JPS6239883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鋳枠搬送装置を作動する空気圧回路の
改良に関する。

従来、鋳枠搬送装置としては、多数の鋳枠をロ
ーラコンベヤ上に一列に並べ載置して鋳枠群を構
成し、この鋳枠群を２本のシリンダにより先後両
方から挾みながら一枠ピツチで間欠的に移動させ
るようにした装置がある。この鋳枠搬送装置にお
いては、一方のシリンダがピストンロツドの伸長
により鋳枠群を押し出し、かつ、他方のシリンダ
が速度制御されたピストンロツドを介し鋳枠群を
押し返して鋳枠同士を互いに当接させるととも
に、このピストンロツドが鋳枠群と一緒に押され
てシリンダ内に引込むようになつている。したが
つて、迎シリンダはピストンロツドの引込みに伴
ない排気側の圧力が次第に高くなつて押し返す力
が漸増するため、押出しシリンダにおけるピスト
ンロツドの伸長速度の制御が非常にむずかしく、
しかも、迎シリンダの押返し力に押し勝つように
押出しシリンダには高圧の圧縮空気を供給する必
要がある。このため、押出しシリンダのストロー
クが長い場合は、押出しシリンダは高圧の圧縮空
気を多量に使用し、大きくエネルギーを消費する
などの問題があつた。

本考案は上記の問題を解消するためになされた
もので、押出しシリンダにおけるピストンロツド
の伸長速度の制御を容易に行うことができる上に
押出しシリンダの作動用圧縮空気の圧力を下げる
ことができる鋳枠搬送装置の空気圧回路を提供す
ることを目的とする。

以下、本考案の一実施例について図面に基づき
詳細に説明する。

１は多数の鋳枠２，２が図示しないローラコン
ベヤ上に一列に並べて載置されて構成された鋳枠
群である。３は鋳枠群１の鋳枠２搬入側に設置さ
れて鋳枠群１を押し出す押出しシリンダで、該押
出しシリンダ３のピストン側には、これのピスト
ンロツド４の伸長速度を制御する速度制御弁５お
よびピストンロツド４の縮引速度を制御する速度
制御弁６を介してスプリングリターン式２位置５
ポート電磁弁７が連通接続されており、該電磁弁
７は配管８、絞り弁９、減圧弁１０およびドレン
セパレータ１１を介して図示しない圧縮空気源に
連通接続されている。１２は鋳枠群１の鋳枠２搬
出側に設置されて鋳枠群１を受け止める迎シリン
ダで該迎シリンダ１２のロツド側には、これのピ
ストンロツド１３の伸長速度を制御する速度制御
弁１４が、また、ピストン側にはチエツク弁１５
がそれぞれ連通接続され、これは制御弁１４とチ
エツク弁１５とにはエキゾーストセンタ式３位置
５ポート電磁弁１６が連通接続されており、該電
磁弁１６は配管８に連通接続されている。また、
チエツク弁１５と迎シリンダ１２とを結ぶ配管か
ら分岐された配管にはノーマルクローズ式２位置
２ポート電磁弁１７を介してダイヤフラム式リリ
ーフレギユレータ１８が連通接続され、該リリー
フレギユレータ１８にはパイロツト用リリーフレ
ギユレータ１９が付設されていて、ピストンロツ
ド１３が縮引するとき電磁弁１７を励磁して迎シ
リンダ１２の一方の給排気口をリリーフレギユレ
ータ１８に連通させることによつて、迎シリンダ
１２の排気量を絞りピストンロツド１３の縮引速
度を制御することができるように構成されてい
る。２０は迎シリンダ１２の後蓋に構成されたク
ツシヨン機構である。

次に、このように構成された装置の作用につい
て説明する。あらかじめパイロツト用リリーフレ
ギユレータ１９を調整してリリーフレギユレータ
１８の制御圧力を所要値に設定する。この状態の
下に電磁弁１６の電磁石１６ａに通電すると、圧
縮空気がチエツク弁１５を通つて迎シリンダ１２
内のピストン側に入り、これに伴ないピストンロ
ツド１３は速度制御弁１４により速度制御されな
がら伸長して鋳枠群１の先端に当接する。ピスト
ンロツド１３の伸長完了後、電磁弁１６の励磁を
停止して迎シリンダ１２への給気を止め、電磁弁
１７を励磁して迎シリンダ１２のピストン側を電
磁弁１７を介してリリーフレギユレータ１８に連
通させる。すると、迎シリンダ１２内の圧縮空気
は、その圧力がリリーフレギユレータ１８の設定
圧に下がるまでリリーフレギユレータ１８から排
出される。次いで、電磁弁７を励磁して押出しシ
リンダ３のピストンロツド４を伸長させると、ピ
ストンロツド４は速度制御弁５により速度制御さ
れながら鋳枠群１を押し出すとともに、ピストン
ロツド１３を迎シリンダ１２内に押し戻す。ピス
トンロツド１３の後退に伴ない押返しシリンダ１
２内のピストン側の圧力が次第に上がるが、その
圧力がリリーフレギユレータ１８の設定圧まで上
がると、迎シリンダ１２内のピストン側の空気
が、電磁弁１７を貫通してリリーフレギユレータ
１８から排出されるようになり、この結果、迎シ
リンダ１２内のピストン側の圧力がほぼ一定に維
持されながらピストンロツド１３が縮引する。こ
のようにしてピストンロツド１３がほぼ一定の背
圧のもとにメーターアウト方式により速度制御さ
れながら縮引するので、リリーフレギユレータ１
８の設定圧を、鋳枠群１が円滑に移動できる範囲
内で可能な限り低く抑えることによつて、押出し
シリンダ１２の必要出力を小さくすることができ
る、すなわち、押出しシリンダ１２に供給する圧
縮空気の圧力を低くすることができる。そして、
ピストンロツド１３の縮引端付近ではクツシヨン
機構２０によつて停止時の衝撃が緩和される。こ
うして鋳枠群１を所定距離押し出したのち、電磁
弁７の励磁を止めてピストンロツド４を縮引させ
るとともに、電磁弁１７の励磁を止めて迎シリン
ダ１２のピストン側とリリーフレギユレータ１８
との間を閉じる。その後、鋳枠群１の先端から鋳
枠２１個を図示しない別の搬送装置に搬出すると
ともに、鋳枠群１の後端に図示しない別の搬送装
置から鋳枠２１個を搬入する。以上の作動を繰り
返すことによつて鋳枠２，２同士を互いに当接さ
せた状態で鋳枠群１を一枠ピツチで間欠的に送り
出し、衝撃なく停止させることができる。

なお、上記の実施例では電磁弁１６と迎シリン
ダ１２との間にチエツク弁１５を設けて、ピスト
ンロツド１３の縮引時に迎シリンダ１２から出る
空気が電磁弁１６から排出しないようにしている
が、チエツク弁１５の代りに開閉電磁弁を設け
て、ピストンロツド１３が伸長するときには当該
電磁弁を開き、ピストンロツド１３が縮引すると
きには閉じるようにしてもよい。

以上の説明からも明らかなように本考案は、押
出しシリンダにピストンロツドの伸長速度を制御
する速度制御弁を設け、迎シリンダにはピストン
ロツドが縮引する際の排気量を絞ることができる
リリーフレギユレータを連通接続したから、迎シ
リンダのピストンロツドが縮引する時の背圧を一
定に維持できるため、押出しシリンダにおけるピ
ストンロツドの伸長作動の速度制御が非常に容易
になるとともに、そのピストンロツドを伸長作動
させるための圧縮空気の圧力を低くできて省エネ
ルギーにもなるなどの優れた実用的効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す空気圧回路図で
ある。 １：鋳枠群、３：押出しシリンダ、４：ピスト
ンロツド、５：速度制御弁、１２：迎シリンダ、
１３：ピストンロツド、１７：電磁弁、１８：リ
リーフレギユレータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 押出しシリンダ３と迎シリンダ１２とにより鋳
   枠群１を先後両方から挾みながら鋳枠群１を一枠
   ピツチで間欠的に搬送する鋳枠搬送装置の空気圧
   回路において、前記押出しシリンダ３のピストン
   側に、該シリンダ３のピストンロツド４の伸長速
   度を制御する速度制御弁５を連通接続し、前記迎
   シリンダ１２のピストン側配管には、該シリンダ
   １２のピストンロツド１３が縮引する際の排気量
   を絞ることができるリリーフレギユレータ１８を
   電磁弁１７を介して分岐連通接続したことを特徴
   とする鋳枠搬送装置の空気圧回路。