JPH02293424A - 吸水性を呈する超ソフト特殊混繊糸の製造方法 - Google Patents

吸水性を呈する超ソフト特殊混繊糸の製造方法

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JPH02293424A
JPH02293424A JP11214389A JP11214389A JPH02293424A JP H02293424 A JPH02293424 A JP H02293424A JP 11214389 A JP11214389 A JP 11214389A JP 11214389 A JP11214389 A JP 11214389A JP H02293424 A JPH02293424 A JP H02293424A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は、優れた吸水性を有し、且つ極めて高い柔軟性
とユニークな風合を有する超ソフト特殊混繊糸の製造方
法に関する。
(従来技術) 合成繊維糸には一般にガラス転移点温度(二次転移温度
ともいう)が存在し、この温度以下では分子が凍結され
ていて動き難いので、これを延伸するに当っては延伸点
をガラス転移点温度以上とし分子を動き易くして引き伸
ばすのが常識である。
もっともこのガラス転移温度以下の分子が凍結した状態
で無理矢理にこれを引き伸ばすと分子が配向せず、今迄
の延伸糸とは全く異なる特異な風合を呈する糸ができる
(但し、分子が凍結された状態で無理に引き伸ばすので
、必ず斑延伸となり均一な外観のものは出来ない)。即
ち、ガラス転移温度以下の低温で延伸することは、特開
昭5844762号公報にも示されるように、所謂Th
ick &Thin糸の製造方法そのものとなり、斑を
発生させずその特異風合のみを求めるといったことは不
可.能である。その他凍結状態の分子を無理矢理に引き
伸ばすのでそれに要する力は物凄く大きくなり、糸がロ
ーラーとスリップしなり、毛羽立ってラップが発生しな
りするなどの問題点が多く、延伸フィラメントヤーンの
生産性が低くなるという問題もある。
更に、従来のポリエステル繊維はドライ感、ボ21ユー
ム感に乏しく更に親、水性でないため天然の網、麻、綿
及び毛織編物の着心地に一歩も二歩もゆすらざるを得す
これらに近づける努力がなされている。
最近、ポリエステル繊維織編物の生産、加工技術の進歩
により織編物の風合、外観面では天然繊維織編物にかな
り近いものが得られるようになってきたが、ドライな表
面タッチ、ボリューム感ある肌ざわり、優れた吸水性等
の点では依然として大きい差があって天然繊維織編物と
ポリエステル繊維織編物との着心地感の決定的な差異の
一つになっている。
ここに、ドライ感とは例えば絹繊維織物特有のドライ感
を言い、ポリエステル繊維織編物が持つヌメリ感に対峙
するものである。現在のところ定量的測定は困難であり
、一iに織編物業者の触感によっているのが普通である
かくの如く、その測定は困難であるが、織編物の性質、
及び着心地を決定する上で極めて重要な要素である。
更に、吸水性とは発汗時の衣服の着心地を左右する極め
て重要な要素である。従来より天然繊維か、繊維固有の
給水性能により水分をよく保持することはよく知られて
いる。一方、人造繊維のうち、特に合成繊維はその優れ
た性質から衣料用素材として非常に広範囲に使用されて
いるが、その多くが、疎水性の重合体よりできている為
に吸水性に乏し7い欠点がある。近年、このような合成
繊維の吸水性能を向上させるために、親水性合成繊維の
開発研究、或いは疎水性合成繊維の親水性研究が数多く
なされ、例えば、親水性基をボリマー主鎖中に導入する
方法、親水性化合物をボリマー中に練り込む方法、繊維
表面に親水性化合物を塗布する方法など提案されている
。しかし、いずれにおいても、親水性について充分な効
果を与えようとすると、本来のボリマー繊維の有してい
た優れた性能を低下させ、耐久性に乏しかったり、織編
物として衣料にした場合に、風合、特に肌ざわりの点で
粗硬感が著しい等の種々の欠点を有していた。
(発明の目的) 本発明の目的は、ポリエステル繊維のかかる欠点を改良
し、優れた吸水性を呈し、かつ、極めて柔軟性が高く、
ユニークな風合を有する超ソフト・フラットマルチフィ
ラメントヤーンを、その重合体分子が凍結した状態で、
マルチフィラメントの断面形状を変化させることなく、
またそれに捲縮を付与することなく製造する方法を提供
し、それによって、均一に延伸されたマルチフィラメン
トからなる、均一な外観と性能を有する超ソフトフラッ
トマルチフィラメントヤーンと、およびそれから得られ
る超ソフト・フラットマルチフィラメントヤーン布帛を
提供しようとするものである。
(発明の構成) 即ち、本発明は、切断伸度差が少くとも70%以上であ
る2種またはそれ以上のポリエステルマルチフィラメン
ト糸を引揃えて、仮撚加工するに際して、少くとも1種
のマルチフィラメント糸として、下記の微細孔形成剤を
配合した中空ポリエステルマルチフィラメント糸を用い
て仮撚し、仮撚中のセット条件を常温若しくは高々78
゜C迄としてセットしてから解撚し、解撚直後、又はそ
の後の工程において130’C以上の温度で熱処理する
ことを特徴とする吸水性を呈する超ソフト特殊混繊糸の
製造方法である。
微細孔形成剤 (0)。
VO−P−OM’ ・・・<I> Z [式中、■は一価の有機基、Zは一〇V10M’又は一
価の有機基(但し■1は一価の有機基、M4は金属〉、
M1は金属、mは0又は1を示す。]、または [式中、Wは水素原子又はエステル形成官能基、M2お
よびM3は金属、nは1又は2を示す。]本発明を具体
例により詳細に説明する。
第1図(a)は合成繊維の所謂未延伸糸の模式図である
。これをそのガラス転移点温度以上に加熱して、構成分
子の凍結を解いた状態で引張ると(b)のように均一に
延伸される。しかしながら、これをガラス転移温度以下
で引張ると、横成分子は凍結された状゛態のままで無理
に引き伸ばされるので分子はスムースに揃わず、(C)
のように不均一な斑々の糸になってしまう。
これに対し、第2図は本発明の方法による延伸の態様を
示すもので、+dl図の如く未延伸糸(1)と、これに
より配向度の高い、従って伸び難い添え糸(2)とを引
揃えて、(e)図の如くこれをねじっていくとき、未延
伸糸(1)は伸び易く、他方添え糸(2)は伸び難いの
で、結局未延伸糸<1+は添え糸(2)の周囲に(f)
図の如く捲き付けられる格好となり、その結果未延伸糸
(1)は捲き付けに要する長さだけ均一に引き伸ばされ
る。
即ち、第1図のように糸を両端で引張って延伸するとき
、特にガラス転移点く二次転移点)以下で分子が凍結さ
れ−ているような状態では糸は伸び難いため、これを無
理矢理引き伸ばした場合、糸は伸び易い所が伸びて伸び
難い所はあまり伸びないといったように太さ斑が生じる
。しかし、前記のように添え糸(2)と一緒にねじり、
これを蔓巻き状にする過程において伸ばすと、糸の各部
分で少しずつ伸ばされるので、糸の両端を引張ったよう
な選択的な伸びは起らず、糸の各部分で均一かつ平等に
伸びることになる。従って、このようにガラス転移温度
以下でも均一に伸ばすことができるし、また斑になり易
い中途半端な低い倍率でも均一に引き伸ばすことが可能
になる。
但し、この方法では糸をねじって捲き付かせる解きに自
然に伸ばされる程度以上には伸ばし得ないので、自ら延
伸できる倍率の上限は決まってくる。しかし、ここで注
目すべきことは、添え糸(2)を少し引き伸ばしながら
この未延伸糸(1)の捲き付けを行うと、未延伸糸(1
)には捲き付けの伸びにこの添え糸(1)の伸びが加わ
るが、その場合でも極めて均一に伸ばされるという事実
が在ることである。これはやはり未延伸糸(1)が添え
糸(2)にしっかり捲き付いて拘束されながら伸ばされ
るためと推察される。従って、この添え糸(1)の伸長
も加えることによって、ある程度この伸長率は加減でき
る。また、これに更に、未延伸糸(1)と添え糸(2)
とを予め交絡させておいな上で、前記のようなねじり操
作を加えると両者の拘束関係が一層密になり、より均一
性が増す。
第3図は、本発明の具体的な実施工程の一例であって、
(1)は素材のポリエステル未延伸糸、(2)はこれよ
り伸び難い添え糸のポリエステル中間配向糸であり、両
糸は一対の供給ローラー{3}より供給され、空気ノズ
ル(4)で相互に絡められた後、中間ローラー(5)を
経て仮撚具(6)で相互にねじられる。その結果、仮撚
具(6)の前では未延伸糸口)は添え糸(2)の周囲に
捲き付くことによって伸ばされながら、仮撚具(6)を
通過し、再び捲き付きは解かれ、両者がまとわりついた
ままグリベリローラー{7}を経てヒーター(3)で熱
セットされ、引取ローラー(9)を経てワインダー(1
0)に捲き取られる。得られた加工糸を製織し染色仕上
すると、分子を凍結したまま延伸されたことによって、
今迄のポリエステル織物とは全く異なる、極めて超ソフ
トでマシュマロのような特殊な風合を有し、かつ太さ斑
や染色斑等も全くない汎用性ある織物が得られる。
本発明において、このような風合を得るなめには、未延
伸糸(1)が伸ばされる時に構成分子が凍結状態にある
温度即ちガラス転移点温度(二次転移点温度)未満にす
る必要がある。そのためには通常の仮撚加工に使う16
0〜240゜Cといつな合成繊維の所謂熱可塑化温度で
加熱しては勿論駄目で.あって、高々78℃以下、好ま
しくは60゜C以下(熱処理時間にして0.6秒以下)
にする必要がある。
一般には、前記の例のように熱を加えない常温で行うと
き最もよい結果が得られる。特にガラス転移温度の低い
素材では強制冷却することもよい。
また、供給する未延伸糸(1)と添え糸(2)とは予め
交絡しておくことは必ずしも必須ではないが、交絡する
ことによって前述の如く未延伸糸(1)がより均整に引
き伸ばされ、その外仮撚を経て解撚された後の糸がバラ
バラになるのを防ぐ効果もある。後者については、場合
によっては仮撚解撚後の交絡でもよいが、−i的には仮
撚前交絡の方がバラけが少い。
また、未延伸糸(1)の引き伸ばし量が少い場合には前
述の如く添え糸(2)も引き伸ばしてこれに加算するの
がよく、この例で言えばローラー(5)と(7)間の速
度関係を引き伸ばし状態、所謂延仲仮撚の状態で行うの
がよい。このようにしても未延伸糸(1)は前述の如く
斑糸にはならず均一に仲ばずことが可能である。特に仮
撚を摩擦仮撚具で与える時は糸がスリップするので延伸
仮撚か必須となる。一方、スピンドル仮撚であれば必ず
しも延伸仮撚にする必要はないが、一般に摩擦仮撚の方
が糸の引掛りがなくスムースに走行し易い。
また、仮撚でねじられた時に蔓巻き状となって専ら未延
伸糸目)のみが伸ばされる為には、添え糸(2)は未延
伸糸(1)よりも伸び難いことが必要であることから、
複屈折率にして0.03以上の中間配向糸、高配向糸が
好ましい。そして、延伸性については、未延伸糸(1)
よりも自然延伸比く伸度%表示)で70%以上小さいこ
とが望ましい。
本発明は凍結状態の分子を無理に延伸して特異な超ソフ
ト風合を出すわけであるが、その中でも延伸前の分子が
繊維軸方向に並んでいないほど、即ち配向度が低いほど
延伸が更に難しくなるので、風合の特異性は増す。従っ
て未延伸糸の配向度は高くても複屈折率にて0.02以
下、更に好ましくは0.01以下の殆んど配向していな
いものを用いることが望ましい。
このようにして無理に延伸された糸は一最に内部歪が大
きく、沸水中の収縮率が高いので、使用に際してはこれ
を熱処理してその収縮率を落とす必要がある。第3図(
8)のヒーターはその目的のためのものであり、その加
熱温度としては少くとも130゜C以上が必要で、好ま
しくは160゜C以上で少くとも0.1秒以上加熱する
のがよい。この加熱は前記延伸工程に引き続いて連続的
に行っておけば、出来た糸をどのような分野にでも使え
るので安心であるが、用途によってはこれを織編物等の
布帛にしてから行うことも可能である。
本発明の混繊糸を得る工程は、特公昭61−19733
号公報、特公昭56−25529号公報などにみられる
所謂仮撚捲付二層構造加工糸の製造方法の工程と一見似
ているが、その作用効果や、それにより製造される加工
糸の構造は互いに全く異なるものである。
即ち、従来の仮撚捲付二層構造加工糸の場合には、仮撚
工程で一種のマルチフィラメントを、他のマルチフィラ
メントに捲き付けた状態にして、これを高温に加熱し、
そのねじれた形でマルチフィラメントの重合体分子を再
配向結晶化させるので、両マルチフィラメントは、仮撚
で捲き付けられたフィラメントの捲きつき形状や撚り形
状が残留し、このため、第4図(g)に示されているよ
うに「捲付」二層構造加工糸となる。このような従来の
仮撚捲付二層構造加工糸は、紡績糸的な風合を有するこ
とに特徴がある。これに対し、本発明では、仮撚で高延
伸性マルチフィラメントを低延伸性マルチフィラメント
に捲き付けても、この状態で加熱セットされることがな
いので、その捲き付けぐせやねじりぐせは全く残留せず
、得られる加工糸は第4図(h)に示されているように
各フィラメントはストレートであって(捲縮がなく〉、
紡績糸様な構造にはならない。即ち、加工糸中のフィラ
メントはストレートなものであり、したがってフラット
マルチフィラメントヤーンを形成する。本発明において
、高延伸性マルチフィラメントを低温で強制的に伸長し
ながら仮撚されるので、得られる加工糸は、従来の仮撚
延伸加工糸とは全く異なる極めてソフトなタッチと、ユ
ニークな風合を有するフラットマルチフィラメントヤー
ンとなる。
本発明において、未延伸糸(1)と添え糸(2)の複合
比率については、元々本発明による特異風合は分子凍結
状態で無理矢理伸ばされる側[未延伸糸(1)1、即ち
低配向側(=自然延伸比の大きい側)で発生するので、
一般的には半分以上は占めた方がよい。但し、特に伸ば
し難い分子配向を有する繊維の場合においては、風合を
ある程度犠牲にしても延伸性を優先させることもあり得
るが、その場合でも少くとも3割は占めるべきである。
一方、あまり低配向側が増えると高配向側[添え糸(2
)1か細くなりすぎて蔓巻き状を形成させることが困難
になり、糸切れ等が発生するので、多くとも8割以下に
とどめておくことが望ましい。
また、仮撚数について言えば、本発明の場合、仮撚捲縮
を施すのが目的ではないので必ずしも従来の仮撚加工ほ
どの撚数でなくても効果が得られる。例えば、仮撚加工
であると14000 /IT;;  t/m位の甘い撚
数では効果的な捲縮を施すことはできないが、本発明に
おいてはそれに応じた糸の冷延伸は起き、それなりの効
果は発生する。但し、特にねじり難い素材でない限り、
目一ぱいの仮撚数、即ち糸の破断が起き易くなる320
00 i(π以下の仮撚数で、安定加工できる限り、高
くしな方が糸がよく伸ばされて効果的である。仮撚を摩
擦仮撚で行う場合には仮撚数は測定し難いが、D/Yを
1、3〜2.8位の値にすればよい。
ここにおいて De=仮撚中の糸Total De D/Y=仮撚ディスク表面速度/仮撚加工中の糸速 である。
更に、本発明方法にあっては、前記の伸度差を有する2
糸条のうち、少くとも、一方のマルチフィラメントとし
て微細孔形成剤配合の中空ポリエステル繊維を用いる必
要がある。該中空ポリエステル繊維の形態は、繊維軸方
向に連続したボリマー層が存在すれば、その外周形状、
中空部の形状は如何なるものでもよい。
かかる中空ポリエステル繊維の中空率、即ち見掛けの繊
維全断面積における中空部の断面積の割合は5〜50%
の範囲であることが望ましい。中空率が5%未満である
と吸水性能が低下し、本発明の目的である織編物が得ら
れない。中空率が50%を越えると中空部が漬れ易くな
り、言ったん漬れると吸水性能が低下するようになるの
で好ましくない。
また、前記の微細微細孔形成剤としては、下記一般式(
I)又は(n)で表わされるリン化合物又はスルホン酸
化合物が使用される。
(0)ffi I VO−P−OM 1          ・・・ (I
>暑 Z 式中、M1は金属であり、特にアルカリ金属、アルカリ
土類金属、Mn 1/2、Go 1/2又はzn 1/
2が好ましく、なかでもLi, Na, K, Ca 
1/2、Mg 1/2が特に好ましい。mは0又は1で
ある。■は一価の有機基であり、具体的にはアルキル基
、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル
基又は干(CH2) 103−, R’  (但しR′
は水素原子、アルキル基又はフェニル基、1は2以上の
整数、Pは1以上の整数)等が好ましい。ZはーOH、
−OV、−0M’又は一価の有機基であり、V′は上記
Vの定義と同様であって、V′と■とは同一でも異なっ
ていてもよく、M4は上記M1の定義と同様であって、
M4とM1は同一でも異なっていてもよい。また一価の
有機基としては、上記■における有機基の定義と同様で
あって、■と同一でも異なっていてもよい。
かかるリン化合物の好ましい具体例としては、リン酸モ
ノメチルジナトリウム、リン酸ジメチルモノナトリウム
、リン酸モノフェニルジカリウム、リン酸モノメチルモ
ノマグネシウム、リン酸モノメチルマンガン、ポリオキ
シエチレン(EO5モル付加ラウリルエーテルホスフェ
ートカリウム塩(但し、EO5モル付加とは、エチレン
オキサイド5モル付加を意味し、以下同様の意味を示す
)、ポリオキシエチレン(EO5モル付加)ラウリルエ
ーテルホスフェートマグネシウム塩、ポリオキシエチレ
ン(EO50モル付加)メチルエーテルホスフェートナ
トリウム塩、亜リン酸モノエチルジカリウム、亜リン酸
ジフェニルモノナトリウム、ポリオキシエチレン(E○
50モル付加)メチルエーテルホスファイトジナトリウ
ム、フェニルホスホン酸モノメチルモノナトリウム、ノ
ニルベンゼンホスホン酸モノメチルモノカリウム、フエ
ニルホスフィン酸モノメチルモ、ノナトリウム等を挙げ
ることができる。
式中、M2及びM3は金属であり、M2としては特にア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、Mn 1/2、Co 
I/2スはZn 1/2が好ましく、なかでもLi, 
Na、K, Ca 1/2、Mg 1/2が特に好まし
く、M3としては、特にアルカリ金属又はアルカリ土類
金属が好ましく、なかでもLi, Na, K, Ca
 l/2、Mg 1/2が特に好ましく、M2及びM3
は同一でも異なっていてもよい。nは1又は2である。
Wは水素原子又はエステル形成性官能基であり、エステ
ル形成官能基としては一COOR″(但しR + eは
水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基)
又は一Co [0 (C曲)1]pOH(但し、1は以
上の整数、Pは1以上の整数〉等が好ましい。
かかるスルホン酸化合物の好ましい具体例としては3−
カノレボメトキシ・ベンゼンスルホン酸ナトリウム−5
−カルボン酸ナトリウム、3−カルポメトキシ・ベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム−5カルボン酸カリウム、3一
カルポメトキシ・ベンゼンスルホン酸カリウム−5−カ
ルボン酸カリウム、3−ヒドロキシエトキシ力ルボニル
・ベンゼンスルホン酸ナトリウム−5−カルボン酸ナト
リウム、3−カルボキシ・ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム−5−カルボン酸ナトリウム、3−ヒドロキシエトキ
シ力ルボニル・ベンゼンスルホン酸Na  5−カルボ
ン酸Mg 1/2、ベンゼンスルホン酸Na  3.5
−ジカルボン酸Na、ベンゼンスルホン酸Na−3.5
−ジカルボン酸Mg 1/2などをあげることができる
上記リン化合物又はスルホン酸化合物の配合量は、添加
すべきポリエステルを構成する酸成分に対し0.3〜1
5.モル%の範囲が適当であり、0.5〜5モル%の範
囲が好ましい。
(発明の作用・効果) 本発明の方法は、特公昭61−19733号公報、特公
昭56−25529号公報に見られる所諸仮撚捲付二層
構造加工糸の工程と一見似ているが、その作用効果や出
来た糸の構造は全く異なる。
即ち、仮撚捲付二層構造加工糸の場合には、仮撚で糸を
捲き付き状態にして高温に加熱し、そのねじれた形で繊
維の分子を再配向結晶化させるので、その形が熱固定さ
れる。従ってこれを解撚しても捲き付きや撚りぐせくね
じりぐせ)がこって第4図(g)のような「捲付」二層
横造加工糸となり、このものはスパンライク的な風合に
特徴がある。これに対し、本発明の方法では仮撚で糸を
捲き付き状態にしてもこれは加熱セットはしないので、
その捲き付けぐせやねじりぐせは全く残らず、糸は(h
)のようなあくまでもストレートな糸となり、スパンラ
イクな構造にはならない。即ち、その構造はフィラメン
ト的なストレートなものであって、凍結された分子を無
理矢理引き伸ばすことによる、今迄の繊維とは全く異な
った極めてソフトなタッチを有する繊維の集合したフィ
ラメント糸となる。
また、このようにガラス転移温度以下の常温等で無理矢
理延伸すると、分子は凍結状態にあるのでその延伸張力
は非常に大きくなり、特に紡糸速度が2000 m/m
in以下の未延伸糸のように分子が殆んど配向していな
いようなものでは、その力は極めて大きい。従って、通
常は延伸ラップや糸切れ、毛羽立ちが発生したりスリッ
プしたりして生産性が困難である。しかしながら、本発
明のようにねじる力でこれを伸ばすとスムースに延伸が
行われ、また伸びる力はねじり力で主に与えられるので
、延伸機のようなローラーに何回もターンで.きる設備
は勿論、仮撚加工機のようなワンニップの簡単なローラ
ー装置でも生産上のトラブルもなく簡単に延伸できると
いう特長も有する。
また、本発明の糸は従来の合成繊維の概念を破る極めて
柔軟な風合特徴を有する。特に比較的モジュラスが高く
、従って風合が硬くて腰の強いポリエステル繊維に応用
すると、今迄のポリエステルの特徴的な硬さはなくなり
、非常にソフトな風合、強いて言えばマシュマロかさく
ら紙のような柔らかいタッチのフィラメントになるので
、肌に直接触れるランジェリーなどのインナー衣料やベ
ビー衣料及び高級ブラウスや高級ドレスなどにその用途
を拡大することができ、そのメリットは大きい。
また、本発明に用いる素材としては、延伸可能な合成繊
維であれば制限はないが、特にポリエステル繊維に応用
すると、その本質的に硬い風合を大幅に軟らかく改良で
きる点で、或いはガラス転移温度が高く、本発明の低温
凍結延伸の効果が一層発揮できる点で適用の効果は甚大
である。
かくして得られた゛特殊混繊糸“を用いて織編物にする
が、この織編成する前(即ち、糸条の段附で)、若しく
は、織編成して後、アルカリ性溶液により処理するもの
である。このアルカリ性溶液の処理により、前記の微細
孔形成剤の一部、又は全部が溶解、除去されて、中空ポ
リエステル繊維には微細孔が形成される。この微細孔は
、横断面の一部のみに存在していてもよいが、出来れば
、全体に散在することが、吸水性向上のためには望まし
い。また、該微細孔は、繊維軸方向に配列していると共
に、少くとも一部の微細孔が相互に連通しており、繊維
全体として結果的に中空繊維の外壁と内壁とが微細孔を
介して通じているものである。この微細孔が繊維断面に
おいて、前記のごとく散在し、その少くとも一部が中空
部まで連通しているか否かは繊維横断面を3000倍程
度に拡大して観察することができる。更に、微細孔の連
通状態を確認する最も簡便で容易な方法は、長さ数セン
チメートル(通常5cm)の単糸を通常の顕微鏡で10
0倍程度の倍率で観察しながら、この単糸の中程に水(
染色水であればより好ましい)を一滴たらせば、その水
が中空部に達するか否かにより容易に確認できる。本発
明に使用する中空ポリエステル繊維の場合には、前記の
ようにたらした水は、瞬時にして中空部に達するのが観
察される。
前記の微細孔は繊維軸方向に配列されているものであり
、繊維外形、特に表面にフィブリルは見られない。かか
る微細孔の大きさは、その直径が0,01〜3μm、そ
の長さが該直径の50倍以下であることが望ましい。こ
の微細孔の直径が0.01μm未満であると吸水性の効
果が低下し易く、直径が3μmを超えると充分な繊維強
度が得られない。
また、微細孔の長さがその直径の50倍を超えて長くな
ると他の条件を全て満足しても、繊維の強度及び耐フィ
ブリル性が低くなるので好ましくない。
かくして得られるポリエステル混繊糸は、その少くとも
捲付糸(即ち、外層部)には、微細孔を有する中空ポリ
エステル繊維が分布するものであるから、着用時には該
中空ポリエステル繊維により、汗を迅速に吸収するもの
である。更に、この吸水性大なる性質に加えて、非常に
ソフトな風合、柔らかいタッチを示すので肌に直接触れ
るランジェリーなどのインナー衣料又はベビー衣料に好
適である。
本発明の混繊糸には前記の微細孔を有する中空ポリエス
テル繊維が使用される結果、得られるポリエステル織編
物は、好ましいドライ感が付与される。これは、該微細
孔により、前記中空ポリエステル繊維の摩擦特性が、動
摩擦抵抗と静摩擦抵抗との差を大きくするように作用す
ることによるものと考えられる。
更に、微細孔形成材として前記に示したような特定の剤
を使用するものであるから、アルカリ性溶液で処理する
ことにより形成した微細孔に起因するフィブリルによる
摩耗強度の低下の問題も殆んど発生しないものである。
このように、本発明によれば、吸水性に優れ、且つ極め
て高い柔軟性に富み、且つドライ感も有する、ユニーク
な風合を有する、超ソフト特殊混繊糸を得ることができ
る。
(実施例〉 本発明を、更に下記実施例により説明する。
実施例中下記の測定が行われた。
約3000デニールの認を作り、これに荷重0.1g/
deをかけて原長fJ.(cm)を読み取った。前記紹
の荷重を2mg/deに変えて、これを沸騰水中で30
分間熱処理し、室温で乾燥させた後、荷重を0.1g/
deに変えてその長さη,.  (cm)を読み取った
次いで、荷重を再度2mg/deに変えて、180’C
の加熱空気中で1分間熱処理した後、取出して荷重を0
.1g/deに変えて、その長さJL(cm)を読み取
った。
ρ。− ρ 1 沸水収縮率BWS (%)=        XIOO
ρ 0 沸水後180゜C乾熱収縮Its(%)ρ2−ρ0 ×100 力。
自己伸長率一BWS (%)−HS(%)織物の柔軟度
は曲げ硬さ(BS)により、また織物の反溌性は曲げ反
発度(BR)により評価した。測定法はJIS L 1
096の6. 20. 3C法〈剛軟度ループ圧縮法)
を用いた。
抗ピリング性はJIS L 1076の4.1に示され
るJCI形試験機を用いて、同試験法6.1に示されて
いる八法(ICI形試験機を用いる方法)により測定評
価した。
摩耗強さは、JIS L 1096のA−3法(折目法
)に示されている方法により、研磨紙として#600を
用いて測定しな。
吸水速度 吸水速度試験法(JIS L 1018に準ず)試験布
帛〈試料)をアニオン性洗剤ザブ(花王石鹸社製)の0
.3%水溶液で家庭用電気洗濯機により40℃で30分
の選択を行い、次いで乾燥して得られる試料を水平に張
り、試料の上方1cmの高さ.から水滴を1滴( 0.
 04cc)滴下し、水が完全に試料に吸収され反射光
が観測されなくなるまでの時間を測定する。
吸水率 吸水率測定法 布帛を乾燥して得られる試料を水中に30分以上浸漬し
た後、家庭用電気洗濯機の脱水機で5分間脱水する。乾
燥試料の重量と脱水後の試料の重量から下記式により求
めた。
脱水後の試料重量一乾燥試料重−晟 吸水率一 乾燥試料重量 XIOO(%) 実施例 複屈折率:0.043、自然延伸比:45%(倍率にし
て1.45倍)、伸度:140%、ガラス転移点:80
゜C、繊度: 80de’ 、フィラメント数:36本
、断面形状が円形である、速度3200 m/分の紡糸
によって得られた普通のポリエステル高配向未延伸糸(
 P O Y )  ( 80de/ 36fi Ia
)と、3−カルホ゜メトキシ・ベンゼンスノレホン酸N
a−5−カルホン酸Na配合の変性ポリエステルを速度
1300 m/分の紡糸によって得られたポリエステル
低配向未延伸系(UDY)[自然延伸比160%(倍率
にして2.6倍)]、伸度:345%、ガラス転移点:
67゜C,繊度:90  de’ 、フィラメント数:
24本]とを、配合比率: 47 : 53で引き揃え
、これを、オーバーフィード:1,0%、圧空圧:4K
g/一の条件で空気交絡ノズルに洪して、フィラメント
を互いに交絡させた。次に、630m/minの表面速
度で回転している三軸式摩擦仮撚装置に、速度: 35
0m/分、伸長率:55%、仮撚張力: 32g 、解
撚張力=27gの延伸仮撚を室温(25℃)で施し(D
/Y=1.8)、交絡されたマルチフィラメントヤーン
に加撚した後、これを解撚し、次にオーバーフィード率
:0%で230℃のヒーター(熱処理時間0、2秒)に
通して加熱して、各フィラメントの熱収縮率を低下させ
、得られた加工糸をワインダーに巻き取り、110デニ
ール/60フィラメントの糸条を得た。この糸条を顕微
鏡で観察しなところ、各フィラメントの断面形状に変形
は全く認められなかった。更に、糸条自体はノントルク
であって、フィラメントに捲縮が実質的に認められず、
通常の混繊フラットマルチフィラメントヤーンと同じ外
観を示していた。
尚、上記加工において、仮撚装置を除いて、延伸のみを
行ったところ、所要延伸張力は120g/dであった。
次に得られたフラットマルチフィラメントヤーンの特性
は第1表一(1), (2)の通りであった。
次いで、これに800T/mの撚を施してから綾組織に
て製織し、10%の減量をして染色仕上したく染色条件
は第2表、特性は第3表の通り)ところ、従来ポリエス
テルのタッチとは全く異なる、滑かで極めて柔軟性があ
り、軽やかで皺にならない全く新しい感性のポリエステ
ル織物となり、インナーウエアーなと従来ポリエステル
織物の苦手とする超ソフト分野への商品的進出が可能と
なった。
第 1 表一(1) 第 1 表(2) この加工糸を用いて、下記製織条件(組織:核)及びア
ルカリ処理および染色条件で染色布帛を作成した。
第2表 製織、染色条件 第 表 織物特性 得られた織物の特性およびその吸水性は夫々第3表およ
び第4表に示す通りであった。
註二*沸水収縮率の異なる通常の延伸糸の混繊糸から得
られた織物の曲げ硬さは、アルカリ減量前て゛1.5g
前後、アルカリ減量後で1.2g前後であった。
第4表 (発明の効果) 本発明方法は、極めてソフトでユニークな風合を有する
超ソフト・フラットマルチフィラメントヤーンを、仮撚
加工装置を利用して、容易な操作で極めて高効率で製造
することができる。また、本発明によって得られる超ソ
フト・フラットマルチフィラメントヤーンは、そのユニ
ークな風合と、すぐれた物理的特徴を有し、ランジェリ
ーなどのインナー衣料用、ベビー衣料用及び、高級ブラ
ウス用や高級ドレス用に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の延仲原理を説明する模式図、第2図は本
発明の延伸原理を説明する模式図、第3図は本発明の一
実施態様を示す工程図、第4図は本発明の糸と従来のス
バンライク糸との違いを示す模式図である。 第3図において、(1)・・・未延伸糸、(2)・・・
未延伸糸(1)よりも配向度の高い添え糸、(3)・・
・供給ローラー、(4)・・・空気交絡ノズル、(5)
・・中間ローラー、(6)・・・仮撚具、(7)・・・
デリベリローラー(8)・・・熱処理ヒーター (9)
・・・引取ローラー第 図 第 図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 切断伸度差が少くとも70%以上である2種またはそれ
    以上のポリエステルマルチフィラメント糸を引揃えて、
    仮撚加工するに際して、少くとも1種のマルチフィラメ
    ント糸として、下記の微細孔形成剤を配合した中空ポリ
    エステルマルチフィラメント糸を用いて仮撚し、仮撚中
    のセット条件を常温若しくは高々78℃迄としてセット
    してから解撚し、解撚直後、又はその後の工程において
    130℃以上の温度で熱処理することを特徴とする吸水
    性を呈する超ソフト特殊混繊糸の製造方法。 微細孔形成剤 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・( I ) [式中、Vは一価の有機基、Zは−OV^1、OM^4
    又は一価の有機基(但しV^1は一価の有機基、M^4
    は金属)、M^1は金属、mは0又は1を示す。]、ま
    たは ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(II) [式中、Wは水素原子又はエステル形成官能基、M^2
    およびM^3は金属、nは1又は2を示す。]
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5854035A (ja) * 1981-09-22 1983-03-30 帝人株式会社 複合嵩高糸の製造方法
JPS6075631A (ja) * 1983-09-30 1985-04-30 ユニチカ株式会社 ポリエステル特殊加工糸の製造法
JPS63282326A (ja) * 1987-05-12 1988-11-18 株式会社クラレ 絹調仮撚加工糸の製造法

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