JPH0229039B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は装飾材の製造法、さらに詳しくは模様
を構成する合成樹脂発泡材層表面をバフ加工し
た、壁紙などとして用いられるシート状の装飾材
の製造法に関する。

従来技術 従来より基材全面に合成樹脂を積層し、この表
面全面にバフ加工を施す方法、あるいは、その後
必要に応じてエンボス加工を行なつて模様をつけ
る装飾材の製造法は公知であつた。しかしなが
ら、基材上の一部である模様をなす合成樹脂層の
みをバフ加工した装飾材については知られていな
かつた。

また、かかる全面バフ加工を施した合成樹脂層
表面に複数の色を表現する場合は、さらにその上
から多色刷を行なう必要があり、表面バフの外観
が損なわれるとともに鮮明な多色効果を得ること
は困難であつた。

発明の目的 このように、従来の製法では、表面バフの外観
が充分でなく鮮明な多色効果を得がたいため、壁
紙などの装飾材として満足しうる高級感を備えた
ものが得られなかつた。

そこで、本発明者らは、多様な模様、配色が施
こしえ、かつ表面バフの外観に優れた装飾材を得
るべく鋭意検討を行なつた結果、先に模様を形成
した合成樹脂発泡層を設けた後にバフ加工を施す
ことにより、高級感を有する優れた外観の装飾材
が得られることを見出し、本発明を完成するに至
つた。

発明の構成 本発明の構成は、基材上に発泡性または非発泡
性の第１の合成樹脂を積層し、該層に凹凸模様を
形成するか、または形成しないで、さらに前記第
１の層上に発泡性合成樹脂を用い模様を印刷後、
加熱発泡を行ない、ついで表面バフ加工をした装
飾材の製造法に係るものである。

つぎに本発明方法を構成する工程を第１図〜第
３図を参照しながら詳しく説明する。

第１図ａおよびｂは、本発明方法による装飾材
において基材に第１の合成樹脂層を積層し、つい
で該合成樹脂層に凹凸模様を形成した場合および
形成しない場合の各々について、さらにこの合成
樹脂層上に発泡性合成樹脂塗料を用い、模様を印
刷したものの模式的断面図である。

第２図ａおよびｂは、各々第１図ａおよびｂの
発泡性合成樹脂塗料を加熱発泡後の模式的断面図
である。

第３図ａおよびｂは、各々第２図ａおよびｂの
発泡後の樹脂層をバフ加工した後の模式的断面図
である。

第１工程 本発明方法の装飾材を製造するには、まず第１
図ａに示すごとく、基材１上に塗布ドクタ−など
を用いて発泡性または非発泡性の合成樹脂層２を
塗布し、加熱乾燥する。

該合成樹脂層２の厚さは、特に限定するもので
はないが、基材と該樹脂の厚さの合計として、通
常、0.2〜１mm厚、好ましくは0.3〜0.8mm厚とする
のがよい。

本発明方法では、つぎにグラビア印刷などを施
したり、あるいは第１図ｂに示すように合成樹脂
層を加熱し、型押装置により凹凸模様を形成した
り、また発泡性樹脂を用いた場合は発泡を行なわ
せるなど種々の処理を行なうことが可能である。

第２工程（第１図ａ，ｂ） 前記第１工程で形成された合成樹脂層２（ベー
ス）上に、ロータリースクリーン装置などを用い
て、発泡性合成樹脂塗料層３により模様を印刷
し、乾燥ゲル化させ、第１図ａ，ｂの断面構造を
得る。

第３工程（第２図ａ，ｂ） 前記第２工程で印刷した発泡性合成樹脂塗料層
３を発泡剤分解温度に設定した発泡炉内に通して
発泡させ、第２図ａ，ｂに示す断面構造を得る。
ここで得られた模様発泡体４の凸部上端と前記合
成樹脂層２の上端との高さの差（ΔH）は、通常
0.3〜３mm、好ましくは0.5〜３mmである。

第４工程（第３図ａ，ｂ） ついで、前記模様発泡体４の上部をバフ加工装
置によりバフ加工を施し、該発泡体４上部を削除
する。ここで、バフ加工にて削除する部分の高さ
（Δh）は、ΔH＞Δh≧0.1mmである。

ここで用いられるバフ加工装置としては、通常
バフイングに使用されるものがいずれも用いう
る。

本発明方法において用いることのできる基材
は、通常装飾材に用いられるものであればいずれ
でもよく、例えば、紙、難燃紙、織物、不織布、
アスベスト紙、各種合成樹脂シートなどを挙げる
ことができる。

第１工程において形成される合成樹脂層に用い
られる合成樹脂としては、塩化ビニル樹脂、もし
くは塩化ビニルと酢酸ビニルなどとの共重合体、
例えば、平均重合度500〜2000の塩化ビニルもし
くは、塩化ビニル共重合体ペースト樹脂などが挙
げられ、これらに可塑剤、安定剤、充填剤、難燃
剤さらに発泡剤などを配合した発泡性または非発
泡性のものが用いられる。

また、第２工程において用いられる発泡性合成
樹脂塗料としては、前記と同様の合成樹脂に可塑
剤、安定剤、発泡剤、充填剤、難燃剤、着色剤な
どを配合したものが挙げられる。

発明の効果 本発明方法により得られた装飾材は、壁紙とし
て使用すると、極めて優れた高級感のあるスエウ
ード調の外観を呈する。

また、本発明方法では、模様の各部分に、異
種、異色の合成樹脂発泡塗料を用いることによ
り、多色刷を行なうことなく、鮮明な多色効果を
付与することが可能である。

実施例 以下に本発明を実施例にもとづきさらに詳しく
説明する。

実施例 １ 常法により、つぎの組成のプラスチゾルＡを調
製した。

プラスチゾルＡ 成 分 重量部 塩化ビニル樹脂 100 ジオクチルフタレート 50 安定剤（亜鉛系） 1.5 充填剤（炭酸カルシウム） 30 難燃剤（三酸化アンチモン） ３ 顔 料（酸化チタン） 10 坪量80ｇ／m²の壁紙用裏打紙上に上記プラスチ
ゾルＡを180±20μ厚に塗布し、オーブン中150℃
で１分間加熱しゲル化させた。

ついで、グラビア印刷機を用い、このゲル化膜
上に３色刷織物無地柄の印刷を施こし、100℃に
て１分間加熱し乾燥させた。

このようにして得られたシートを赤外線ヒータ
にて加熱し、シートが軟化したところで深度0.3
mmのエンボスロールを用いて型押加工を行ない、
シート全面に織物無地柄の凹凸模様を付与形成し
た。

さらに、上記の凹凸模様が付与されたベース上
に、つぎの組成の発泡剤含有プラスチゾルＢを塗
布する。

プラスチゾルＢ 成 分 重量部 塩化ビニル樹脂 100 ジオクチルフタレート 55 安定剤（亜鉛系） ２ 発泡剤（アゾジカルボンアミド） ４ 充填剤（炭酸カルシウム） 30 難燃剤（三酸化アンチモン） ３ 顔 料 適量 プランチゾルＢは、ロータリスクリーン装置を
用い、白−ベージユの２色のストライプ柄にて
0.1mmの厚さで塗布し乾燥ゲル化させた後、200℃
に設定した発泡炉に導き加熱発泡させた。

得られたストライプ柄部の発泡体凸部とベース
凸部との高さの差ΔHは1.2mmであつた。

ついで、この発泡体シートをバフ加工装置に導
き＃100のサンドペーパにてバフ加工を施し、ス
トライプ柄発泡体凸部の上部0.2mmを削除した。
この結果、色彩感にあふれ、極めて美麗でかつ豪
華な外観を有する装飾材を得た。

実施例 ２ 坪量80ｇ／m²の壁紙用裏打紙上に実施例１のプ
ラスチゾルＡを180±20μ厚に塗布し、オーブン
中150℃で１分間加熱しゲル化させた。

ついで、この上にグラビア印刷機を用い、ゴー
ルドプリント加工を行なつた後、オーブン中120
℃で乾燥させた。

このようにして得られたシート上に、厚さ
200μにて、60メツシユのロータリスクリーンロ
ールを有するロータリスクリーン装置を用いて、
実施例１の発泡剤含有プラスチゾルＢを織物無地
柄にて塗着し、乾燥、ゲル化させ、つぎに200℃
に設定された発泡炉に導き加熱発泡させた。

得られた発泡体凸部と、ベースとの高さの差
ΔHは1.0mmであつた。

ついで、この発泡体シートをバフ加工装置に導
き、＃100のサンドペーパーにてバフ加工を施し、
発泡体凸部上部0.2mmを削除した。

その結果、極めて高級感を備えた織物風の外観
を有する内装材を得ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは、本発明方法による装飾材にお
いて基材に第１の合成樹脂層を積層し、さらにそ
の上に発泡性合成樹脂を用い模様を印刷したもの
の模式的断面図、第２図ａ，ｂは、各々第１図
ａ，ｂの発泡性合成樹脂を加熱発泡後の模式的断
面図、第３図ａ，ｂは、各々第２図ａ，ｂの発泡
後の樹脂層をバフ加工した後の模式的断面図であ
る。 図中の符号は、つぎのとおりである。１：基
材、２：合成樹脂層、３：発泡性合成樹脂塗料
層、４：発泡体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基材上に発泡性または非発泡性の第１の合成
   樹脂層を積層し、該層に凹凸模様を形成するか、
   または形成しないで、さらに前記第１の層上に発
   泡性合成樹脂を用い模様を印刷後加熱発泡を行な
   い、ついで表面バフ加工することを特徴とする表
   面バフ加工を有する装飾材の製造法。 ２ 発泡後の発泡性合成樹脂層の厚さが0.3〜３
   mmである前記第１項の装飾材の製造法。 ３ バフ加工による削除される部分の高さが0.1
   mm以上である前記第１項の装飾材の製造法。