JPH0229584Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、螺線状または同心円状に情報の記録
された円盤状記録媒体から情報を再生する情報再
生装置に関し、特に高速再生機能を有する情報再
生装置に関する。

考案の背景 記録情報を再生する再生装置においては、通常
の再生は勿論のこと２倍速や３倍速等の高速再生
機能を有するものがある。かかる高速再生時にお
いては、ピツクアツプを現在トレース中の記録ト
ラツクから次の隣接する記録トラツクへ強制的に
ジヤンプ（飛越し）するように制御しており、１
回のジヤンプ動作では１本の記録トラツクを飛越
すのみである。従つて、例えばＮ倍速再生をなす
場合には、Ｎ回のジヤンプ操作が必要である。

考案が克服しようとする課題 ここで、ジヤンプ操作ではトラツキングサーボ
ループを開として１本の記録トラツクを飛越して
後に、再びトラツキングサーボループを閉として
次のトラツクの再生を行なうように制御される
が、トラツキングサーボループが閉となつて安定
するには所定時間を要し、一般にはこの安定にな
るまでの時間はジヤンプに要する時間に略等し
い、そのために、ジヤンプ操作を数回繰返してＮ
倍速再生をなすには、ジヤンプに要する時間と各
ジヤンプ毎にサーボが安定化するまでに要する時
間を見込む必要があり、一定期間内にＮ回のジヤ
ンプ操作を行なうには制限が生ずることになる。

また高速再生の際におけるジヤンプ操作は画面
に影響を与えないようにＶ（垂直）ブランキング
期間内で行なう必要があり、このＶブランキング
期間によつてＮ倍速のＮの値が制限されてしまう
欠点がある。

考案の目的 本考案による情報再生装置は、ジヤンプ動作に
要する時間を短縮して任意のＮ倍速再生を可能と
し、且つ飛越すトラツク数をジヤンプの方向にか
かわらず正確にカウントして正しくＮ倍速再生を
可能とした情報再生装置を提供することである。

考案の概要 本考案による情報再生装置は、飛越指令に応答
してトラツキングサーボレープを開としつつ、互
いに隣接する２以上の記録トラツクを情報読取点
が一度に飛び越すための駆動信号を発生するよう
にし、情報読取点がトラツクを横切つた回数を飛
越し期間中のトラツキングエラー信号を波形整形
した信号のパルス数をカウントすることによつて
カウントし、このカウント値が所定値に達したと
きに前記駆動信号の状態を、例えば断とするよう
に変化させると共に、前記情報読取点が移動する
方向に応じて前記波形整形した信号の位相を反転
させる手段とを含み、もつてトラツクを横切つた
回数を正確に検出することを特徴とするものであ
る。

実施例の説明 以下本考案を図面により詳述する。

第１図は本考案の一実施例の回路ブロツク図で
あり、１は記録トラツクのある一部であつて、そ
の中央に情報読取用走査スポツト光２の中心が存
在しているときにトラツキング用スポツト光３及
び４の各中心が当該トラツク１の両側縁上にある
如き位置関係とされている。従つて、読取用スポ
ツト光２の中心がトラツク１の中央から左右にず
れた場合には、そのずれ量及び方向に応じてトラ
ツキングスポツト光３及び４の光量差の大きさ及
び極性が変化することになる。よつて両スポツト
光３及び４の受光素子５及び６による信号差を差
動アンプ７により取り出すことによつて、トラツ
キングエラー信号すなわちトラツキングサーボ信
号Ｂが得られる。このサーボ信号Ｂはループスイ
ツチ８を介してイコライザアンプに印加され、位
相補償を施されて加算器１０、駆動アンプ１１の
入力となる。この駆動アンプ１１の出力によつ
て、スポツト光２〜４を記録トラツク１に直交す
る方向に偏倚せしめるトラツキングミラー等のア
クチユエータ１２を駆動する駆動コイル１３が駆
動されて、再生時に情報読取用スポツト光２すな
わち記録媒体上の情報読取点が正確に記録トラツ
ク上をトラツキングするように制御されるもので
あり、以上がトラツキングサーボレープを形成す
る。

サーボ信号Ｂは波形整形回路１４により、パル
ス上の信号Ｃに変換されて、FWD（正方向）／
REV（逆方向）再生指令に応じてパルス信号Ｃを
位相反転せしめるFWD／REV切換回路１５へ入
力される。これは情報読取点がトラツクを横切る
ように走査するときのサーボ信号Ｂの位相が正逆
方向により互いに180゜位相が異なるために、両時
における信号位相を合わせるためのものである。
この回路１５の出力パルスがＮ進カウンタ１６の
クロツク入力となつており、このカウンタ１６は
外部よりのジヤンプ指令信号に応答して計数動作
を開始する。そして、進数制御が外部制御信号に
よりなされるようになつており、進数可変型のカ
ウンタとなつている。このＮ進カウンタがセツト
されて計数開始してからＮ個のパルスが到来する
までの間例えば高レベルの信号Ｄが発生されるよ
うになつており、この信号Ｄによりループスイツ
チ８がオンオフ制御されると共に、ジヤンプ信号
発生回路１７を活性化してジヤンプの為の駆動信
号を発生せしめるようにされている。この駆動信
号が加算器１０に入力されて、アクチユエータ駆
動コイル１３の強制駆動をなすものである。尚、
FWD／REV指令信号がジヤンプ信号発生回路１
７へ入力されることにより、FWD／REV状態に
応じた極性の駆動信号が発生される。

第２図Ａ〜Ｄは第１図の回路の各部信号Ａ〜Ｄ
のそれぞれの波形を示したものである。いま、ト
ラツキングサーボループスイツチ８は閉となつて
トラツキングサーボが正常動作をしつつ再生状態
にあるとする。このとき、ユーザが指令釦を押し
ている期間中Ｖブランキング期間の所定タイミン
グでジヤンプ指令信号が第２図Ａの様に到来した
とすると、Ｎ進カウンタ１６がセツトされてカウ
ント出力Ｄが高レベルとなる。よつて、ループス
イツチ８が開となると共にジヤンプ信号発生回路
１７から正逆方向再生に見合う極性の駆動電圧が
出力される。従つて、アクチユエータ１２はこの
駆動電圧により強制的に駆動されて、記録媒体上
の情報読取点が現在トラツクから他のトラツクへ
強制的にジヤンプするようになる。その結果差動
アンプ７の出力は第２図Ｂの如くなつており、波
形整形回路１４により出力はＣに示すパルス信号
となる。これがＮ進カウンタ１６のクロツク入力
となつているから、このパルス数を計数する。そ
して、Ｎ個のパルスを計数すると、カウンタ１６
の出力Ｄは低レベルとなり、駆動信号の状態を例
えば停止させるように変化させる。そしてサーボ
ループスイツチ８を閉として再生動作がなされ
る。そして、ユーザがさらに指令釦を押していれ
ば一定時間後再びジヤンプ指令信号が発生されて
上記動作が繰返され、当該カウンタ１６がＮ個の
パルスを計数したことはすなわち情報読取点が記
録トラツクを一度にＮ本ジヤンプしたことを意味
し、よつて、Ｎ進カウンタの進数制御を外部指令
により行なうことにより、任意のＮ倍速再生また
はＮ倍逆転再生が可能である。

こうすることにより、トラツキングサーボレー
プのオン動作はトラツクジヤンプ数Ｎに対して１
回であるために、従来に比べサーボループオープ
ン時に要する時間をきわめて短くすることができ
るものである。

考案の効果 叙上の如く、本考案によれば、一度に複数のト
ラツクを飛越すジヤンプ動作期間を著しく短縮で
きるので、例えばＶブランキング期間内にジヤン
プ動作を行わなければならないと言う高速再生に
おける制限が著しく緩和されることになり、高速
再生時の画質劣化を防止することが可能となる。

特に、トラツキングエラー信号を波形整形して
パルス列化し、このパルス数をカウントする構成
となつているので、トラツキングエラー信号が一
対の受光素子の差動出力であることから、デイス
クの汚れや傷に伴う反射率の変化に関係なく、情
報読取点が横切つたトラツク数を確実にカウント
することができる。

またトラツキングエラー信号は情報読取点の移
動方向によつて位相が反転するが、前記パルス列
化された信号を情報読取点の移動方向に応じて位
相反転させているので、正逆いずれの移動方向に
あつても各パルスは記録トラツクに対応して発生
することになり、正しくトラツクカウントがなさ
れることになるのである。

尚、光学式の再生装置に限らず、静電容量方式
などの他の再生装置にも適用可能であり、また図
示の回路例に限定されるものでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の回路図、第２図は第
１図の回路の各部動作波形図である。 主要部分の符号の説明、１……記録トラツク、
２……情報読取用スポツト光、８……ループスイ
ツチ、１６……カウンタ、１７……ジヤンプ信号
発生回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 記録媒体上の記録トラツクと情報読取点との
   トラツク直交方向におけるずれに応じて相補的
   にレベルが変化する２信号の差信号を生成する
   トラツキングエラー生成手段と、 前記トラツキングエラー信号に応じて前記情
   報読取点を記録トラツクと直交する方向に駆動
   する駆動手段とを含むサーボループを備える情
   報再生装置であつて、 飛越指令信号に応答して前記サーボループを
   開としつつ互いに隣接する複数の記録トラツク
   を前記情報読取点が一度に飛越すための駆動信
   号を発生して前記駆動手段に印加する手段と、 飛越動作中の前記トラツキングエラー信号を
   パルス列化した信号に整形する波形整形手段
   と、 前記情報読取点の移動する方向に応じて前記
   パルス列化された信号の位相を反転させる手段
   と、 前記パルス列化された信号のパルスの回数を
   カウントするカウンタと、 前記カウント値が所定数に達したときに制御
   信号を発生して前記駆動信号の状態を変化させ
   る手段とを含むことを特徴とする情報再生装
   置。 (2) 前記所定数は所望に変化自在とされているこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の情報再生装置。 (3) 前記駆動信号は、前記制御信号に応答して断
   とされることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の情報再生装置。