JPS645454Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、直播機における播種繰出構造に関す
る。

(ロ) 従来の技術 従来、直播機における播種繰出構造としては、
ホツパー下方に、籾落下口を介して繰出ロールケ
ースを連通連設せしめ、同ケース内に、周面にバ
ケツトを突設した繰出ロールを軸架している。し
かしながら、同ケース内底面は、閉塞状態であ
り、かつ同ケース内には籾表面から剥離したカル
パー粉を漏下せしめるための孔開き仕切板がなか
つたり、又は仕切板はあつても繰出ロール下方に
水平に張設したものでしかなかつた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 従つて、繰出ロールケース内で剥離したカルパ
ー粉と籾とが全く分離されないか、又は、剥離し
たカルパー粉の分離が不十分であるため、繰出ロ
ールにて籾を繰出す際に、剥離したカルパー粉も
同時に繰出され、籾の繰出量が一定せず、播種精
度が悪かつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案では、籾落下口下方に繰出ロールと相対
して、カルパー粉を漏下せしめるための孔開き仕
切板を張設し、しかも同仕切板は、籾落下口から
繰出ロールに向つて下り傾斜せしめると共に、そ
の目抜き方向を籾の流れ方向に沿つて形成してな
る直播機における播種繰出構造を提供せんとする
ものである。

(ホ) 作用 本考案によれば、籾落下口から繰出ロールケー
ス内に落下した籾は、仕切板の傾斜に沿つて円滑
に流れ、籾に混在する剥離したカルパー粉は仕切
板を介して漏下し、同ケース内において、剥離し
たカルパー粉と籾との分離が確実に行われること
となり、繰出ロールの回転によつて籾のみが確実
に繰出される。

(ヘ) 効果 従つて、籾の流れが円滑であるからブリツジ現
象が起こりにくいと共に、繰出ロールの回転によ
つて籾のみが確実に繰出されるので播種精度が頗
る向上する。

(ト) 実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
Ａは直播機を示しており、この直播機Ａは、走行
機体１の後方に播種装置２を連結しており、この
うち走行機体１は、機体フレーム３の前部に原動
機を収納したボンネツト４を配設すると共に、そ
の後方に運転部５を配し、また機体フレーム３の
前後には、両側に前後輪６，７をそれぞれ配設し
て構成している。また播種装置２は、フロート８
上に支持した播種フレーム９に、上方から順次、
ホツパー１０、繰出ロールケース１１、シユート
パイプ１２をそれぞれ連通連設状態で支持し、し
かもシユートパイプ１２下端はフロート８の作溝
器１３後方で開放せしめて構成している。

ここで、播種繰出構造につき説明すれば次の通
りである。

即ち、ホツパー１０底面には下り傾斜状のガイ
ド板１４を設け、同ガイド板１４基端とホツパー
１０側壁との間に籾落下口１５を形成しており、
同籾落下口１５を介して、ホツパー１０下方に繰
出ロールケース１１を連通連設している。

かかる繰出ロールケース１１内には、ガイド板
１４下側方に位置して、周面にバケツト１６を突
設した繰出ロール１７を回転自在に軸架してい
る。

また、籾落下口１５下側方には、繰出ロール１
７と相対して、籾１８から剥離したカルパー粉１
９を漏下せしめるための仕切板２０を張設してお
り、しかも同仕切板２０は、籾落下口１５から繰
出ロール１７に向かつて下り傾斜状としている。
またこの際、仕切板２０とバケツト１６との離隔
幅Ｈを、籾１８の長さＬに対して2L≒Ｈの関係
で設け、仕切板２０と繰出ロールケース１１との
間には、漏下したカルパー粉９を溜めるための貯
溜空間２１を保持している。

また、仕切板２０の構造としては、網状に形成
するものの他、第３図に示すもののように、縦溝
形状穴２２を多数形成したものや、第４図に示す
もののように、縦方向のふるい線２３を並設した
ものであつてもよく、要は、その目抜き方向を籾
の流れ方向に沿つて形成したものであればよい。

尚、図中２４は昇降リンク、２５は左右揺動リ
ンクである。

本考案の実施例は上記のように構成されている
ものであり、ホツパー１０内に収納された籾１８
が、繰出ロール１８の回転による籾１８繰出に応
じて、順次籾落下口１５から落下するが、この落
下した籾１８は、仕切板２０の傾斜に沿つて滑ら
かに流下し、籾１８に混在していた剥離状態のカ
ルパー粉１９が仕切板２０を介して貯溜空間２１
内に漏下し、貯溜される。即ち、仕切板２０上に
は籾１８のみが残存することとなり、この籾１８
が、繰出ロール１７の回転を介してバケツト１６
にて繰出され、播種作業が行われる。従つて、繰
出ロール１７のバケツト１６により繰出される籾
１８には剥離したカルパー粉１９が含まれず、バ
ケツト１６の容量に対応した正確な播種量を確保
できる。

また、仕切板２０を傾斜状に設けると共に、仕
切板２０とバケツト１６との離隔幅Ｈを籾の長さ
Ｌに対して2L≒Ｈの関係で設けたので、ブリツ
ジ現象が起らず、円滑な籾１８の流下を実現でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の全体側面図、第２図は
同要部縦断面側面図、第３図は同要部の仕切板の
一例を示す斜視図、第４図は仕切板の他例を示す
斜視図である。 Ａ：直播機、１０：ホツパー、１１：繰出ロー
ルケース、１５：籾落下口、１６：バケツト、１
７：繰出ロール、１９：カルパー粉、２０：仕切
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホツパー１０下方に、籾落下口１５を介して繰
   出ロールケース１１を連通連設せしめ、同ケース
   １１内に、周面にバケツト１６を突設した繰出ロ
   ール１７を回転自在に軸架すると共に、籾落下口
   １５下方に繰出ロール１７と相対して、カルパー
   粉１９を漏下せしめるための孔開き仕切板２０を
   張設し、しかも同仕切板２０は、籾落下口１５か
   ら繰出ロール１７に向かつて下り傾斜状とすると
   共に、その目抜き方向を籾の流れ方向に沿つて形
   成してなる直播機における播種繰出構造。