JPH02300363A - アクリル系繊維からなるシート状物 - Google Patents

アクリル系繊維からなるシート状物

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JPH02300363A
JPH02300363A JP1117530A JP11753089A JPH02300363A JP H02300363 A JPH02300363 A JP H02300363A JP 1117530 A JP1117530 A JP 1117530A JP 11753089 A JP11753089 A JP 11753089A JP H02300363 A JPH02300363 A JP H02300363A
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JP
Japan
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fiber
fibers
sheet
acrylic
backbones
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JP1117530A
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Hidetoshi Kanzaki
神崎 英俊
Naoki Kanamori
金森 直樹
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規な構造を有する、アクリル系繊維からな
るシート状物に関するものである。
(従来の技術) アクリル系繊維からなるシート状物、例えばアクリル系
合成紙あるいはアクリル系不織布は周知であり、また、
アクリル系繊維以外の合成繊維、例えばポリエステル系
合成繊維、ナイロン系合成繊維、ポリオレフィン系合成
繊維からなる合成紙あるいは不織布も周知である。
これらの従来から知られているシート状物の一つは、通
常の衣料用繊維を原料としたものである。
また、他のシート状物は、2種類の重合体を組合わせた
海鳥型複合繊維あるいは2種類の接合性の乏しい重合体
(例えばポリエステルとナイロンを組合わせた複合繊維
を原料繊維とし、これらの繊維をシート状物に形成する
前またその後に、前者の複合繊維の場合は1成分の溶解
除去により、また後者の複合繊維の場合には分割により
、微細な繊維からなるシート状物にしたものである。
最近は、生活および産業活動の高度化に伴い、汚れに対
する除去要求が益々高くなりつつある。
特に、最近は複合化された汚れに対する優れた除去性能
を有している素材の要求が一段と高まりつつある0例え
ば、油、水分、微粉塵などが混合した機械油の拭き取り
に対しては、油、水分及び微粉塵夫々に対して優れた除
去能力を備えたものでなければならない、即ち、油に対
する除去に優れた特性を有していても、水分の吸収性に
劣っている素材では、上記王者の混合した汚れの除去に
は十分な汚れ拭き取り効果が期待できない、また、微粉
塵が多量に存在する汚れに対しては、微粉塵の取り込み
性に優れた素材でなければ、十分な汚れ除去効果がない
このような現状に対して、前記の各種繊維からなるシー
ト状物(例えば、編織物、不織布)が汚れ拭き取り材と
して用いられているが、十分な機能を果たしていない。
また、特開昭63−309673号公報に見られるよう
な、極細繊維を用いた汚れ拭き取り用不織布が注目を集
めているが、この不織布も汚れ除去に対して十分優れて
いるものではない、即ら、該公報に記載されている不織
布は、0.1デニール以下の極細繊維を用いているため
に、前記の衣料用の通常繊維からなる不織布に比較すれ
ば、油分、微粉塵の除去能力に優れてはいるものの、多
量の油分、水分、更には微粉塵等の混合した複合汚れに
対しては、十分な除去能力を有していない。
この理由は、繊維素材が単に細いだけであるために、汚
れは個々の単繊維によって形成されている空間に保持さ
れており、この空間が少なくて汚れの飽和吸着量が少な
いことが1つの原因である。
もう1つの原因は、繊維自身が微粉塵の吸着能を有して
いないところにある。更に他の原因は、繊維素材が疎水
性の強いポリエステル系重合体(実施例)であるために
、水分を弾き、水分含有油汚れの吸着能を低下させると
ころにある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、前述のような欠点のない、優れた汚れ除去能
力を有する新規なシート状物を提供するものである。
即ち、本発明の目的は、水分、油脂分あるいは微粉塵な
ど、個々の汚れ除去能力に優れていることは勿論のこと
、これら汚れ成分の混合物に対しても十分に優れた除去
能力を有していると同時に、より多量の汚れを除去する
ことができるシート状物を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、汚れ除去シート状物について鋭意研究を
進めた結果、従来とは全く異なる構造を有するアクリル
系繊維により構成するシート状物が、優れた汚れ除去能
力を有するシート状物であることを見出し、本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明は; 繊維の横断面に不特定な形状を有する開口を多数有して
おり、該開口の各々は繊維の内部において繊維の長さ方
向に沿つて略平行な60μ以上の長さを有する筋状(ス
トロ−状)の空隙を形成しているアクリル系繊維を幹と
し、しかも該粋の表面に該幹から枝分かれした微細なヒ
ゲ状繊条を多数有し、かつ該幹が部分的に幹の長さ方向
に割れて複数の繊維に分離しているアクリル系繊維から
なることを特徴とする、シート状物である。
以下、本発明のシート状物について、更に詳細に説明す
る。
本発明のシート状物は、このシート状物を構成するアク
リル系繊維に特徴があり、この繊維は従来知られていな
かった新規な繊維である。
本発明の繊維は、前記のように、繊維の横断面に不特定
な形状を存する開口を多数有しており、該開口の各々は
繊維の内部において繊維の長さ方向に沿って略平行な6
0μ以上の長さを有する筋状(ストロ−状)の空隙を形
成しているアクリル系繊維を幹とするものであある。
第1図は、上記幹となるアクリル系繊維の横断面の電子
顕微鏡写真(4,000倍)である、第1図に示した横
断面において、黒い部分が開口であり、これから分かる
ように、横断面における開口は不特定の形状をしており
、略円形状のもの、偏平状のもの、縁が鋭角的な屈曲を
繰返しているもの、断面の大きいもの、小さいものなど
、その形状、大きさが一定せず、不規則なものであり、
このようなものが混在している。このような不特定な形
状を有する開口を有する空隙が多数存在することにより
、該繊維を叩解した時に、該繊維の表面に、該繊維から
枝分かれした微細なヒゲ状繊条が発生し易くなる。上記
空隙は、比較的少なくても容易にヒゲ状繊条が発生する
が、一般的には100個以上存在することが好ましく、
これより少ない場合は、該空隙が60μ以上であっても
ヒゲ状繊条の発生が困難となる。
第2図は、幹となるアクリル系繊維を長さ方向に切断し
た縦断面の電子顕微鏡写真(4,000倍)であり、黒
い部分が空隙部である。この写真から分かるように、空
隙部は繊維の長さ方向に沿って略平行に筋状に連続して
いる。
このように、空隙部が繊維の長さ方向に連続して多数存
在していることが、該繊維の表面に該繊維から枝分かれ
した微細なヒゲ状繊条の発生に必要な要件である。また
、この空隙部の長さが60μ以上であるときには、上記
ヒゲ状繊条の発生が非常に容易となり、これより短い場
合には、ヒゲ状繊条の発生に苛酷な条件を必要とするよ
うになる。
第3図は、第1図に示した繊維を叩解処理することによ
り得られたアクリル系繊維の電子顕微鏡写真(100倍
)である、第3図から分かるように、上記アクリル系繊
維の表面に、該繊維から枝分かれした微細なヒゲ状繊条
が多数発生している。
また、幹をなしている上記アクリル系繊維が部分的に複
数の更に細かな繊維に割れて分離していることが認めら
れる。
上記、幹となっているアクリル系繊維から枝分かれした
微細なヒゲ状繊条は、幹のアクリル系繊維と同様に、そ
の長さ方向に沿って多数の空隙部を有していても、有し
ていなくてもよい。
また、幹となっているアクリル系繊維は、その長さ方向
の任意の部分で複数の細繊維に割れて分離しているが、
その部分は特定されるものではない。
幹繊維の任意の部分が上記のように割れて細い繊維にな
っていることは、該繊維がより柔らかさ、しなやかさを
有しているということであり、弾力性、嵩高性に冨んだ
シート状物が得られる。
このような、特異な繊維構造を有するアクリル系繊維は
、繊維自身の有する空隙が非常に大きいために、油分あ
るいは水分などの液体の吸収性に極めて冨んでいる。更
に、繊維が微細化している部分及びヒゲ条繊維を有して
いることが、繊維相互によって作り出される空間を非常
に大きなものにしている。これらの相互作用により、油
分や、水分の吸収量の増大に極めて効果がある。この点
において、従来より知られている汚れ拭き取り用シート
状物とは、繊維素材が明らかに相違している。
更に、本発明の上記ヒゲ状繊条を有するアクリル系繊維
は、微粉塵の取り込み性に極めて優れている、という特
異な作用を発現する。
従来より知られている極細繊維を用いてなるシート状物
、例えば前記特開昭63−309673号公報記載の布
帛は、被拭物の表面の微粉塵を除去する能力は有してい
るものの、拭き取った微粉塵の繊維への取り込み能力に
欠けている。このために、この布帛の微粉塵の拭き取り
能力が急激に低下し、実用的使用にあたっては不充分な
ものである。
これに対して、本発明のシート状物は前記のように繊維
自身が微粉塵の取り込み性を有しており、このために微
粉塵の拭き取り除去能力に極めて優れた効果を発現する
ことができる。
本発明のシート状物は、油脂類汚れ、水汚れあるいはこ
れらの混合した汚れに対して、従来より知られている清
拭用布帛よりも優れた効果を発揮することができるもの
である。この理由は、素材がアクリル系重合体であると
ころにある。即ち、アクリル系重合体は、合成樹脂の中
では水との親和性が最も大きいものの1つであり、かつ
油との親和性にも優れている樹脂である。このために、
油汚れ、水汚れ及びその混合した複合汚れをよ(吸着し
、除去することができる。
これに対して、例えば、ポリエステル系重合体は親油性
に優れていても水に対する親和性は極めて少なく、むし
ろ撥水性を有するものである。このために、水を主体と
する汚れの除去は極めて劣っている。また、水と油の複
合した汚れに対しても撥水性であるために、吸着、除去
能力が低下する。
本発明のアクリル系繊維を形成するアクリル系重合体は
、アクリロニトリルを少なくとも60重量%(以下%は
特定しない限り重量を示す)と40%までのアクリロニ
トリルと共重合可能なエチレン系単量体との重合体、ま
たは少なくとも2つのアクリル系重合体の混合物である
アクリロニトリルと共重合可能なエチレン系単量体とし
ては、従来より知られている単量体であり、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸及びそのエステル(アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル等)、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタク
リレートリル、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸
、スチレンスルホン酸、ビニルピリジン、2−メチル−
5−ビニルピリジン、N、 N−ジメチルアミノエチル
メタクリレートなどである。
本発明で用いるアクリル系重合体は、前述のとおり、ア
クリルニトリルを少なくとも60%含む重合体である。
アクリロニトリルが60%より少ない場合は、アクリル
系合成繊維が本来有している柔軟で、羊毛様の感触が失
われるために好ましくない。
アクリロニトリルの含有量は、上限については何ら制限
はない、また、本発明に用いるアクリル系重合体は、2
種類以上のアクリル系重合体の混合物であってもよく、
この場合もアクリロニトリルの含有量は混合重合体の重
量を基準にして60%以上含まれていることが必要であ
る。
次に本発明のアクリル系繊維(原繊維)の製造法につい
て述べる。
上記重合体は、従来より知られているアクリルニトリル
の溶剤、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシドのような有機溶剤、ロダ
ン塩、塩化亜鉛、硝酸などの無機塩系illll溶水溶
液機酸系濃厚水溶液に溶解して紡糸原液を調製する。こ
の場合、重合体濃度は溶剤の種類によって最適濃度は異
なるが、概ね10〜30%が好ましい。
次に、上記紡糸原液に、ポリアルキレングリコールを添
加する。このポリアルキレングリコールは、本発明のア
クリル系繊維を製造するうえで重要な要件の1つであり
、特にこの分子量及び添加量が空隙形成に大きく寄与す
る。
本発明で用いる上記ポリアルキレングリコールは、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイドが重量比で80
 :20〜20480のランダム型共重合体あるいはブ
ロック型共重合体であり、その数平均分子量はs、oo
o〜so、oooまで、好ましくは10.000〜20
.000である。数平均分子量が、s、 oooより小
さい場合には繊維の長さ方向に連続した空隙が得られず
、掻く微細な略球形状の空洞部を有する微多孔質の繊維
となる。一方、その数平均分子量が50.000を越え
ると、巨大な筋状の空洞部を有する繊維となり、しかも
繊維の横断面において、多くても高々数十個の空洞部を
有する繊維となる。このような繊維は、液体の柱状流の
ような外力によって微細な繊維に分割されることはない
、特にその数平均分子量が10,000〜20,000
の時に、繊維の長さ方向に沿って微細で、繊維の横断面
において、断面形状が不特定の形状である細長い空隙を
有する繊維が得られる。
更に、上記のようにして、ポリアルキレングリコールを
溶解して調製した紡糸原液は、その後生なくとも4時間
熟成することが、本発明のアクリル系繊維を製造するう
えで、重要な要件である。
ここで、熟成とは、上記アクリル系重合体とポリアルキ
レングリコ・−ルとを溶解して調製した紡糸原液を、激
しく攪拌したり、振動したりすることなく、例えば静置
しておく、あるいは緩やかに移動、例えば配管中を緩や
かに送液することを云う。
本発明によって、紡糸原液を熟成することによリ、どの
ような理由で前記の空隙を有するアクリル系繊維が得ら
れるのか、定かではないが、次のように考えられる。即
ち、4時間以上紡糸原液を熟成することにより、ポリア
ルキレングリコールの凝集が生じ、紡糸原液が管の中を
通って紡糸口金から凝固媒体中へ紡糸される時に、紡糸
原液に剪断力が作用してポリアルキレングリコールの微
細な筋が形成されるものと考えられる。
そして、アクリル系重合体の凝固、ポリアルキレングリ
コールの非凝固とい−う凝固性の相違により、両型合体
の相分離によって前記のような複雑な形状をした空隙が
生じるものと考えられる。
しかも、本発明の方法では、この紡糸原液を紡糸に先立
って少なくとも4時間熟成することが必要である。
本発明のポリアルキレングリコールの添加量は、アクリ
ル系重合体に対して5〜20%、好ましくは10〜15
%である。5%より少ない場合には、繊維の横断面にお
ける空隙の数が少なくなり、その数が多数、例えば10
0個以上である繊維が得られない、また、その添加量が
20%を越えると、開口の数は多くなるが、多くなり過
ぎ、繊維の製造工程で繊維が分割したり、紡糸が安定に
できな(なる等の問題が生じる。ポリアルキレングリコ
ールの添加量が10〜15%の時に、開口の数、紡糸安
定性等において最もバランスがとれている。
ポリアルキレングリコールの混合方法は、紡糸原液を調
製した後1.添加する方法について述べたが、これに限
定されるものではなく、アクリル系重合体と混合し、こ
れを該重合体の溶剤に混合して紡糸原液とする。あるい
は、ポリアルキレングリコールをアクリル系重合体の溶
剤に溶解しておき、これにアクリル系重合体を溶解する
ことにより紡糸原液を調製することもできる。
この紡糸原液は、紡糸口金を通して、紡糸原液の凝固媒
体中に押出し、水洗、延伸、乾燥等の工程を経た後、必
要に応じて更に熱セットを行う。
このような製造工程において、紡糸原液に添加したポリ
アルキレングリコールは凝固、水洗、延伸等の過程で、
凝固糸条体から溶出する。紡糸以降の工程は、従来より
知られているアクリル系繊維の製造法をそのまま採用す
ることができる。
即ち、前記紡糸原液の紡糸方法は、溶媒の稀薄水溶液中
に押出す湿式紡糸法、空気、窒素ガスのような不活性な
気体中に押出す乾式紡糸法、あるいは、上記の不活性な
気体中に一旦押出し、その後溶媒の稀薄な水溶液中に導
く乾湿式紡糸法などを採用することができる。紡糸後の
凝固糸条体は、水洗後延伸、水洗と同時に延伸あるいは
延伸後水洗することにより、溶剤を除去する。
延伸は、水中、溶剤含有水溶液中あるいは水蒸気中で、
50〜150℃で、数倍〜十数倍あるいはそれ以上行い
、また数段に分けて行うこともでき、更には延伸媒体を
いくつか組合せて行うこともできる。延伸した糸条体は
乾燥後、必要に応じて二次延伸を更に行い、また熱処理
を行うことにより本発明のアクリル系繊維(原繊維)が
得られる。
次に、本発明のヒゲ状繊条を有するアクリル系繊維の製
造法について述べる。
本発明のアクリル系繊維は、上記の方法で得られたアク
リル系繊維(原繊Iりに、製紙工業で一般に用いられて
いるディスクリファイナ−で叩解する、あるいは不織布
製造工程で用いられている高圧水柱状流パンチングなど
、繊維に外力を作用させることにより容易に製造するこ
とができる。
この時、繊維に加える外力の条件を適宜選定することに
より、ヒゲ状繊維条の発生量、微細化の程度、また幹の
部分の分割頻度などを調節することができる。
本発明のシート状物は、上記の方法で得られたヒゲ状繊
条を有するアクリル系繊維を、湿式、あるいは乾式不織
布製造法によって製造することができる。この不織布製
造法は、従来より知られている方法を採用することがで
きる。この不織布製造法によれば、比較的厚手のシート
状物を得ることができる。また、紡績糸を製造する工程
で得られるスライバーをシート状にすることによっても
製造できる。更に他の方法としては、製紙における抄造
法によって本発明のシート状物を得ることもできる。こ
の方法によれか、比較的薄手のシート状物を得ることが
できる。
本発明のシート状物の密度は、その使用目的に応じて適
宜選定することができるが、通常10g/ m 1以上
、好ましくは30g/m”以上である。
本発明のシート状物は、ヒゲ状繊条を有するアクリル系
繊維以外に、バインダー繊維あるいは接着剤あるいは他
の繊維素材、例えば木綿、レーヨン、ベンベルブ、木材
パルプなどのセルロース系繊維、ポリオレフィン系、ナ
イロン系、ポリエステル系、アクリル系、ビニロン系な
どの各種合成繊維を含んでいてもよい。
本発明のシート状物は、汚れの拭き取り材としての用途
以外に、空気のような気体あるいは水や油のような液体
中の微粉塵除去用フィルター、吸水特性を生かした衣料
用タオル、ベーパータオルなどに用いることができる。
実施例 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
は本発明を制限するものでない。
実施例1 アクリロニトリル95.0%、アクリル酸メチル4゜5
%及びメタリルスルホン酸ソーダ0.5%からなる重合
体、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイ
ド−ポリエチレンオキサイドのブロック型ポリエーテル
(数平均分子Ji10,000、ポリエチレンオキサイ
ドとポリプロピレンオキサイドの割合は70:30)を
ジメチルホルムアミドに溶解して、アクリル系重合体2
3%、ブロック型ポリエーテル2.3%の紡糸原液を調
製した。この紡糸原液を6時間静置した後、紡糸口金を
通して、温度35℃、ジメチルホルムアミド4麿75%
の凝固浴中に押出し、水洗後、沸謄水中で12倍延伸し
、80°Cの熱風中で乾燥して1.5dの繊維を製造し
た。
この繊維の横断面の電子顕微鏡写真(4,000倍)を
第1図に示し、かつ繊維の長さ方向に切断した継断面の
同様の写真を第2図に示す。
また、第1図において、黒い部分が開口であり、その断
面形状が略円形のもの、偏平形状をしたもの、または開
口の縁が鋭角°的な屈曲を繰り返しているもの、断面の
大きいもの、小さいものなど、不特定の形状をした開口
が多数不規則に混在していることが分かる。
第2図において、黒い部分が空隙部であり、該空隙部は
繊維の長さ方向に沿って略平行に筋状に連続しているこ
とが分かる。
次に、この繊維を15曽醜に切断して、繊維10部を9
0部の水中に分散した。次に、この繊維分散液をディス
ク間隙を0.1mmに調整した製紙用ディスクリファイ
ナ−で処理し、濾水度450CCまで叩解した。
第3図に、上記の叩、解した繊維状物の電子顕微鏡写真
(100倍)を示す。この写真から分かるように、太い
繊維の部分(元のアクリル系繊維の幹)の表面に、該繊
維から枝分かれした微細なヒゲ状繊条が多数発生してい
る。また、該幹となっている繊維は、部分的にその長さ
方向に分割して細い繊維に分離していることが分かる。
この叩解した繊維90重量部と木材バルブ10重量部と
を水中に分散して通常9抄紙工程を通して、抄紙した後
、85℃の熱風で乾燥し、55g/ボのシート状物を製
造した。得られたシート状物はしなやかな弾力性のある
紙様の不織布であった。
このシート状物の汚れ拭き取り性能を第1表に示す。
汚れ拭き取り性能評価は次の方法で行った。
市販のスライドグラスの端部に墨汁を0.05cc@下
し、その上に直ちに上記シート状物を載置し、200g
の荷重をかけ、次いで、このシート状物をスライドグラ
スの他の端部の方向にゆっくりと引き、スライドグラス
から引き離す、その後、スライドグラス上の墨汁を滴下
した部分(A)、それから略21間隔の部分(BSC)
の2点の550μの光の透過度を測定する。
各点の光の透過度を、スライドグラスのみの光の透過度
を100として表示する。墨汁が拭き取られずに残って
いる場合は、光の透過度を表す数値は小さくなる。
第1表 この結果から分かるように、本発明のシート状物は、初
!IJI(A点)の拭き取り性能が顕著に優れていると
同時に、一旦吸収した汚れは、強固に取り込んで放出す
ることがない。
これに対して、比較例に用いた汚れ拭き取り材は、初期
(A点)での拭き取り性能は優れているものの、B点、
0点と移動するに従って、一旦吸収した汚れを徐々に放
出し、汚染していくことが分かる。これは、汚れ拭き取
り材として実用上問題があることは明らかである。
実施例2 実施例1のシート状物を用いて、水35重量部、機械油
35重量部及び酸化アルミニウム28重量部及び乳化剤
2重量部を混合してなるペースト状汚れの拭き取り性能
を調べた。
上記ペースト状汚れをスライドグラス上に約0゜05g
!!布し、実施例1と同じ方法で拭き取った。
目視判定により拭き取り性を評価したところ、汚れは殆
ど残っていなかった。これに対して、メガネ拭き■及び
■は汚れが多く残っており、同■は多少残っていた。
本発明のシート状物は、この汚れ除去に対して、実用上
何ら問題はないが、比較品のメガネ拭きは何れも汚れが
明らかに残っており、実用1問題がある。
(発明の効果) 本発明のシート状物は、汚れの初期除去能力に優れてい
ると同時に、一旦吸収した汚れを放出しない優れた汚れ
除去能力を備えており、また、多数のlηれの混合物を
除去する能力にも優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、幹となる繊維の横断面の構造を示す電子”J
!j@鏡写真である。 第2図は、幹となる繊維の縦断面の構造を示す電子顕微
鏡写真である。 第3図は、本発明のアクリル系繊維の一例を示す繊維の
構造の電子顕微鏡写真である。 嶌  1  ス 第  3  凶

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1.  繊維の横断面に不特定な形状を有する開口を多数有し
    ており、該開口の各々は繊維の内部において繊維の長さ
    方向に沿って略平行な60μ以上の長さを有する筋状(
    ストロー状)の空隙を形成しているアクリル系繊維を幹
    とし、しかも該幹の表面に該幹から枝分かれした微細な
    ヒゲ状繊条を多数有し、かつ該幹が部分的に幹の長さ方
    向に割れて複数の繊維に分離しているアクリル系繊維か
    らなることを特徴とする、シート状物。
JP1117530A 1989-05-12 1989-05-12 アクリル系繊維からなるシート状物 Pending JPH02300363A (ja)

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