JPH0227710Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両のドライブシヤフトに用いられる
ダイナミツクダンパの改良に関する。

（従来の技術） FF車ではエンジンと前輪間をドライブシヤフ
トで連結し、前輪を駆動し、ドライブシヤフトの
曲げ及びねじり振動等を防止する目的でダイナミ
ツクダンパを設ける。

従来のダイナミツクダンパは、必要な共振周波
数を得るために重錘の外径を大きくし、ゴム容量
を大きくしてバネレートを下げ、或はゴムの硬度
を下げてバネレートを下げている。

（考案が解決しようとする問題点） 以上の従来技術は、前記によればダンパ部の外
径が大きくなり、組付時等に他部品と干渉する虞
れがあり、組付が面倒、煩雑であり、又後者では
ゴムの耐久性が低下する等の不都合がある。

本考案は以上の問題点を解決すべくなされたも
ので、その目的とする処は、外径のコンパクト化
を図り、併せてドライブシヤフトへの組付性を向
上させつつ耐久性、信頼性を得るゴム硬度に設定
し、バネレートを下げ得るようにし、共振周波数
の設定の自由度を向上させたドライブシヤフト用
ダイナミツクダンパを提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するための手段は、エンジ
ンの出力を駆動輪に伝達するようにしたドライブ
シヤフトにおいて、該ドライブシヤフトの外周に
パイプ状の重錘を囲繞設置し、該重錘の内周壁側
に内周がスプライ状でドライブシヤフト軸方向に
長い弾性ゴムを設け、該弾性部材を介して前記重
錘をドライブシヤフト周に装着するようにしたこ
とを特徴とする。

（上記手段による作用） 上記手段によれば、重錘はドライブシヤフトの
軸方向に長いパイプ状なので、径方向の大きさを
小さくしても十分なる重さを確保することができ
る。

又、弾性ゴムの内周がスプライン状なのでこの
弾性ゴムの耐久性向上のために該弾性ゴムの硬度
を上げても突部は容易に撓んで溝側へ変形する。

又、弾性ゴムは軸方向に長いので突部とドライ
ブシヤフト外周面との接触面積が十分大きくでき
る。

（実施例） 次に本考案の好適一実施例を添付した図面を参
照しつつ詳述する。

第１図はドライブシヤフト全体の縦断面図、第
２図は同要部の拡大図である。

１はドライブシヤフトで、図では右端に入力側
ジヨイント２が設けられ、ジヨイント２の軸部２
ａで不図示のエンジン出力軸に連結され、アウタ
２ｂとドライブシヤフト１のこの側寄りの部分周
との間にはダストブーツ３が介装されている。ド
ライブシヤフト１の左端には等速ジヨイントから
なる出力側ジヨイント４が設けられ、これら軸部
４ａで不図示の車輪と連結し、アウタ４ｂとドラ
イブシヤフト１のこの側寄りの部分周との間には
ダストブーツ５が介装されている。

ドライブシヤフト１の中間部１ａ外周１ｂには
ダイナミツクダンパ６を設け、ダンパ６は鉄等か
らなるパイプ状の重錘７とこれの内径部に設けら
れた筒状の弾性ゴム８とからなる。弾性ゴム８の
内周部８ａには放射状に溝８ｂ…が設けられ、溝
８ｂ…は内周部８ａの軸方向全長に亘り形成され
ている。かかる溝８ｂ…間は放射状の突部８ｃ…
となり断面は第３図の如くスプライン状となる。
以上の弾性ゴム８の外周部８ｄは重錘７内周周部
７ａと圧入或は焼付等で一体化する。

かかる弾性ゴム８をシヤフト１の外周に嵌合、
或は軽圧入程度で嵌合する。嵌合は内周部８ａの
突部８ｃ…が実質上内径を構成し、この部分の
個々の断面が小さく、接触面積が小さいことから
ゴム８の硬度を実用上の耐久性等を考虜した硬度
に設定しても柔かく、容易に撓わみ、従つて圧入
しろを余り大きくすることなく容易に嵌合し得て
シヤフト外周部に固定することが可能である。

以上によりゴム８を介して重錘７をシヤフト上
に嵌合固定することができ、ダイナミツクダンパ
６を構成する。

以上のダイナミツクダンパを構成する重錘７は
シヤフト１の中間部１ａの略半分以上を覆う如く
長く設定し、内側のゴム８はこれよりも短かい。

（考案の効果） 以上の如き本考案によれば、重錘はドライブシ
ヤフトの軸方向に長いパイプ状なので、径方向の
大きさを小さくしても十分なる重さを確保するこ
とができ、従つて重錘の径方向のコンパクト化を
容易に行うことができるので、組付時の他部品へ
の干渉がなく、特に軸方向端部に設けられるブー
ツの装着はダンパを取り外すことなく行える。

又、弾性ゴムの内周がスプライン状なので、こ
のスプラインにより形成される突部が弾性ゴムの
実質上の内径となる。そしてこの弾性ゴムの耐久
性向上のために該弾性ゴムの硬度を上げても突部
は容易に撓んで溝側へ変形し、必要以上にバネレ
ートを上げることなく固定できる。

更に、弾性ゴムは軸方向に長いので突部とドラ
イブシヤフト外周面との接触面積が十分大きくな
り、これにより弾性ゴムをドライブシヤフトに確
実に固定することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はドライブシヤフト全体の縦断面図、第２図は同
要部の拡大図、第３図は同縦端面図である。 尚図面中１はドライブシヤフト、６はダイナミ
ツクダンパ、７は重錘、８はゴム、８ｂ，８ｃは
スプラインをなす凹凸である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンの出力を駆動輪に伝達するようにした
   ドライブシヤフトにおいて、該ドライブシヤフト
   の外周にドライブシヤフト軸方向に長いパイプ状
   の重錘を囲繞設置し、該重錘の内周壁側に内周が
   スプライン状でドライブシヤフト軸方向に長い弾
   性ゴムを設け、該弾性部材を介して前記重錘をド
   ライブシヤフト周に装着するようにしたことを特
   徴とするドライブシヤフト用ダイナミツクダン
   パ。