぼ内
に設置して、前記蓋体内面を露出することなく前記基板
のみをるつぼ側に露出させ、るつぼ内に炭化珪素粉末を
挿入し、不活性ガス雰囲気中でるつぼを2200〜24
00℃に加熱保持しかつ前記炭化珪素単結晶基板および
るつぼ蓋体の温度をるつぼおよび黒鉛製仕切り板の温度
より低温に保って、炭化珪素単結晶基板上に単結晶を成
長させるものである炭化珪素単結晶成長方法であるから
、比較的簡単な装置を用いて周囲に多結晶の付着してい
ない断面積の大きい良質な炭化珪素単結晶インゴットを
成長させることができ、炭化珪素を用いた青色発光ダイ
オードをはじめとした各種応用面に有効な円形大断面積
炭化珪素単結晶ウェハの供給などを可能とするものであ
る。
本発明はまた、黒鉛製の発熱体を兼ねるるつぼと、内面
側中央部に炭化珪素単結晶基板の取り付け部を有する前
記るつぼの上端開口部を覆う黒鉛製るつぼ蓋体と、前記
るつぼ内部に取り付けられた、中央部に所定径の開孔を
有する黒鉛製仕切り板と、るつぼを加熱する加熱手段と
、るつぼを挿入して真空または不活性ガス雰囲気に制御
する真空系とを有することを特徴とする炭化珪素単結晶
成長装置であるので、前記のごとき単結晶の成長方法に
おいて好適に使用され、このような簡単な構成のもので
あるにもかかわらず、断面積の太きな良質の炭化珪素単
結晶インゴットを成長させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の炭化珪素単結晶成長装置の一例を使用
段階において模式的に示す断面図であり、また第2図は
本発明の炭化珪素単結晶成長装置の別の例を使用段階に
おいて模式的に示す断面図である。 1・・・るつぼ、2・・・炭化珪素粉末、3・・・炭化
珪素単結晶基板、 4・・・炭化珪素単結晶インゴット、 5・・・黒鉛製仕切り板、 6・・・るつぼ蓋体、 10・・・炭化珪素単結晶基板取り付け部、11・・・
開孔。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)黒鉛製るつぼ内において炭化珪素粉末を不活性気
    体雰囲気中で昇華させ、炭化珪素単結晶基板上に炭化珪
    素単結晶を成長させる方法において、るつぼの上端開口
    部を覆う黒鉛製るつぼ蓋体の内面側中央部に炭化珪素単
    結晶基板を取り付け、さらに前記基板よりわずかに小さ
    い開孔を有しかつるつぼ空間断面と同形状の黒鉛製仕切
    り板を前記基板から0.1〜2.0mmの間隔を開けて
    るつぼ内に設置して、前記蓋体内面を露出することなく
    前記基板のみをるつぼ側に露出させ、るつぼ内に炭化珪
    素粉末を挿入し、不活性ガス雰囲気中でるつぼを220
    0〜2400℃に加熱保持しかつ前記炭化珪素単結晶基
    板およびるつぼ蓋体の温度をるつぼおよび黒鉛製仕切り
    板の温度より低温に保って、炭化珪素単結晶基板上に単
    結晶を成長させるものである炭化珪素単結晶成長方法。
  2. (2)炭化珪素粉末が、弗酸と硝酸の混合物で処理し、
    洗浄、乾燥後、真空中で1800〜2000℃に加熱処
    理した炭化珪素粉末である請求項1に記載の炭化珪素単
    結晶成長方法。
  3. (3)黒鉛製の発熱体を兼ねるるつぼと、内面側中央部
    に炭化珪素単結晶基板の取り付け部を有する前記るつぼ
    の上端開口部を覆う黒鉛製るつぼ蓋体と、前記るつぼ内
    部に取り付けられた中央部に所定径の開孔を有する黒鉛
    製仕切り板と、るつぼを加熱する加熱手段と、るつぼを
    挿入して真空または不活性ガス雰囲気に制御する真空系
    とを有することを特徴とする炭化珪素単結晶成長装置。
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