JPH0220931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバインにおいて、これに搭載し
たグレンタンク内の籾を、トラツク等に送出する
ための送出装置に関するものである。

最近のコンバインでは当該コンバイン上での籾
の袋詰め作業を無くするために、これにグレンタ
ンクを搭載し、脱穀した籾をこのグレンタンクに
貯留しながら刈取り脱穀作業を行い、グレンタン
ク内に籾が一杯になると、刈取り脱穀作業を中断
してコンバインを畦際まで走行し、グレンタンク
内の籾をスクリユー内蔵式の籾送出筒を介してト
ラツク等に送出することが行なわれているが、こ
の送出に際して圃場における畦道等の関係からコ
ンバインをトラツクに近づけることができない場
合があるので、コンバインにおけるグレンタンク
から延びるスクリユー内蔵式の籾送出筒は、その
長さを相当長くしなければならないし、コンバイ
ンにおける刈取り脱穀作業の継続時間を長くする
には、グレンタンクの容積を増大する必要があ
る。しかし、この籾送出筒は、コンバインにおけ
る刈取り脱穀作業中にはコンバインの上面に収納
するようにしているので、その長さは最大限コン
バインの全長以上にすることはできない一方、グ
レンタンクの高さは前記籾送出筒よりも高くする
ことができないのであつた。

本考案は、このようにグレンタンク内の籾を送
出するための籾送出筒を、コンバインの上面にお
いて２つ折れ自在に構成することによつて、その
長さを長くできるようにする一方、前記２つ折れ
の籾送出筒を、グレンタンクの高さとは無関係の
状態に屈曲するようにしてグレンタンクの容積を
増大できるようにしたものである。

以下本考案を実施例の図面について説明する
と、図において１は左右一対の走行ローラ２を有
するフレーム３に支持したコンバインの機体を示
し、この機体１の中途部上面には、進行方向の左
側に脱穀部４を、右側に操作コラム５及び座席６
等の運転操作部を各々備え、機体１の前面部に
は、分草体８、穀稈引起機構９、刈刃機構１０及
び穀稈搬送機構１１等からなる刈取前処理部７
が、機体１から前方に突出する下部フレーム１２
と、前記脱穀部４から前方に突出する上部フレー
ム１３とによつて取付いており、また、前記機体
１の上面における右側で且つ前記座席６の後方に
はグレンタンク１４が搭載され、このグレンタン
ク１４内に、前記脱穀部４で脱穀した籾を揚穀筒
（図示せず）にて順次送り込むようにされている。

前記グレンタンク１４と前記座席６との間には
籾搬出筒１５を、その軸線を垂直にして設け、該
籾搬送筒１５の下端を、これにグレンタンク１４
内の籾が入るようにグレンタンク内の底部に連通
する。一方、コンバインの上面には、軸線が前記
籾搬送筒１５の軸線に交差する籾送出筒１６を、
コンバインの前後方向に延びるように配設し、該
籾送出筒１６におけるコンバイン後部側の基端
を、前記籾搬送筒１５の上端に対して当該籾送出
筒１６が自在に俯仰し、且つ籾搬出筒１５の軸線
回りに自在に水平旋回するに接続し、この籾送出
筒１６と籾搬送筒１５との間に籾送出筒１６を俯
仰操作するための油圧シリンダ１７を設ける。ま
た、籾搬送筒１５内及び籾送出筒１６内には、
各々スクリユー１８，１９が挿入され、該両スク
リユー１８，１９は前記両筒１５，１６の接続部
において互いに動力的に連動し、一つの動力源に
て両者を回転駆動することにより、グレンタンク
１４内の籾送出筒１６から送出するように構成さ
れている。前記コンバインにおける運転操作部の
近傍に設けた２個のレバー２０，２１のうち一方
のレバー２０は前記籾送出筒１６の俯仰及び旋回
を行うためのレバーであり、他方のレバー２１は
籾搬送筒１５内及び籾送出筒１６内における両ス
クリユー１８，１９の回転をON・OFF操作する
ためのものである。

そして、コンバインの上面には、前記籾送出筒
１６の先端に対して接合される延長籾送出筒２２
をコンバインの前後方向に配設し、該延長籾送出
筒２２におけるコンバイン後部側の一端に籾放出
口２３を設ける一方、延長籾送出筒２２における
コンバイン前部側の他端を、前記籾送出筒１６に
おけるコンバイン前部側の先端にヒンジピン２４
にて、前記籾送出筒１６に対して直線状に接合し
た位置と籾送出筒１６に対して２つ折れにした位
置とに屈曲自在に連結して成るものである。。な
お、前記延長籾送出筒２２内には、スクリユー２
５を内蔵し、該スクリユー２５は、延長籾送出筒
２２を籾送出筒１６に対して直線状に接合したと
き同時にその内部のスクリユー１９におけるクラ
ツチ２６に噛み合うようにしたクラツチ２７を備
えている。また、符号２８，２９は両筒１６，２
２を直線状に接合したとき、この状態に保持する
係脱自在な係合手段である。

この構成において、延長籾送出筒２２を籾送出
筒１６に対して直線状に接合すると、籾送出筒１
６のグレンタンク１４への接続基端から延長籾送
出筒２２における籾放出口２３迄の長さは、籾送
出筒１６の長さに延長籾送出筒２２の長さを加え
たものになる。この場合、前記延長籾送出筒２２
をコンバインの前後方向に延びるように配設した
ことにより、当該延長籾送出筒２２の長さを、コ
ンバインの全長と略等しくできる一方、前記籾送
出筒１６を、その基端をコンバインにおける座席
６の後部に近接した部位に位置し、この位置から
コンバインの前方に延びるように配設して、その
先端に前記延長籾送出筒２２の他端を連結したこ
とにより、籾送出筒１６のグレンタンク１４への
接続基端から延長籾送出筒２２における籾放出口
２３迄の長さは、コンバインの全長よりも籾送出
筒１６の長さだけ長くなるのである。また、前記
籾送出筒１６をコンバインにおける座席６の後部
の基端位置から前方にのびるように配設したこと
により、グレンタンク１４の上方には、籾送出筒
１６及び延長籾送出筒２２のいずれも存在しない
から、グレンタンク１４の高さを籾送出筒１６よ
りも高くすることが可能になつて、グレンタンク
１４の容積を籾送出筒とは無関係に増大できるの
である。

したがつて、本考案によるとグレンタンク１４
内の籾を籾送出筒１６及び延長籾送出筒２２を介
してその先端の籾放出口２３から放出にするに際
して、コンバインから籾放出口２３までの距離を
著しく延長することができるから、圃場における
畦道又は圃場における側溝等の関係から、コンバ
インを、トラツク等に十分に接近できないような
場合でも、コンバインにおけるグレンタンクか
ら、トラツク等への籾の送出が確実にできるよう
になつて、籾の送出作業がより良くできると共
に、グレンタンクの容積の増大によつてコンバイ
ンにおける刈取り脱穀作業の継続時間が長くなつ
て、刈取り脱穀作業の能率をも向上できる効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はコンバ
インの側面図、第２図はコンバインの平面図、第
３図は第１図の−視拡大断面図である。 １……コンバインの機体、２……走行クロー
ラ、６……座席、１４……グレンタンク、１６…
…籾送出筒、２２……延長籾送出筒、２３……籾
放出口、２４……ヒンジピン、１８，１９，２５
……スクリユー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンバインの機体の一側における座席の後部に
   配設したグレンタンクに、当該グレンタンク内の
   籾を送出するためのスクリユー内蔵式籾送出筒
   を、俯仰及び水平旋回自在に装着して成るグレン
   タンクにおける送出装置において、前記籾送出筒
   を、そのグレンタンクへの接続基端をコンバイン
   における座席の後部に近接した部位に位置して、
   当該接続基端からコンバインの上面を前部に延び
   るように配設し、且つコンバインの上面には、前
   記籾送出筒の先端に接合できるようにしたスクリ
   ユー内蔵式の延長籾送出筒を、コンバインの前部
   から後部に延びるように配設し、該延長籾送出筒
   におけるコンバイン後部側の一端に籾放出口を設
   ける一方、延長籾送出筒におけるコンバイン前部
   側の他端を、前記籾送出筒におけるコンバイン前
   部側の先端に屈曲自在に連結して成るコンバイン
   のグレンタンクにおける籾送出装置。