JP2920313B2 - 超極細繊維の製造法 - Google Patents

超極細繊維の製造法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高性能フィルター等に適した超極細繊維の新
規な製造法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
産業の発達あるいは生活様式の変化にともない、清浄
空気に対する需要が近年増加してきており各種のエアフ
ィルターが提案されている。特に電子産業分野では所謂
サブミクロンオーダーの微粒子の除去が求められてお
り、ろ過効率が高くろ過抵抗の低いフィルターとして超
極細ガラス繊維からのものが開発されている。しかしな
がらガラス繊維の持つ脆性のために繊維折れが発生しや
すく、新たな汚染物の発生源となってしまうことと使用
済みフィルターの焼却による減容積が期待できないこと
などいくつかの問題点も指摘されている。このような事
情から有機繊維製のフィルターが強く望まれている。
フィルターは使用される環境に耐えうることが重要で
あり、酸、アルカリに対する耐久性、紫外線等に対する
耐光性等が必要であるが、有機繊維例えばポリプロピレ
ン繊維やポリエステル繊維では十分にこの要求が満たさ
れない。これに対してアクリロニトリルを主成分とする
ポリマーからなる繊維は耐劣化性に優れており、かかる
観点からはフィルター用として非常に優れた性能を有し
ているといえる。
ところで微粒子の捕捉除去を完全に行うためには繊維
間の距離が十分に小さいことが必要であるが、反面繊維
間距離の縮小は単位ろ過面積あたりの空隙面積の減少と
なりろ過抵抗の上昇を招く。従って微粒子を効率的に捕
捉除去するためにはできる限り細い繊維でフィルターを
構成することが必要になる。1ミクロン以下の粒子をろ
過する場合、慣性衝突効果以外にも静電効果も加わるの
で、実際に必要な繊維間距離は該粒子の直径以下としな
くても良いことが本発明者らの研究の結果から分ってお
り、繊維直径は2ミクロン以下好ましくは1ミクロン以
下であればよい。
従来、アクリロニトリル系繊維からこのような超極細
繊維を製造することはきわめて困難とされてきた。その
理由としてはアクリロニトリル系繊維は他の繊維と違っ
て、湿式法または乾湿式法によって製造されるために、
溶融紡糸法で確立されている分割法や、溶出法に用いる
ことのできる複合型の繊維の製造法を採用するのが非常
に困難であることが挙げられている。
前述のポリエステルやポリプロピレンからなる超極細
繊維は、相溶性の無い多成分ポリマーを紡糸ドラフトを
十分にとりながら複合溶融紡糸し、後に分割もしくは一
方の成分のみを除去する方法で製造されてきた。他方ア
クリロニトリル系ポリマー繊維は一般に、湿式紡糸法ま
たは乾湿式紡糸法によって製造されるが、この場合には
相溶性の無い多成分ポリマーを複合溶融紡糸する技術は
あるものの、大きな紡糸ドラフトを実現することが困難
であるために超極細繊維を製造することはできなかっ
た。
アクリロニトリル系ポリマー繊維の製造法としては他
に乾式紡糸法があり、希薄な紡糸原液を用いれば原理的
には微細な直径を有する繊維が製造されるが、アクリロ
ニトリル系ポリマーの紡糸原液を製造するための有機溶
剤は一般にその沸点が高く紡糸は困難をきわめる。
かかる状況に鑑み、本発明者らは高性能フィルター等
に使用できる直径2ミクロン以下好ましくは1ミクロン
以下更には0.1ミクロン以下のアクリル繊維の製造法を
鋭意検討の結果本発明に到達したものである。
〔課題を解決するための手段〕 即ち本発明の要旨とするところは、アクリロニトリル
を85%以上含有するポリマーを溶媒に溶解して得られる
50℃における粘度が100〜2000ポイズの溶液(A)1重
量部とヒドロキシアルキルセルロースを溶媒に溶解して
得られる50℃における粘度が100〜2000ポイズの溶液
(B)0.1〜100重量部からなり、溶液(B)からなる連
続相の中に溶液(A)が直径1〜100ミクロンの微粒子
状で分散した状態にある混合液を、孔断面積が等価の円
の直径から計算される有効直径が100ミクロン以下の吐
出孔を有する紡糸口金から紡糸し、得られた凝固糸を2
倍以上延伸した後、水で処理することによりヒドロキシ
アルキルセルロースを溶解除去して直径1ミクロン以下
の超極細繊維を製造することにある。
本発明は、アクリロニトリル系ポリマーとヒドロキシ
アルキルセルロース系ポリマーの相溶性がなく、両者を
個々に溶解した溶液を混合するか、同時に溶解した場合
にはアクリロニトリル系ポリマーを含む溶液がヒドロキ
シアルキルセルロースを含む溶液を連続相として分散し
た状態になること、そして実に驚くべきことであるが該
混合溶液を所謂湿式紡糸するとヒドロキシアルキルセル
ロースからなる繊維中に、アクリロニトリル系ポリマー
が極めて細い繊維状に分布すること、その長さは上に述
べたアクリロニトリル系ポリマー溶液の分散状態の大き
さから推定されるよりもはるかに長いこと、その現象は
アクリロニトリル系ポリマーの分子量が大きいほど顕著
に現れることを見出したものである。本発明は、従来認
められなかったような現象を利用しているという点で、
非常にユニークであるだけでなく、従来このような超極
細繊維の製造には複雑な複合紡糸ノズルがどうしても必
要であったのに対して、本発明は、従来の紡糸ノズルを
使って容易に実施できる点で、産業上、技術的、経済的
に意義の大きいものである。
本発明では、アクリロニトリル系ポリマーの分子量が
大きいほど得られる繊維の直径は長く、溶液状態の分散
粒子の大きさから推定されるよりもはるかに長くなる。
例えば10%のアクリロニトリル系ポリマーを含む溶液の
分散粒子の大きさが5ミクロン、これを紡糸して得られ
た繊維の直径が0.3ミクロンの繊維が得られたとする
と、一つの分散粒子から一本の繊維が形成されたものと
仮定した場合には、その長さはせいぜい0.2mmにしかな
らない。ところが本発明の方法によれば得られる繊維の
長さは、1mm以上で更には数cmにも及ぶことがわかっ
た。
このことはこれまで全く知られていなかったことで、
その詳しい機構は不明であるがアクリロニトリル系ポリ
マーの鎖長が長いことが原因で紡糸時における溶液の分
散状態が変化したものと推定される。
該ポリマーの分子量は次の理由からも許容される範囲
で高いほうが望ましい。即ち細い繊維を得るためには溶
液(A)のポリマー濃度は紡糸が可能な範囲で低いほう
が望ましく、紡糸に必要な粘度を低濃度で確保するため
にはポリマーの分子量は高いほうがよい。分子量が例え
ば15万より小さいと得られる超極細繊維は所謂しなやか
さに乏しく、極端な場合には脆性を示すようになってく
る。
これは溶液(A)の濃度が低すぎると凝固過程でボイ
ドが発生しやすいためで、ポリマー濃度は5%以上30%
以下、好ましくは10%以上25%以下とするのがよく、こ
の範囲で適当な粘度、後で述べるように100ポイズから2
000ポイズを確保するためには、分子量は希薄溶液粘度
から求められる重量平均分子量で表わして15万ないし15
0万好ましくは30万ないし100万であることが必要であ
る。
ポリマーにはアクリロニトリルを85%以上含有するこ
とが、繊維の耐薬品性、耐光性の点から望ましい。
溶液(A)と溶液(B)の溶媒は異なっていても同一
であってもよい。例えば溶液(A)の溶媒としてはNNジ
メチルホルムアミド、NNジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等の有機溶媒、チ
オシアン酸塩の水溶液、硝酸の様な無機酸を例示するこ
とができる。
ヒドロキシアルキルセルロースは延伸糸を溶剤で処理
する工程までの間複合繊維の太さを確保するためのもの
であり、またヒドロキシアルキルセルロース系ポリマー
はアクリロニトリル系ポリマーとの相溶性が無いため
に、アクリロニトリル系ポリマーからなる成分との間の
界面は滑らかになるという特徴がある。
ヒドロキシアルキルセルロース系ポリマーはそのよう
な要求を満たすものであればよく、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
エチルガラクトマンナン等を挙げることができる。また
その分子量も特に限定されない。
アクリロニトリル系ポリマー及びヒドロキシアルキル
セルロースは、個別に溶解して溶液(A)、溶液(B)
を混合しても、同時に同一の溶媒に溶解しても差支えな
い。このとき粘度は曳糸性を確保するために重要である
が、たとえば50℃における粘度が100から2000ポイズで
あればよく、特に溶液(A)と溶液(B)の粘度差は気
にすることはない。分散液を製造するには高い剪断力を
かけることができる例えば静的撹拌装置等を用いて混合
すればよい。
次に溶液をできるだけ細い孔径のノズルから押し出
す。たとえば孔断面積が等価の円の直径から計算される
有効直径が100ミクロン以下、好ましくは50ミクロン以
下更に好ましくは30ミクロン以下である紡糸口金から吐
出する。吐出された液は、ポリマーを同時に凝固せしめ
うる凝固液と接触させればよい。このとき一旦気相を経
るか、気相を経ずに直接(A)、(B)両溶液からそれ
ぞれのポリマーを凝固析出せしめることのできる液と接
触させる乾湿式または湿式或いは乾式紡糸法により複合
凝固糸を得ることができる。
湿式紡糸法または乾湿式紡糸法による場合には、凝固
液としてはメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、グリセリン等が挙げられ、これらを溶液(A)、溶
液(B)の溶剤と混合してもよい。
得られた凝固糸は、常法に従って2倍以上好ましくは
4倍以上更に好ましくは6倍以上延伸して複合延伸糸と
する。延伸に際しては、冷延伸、沸水延伸、熱延伸を適
当に組み合せればよい。
次に水中に浸漬してヒドロキシアルキルセルロースを
溶解除去する。このときの水温は高い方が好ましく70℃
以上好ましくは85℃以上とするのがよい。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を具体的に説明する。「%」
は「重量%」を示す。「繊維直径」は走査型電子顕微鏡
で測定した。
実施例1 希薄溶液粘度から求められる重量平均分子量が8万な
いし150万であるポリアクリロニトリルをジメチルアセ
トアミドに溶解した。このときのポリマー濃度は50℃に
おける該溶液粘度がほぼ500ポイズになるようにした
(溶液(A))。
他方ヒドロキシプロピルセルロースを5%濃度となる
ようにジメチルアセトアミドに溶解した(溶液
(B))。
次に同重量の溶液(A)と溶液(B)を混合し、該混
合液を光学顕微鏡で観察し、溶液(B)からなる連続相
の中に溶液(A)が直径1ミクロンから100ミクロンの
微粒子状で分散した状態を作った。該混合溶液を、直径
が30ミクロンの吐出孔を有する紡糸口金から、メタノー
ル/ジメチルアセトアミド(1/1)からなる凝固液中に
吐出し、60℃の温水中で延伸し、最後に150℃のローラ
ーで連続的に乾燥し、延伸糸を得た。延伸糸を10倍重量
の90℃の水中に2時間浸漬し、ヒドロキシプロピルセル
ロースを除去し超極細繊維を得た。結果を第1表に示し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 101:08 101:28 (56)参考文献 特開 昭56−148915(JP,A) 特開 昭57−149510(JP,A) 特開 昭63−249715(JP,A) 特開 平3−69609(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 11/00 - 11/83 D01F 6/18 D01F 6/38 - 6/40 D01F 8/00 - 8/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリルを85%以上含有するポリ
    マーを溶媒に溶解して得られる50℃における粘度が100
    〜2000ポイズの溶液(A)1重量部とヒドロキシアルキ
    ルセルロースを溶媒に溶解して得られる50℃における粘
    度が100〜2000ポイズの溶液(B)0.1〜100重量部から
    なり、溶液(B)からなる連続相の中に溶液(A)が直
    径1〜100ミクロンの微粒子状で分散した状態にある混
    合液を、孔断面積が等価の円の直径から計算される有効
    直径が100ミクロン以下の吐出孔を有する紡糸口金から
    紡糸し、得られた凝固糸を2倍以上延伸した後、水で処
    理することによりヒドロキシアルキルセルロースのみを
    溶解除去する、直径1ミクロン以下の超極細繊維の製造
    法。
  2. 【請求項2】アクリロニトリルを85%以上含有するポリ
    マーの分子量が、稀薄溶液粘度から求められる重量平均
    分子量で表して、15万から150万である請求項1記載の
    アクリロニトリルの超極細繊維の製造法。
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