JPH0227145B2 - - Google Patents
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- JPH0227145B2 JPH0227145B2 JP56189939A JP18993981A JPH0227145B2 JP H0227145 B2 JPH0227145 B2 JP H0227145B2 JP 56189939 A JP56189939 A JP 56189939A JP 18993981 A JP18993981 A JP 18993981A JP H0227145 B2 JPH0227145 B2 JP H0227145B2
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Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
この発明は、耐食性、とくに端面部の耐食性に
すぐれた積層板に関する。 樹脂板を金属層で挾んだ積層板は、軽量でかつ
強度的にもすぐれるという利点をもつことから、
近時自動車車体などへの適用が検討されるように
なつてきている。自動車車体の使用環境は一種の
腐食環境ということができ、とりわけ寒冷地にお
いては道路に凍結防止剤として散布される食塩の
存在によつて一段と苛酷な腐食環境へと変化す
る。積層板の自動車車体への適用に当つては、こ
のような使用環境面から積層板にすぐれた耐食性
が必要とされる。積層鋼板としては、金属層に通
常の冷延板を用いたものが最も一般的であるが、
このようなものは、上記の如き塩分を含む環境下
では、早期に端面から腐食が進行し接着強度の低
下が起こり実質的に使用に耐えない。 積層板のかかる劣性を改善する策としては、従
来においても提案がないわけではない。例えば、
特開昭54−75437号では、Znメツキ鋼材の表面に
Niメツキ層を形成し、その上に更にクロメート
皮膜を付与してプラスチツクシートを被覆する技
術が提案され、また特開昭52−132085号により、
リン酸、亜鉛化合物およびカルシウム化合物を含
有する表面処理液で鋼板表面を処理して樹脂被覆
する方法が提供されているが、これらは何れも自
動車車体の使用環境の厳しさに照らしてみると決
して満足すべき手法とは云えない。 本発明は、自動車車体用として必要とされる高
耐食性を備える積層鋼板の提供を目的とするもの
である。 すなわち本発明の要旨とするところは、樹脂層
とこれを両側から挾む金属層とからなる積層板に
おいて、前記金属層として、少なくとも樹脂層と
接触する側にNi含有率９〜20％のNi−Zn合金メ
ツキ層を有する鋼板を用いたことを特徴とする積
層板、にある。 冷延鋼板を用いた積層板を塩水などの腐食環境
に晒した場合、とくに端面に腐食を生じ易くそこ
からやがて発展する。端面に腐食が起こると、そ
の腐食自体もさらことながら、腐食によつて樹脂
層との接着性が低下することが大きな問題とな
る。そもそも積層板は、各層毎の接着状態が維持
されていてはじめて剛性が保たれるものであり、
したがつて上記の如き接着性の低下は積層板全体
の強度低下に直結するからである。冷延鋼板に亜
鉛メツキを施こして樹脂を積層したのも、従来よ
り考えられているが、亜鉛はもともと鉄よりも活
性な金属であるから、前記のような塩水環境中で
は端面における亜鉛メツキ層の溶出が容易に起
り、むしろ冷延板を用いた場合より早期に接着性
の低下を来たすので、冷延板を用いたものから改
良されたとは云い難い。 しかるに本発明に基いて、金属層として、樹脂
層と接触する面に適正量のNiを含むNi−Zn合金
メツキ層を有する鋼板を用いれば、上記のような
端面からの腐食を効果的に防止でき、塩水環境な
どきわめて苛酷な腐食環境下において接着性の低
下も回避できるものである。Ni−Zn合金メツキ
層は、前記亜鉛メツキ層のように塩水環境中で容
易に侵される懸念がなく、長期に亘つてその防食
機能を維持でき、したがつてとくに上記のように
積層板に適用した場合には、端面における腐食防
止にきわめて有効に働くものである。 本発明においてNi−Zn合金メツキ層のNi含有
率を９〜20％に限定したのは、これ以外のところ
では、製造上安定した品質のNi−Zn合金メツキ
層を得ることが困難で、確実な防食効果が期待で
きないからである。またメツキ層の厚みは、メツ
キ付着量で５ｇ/m2〜120ｇ/m2が好ましい。５ｇ/
m2未満では、十分な防食にならず、他方120ｇ/m2
をこえると、加工によつて端面での剥離が起こり
易くなるので、加工後の高耐食性が保証できな
い。 一般に冷延鋼板や、亜鉛系のメツキ鋼板は、リ
ン酸処理および／またはクロメート処理を施して
製品化されるのが通例であるが、本発明において
もNi−Znメツキ層上に更にこのような処理を施
して使用してもよく、耐食性の点からはむしろこ
の方がより好ましい結果が期待できる。 樹脂層には、変性ポリオレフイン或いは変性ポ
リオレフインと未変性ポリオレフインの組成物、
または更に他の樹脂、無機フイラーなどを添加し
たものなどの使用が好ましい。未変性ポリオレフ
インとしては、エチレン、プロピレン、１−ブテ
ンなどの単独重合体、相異なるオレフインの共重
合体、更にこれらの混合物などが挙げられる。変
性ポリオレフインとは、云う迄もなく前記の未変
性ポリオレフインを変性して接着性を付与したも
のであるが、この変性には、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸、あ
るいはその無水物、エステルなどの使用が可能で
ある。また樹脂層として、変性ポリオレフイン層
−未変性ポリオレフイン層−変性ポリオレフイン
層型の積層物を用いても差支えない。 Ni−Znメツキ鋼板上に上記のような樹脂層を
形成するには、プレス成形機などにより加熱下で
圧着する、或いは樹脂を溶融押出し機から供給し
てロールにより圧着するなどの方法が適用でき
る。 次に、本発明の実施効果について説明する。 厚さ0.2mmの冷延鋼板、亜鉛メツキ鋼板または
種々なNi含有率のNi−Znメツキ鋼板を脱脂、水
洗し、クロメート処理を行なつた。クロメート処
理は、日本パーカライジング(株)製パーコレン62の
水溶液（濃度：20ｇ/m2）に50℃で浸漬後、ロー
ル絞り、熱風乾燥する方法によつた。クロメート
処理後、各鋼板を２枚用意し、これと無水マレイ
ン酸ポリプロピレンシートを、２枚の鋼板で前記
シートを挾む形に積層した。積層は、熱プレスに
より180℃にて行なつた。樹脂層の厚みは、0.6mm
とした。 得られた積層鋼板について、引張強度50mm／分
で剥離試験を行ない接着強度を測定した。またそ
の鋼板から、巾10mm、長さ200mmの試験片を採取
し、平板状のまま、曲げ内径５mmの曲げ加工を施
したものを、35℃、５％の食塩水で20日間スプレ
ーし続けた。試験後、各試験片の端面腐食状況を
調査した。また平板状のまま試験したものについ
て、上記同様の剥離試験によつて接着強度を求め
た。結果を第１表にまとめる。
すぐれた積層板に関する。 樹脂板を金属層で挾んだ積層板は、軽量でかつ
強度的にもすぐれるという利点をもつことから、
近時自動車車体などへの適用が検討されるように
なつてきている。自動車車体の使用環境は一種の
腐食環境ということができ、とりわけ寒冷地にお
いては道路に凍結防止剤として散布される食塩の
存在によつて一段と苛酷な腐食環境へと変化す
る。積層板の自動車車体への適用に当つては、こ
のような使用環境面から積層板にすぐれた耐食性
が必要とされる。積層鋼板としては、金属層に通
常の冷延板を用いたものが最も一般的であるが、
このようなものは、上記の如き塩分を含む環境下
では、早期に端面から腐食が進行し接着強度の低
下が起こり実質的に使用に耐えない。 積層板のかかる劣性を改善する策としては、従
来においても提案がないわけではない。例えば、
特開昭54−75437号では、Znメツキ鋼材の表面に
Niメツキ層を形成し、その上に更にクロメート
皮膜を付与してプラスチツクシートを被覆する技
術が提案され、また特開昭52−132085号により、
リン酸、亜鉛化合物およびカルシウム化合物を含
有する表面処理液で鋼板表面を処理して樹脂被覆
する方法が提供されているが、これらは何れも自
動車車体の使用環境の厳しさに照らしてみると決
して満足すべき手法とは云えない。 本発明は、自動車車体用として必要とされる高
耐食性を備える積層鋼板の提供を目的とするもの
である。 すなわち本発明の要旨とするところは、樹脂層
とこれを両側から挾む金属層とからなる積層板に
おいて、前記金属層として、少なくとも樹脂層と
接触する側にNi含有率９〜20％のNi−Zn合金メ
ツキ層を有する鋼板を用いたことを特徴とする積
層板、にある。 冷延鋼板を用いた積層板を塩水などの腐食環境
に晒した場合、とくに端面に腐食を生じ易くそこ
からやがて発展する。端面に腐食が起こると、そ
の腐食自体もさらことながら、腐食によつて樹脂
層との接着性が低下することが大きな問題とな
る。そもそも積層板は、各層毎の接着状態が維持
されていてはじめて剛性が保たれるものであり、
したがつて上記の如き接着性の低下は積層板全体
の強度低下に直結するからである。冷延鋼板に亜
鉛メツキを施こして樹脂を積層したのも、従来よ
り考えられているが、亜鉛はもともと鉄よりも活
性な金属であるから、前記のような塩水環境中で
は端面における亜鉛メツキ層の溶出が容易に起
り、むしろ冷延板を用いた場合より早期に接着性
の低下を来たすので、冷延板を用いたものから改
良されたとは云い難い。 しかるに本発明に基いて、金属層として、樹脂
層と接触する面に適正量のNiを含むNi−Zn合金
メツキ層を有する鋼板を用いれば、上記のような
端面からの腐食を効果的に防止でき、塩水環境な
どきわめて苛酷な腐食環境下において接着性の低
下も回避できるものである。Ni−Zn合金メツキ
層は、前記亜鉛メツキ層のように塩水環境中で容
易に侵される懸念がなく、長期に亘つてその防食
機能を維持でき、したがつてとくに上記のように
積層板に適用した場合には、端面における腐食防
止にきわめて有効に働くものである。 本発明においてNi−Zn合金メツキ層のNi含有
率を９〜20％に限定したのは、これ以外のところ
では、製造上安定した品質のNi−Zn合金メツキ
層を得ることが困難で、確実な防食効果が期待で
きないからである。またメツキ層の厚みは、メツ
キ付着量で５ｇ/m2〜120ｇ/m2が好ましい。５ｇ/
m2未満では、十分な防食にならず、他方120ｇ/m2
をこえると、加工によつて端面での剥離が起こり
易くなるので、加工後の高耐食性が保証できな
い。 一般に冷延鋼板や、亜鉛系のメツキ鋼板は、リ
ン酸処理および／またはクロメート処理を施して
製品化されるのが通例であるが、本発明において
もNi−Znメツキ層上に更にこのような処理を施
して使用してもよく、耐食性の点からはむしろこ
の方がより好ましい結果が期待できる。 樹脂層には、変性ポリオレフイン或いは変性ポ
リオレフインと未変性ポリオレフインの組成物、
または更に他の樹脂、無機フイラーなどを添加し
たものなどの使用が好ましい。未変性ポリオレフ
インとしては、エチレン、プロピレン、１−ブテ
ンなどの単独重合体、相異なるオレフインの共重
合体、更にこれらの混合物などが挙げられる。変
性ポリオレフインとは、云う迄もなく前記の未変
性ポリオレフインを変性して接着性を付与したも
のであるが、この変性には、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸、あ
るいはその無水物、エステルなどの使用が可能で
ある。また樹脂層として、変性ポリオレフイン層
−未変性ポリオレフイン層−変性ポリオレフイン
層型の積層物を用いても差支えない。 Ni−Znメツキ鋼板上に上記のような樹脂層を
形成するには、プレス成形機などにより加熱下で
圧着する、或いは樹脂を溶融押出し機から供給し
てロールにより圧着するなどの方法が適用でき
る。 次に、本発明の実施効果について説明する。 厚さ0.2mmの冷延鋼板、亜鉛メツキ鋼板または
種々なNi含有率のNi−Znメツキ鋼板を脱脂、水
洗し、クロメート処理を行なつた。クロメート処
理は、日本パーカライジング(株)製パーコレン62の
水溶液（濃度：20ｇ/m2）に50℃で浸漬後、ロー
ル絞り、熱風乾燥する方法によつた。クロメート
処理後、各鋼板を２枚用意し、これと無水マレイ
ン酸ポリプロピレンシートを、２枚の鋼板で前記
シートを挾む形に積層した。積層は、熱プレスに
より180℃にて行なつた。樹脂層の厚みは、0.6mm
とした。 得られた積層鋼板について、引張強度50mm／分
で剥離試験を行ない接着強度を測定した。またそ
の鋼板から、巾10mm、長さ200mmの試験片を採取
し、平板状のまま、曲げ内径５mmの曲げ加工を施
したものを、35℃、５％の食塩水で20日間スプレ
ーし続けた。試験後、各試験片の端面腐食状況を
調査した。また平板状のまま試験したものについ
て、上記同様の剥離試験によつて接着強度を求め
た。結果を第１表にまとめる。
【表】
第１表において、本発明に基く(1)〜(4)は、初期
の接着性が良好であるのみならず、塩水噴霧試験
後においても良好な接着性が殆んどそのまま維持
されている。また、端面の耐食性についても、(4)
を除いては平板状のままの場合だけでなく、曲げ
加工品でさえ、塩水噴霧試験後の腐食は殆んどな
く、良好な耐食性を示した。(4)については曲げ加
工品において耐食性が劣つているが、平板のまま
では良好であり、用途によつては十分使用可能と
いえる。これに対し、冷延鋼板を用いた(7)、(8)
は、初期の接着強度に不足はないが、塩水噴霧試
験後は著しく劣化しており、端面耐食性について
も、塩水噴霧によつて激しい腐食を生じた。ま
た、Ni−Znメツキ鋼板を用いたものでも、メツ
キのNi含有量が本発明範囲から外れる(5)、(6)に
ついては、上記同様塩水噴霧による接着性低下が
大きく、耐食性の点でも満足のゆく結果が出なか
つた。 以上の説明から明かなように本発明の積層板
は、きわめてすぐれた耐食性が得られかつ腐食環
境下での接着性の低下が可及的に防止でき、した
がつて本発明は積層板の自動車車体などの腐食用
途への適用を可能ならしめる上で顕著な効を奏す
るものである。
の接着性が良好であるのみならず、塩水噴霧試験
後においても良好な接着性が殆んどそのまま維持
されている。また、端面の耐食性についても、(4)
を除いては平板状のままの場合だけでなく、曲げ
加工品でさえ、塩水噴霧試験後の腐食は殆んどな
く、良好な耐食性を示した。(4)については曲げ加
工品において耐食性が劣つているが、平板のまま
では良好であり、用途によつては十分使用可能と
いえる。これに対し、冷延鋼板を用いた(7)、(8)
は、初期の接着強度に不足はないが、塩水噴霧試
験後は著しく劣化しており、端面耐食性について
も、塩水噴霧によつて激しい腐食を生じた。ま
た、Ni−Znメツキ鋼板を用いたものでも、メツ
キのNi含有量が本発明範囲から外れる(5)、(6)に
ついては、上記同様塩水噴霧による接着性低下が
大きく、耐食性の点でも満足のゆく結果が出なか
つた。 以上の説明から明かなように本発明の積層板
は、きわめてすぐれた耐食性が得られかつ腐食環
境下での接着性の低下が可及的に防止でき、した
がつて本発明は積層板の自動車車体などの腐食用
途への適用を可能ならしめる上で顕著な効を奏す
るものである。
Claims (1)
- １ 樹脂層と該樹脂層を両面から挾む金属層とか
らなる積層板において、前記金属層として、少な
くとも樹脂層と接触する面にNi含有率９〜20％
のNi−Zn合金メツキ層を有する鋼板を用いたこ
とを特徴とする耐食性にすぐれた積層板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18993981A JPS5890951A (ja) | 1981-11-26 | 1981-11-26 | 耐食性にすぐれた積層板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18993981A JPS5890951A (ja) | 1981-11-26 | 1981-11-26 | 耐食性にすぐれた積層板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5890951A JPS5890951A (ja) | 1983-05-30 |
| JPH0227145B2 true JPH0227145B2 (ja) | 1990-06-14 |
Family
ID=16249731
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18993981A Granted JPS5890951A (ja) | 1981-11-26 | 1981-11-26 | 耐食性にすぐれた積層板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5890951A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4952181B2 (ja) * | 2006-10-11 | 2012-06-13 | アイシン精機株式会社 | 車両用シートリクライニング装置 |
Citations (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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Also Published As
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|---|---|
| JPS5890951A (ja) | 1983-05-30 |
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