JPH0226287Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は収穫機における脱穀装置の揚穀筒で揚
穀された穀粒を袋詰めすべく分配する装置に関す
るものである。

従来、脱穀装置の揚穀筒の吐出口に複数の分岐
筒を有する分配体を装着して分岐筒の下方に吊り
下げた穀粒袋に穀粒を充填するものは既に知られ
ており、この種のものは分岐筒に堆積した穀粒の
圧を感知する感知器を取付けていたので感知器を
複数個必要とするとともに配線も複雑となり、コ
スト高となる欠点があつた。

そこで上方へ間隔をおいて切替板を有する筒体
を、分配体内に左右回動自在に枢支し、該筒体内
に一個の感知器を取付けて筒体をいずれか一方の
分岐筒に向けて回動すると揚穀筒から吐出される
穀粒はその側の分岐筒を経てその下方の穀粒筒に
流入し、その側の穀粒袋及び分岐筒が満杯になる
と感知器は穀粒圧によつて感知状態となつてブザ
ー等の警報器が作動し、それ以後に吐出される穀
粒は筒体と切換板との間の間隙から他側の分岐筒
へ流入させ、次いで筒体を他側へ回動すると感知
器は穀粒との摩擦抵抗を受けることなく筒体と共
に移動させることができる。

しかし、揚穀筒にまで穀粒が詰ることを防止す
るためには前述のように切換板と筒体との間にバ
イパスとなる間隙を設けなければならないので分
配体が大型となると共に揚穀筒を高く構成しなけ
ればならない。

本考案は前述の諸欠点を改善することを目的と
するものであつて、脱穀装置に連通する揚穀筒の
上部に、吐出口が下向に開口した案内筒を連設
し、前記揚穀筒の案内筒の下部に、左右一対の分
岐筒を有する分配体を設けて連通させ、該分配体
に内装した切替筒の流入口を案内筒の外側に少な
くとも前後の側板が重合するように嵌合して上部
を左右傾動自在に軸支すると共に下部内側面に穀
粒圧により感知作動する感知器を付設し、前記切
替筒の横幅を、切替筒が案内筒の吐出口に嵌合し
た状態で左右傾動し得る程度に案内筒の横幅より
も広くし、切替筒の左右の側板の上端を、該切替
筒が横傾動した状態で案内筒の吐出口内の下方に
侵入しないが近接するように構成したことを特徴
とするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
は走行装置２を有する機台３の前部に搭載した脱
穀装置であつて、その後部にはエンジン４が設け
てあり、供給口５の外側には供給台６が取付けて
ある。

７は基部が排藁口８の下方にあつて一番受樋に
連結され、中間部が排藁口８及び排藁搬送体９の
下方にあり、後端の出口７ａがエンジン４の後方
の一側上部に臨むように斜設した揚穀筒である。

そして、前記揚穀筒７の上端には直下と供給口
５側とに向けて分岐した左右一対の分岐筒１０
ａ，１０ｂを有する分配体１０が取付けてあり、
供給口５側に向けて開口した前記出口７ａには機
幅の中央側に向つて延びてから下向に開口させて
吐出口１１ａとなした案内筒１１を連設し、切替
筒１３の前壁と後壁とに一体的に突設した支軸１
２，１２は前記案内筒１１の吐出口１１ａの直下
にて分配体１０の前壁と後壁に回動自在に枢支さ
れており、該切替筒１３の流入口１３ａはその前
後幅を上記吐出口１１ａの外側に嵌合し得る程度
にやや大となし、左右方向の幅は略２倍近くとな
して吐出口１１ａに連通させ、前記支軸１２に固
定したハンドル１４を左方又は右方に回動する
と、切替筒１３は、第５図に実線と鎖線で示すよ
うに左右に切り替る。

その際、切替筒１３の流入口１３ａの一側は、
案内筒１１の外側面に当接し、流入口１３ａの他
側と吐出口１１ａとの間は開口してバイパス通路
Ａになる。

また、切替筒１３内の下部寄りには穀粒圧を感
知する感知器２２が設けてあり、該感知器２２は
ブザーに接続してある。

更に、前記切替筒１３の下端両側にはゴム又は
合成樹脂弾性板又は左右揺動し得るようにした板
体等よりなる垂下板２４，２４が取り付けてあ
り、この垂下板２４，２４は切替筒１３を左右に
回動すると、その下端が山形状の底板１０ｃの頂
部より低くなつて穀粒の逆流を防する。

１５は支持枠から前記分岐筒１０ａ，１０ｂの
左右にそれぞれ突出させた２対の掛杆であつて、
その下方には前記出口７ａの直下より供給口側へ
偏位させた袋受台１６が設けてある。

１７は変速レバー、１８は走行クラツチレバ
ー、１９は操向レバーであつて、それらの各操作
レバーはすべて第１図に示すように機幅の中央よ
りも供給口５側に寄せて設けてある。

前述の装置において機体を走行させる場合、操
縦者は機体後部の供給口５寄りにて各種のレバー
を操作し、脱穀作業を行う時は、機体を停止さ
せ、穀稈を供給台６に載せ、脱穀クラツチレバー
２０を入り操作してから穀稈を順次供給して脱穀
処理する。

次いで機体を移動させる時は脱穀クラツチを切
り、そのすぐ後方の各種レバーを操作する。

そして、脱穀されると共に選別された穀粒は揚
穀筒７により揚送されるが、切替筒１３を第５図
に実線で示す如く左側へ向けて回動させておく
と、上記穀粒は案内筒１１及び切替筒１３内を流
下して分岐筒１０ｂから斜め前下方に向う可撓筒
２１に案内されてその下方に吊り下げた穀粒袋に
充填され、感知器２２が穀粒を検出するとブザー
２３が警報を発する。その時、作業者は、機体の
後部に移動するが、その間に流入した穀粒はバイ
パス通路Ａから右側の分岐筒１０ａを経てその下
方の穀粒袋内に流下し、ハンドル１４により切替
筒１３を右方へ回動すると第５図に鎖線で示す姿
勢となり、穀粒は右側の分岐筒１０ａからその下
方の穀粒袋に充填される。

また、排藁口８から排出された排藁は排藁搬送
体９により揚穀筒７の上方を経て側方へ放出され
る。

本考案は、前述のように脱穀装置１に連通する
揚穀筒２１の上部に、吐出口が下向に開口した案
内筒１１を連設し、前記揚穀筒２１の案内筒１１
の下部に、左右一対の分岐筒１０ａ，１０ｂを有
する分配体１０を設けて連通させ、該分配体１０
に内装した切替筒１３の流入口を案内筒１１の外
側に少なくとも前後の側板が重合するように嵌合
して上部を左右傾動自在に軸支すると共に下部内
側面に穀粒圧により感知作動する感知器を付設
し、前記切替筒１３の横幅を、切替筒１３が案内
筒１１の吐出口に嵌合した状態で左右傾動し得る
程度に案内筒１１の横幅よりも広くし、切替筒１
３の左右の側板の上端を、該切替筒１３が横傾動
した状態で案内筒１１の吐出口内の下方に侵入し
ないが近接するように構成したので、両方の分岐
筒１０ａ，１０ｂに穀粒が充填されたことを一つ
の感知器により感知することができると共に切替
筒１３を左又は右に回動して穀粒の流動方向を切
り替えると同時に他側の分岐筒に通ずるバイパス
通路を構成することができるものでありながら、
切替筒１３を単純な構成の筒体にて形成し得てコ
ストダウンを図ることができきる。

また、切替筒１３を左右いずれに傾動した場合
でもその前後の側板が案内筒１１の前後に重合し
ていることにより穀粒が外部に流出するのを確実
に防止することができる。

方に所要量の穀粒が堆積することを要するとこ
ろ、前記切替筒１３の上端の少なくとも前後の側
板を案内筒１１の外側に重合させ、切替筒１３を
傾動させた状態で、左右の側板の上端を吐出口の
下方へ侵入しないが近接するように構成したの
で、切替筒１３の穀粒が堆積する長さを大きくし
得て感知器２２が確実に感知作動するようにする
ことができ、感知時期が遅れて詰まりを生ずるの
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は移動脱穀機の平面図、第２図は同上側面
図、第３図は穀粒分配部の側面図、第４図は同上
背面図、第５図は同上断面図である。 １……脱穀装置、７……揚穀筒、１０……分配
体、１０ａ，１０ｂ……分岐筒、１１……案内
筒、１３……切替筒、１６……袋受台、２２……
感知器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀装置１に連通する揚穀筒２１の上部に、吐
   出口が下向に開口した案内筒１１を連設し、前記
   揚穀筒２１の案内筒１１の下部に、左右一対の分
   岐筒１０ａ，１０ｂを有する分配体１０を設けて
   連通させ、該分配体１０に内装した切替筒１３の
   流入口を案内筒１１の外側に少なくとも前後の側
   板が重合するように嵌合して上部を左右傾動自在
   に軸支すると共に下部内側面に穀粒圧により感知
   作動する感知器を付設し、前記切替筒１３の横幅
   を、切替筒１３が案内筒１１の吐出口に嵌合した
   状態で左右傾動し得る程度に案内筒１１の横幅よ
   りも広くし、切替筒１３の左右の側板の上端を、
   該切替筒１３が横傾動した状態で案内筒１１の吐
   出口内の下方に侵入しないが近接するように構成
   したことを特徴とする脱穀装置の穀粒分配装置。