JPS646037Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、揚穀筒を脱穀装置の排稈口側の機壁に沿
わせて設けた移動脱穀機は揚穀筒の吐出口が機体
の一側上方にて開口したいたため、脱穀袋を２袋
横方向に並べて吊り下げると袋受台が外側方へ大
きく突出して邪魔になり、このような欠点を排除
すべく横方向に吊り下げる穀粒袋を一つだけにす
ると、袋交換が不便になる。

また、スロワー型の揚穀機の吐出口にパイプを
連結して機体の後部に穀粒を揚送する方式はパイ
プが高くなるので、それが走行及び格納の障害に
なると共に穀粒が濡れていると詰りを生ずる。

本考案は揚穀筒の吐出口直下より供給口及び運
転操作部寄へ偏位させた籾処理部に対して揚穀さ
れた穀粒と容易に分配供給することができると共
に脱穀装置の供給口に穀稈を供給する作業を行な
いながら揚穀された穀粒の切替を容易に行なうこ
とができる移動脱穀機を提供することを目的とす
るものであつて、走行装置を有する機台の前部に
脱穀装置を搭載し、後部にエンジンを設け、その
更に後方に袋受台を排稈口側へずらして配設し、
前記エンジンの後部の供給口側に運転操作部を設
け、前記脱穀装置の排藁口側の機壁に沿わせて設
けた直線状の揚穀筒を、その後方上部が高くなる
ように斜設して後端の吐出口を前記袋受台上に臨
ませ、前記揚穀筒の吐出口に、下部に複数の流出
口を有する分配体を、前記運転操作部側へ向けて
突出させて装着して一方の流出口を前記吐出口の
略直下にて開口させ、他方の流出口は機体の略中
央後部に臨ませ、前記分配体内の前記吐出口より
運転操作部側へ偏位した部位に、揚送された穀粒
を異なる流出口へ流下させる切替体を設けたこと
を特徴とするものである。

以下、図面に示す実施例について説明すると、
１は走行装置２を有する機台３の前部に搭載した
脱穀装置であつて、その後部にはエンジン４を設
けてあり、供給口５の外側には供給台６を取付け
てある。

７は基部が排藁口８の下方にあつて一番受樋に
連結され、中間部が排藁口８及び排藁搬送体９の
下方にあり、後端の吐出口７ａがエンジン４の後
方の一側上部に臨むように斜設した揚穀筒であ
る。

そして、前記揚穀筒７の吐出口７ａには、それ
より供給口５及び後述する運転操作部側へ突出し
た分配体１０を装着してあり、該分配体１０は筒
状体で構成されていて前記吐出口７ａの下方と供
給口５側へ偏位した下部とに流出口１０ａ，１０
ｂを有し、供給口５側に向けて開口している吐出
口７ａの前記供給口５側には、機幅の中央に向け
て延びてから下向きに開口した案内筒１１を連設
してあり、前記分配体１０内に支軸１２で左右傾
動可能に軸支した中空体からなる切替体１３は、
上端が前記案内筒１１の下向きの開口部に連通
し、回動自在な前記支軸１２に取付けたハンドル
１４により左方又は右方に回動すると第５図に実
線と鎖線で示すように左右に切換る。

１５は支持枠から前記流出口１０ａ，１０ｂの
左右にそれぞれ突出させた二対の掛杆であつて、
その下方には前記吐出口７ａの直下より供給口５
側へ偏位させた袋受台１６を設けてある。

１７は変速レバー、１８は走行クラツチレバ
ー、１９は操向レバーであつて、それらの各操作
レバーは運転操作部を構成していてすべて第１図
に示すように機幅の中央より前部供給口５側に寄
せて設けてある。

前述の移動脱穀機において、機体を走行させる
場合、操縦者は機体後部の供給口５寄りにて各種
レバーを操作し、脱穀作業を行なう時は、機体を
停止させ、穀稈を供給台６に載せ、脱穀クラツチ
レバー２０を入り操作してから穀稈を順次供給し
て脱穀処理する。

次いで機体を移動させる時は脱穀クラツタを切
り、そのすぐ後方の各種レバーを操作する。

そして、脱穀されると共に選別された穀粒は揚
穀筒７により揚送されるが、切替体１３を第５図
において実線で示す如く左側に向けて回動してお
くと、上記穀粒は案内筒１１及び切換体１３内を
流下して流出口１０ｂから運転操作部に近い側の
穀粒袋に充填され、それが満杯になつて感知器２
２が穀粒を検出するとブザー２３が警報を発する
ので、供給口５側へ供給作業を行なつている作業
者がハンドル１４により切替体１３と右側へ回動
すると、揚送された穀粒は右側の流出口１０ａか
らその下方の穀粒袋に充填される。

また、排藁口８から排出された排藁は排藁搬送
体９により揚穀筒７の上方を経て側方へ放出され
る。

本考案は前述のように走行装置を有する機台の
前部に脱穀装置を搭載し、後部にエンジンを設
け、その更に後方に袋受台を排稈口側へずらして
配設し、前記エンジンの後部の供給口側に運転操
作部を設け、前記脱穀装置の排藁口側の機壁に沿
わせて設けた直線状の揚穀筒を、その後方上部が
高くなるように斜設して後端の吐出口を前記袋受
台上に臨ませ、前記揚穀筒の吐出口に、下部に複
数の流出口を有する分配体を、前記運転操作部側
へ向けて突出させて装着して一方の流出口を前記
吐出口の略直下にて開口させ、他方の流出口は機
体の略中央後部に臨ませ、前記分配体内の前記吐
出口より運転操作部側へ偏位した部位に、揚送さ
れた穀粒を異なる流出口へ流下させる切替体を設
けたのでスロワー方式のように揚穀用のパイプが
大きく上方に突出して走行時に前方視野の障害に
なつたり、又は格納時に構造物に衝突したりする
ことがなく、かつ、機体をコンパクトに構成して
操縦性を向上することができる。

また、前記のようにスロワー方式の問題点を解
決すべく揚穀筒を排稈口側の機壁に沿わせたもの
でありながら、分配体が供給口側にある運転操作
部側へ向けて突出していることと、一方の流出口
が揚穀筒の吐出口からその略直下に向けて開口し
ていることと、袋受台が排稈口側へずれているこ
とと、切替体に対して分配体を運転操作部側へ偏
位させたこととが相まつて排稈口側の後部上方へ
揚送された穀粒を機体の後部に横ならびに吊下げ
た左右の籾袋に容易に袋詰めすることができる。

更に、揚送された穀粒は排稈口側に吐出される
にも拘らず、揚穀装置の吐出口の直下から袋受台
を左右に延出させる方式にする場合よりも袋受台
が排稈口側へ大きく突出することがなく、揚送さ
れた穀粒を運転部側へ大きく寄せるように流下さ
せて袋詰めすることができ、穀稈を供給する部位
と袋詰めを行なう籾処理部とが近くなり、作業性
をも向上することができる。その際、作業者は機
体の側部で穀稈供給作業を行なつたり、機体の後
部で、袋交換、切替体の切換操作を行なつたりす
るため、往復歩行を反復するが、袋受台が排稈口
側へずれているので、歩行障害になることがな
く、かつ切替体の操作も容易である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は移動脱穀機の平面図、第２図は同上側面図、第
３図は穀粒分配部の側面図、第４図は同上背面
図、第５図は同上断面図である。 １……脱穀装置、２……走行装置、３……機
台、４……エンジン、６……供給台、７……揚穀
筒、１０……分配体、１３……切替体、１６……
袋受台、１７……変速レバー、１８……走行クラ
ツチレバー、１９……操向レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行装置を有する機台の前部に脱穀装置を搭載
   し、後部にエンジンを設け、その更に後方に袋受
   台を排稈口側へずらして配設し、前記エンジンの
   後部の供給口側に運転操作部を設け、前記脱穀装
   置の排藁口側の機壁に沿わせて設けた直線状の揚
   穀筒を、その後方上部が高くなるように斜設して
   後端の吐出口を前記袋受台上に臨ませ、前記揚穀
   筒の吐出口に、下部に複数の流出口を有する分配
   体を、前記運転操作部側へ向けて突出させて装着
   して一方の流出口を前記吐出口の略直下にて開口
   させ、他方の流出口は機体の略中央後部に臨ま
   せ、前記分配体内の前記吐出口より運転操作部側
   へ偏位した部位に、揚送された穀粒を異なる流出
   口へ流下させる切替体を設けたことを特徴とする
   移動脱穀機。