JPH0225540Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、トランスフアプレス等の複数のダイ
クツシヨンを備えたプレス機械において、金型交
換等によりいずれかのダイクツシヨンの排気が行
われた後、そのダイクツシヨン内の圧力を規定圧
まで増圧するための時間を短縮したダイクツシヨ
ンの空圧制御装置に関する。

〔従来の技術〕

ダイクツシヨンを備えたプレス機械では、例え
ば製品に応じて金型を交換する際、ダイクツシヨ
ンのクツシヨンシリンダ内のエアーを排気し、ダ
イクツシヨンを下降させた後、金型交換を行い、
その後クツシヨンシリンダへエアータンクからの
高圧エアーを供給し、ダイクツシヨンを上昇させ
る操作が行われる。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、トランスフアプレス等の複数のダイ
クツシヨンを有するプレス機械において、１つの
エアー圧源によつて複数のダイクツシヨンのエア
ータンクへ高圧エアーを供給しようとすると、金
型交換後、エアータンクのエアー圧を規定圧まで
増圧するのに長時間かかる問題があつた。

ここに、本考案の目的は、このように複数のダ
イクツシヨンを備えたプレス機械において、いず
れかのダイクツシヨンの排気が行われた後、その
ダイクツシヨンを規定圧まで増圧すのに要する時
間を短縮したダイクツシヨンの空圧制御装置を提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕 本考案は、トランスフア加工等において、一般
にダイクツシヨンを使用する工程は全工程の半分
以下であり、残りは使用されていないことに着目
してなされたものであり、使用していないダイク
ツシヨンのエアータンクを高圧エアーのチヤージ
タンクとして利用することを特徴とする。

具体的には本考案に係るダイクツシヨンの空圧
制御装置は、エアー圧源からのエアーの圧力を増
圧する増圧回路に逆止弁および共通配管を介して
それぞれのダイクツシヨンの空圧回路を並列に接
続し、それぞれの空圧回路を直列に接続されたエ
アータンク規定圧設定装置とエアータンクとクツ
シヨンシリンダとを含んで構成し、かつ、それぞ
れの前記空圧回路に前記エアータンクと前記クツ
シヨンシリンダとを連通、遮断させてクツシヨン
シリンダへのエアーの給排により前記ダイクツシ
ヨンを上昇、下降させる昇降制御装置を設けたダ
イクツシヨンの空圧制御装置において、それぞれ
の前記空圧回路に一端が前記共通配管に接続され
たバイパス配管を前記エアータンク規定圧設定装
置と並列に設け、このバイパス配管の他端を前記
エアータンク規定圧設定装置と前記エアータンク
との間に配置された切換弁に接続し、この切換弁
の切り換えにより前記バイパス配管と不使用のダ
イクツシヨンの前記エアータンクとを接続すると
ともに、前記エアータンク規定圧設定装置と使用
されるダイクツシヨンの前記エアータンクとを接
続することを特徴とするものである。

〔作用〕

前記切換弁エアータンク規定圧設定装置と使用
されるダイクツシヨンのエアータンクとが接続さ
れることにより、このエアータンクにはエアータ
ンク規定圧設定装置で設定された圧力のエアーが
供給され、また切換弁でバイパス配管と不使用の
ダイクツシヨンのエアータンクとが接続されるこ
とにより、このエアータンクには増圧回路で増圧
されたエアー圧源からのエアーが逆止弁、共通配
管、バイパス配管、切換弁を経て供給され、高圧
エアーが蓄えられる。

金型交換時、引き続き使用されるダイクツシヨ
ンを昇降制御装置により昇降させるとこのダイク
ツシヨンのエアータンクの圧力は低下するが、不
使用のダイクツシヨンのエアータンクに蓄えられ
た高圧エアーがこのダイクツシヨンの切換弁、バ
イパス配管、そして共通配管、さらには使用され
るダイクツシヨンのエアータンク規定圧設定装
置、切換弁を経てエアータンクに流入し、このエ
アータンクはエアータンク規定圧設定装置で設定
されたエアー圧力になる。

これにより、不使用のダイクツシヨンのエアー
タンクがチヤージタンクとして利用され、このエ
アータンクに蓄えられた高圧エアーを使用される
ダイクツシヨンのエアータンクに供給することに
より、金型交換の際におけるダイクツシヨンの空
圧調整時間を短縮できることになる。また、本考
案では、共通配管、エアータンク規定圧設定装
置、昇降制御装置等からなる既存のエアー回路に
バイパス配管と切換弁とを設ければよく、構造の
簡単化を図ることができる。

〔実施例〕

図は本考案の一実施例を示している。同図にお
いて、エアー圧源１からのエアーは、バルブ２お
よびフイルタ３を通つて増圧回路４で増圧された
後、プレス機械のクラツチ、ブレーキおよびカウ
ンタバランサ等へ供給されている一方、逆止弁５
を介して共通配管６へ与えられている。前記増圧
回路４は、エアー圧源１のエアー圧、通常５〜６
Kg／cm²を例えば８Kg／cm²程度まで増圧させるもの
で、コンプレツサ等の周知の増圧回路によつて構
成されている。また、前記共通配管６には、それ
ぞれプレス機械のベツト内に設けられたダイクツ
シヨンの空圧回路が複数並列に接続されている。
本実施例では、５個の空圧回路１１₁〜１１₅が接
続されている。

各空圧回路１１₁〜１１₅には、前記共通配管６
に逆止弁２１を介して接続されたダイクツシヨン
圧力２系統切換弁装置２２が設けられている。ダ
イクツシヨン圧力２系統切換弁装置２２は、エア
ータンク２９のエアー圧力を規定圧にするための
エアータンク規定圧設定装置であつて、前記逆止
弁２１に接続されたレギユレータ２３と、２ポー
ト電磁切換弁２４とから構成され、２系統切換弁
調整回路２５からの制御信号圧によつてレギユレ
ータ２３が２種類の所定圧に制御されるようにな
つている。前記２系統切換弁調整回路２５は、前
記共通配管６からのエアー圧をそれぞれ異なる圧
力に減圧する２つの減圧弁２６と、この２つの減
圧弁２６からのエアー圧を選択的に前記ダイクツ
シヨン圧力２系統切換弁装置２２のレギユレータ
２３へ制御信号圧として与えるダイクツシヨン圧
力２系統切換用電磁弁２７とから構成されてい
る。

なお、前記２ポート電磁切換弁２４はプレス機
械の運転時に閉とされるもので、これによりクツ
シヨンシリンダ３４の作動で圧力で若干上昇する
エアータンク２９内のエアーが電磁弁２８を通つ
てレギユレータ２３から外部に流出するのを防止
するようになつている。

前記ダイクツシヨン圧力２系統切換弁装置２２
のレギユレータ２３には、ダイクツシヨン圧力回
路切換用電磁弁２８を介してエアータンク２９が
接続されている。前記ダイクツシヨン圧力回路切
換用電磁弁２８は、２つのソレノイド２８Ａ，２
８Ｂを備え、一方のソレノイド２８Ａがオンした
とき、ダイクツシヨン圧力２系統切換弁装置２２
のレギユレータ２３とエアータンク２９とを連通
させる一方、他方のソレノイド２８Ｂがオンした
とき（図の状態）、エアータンク２９と、ダイク
ツシヨン圧力２系統切換弁装置２２と並列に設け
られたバイパス配管３０とを連通させるものであ
り、従つてダイクツシヨン圧力回路切換用電磁弁
２８はレギユレータ２３とバイパス配管３０とを
エアータンク２９に切り換え接続するための切換
弁となつている。

前記エアータンク２９には、リリーフ弁３１が
接続されているとともに、ダイクツシヨン昇降切
換用電磁弁３２によつて開閉される昇降制御弁３
３を介して２つのクツシヨンシリンダ３４が接続
されている。前記ダイクツシヨン昇降切換用電磁
弁３２は、２つのソレノイド３２Ａ，３２Ｂを備
え、一方のソレノイド３２Ａがオンしたとき前記
昇降制御弁３３の弁３３Ａを下方へ変位させ、そ
の昇降制御弁３３を開放つまりエアータンク２９
とクツシヨンシリンダ３４とを連通させる一方、
他方のソレノイド３２Ｂがオンしたとき（図の状
態）昇降制御弁３３の弁３３Ａを上方へ変位さ
せ、エアータンク２９とクツシヨンシリンダ３４
との連通を遮断するとともに、クツシヨンシリン
ダ３４内の圧力を昇降制御弁３３およびダイクツ
シヨン昇降切換用電磁弁３２を通じて外部へ排気
させるようになつており、ダイクツシヨン昇降切
換用電磁弁３２と昇降制御弁３３とによりクツシ
ヨンシリンダ３４へのエアーの給排によりダイク
ツシヨンを上昇、下降させる昇降制御装置が構成
される。

次に、本実施例の作用を説明する。いま、空圧
回路１１₁，１１₂が使用、空圧回路１１₃〜１１₅
が不使用の状態を仮定する。この状態における使
用中の空圧回路１１₁，１１₂においては、ダイク
ツシヨン昇降切換用電磁弁３２の一方のソレノイ
ド３２Ａがオン、ダイクツシヨン圧力回路切換用
電磁弁２８の一方のソレノイド２８Ａがオンの状
態である。従つて、ダイクツシヨン昇降切換用電
磁弁３２の一方のソレノイド３２Ａのオンによ
り、昇降制御弁３３を通じてエアータンク２９と
クツシヨンシリンダ３４とが互いに連通され、ダ
イクツシヨンが上昇した状態にある。また、ダイ
クツシヨン圧力回路切換用電磁弁２８の一方のソ
レノイド２８Ａのオンにより、エアー圧源１から
のエアーが増圧回路４によつて増圧された後、逆
止弁５、共通配管６、逆止弁２１、ダイクツシヨ
ン圧力２系統切換弁装置２２ダイクツシヨン圧力
回路切換用電磁弁２８を通じてエアータンク２９
内に供給され、その結果、エアータンク２９内の
エアー圧がダイクツシヨン圧力２系統切換弁装置
２２のレギユレータ２３で設定された規定圧に保
たれている。

一方、不使用の空圧回路１１₃〜１１₅において
は、ダイクツシヨン昇降切換用電磁弁３２の他方
のソレノイド３２Ｂがオン、ダイクツシヨン圧力
回路切換用電磁弁２８の他方のソレノイド２８Ｂ
がオンの状態である。従つて、ダイクツシヨン昇
降切換用電磁弁３２の他方のソレノイド３２Ｂが
オンにより、昇降制御弁３３が閉じられているた
め、昇降制御弁３３を通じてダイクツシヨンが下
降した状態にある。また、ダイクツシヨン圧力回
路切換用電磁弁２８の他方のソレノイド２８Ｂの
オンにより、増圧回路４で増圧されたエアーが共
通配管６からバイパス配管３０を通じてエアータ
ンク２９内へ供給される結果、エアータンク２９
内の圧力は高圧に保たれている。すなわち、プレ
ス機械の運転中に、不使用の空圧回路１１₃〜１
１₅のエアータンク２９には高圧のエアーが供給
されるのである。

プレス作業後、プレス機械の運転を停止させて
引き続き使用される空圧回路１１₁について金型
交換を行う。この際、空圧回路１１₂を空圧回路
１１₃〜１１₅と同様に不使用とする。この金型交
換時には、空圧回路１１₁，１１₂において、ま
ず、ダイクツシヨン昇降切換用電磁弁３２の他方
のソレノイド３２Ｂをオンする。すると、クツシ
ヨンシリンダ３４のエアーが昇降制御弁３３を通
じて外部に排気される結果、ダイクツシヨンが下
降する。ここで、空圧回路１１₁の金型を交換し
た後、空圧回路１１₁において引き続き使用され
る空圧回路１１₁のダイクツシヨンを上昇させる
ためにダイクツシヨン昇降切換用電磁弁３２の一
方のソレノイド３２Ａをオンする。すると、エア
ータンク２９内のエアーが昇降制御弁３３を通じ
てクツシヨンシリンダ３４へ供給される結果、ダ
イクツシヨンが上昇する。これにより、空圧回路
１１₁のエアータンク２９内の圧力が減少する。

この後、空圧回路１１₃〜１１₅のエアータンク
２９内の高圧エアーがこれらの空圧回路１１₃〜
１１₅のダイクツシヨン圧力回路切換用電磁弁２
８、バイパス配管３０を通り、さらに共通配管６
から空圧回路１１₁の逆止弁２１、ダイクツシヨ
ン圧力２系統切換弁装置２２、ダイクツシヨン圧
力切換用電磁弁２８を経て、この空圧回路１１₁
のエアータンク２９内へ流入する。これにより、
空圧回路１１₁のエアータンク２９内の圧力がレ
ギユレータ２３で設定された規定圧まで上昇し、
この結果、空圧回路１１₁のエアータンク２９の
エアー圧を規定圧にする作業は短時間で終了する
ことになる。

一方、空圧回路１１₂においては、ダイクツシ
ヨン圧力回路切換用電磁弁２８の他方のソレノイ
ド２８Ｂがタイマーにてタイムアツプ後オンす
る。これにより、空圧回路１１₂のエアータンク
２９内に空圧回路１１₃〜１１₅のエアータンク２
９の高圧エアーが共通配管６等を通つた後に空圧
回路１１₂のバイパス配管３０を通つて直接的に
流入する。

以上の操作後、プレス機械を運転する。この状
態では、増圧回路４によつて空圧回路１１₁〜１
１₅を含む回路全体が増圧され、このとき不使用
になつている空圧回路１１₂〜１１₅のエアータン
ク２９に高圧エアーが供給されることになる。

従つて、本実施例によれば、金型交換等により
いずれかのエアータンク２９内の圧力が減少した
とき、このエアータンク２９に使用していないダ
イクツシヨンのエアータンク２９内に蓄えられた
高圧エアーを流入させるようにしたので、減圧し
たエアータンク２９内の圧力を規定圧まで迅速に
増圧することができ、この結果、金型交換時の調
整時間を著しく短縮することができる。

しかも、構成的には、共通配管６にバイパス配
管３０を接続するとともに、ダイクツシヨン圧力
２系統切換弁装置２２とエアータンク２９との間
に、バイパス配管３０とダイクツシヨン圧力２系
統切換弁装置２２とをエアータンク２９に切り換
え接続するダイクツシヨン圧力回路切換用電磁弁
２８を設ければよく、すなわち、共通配管６、ダ
イクツシヨン圧力２系統切換弁装置２２、２系統
切換弁調整回路２５、ダイクツシヨン昇降切換用
電磁弁３２、昇降制御弁３３等からなる既存のエ
アー回路にバイパス配管３０とダイクツシヨン圧
力回路切換用電磁弁２８とを設ければよく、比較
的簡単にかつ安価に構成できる。

なお、上記実施例では、金型交換によつていず
れかのエアータンク２９内の圧力が減少した際、
使用していないエアータンク２９内の高圧エアー
を、共通配管６から逆止弁２１、ダイクツシヨン
圧力２系統切換弁装置２２、ダイクツシヨン圧力
回路切換用電磁弁２８を通じて圧力が減少したエ
アータンク２９内へ流入させるようにしたが、こ
の際、金型交換された空圧回路のダイクツシヨン
圧力回路切換用電磁弁２８の他方のソレノイド２
８Ｂをオンし、減圧されたエアータンク２９と共
通配管６とをバイパス配管３０を介して互いに連
通させれば、高圧エアーがバイパス配管３０を通
つてエアータンク２９内へ流入するので、エアー
タンク内の増圧時間をより短縮できる利点があ
り、この後、電磁弁２８のソレノイド２８Ａをオ
ンすれば、レギユレータ２３により所定通りエア
ータンク２９のエアー圧力は規定値になる。

また、バイパス配管３０の端部に接続される切
換弁の形式は、上記実施例で述べたダイクツシヨ
ン圧力回路切換用電磁弁２８に限られず任意であ
り、要するにエアータンク２９をバイパス配管３
０とダイクツシヨン圧力２系統切換弁装置２２と
に切り換え接続できるものであればよい。

〔考案の効果〕

以上の通り、本考案によれば、金型交換等によ
り減圧したエアータンク内の圧力を規定圧までに
増圧する時間を短縮でき、その結果、金型交換等
に伴う調整時間を著しく短縮できるダイクツシヨ
ンの空圧制御装置を提供することができ、またこ
の空圧制御装置は既存のエアー回路に数少ない機
器を設けるだけでよいため、構造の簡単化を達成
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すエアー回路図であ
る。 １……エアー圧源、４……増圧回路、５……逆
止弁、６……共通配管、１１₁〜１１₅……空圧回
路、２１……逆止弁、２２……エアータンク規定
圧設定装置であるダイクツシヨン圧力２系統切換
弁装置、２８……切換弁としてのダイクツシヨン
圧力回路切換用電磁弁、２９……エアータンク、
３０……バイパス配管、３２……昇降制御装置を
構成するダイクツシヨン昇降切換用電磁弁、３３
……昇降制御装置を構成する昇降制御弁、３４…
…クツシヨンシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エアー圧源からのエアーの圧力を増圧する増圧
   回路に逆止弁および共通配管を介してそれぞれの
   ダイクツシヨンの空圧回路を並列に接続し、それ
   ぞれの空圧回路を直列に接続されたエアータンク
   規定圧設定装置とエアータンクとクツシヨンシリ
   ンダとを含んで構成し、かつ、それぞれの前記空
   圧回路に前記エアータンクと前記クツシヨンシリ
   ンダとを連通、遮断させてクツシヨンシリンダへ
   のエアーの給排により前記ダイクツシヨンを上
   昇、下降させる昇降制御装置を設けたダイクツシ
   ヨンの空圧制御装置において、それぞれの前記空
   圧回路に一端が前記共通配管に接続されたバイパ
   ス配管を前記エアータンク規定圧設定装置と並列
   に設け、このバイパス配管の他端を前記エアータ
   ンク規定圧設定装置と前記エアータンクとの間に
   配置された切換弁に接続し、この切換弁の切り換
   えにより前記バイパス配管と不使用のダイクツシ
   ヨンの前記エアータンクとを接続するとともに、
   前記エアータンク規定圧設定装置と使用されるダ
   イクツシヨンの前記エアータンクとを接続するこ
   とを特徴とするダイクツシヨンの空圧制御装置。