JP2920312B2 - 超極細繊維の製法 - Google Patents

超極細繊維の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高性能フィルター等に適した超極細繊維の新
規な製法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
産業の発達あるいは生活様式の変化にともない、清浄
空気に対する需要が近年増加してきており各種のエアフ
ィルターが提案されている。特に電子産業分野では所謂
サブミクロンオーダーの微粒子の除去が求められてお
り、ろ過効率が高くろ過抵抗の低いフィルターとして超
極細ガラス繊維からのものが開発されている。しかしな
がらガラス繊維の持つ脆性のために繊維折れが発生しや
すく、新たな汚染物の発生源となってしまうことと使用
済みフィルターの焼却による減容積が期待できないこと
などいくつかの問題点も指摘されている。このような事
情から有機繊維製のフィルターが強く望まれている。
フィルターは使用される環境に耐えうることが重要で
あり、酸、アルカリに対する耐久性、紫外線等に対する
耐光性等が必要であるが、有機繊維例えばポリプロピレ
ン繊維やポリエステル繊維では十分にこの要求が満たさ
れない。これに対してアクリロニトリルを主成分とする
ポリマーからなる繊維は耐劣化性に優れており、かかる
観点からはフィルター用として非常に優れた性能を有し
ているといえる。
ところで微粒子の捕捉除去を完全に行うためには繊維
間の距離が十分に小さいことが必要であるが、反面繊維
間距離の縮小は単位ろ過面積あたりの空隙面積の減少と
なりろ過抵抗の上昇を招く。従って微粒子を効率的に捕
捉除去するためにはできる限り細い繊維でフィルターを
構成することが必要になる。1ミクロン以下の粒子をろ
過する場合、慣性衝突効果以外にも静電効果も加わるの
で、実際に必要な繊維間距離は該粒子の直径以下としな
くても良いことが本発明者らの研究の結果から分ってお
り、繊維直径は2ミクロン以下好ましくは1ミクロン以
下であればよい。
従来、アクリロニトリル系繊維からこのような超極細
繊維を製造することはきわめて困難とされてきた。その
理由としてはアクリロニトリル系繊維は他の繊維と違っ
て、湿式法または乾湿式法によって製造されるために、
溶融紡糸法で確立されている分割法や、溶出法に用いる
ことのできる複合型の繊維の製造法を採用するのが非常
に困難であることが挙げられている。
前述のポリエステルやポリプロピレンからなる超極細
繊維は、相溶性の無い多成分ポリマーを紡糸ドラフトを
十分にとりながら複合溶融紡糸し、後に分割もしくは一
方の成分のみを除去する方法で製造されてきた。他方ア
クリロニトリル系ポリマー繊維は一般に、湿式紡糸法ま
たは乾湿式紡糸法によって製造されるが、この場合には
相溶性の無い多成分ポリマーを複合溶融紡糸する技術は
あるものの、大きな紡糸ドラフトを実現することが困難
であるために超極細繊維を製造することはできなかっ
た。
アクリロニトリル系ポリマー繊維の製造法としては他
に乾式紡糸法があり、希薄な紡糸原液を用いれば原理的
には微細な直径を有する繊維が製造されるが、アクリロ
ニトリル系ポリマーの紡糸原液を製造するための有機溶
剤は一般にその沸点が高く紡糸は困難をきわめる。
かかる状況に鑑み、本発明者らは高性能フィルター等
に使用できる直径2ミクロン以下好ましくは1ミクロン
以下のアクリル繊維の製法を鋭意検討の結果本発明に到
達したものである。
〔課題を解決するための手段〕
即ち本発明の要旨とするところは、アクリロニトリル
を85%以上含有するポリマーを溶媒に溶解した溶液
(A)とヒドロキシアルキルセルロースを溶媒に溶解し
た溶液(B)を紡糸口金から吐出方向に対して垂直な断
面での溶液(A)と、溶液(B)の吐出面積の比が1/50
0〜1/1となるように複合紡糸し、得られた凝固糸を3倍
以上延伸することにより製造される複合繊維を水で処理
することによりヒドロキシアルキルセルロースのみを溶
解除去する、直径2ミクロン以下の超極細繊維を製造す
ることにある。
アクリロニトリル系ポリマーは、アクリロニトリルを
85%以上含有することが、繊維の耐薬品性、耐光性の点
から望ましい。また該ポリマーの分子量は許容される範
囲で高いほうが望ましい。その理由はアクリロニトリル
系ポリマーからなる部分は、初期から出来るだけ細いこ
とが望ましいので、溶液(A)のポリマー濃度は紡糸が
可能な範囲で低いほうが望ましく、紡糸に必要な粘度を
低濃度で確保するためにはポリマーの分子量は高いほう
がよい。しかしながら溶液(A)の濃度が低すぎると凝
固過程でボイドが発生しやすいので、ポリマー濃度は5
%以上30%以下、好ましくは10%以上25%以下とするの
がよく、この範囲で適当な粘度を確保するためには分子
量は希薄溶液粘度から求められる重量平均分子量で表わ
して10万から200万、望ましくは15万から100万が良い。
他方ヒドロキシアルキルセルロースは、最後の溶剤処
理工程までの間複合繊維の太さを確保するためのもので
あり、またヒドロキシアルキルセルロース系ポリマーは
アクリロニトリル系ポリマーとの相溶性が無いためにア
クリロニトリル系ポリマーからなる成分との間の界面は
滑らかになるという特徴がある。
ヒドロキシアルキルセルロースとしては、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシエチルガラクトマンナン等を挙げることができ
る。これらの分子量は特に限定されない。
溶液(B)のポリマー濃度は特に限定されないが、ア
クリロニトリル系ポリマーからなる成分とヒドロキシア
ルキルセルロースからなる成分との境界面にできるだけ
凹凸が無い方が良く、紡糸も安定に行うことができるの
で溶液(A)の粘度とほぼ一致していることが望まし
い。
溶液(A)と溶液(B)の溶媒は異なっていても同一
であってもよい。例えばNNジメチルホルムアミド、NNジ
メチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げる
ことができる。
両溶液の吐出量の比は、複合繊維の取扱性と得られる
超極細繊維の太さを決定するので非常に重要である。該
比が大きすぎると最終繊維は十分に細くならず、他方小
さすぎると凝固浴での凝固が不完全になる。吐出方向に
対して垂直な断面での溶液(A)と溶液(B)の吐出面
積の比が、1/500〜1/1好ましくは1/100〜1/10となるよ
うにするのがよい。吐出された両溶液は、通常の方法で
湿式、乾湿式或いは乾式紡糸される。湿式または乾湿式
紡糸法においては、凝固浴はヒドロキシアルキルセルロ
ースとアクリロニトリル系ポリマーの両者を同様に凝固
するものであればよい。例えばメチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリ
コール、グリセリン等を挙げることができる。このとき
凝固を均一ならしめるためには、溶液(A)、溶液
(B)に使用された溶媒を混合することは好ましい。
凝固糸は繊維性能を得るために3倍以上、より好まし
くは5倍以上、もっとも好ましくは10倍以上延伸するこ
とが必要である。
製造された複合繊維は、最後に水で処理することによ
り、ヒドロキシアルキルセルロースのみを溶解除去すれ
ばよい。このときの水温は、高いほうがよいことは言う
までもなくたとえば70℃以上好ましくは85℃以上とする
のがよい。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を具体的に説明する。「%」
は「重量%」を示す。「繊維直径」は走査型電子顕微鏡
で測定した。
実施例1 アクリロニトリル97%、メタクリル酸3%からなり、
希薄溶液粘度から求められる重量平均分子量が8万ない
し150万であるアクリロニトリル系ポリマーをジメチル
アセトアミドに溶解した。このときのポリマー濃度は50
℃における該溶液粘度がほぼ500ポイズになるようにし
た(溶液(A))。
他方ヒドロキシエチルセルロースを50℃における溶液
粘度がほぼ500ポイズになるように濃度を決めて、ジメ
チルアセトアミドに溶解レた(溶液(B))。
次に直径400ミクロンの吐出口(1)の中に直径30ミ
クロンの吐出口(2)が10個配列された複合紡糸口金の
うち、吐出口(1)から溶液(B)、吐出口(2)から
溶液(A)をそれぞれ、10cc/分、0.6cc/分の速度で吐
出し、ジメチルアセトアミド/メタノール(重量比70/3
0)の混合溶液中で凝固し、続いて室温空中、70℃の温
水中、沸騰水中の3段で延伸し、最後に150℃のローラ
ーで連続的に乾燥し複合繊維を得た。該複合繊維を100
倍量の水中で90℃ 30分間浸漬し、ヒドロキシエチルセ
ルロースポリマーを完全に除去し、第1表に記載したよ
うな超極細アクリロニトリル繊維を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 101:08 101:28 (56)参考文献 特開 昭56−148915(JP,A) 特開 昭57−149510(JP,A) 特開 昭63−249715(JP,A) 特開 平3−69609(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 11/00 - 11/83 D01F 6/18 D01F 6/38 - 6/40 D01F 8/00 - 8/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリルを85%以上含有するポリ
    マーを溶媒に溶解した溶液(A)とヒドロキシアルキル
    セルロースを溶媒に溶解した溶液(B)を紡糸口金から
    吐出方向に対して垂直な断面での溶液(A)と溶液
    (B)の吐出面積の比が1/500〜1/1となるように複合紡
    糸し、得られた凝固糸を3倍以上延伸することにより製
    造される複合繊維を水で処理することによりヒドロキシ
    アルキルセルロースのみを溶解除去する、直径2ミクロ
    ン以下の超極細繊維の製法。
  2. 【請求項2】アクリロニトリルを85%以上含有するポリ
    マーの分子量が、希薄溶液粘度から求められる重量平均
    分子量で表して、10万から200万である請求項1記載の
    アクリロニトリルの超極細繊維の製法。
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