JPH0139148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は田植機に関し、詳しくは前部に原動部
を設けた走行機体の後部に昇降自在に植付装置Ｂ
を取付け、該植付装置に肥料繰出し部を有する補
助タンクを取り付けると共に、該補助タンクに粉
粒状の肥料を供給する主タンクを走行機体側に設
けた施肥装置付田植機に関する。

田植機に施肥装置を設けるにあつては、粉状も
しくは粒状の肥料を苗の植付け位置のすぐ近く
に供給するために肥料排出口を植付爪の近くに設
け、また繰出し機構の起動及び停止に対して排出
口からの肥料流出及び停止が時間差少く行われる
様に排出口と繰出し部を接近させるために繰出し
部を有する補助タンクを植付装置側に設けると共
に、大量の肥料の収納部を機体後部の植付装置側
に設けることにより生ずる満杯時のその重さによ
る機体全体の重量バランスの悪化や植付装置の姿
勢制御の困難性を回避するため主タンクは走行機
体側に設けられるものであるが、かかる構成の施
肥装置付田植機では主タンク及び補助タンクの配
置、並びに、主タンクから補助タンクへの肥料の
供給手段が問題となり、先願である実願昭57−
92757号（実開昭58−194615号）に於て、主タン
クを座席の周囲に設けると共に、肥料強制搬送手
段を装備したパイプで主タンク、補助タンクと接
続した施肥装置付田植機を提案したが、かかる構
成では肥料を主タンクから補助タンクに供給する
に動力を要し、エンジンの負荷が増加するのみな
らず、機構が複雑化したり、付属設備を要すると
いう欠点が生じる。

本考案はかかる施肥装置付田植機の上記欠点を
解決することを目的とすると共に主タンクの配置
が苗載作業時の支障にならず、かつ肥料がスムー
ズに流れる様に構成することを目的とする。

この目的を達成するために冒記の田植機に於て
前記主タンクを設けるに、上方で後方に折り曲げ
られたフレームを操縦部の左右前方側箇所に立設
し、該フレームの上辺に主タンクを取り付けて該
主タンクを前記操縦部の上方に配すると共に、前
記補助タンクを前記主タンクより低位置に配し、
該主タンクと該補助タンクとを可撓性を有する管
によつて接続してあることを特徴とする構成とし
たものである。

かかる構成故に、高位置の主タンク内の肥料を
強制搬送手段を要することなく自然流下によつ
て、補助タンクに供給することができると共に、
フレームは操縦部の前方に取り付けられているた
め取り付け位置が原動部に近く、その振動がフレ
ームを通して主タンクに伝わり、この振動によつ
て肥料は途切れなく補助タンクに流下させること
ができるのである。更に、フレームは操縦部の前
方で操縦部の側方並びに後方は大きく開方してお
り、乗り降りの際や苗載せの際に支障とならない
様に構成できたものである。

次に、実施例を示す。

第１図に示すように、左右一対の駆動前車輪１
及び左右一対の駆動後車輪２を備えた走行機体Ａ
の後部に、一つのトツプリンク３と左右一対のロ
アーリンク４を介して５条植えの植付け装置Ｂを
駆動昇降自在に連設するとともに、前記植付け装
置Ｂにおいて、植付け伝動ケース２７前傾姿勢の
苗のせ台１０、３個の整地フロート１１ならび
に、夫々苗のせ台１０の苗取出し口と泥面との間
に亘つて往復循環運動をされる５個の植付爪１２
を装備し、走行機体Ａの前側部に原動部６、及び
予備苗のせ台９を設け、かつ、操縦部１４の上方
高位置まで立設したフレーム１５に粉状もしくは
粒状の肥料を収納する主タンク７を設け、植付
装置Ｂの苗のせ台１０の後方に設けられた支柱５
に取り付けた補助タンク８、及び、フロート１１
に設けた作溝器１３等を備えた施肥装置Ｃを配設
し乗用型で施肥可能な田植機を構成してある。

前記主タンク７の取付け構造について詳述する
と、左右の予備苗のせ台９と原動部６との夫々の
中間部にブラケツト２８を設けフレーム１５の下
端ボス部１５ａを横軸体３０を介してこのブラケ
ツト２８に前後回動自在に取り付けてある。前記
ボス部１５ａは電動モータを内装するギアボツク
ス２９に連動連結しており、このモータ駆動力に
よつてフレーム１５は前後に駆動揺動する様に構
成されている。このフレーム１５の操縦部１４の
側部上方に至る後方に張り出された上辺部１５ｂ
には主タンク７が前後に摺動可能に取り付けら
れ、路上走行時には主タンク７を前方に位置させ
重量バランスを走行に適する様にすると共に肥料
散布時には、後方に位置させ主タンク７の後方下
部の肥料排出口２０と補助タンク８の上部導入口
１９を接続する管１８の傾斜を大にして肥料を途
絶えることなくスムーズに自然流下させることが
可能に構成されている。

主タンク７に肥料を供給するための開口部は上
面の傾斜部に設けられていてフレーム１５の後方
に回動させて主タンク７を下降させたときに水平
になる様に構成されると共に開閉自在な蓋７ａが
設けられている。

前記管１８は上方の管１８ａが下方の管１８ｂ
に中央部で内嵌されこの接合部が摺動によつて伸
縮可能に構成されると共に、これら管がやや可撓
性を有することで、植付装置Ｂの走行機体Ａに対
する相対運動が可能に構成されている。尚、前記
主タンク７をフレーム上辺部１５ｂに自由前後摺
動可能に支承させると、植付装置Ｂの昇降時に管
１８の剛性によつて主タンク７が前後に押引き移
動されることになり、植付装置Ｂの走行機体Ａに
対する相対運動を一層容易にすることができる。
また、この管１８と主タンク７の肥料排出口２０
との接続箇所は嵌脱自在に構成すると共に、肥料
排出口２０にはシヤツタ２１を設け、主タンクに
肥料を供給する際にフレーム１５を後ろ倒しにし
た状態で行う様に構成してある。

第２図に示す様に補助タンク８の底部には植付
け爪１２と対をなす繰出し部２２が左右に並設さ
れ、この繰り出し部２０はテーパー部２３、テー
パー部の底に配された上方に開閉自在なシヤツタ
ー２４を有するロータリバルブ２５から成り、こ
のロータリバルブ２５の下方開口は、対をなす植
付爪１２のやや側方に配される様にフロート１１
の下面に形成された作溝器１３とがパイプ２６で
接続されており、ロータリバルブ２５から繰り出
される粒状の肥料はこのパイプを通つて作溝器
１３に落下し、その底部開口から植つけられる苗
の側方に排出される様に構成されている。

又、図示しないが、前記ロータリバルブ２５は
植付爪１２の駆動機構に連動されて同期駆動され
る。

尚、本実施例ではフレーム１５をモータによつ
て駆動揺動する様に構成したが簡易な手動揺動式
にしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る施肥装置付田植機の実施例
を示し、第１図は田植機全体側面図、第２図は施
肥装置の要部斜視図である。 Ａ……走行機体、Ｂ……植付装置、７……主タ
ンク、８……補助タンク、１４……操縦部、２２
……肥料繰出部、１５……フレーム、１８……
管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前部に原動部６を設けた走行機体Ａの後部に昇
   降自在に植付装置Ｂを取付け、該植付装置Ｂに肥
   料繰出し部２２を有する補助タンク８を取り付け
   ると共に、該補助タンク８に粉粒状の肥料を供給
   する主タンク７を走行機体Ａ側に設けた施肥装置
   付田植機であつて、前記主タンク７を設けるに、
   上方で後方に折り曲げられたフレーム１５を操縦
   部１４の左右前方側箇所に立設し、該フレーム１
   ５の上辺に主タンク７を取り付けて該主タンク７
   を前記操縦部１４の上方に配すると共に、前記補
   助タンク８を前記主タンク７より低位置に配し、
   該主タンク７と該補助タンクとを可撓性を有する
   管１８によつて接続してあることを特徴とする施
   肥装置付田植機。