JPH02245183A - A血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤 - Google Patents

A血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤

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JPH02245183A
JPH02245183A JP1066326A JP6632689A JPH02245183A JP H02245183 A JPH02245183 A JP H02245183A JP 1066326 A JP1066326 A JP 1066326A JP 6632689 A JP6632689 A JP 6632689A JP H02245183 A JPH02245183 A JP H02245183A
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hybridoma
pseudomonas aeruginosa
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Tamotsu Fukuda
福田 保
Isao Ono
小野 魁
Shiro Shigeta
士郎 茂田
Yasuyuki Kuroiwa
保幸 黒岩
Hiroaki Okuya
奥谷 弘明
Shiro Takagi
高木 司郎
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、A血清型の緑膿菌(シュードモナス・エルギ
ノーザ+Pseudomonas aerugjnos
a)に対するヒトモノクローナル抗体を大量、かつ安定
に供給することを可能とするヒトーヒ1へ・ハイブリド
ーマ細胞株と、その産生ずるヒトモノクローナル抗体お
よびそれを有効成分とする緑膿菌感染症の予防、治療用
の製剤に関するものである。
従来の技術 緑膿菌感染症は、各種基礎疾患を有する患者や免疫抑制
作用を有する薬剤の投与を受けている患者に多く発生す
る日和見感染症である。現在、緑膿菌感染症は最も治療
の困難な感染症と考えられている。すなわち、緑膿菌は
これまで常用されてきた抗生物質のほとんどすべてに対
して耐性を示すばかりでなく、近年開発された抗生物質
に対しても容易に耐性が誘導される傾向が強い。そのた
め、宿主側の緑膿菌処理能力の増強をめざした予防、治
療法の研究がなされている。
近年、緑膿菌感染症の治療に健常人の血清あるいは血漿
から精製したヒト免疫グロブリンあるいはその化学的修
飾物を有効成分とするグロブリン製剤を用いることが多
い。しかし、これらの製剤に含まれる抗体のうち緑膿菌
に対し親和性を有し、かつ、治療に有効な抗体の量は一
定せず、また、その含量が少ないため、これらの製剤の
予防、治療効果を疑問視する向きも多い。そのため、低
用量で有効なヒトモノクローナル抗体の開発が急がれて
いる。
緑膿菌は外膜上に存在するリポ多糖体 (lipopolysaccharide、以下LPS
と略す)分子上の〇−多糖側鎖を認識する免疫抗体、す
なわち緑膿菌の血清型特異O抗原に対する抗体を用いて
血清型別分類がなされている。緑膿菌の血清型別分類に
関しては現在でも多くの議論があるが、日本ではA型か
らM型までの13種の血清型に分類する緑膿菌研究会分
類[Homma、 Japan J、 Exp、 Me
d、、 329−336(1976))が広く用いられ
ている。臨床現場で緑膿菌感染患者より分離される緑膿
菌の血清型の割合はほぼ一定しており、13種の血清型
のうちA、B、E、G、■型の5種の血清型の菌が占め
る率が高いことが知られている。
一方、緑膿菌に対するマウスモノクローナル抗体は、ケ
ーラーとミルスタインにより開発されたマウス−マウス
・ハイブリドーマ技術〔KδhlerとMilstei
n、 Nature、 256.495−497(19
75))を用いて作製されて以来〔例えば、Hanco
ckら、Infect 。
Immun、、 37.166−171 (1982)
 )、型別診断への応用〔例えば、明治製菓、EP 1
01039)や、感染防御に有用なヒトモノクローナル
抗体の検索のための基礎研究などに用いられてきた。
サドッフらは、緑膿菌の血清型特異LPS分子上の〇−
多糖側鎖に対するマウスモノクローナル抗体が、マウス
の感染実験において、対応する血清型の菌による致死感
染に対して高い防御活性を有することを報告した〔5a
doffら、Abstracts ofthe 198
2 Intersc、1ence Conferenc
e onAntimicrobial Agents 
and Chemotherapy、 Na2S2(1
982) )。その後の報告にも、緑膿菌の血清型特異
0抗原に対するマウスあるいはヒトモノクローナル抗体
のインビボおよびインビトロの試験系での有効性が示さ
れている 〔例えば、Sawadaら、J、 Infect、 D
is、、 150.570576 (1984) 、中
村警防ら、日本細菌学雑誌、39゜337 (1984
)、Pennington、 Infect、 Imm
un、、 54゜239−244 (1,986)、5
uzukiら、Microbiol、 Immunol
31、 959−966  (1987)、 Zwer
rnikら、 Infect 。
Immunity、 56. ]]873−1879(
1988) )。また、血清型特異的ヒトモノクローナ
ル抗体の緑膿菌感染症の予防、治療への利用については
、本発明者らによる血清型特異LPS分子上の〇−多糖
側鎖を単独に認識する抗体が特許出願明細書〔特開昭6
0−248626号〕に、および複数の〇−多糖側鎖を
共通に認識する抗体が特許出願明細書〔国際公開番号I
AO88104669)に、その他幾つかの特許出願明
細書〔ジエネティック システムズ コーポレーション
、EP 163493とBE 905890、帝人株式
会社、す086103754、湧永製薬株式会社、特開
昭61−091134号、メルク エンド カムパニー
 インコーホレーテッド、EP 256713)に記載
されている。
発明が解決しようとする問題点 ヒトモノクローナル抗体の作製は、−船釣にはヒトのB
細胞にエプスタイン・バー・ウィルス(Epstein
−Barr virus、以下EBウィルスと略す)を
感染させてEBウィルス形質転換細胞とするか、B細胞
などのヒト抗体産生細胞と無限増殖能を有する親細胞株
を細胞融合してヒト−マウス・ヘテロハイブリドーマあ
るいはヒト−ヒト・ハイブリドーマとすることにより行
われる。
EBウィルス形質転換法により作製したEBウィルス形
質転換細胞は一般に抗体産生量が低く、継代安定性に劣
り、また、比較的栄養要求性が高いため、無血清培地を
用いた大量培養生産には適さない。マウスミエローマを
親細胞株に用いてヒト抗体産生細胞と融合した場合、作
製されたヒト−マウス・ヘテロハイブリドーマはヒト抗
体と共にマウスの蛋白質を合成、分泌するため、ヒトへ
投与するヒトモノクローナル抗体の生産株として用いる
には必ずしも適当でない。また、ヒト染色体のみを有し
、かつ無限増殖能を有する細胞を親細胞株に用いて、ヒ
ト抗体産生細胞と融合してヒトヒト・ハイブリドーマを
作製する場合も幾つかの問題点がある。例えば、ヒトミ
エローマに由来する親細胞株とヒト抗体産生細胞の融合
効率は低い。
また、EBウィルス形質転換細胞に由来する親細胞株と
ヒト抗体産生細胞の融合効率は比較的高いが、作製され
たヒト−ヒト・ハイブリドーマは抗原特異性を、有さな
い抗体を同時に産生じたり、その抗体産生量が低いもの
が多い。ヒトミエローマとEBウィルス形質転換細胞の
ハイブリドーマに由来する親細胞株とヒト抗体産生細胞
の融合により作製されたヒト−ヒト・ハイブリドーマは
比較的高い抗体産生量を示すが、抗原特異性が不明な抗
体を同時に産生ずる性質は解消されていない。
問題を解決するための手段 本発明者らは、A血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモ
ノクローナル抗体を産生ずるヒト−ヒト・ハイブリ1く
−マが作製出来ること、また、該ヒトヒト・ハイブリド
ーマが各種培地中で安定に増殖し、比較的大量の抗体産
生を長期継続すること、更には、該ヒト−ヒト・ハイブ
リドーマを培養し。
その培養物よりA血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモ
ノクローナル抗体が調製出来ることを見いだした。
本発明者らは、これらの結果に基づき、該ヒトヒト・ハ
イブリドーマの産生する抗体の緑膿菌感染に対する防御
活性を試験し、本発明を完成するに至った。
本発明でいうヒト−ヒト・ハイブリドーマとは、ヒト染
色体のみを有し、かつ無限増殖能を有する親細胞株とヒ
ト抗体産生細胞との融合により作製されるヒト染色体の
みを有するハイブリドーマをいう。
本発明でいう選択特性とは、作製したハイブリドーマを
未融合の細胞より選別することを可能とする親細胞株の
化学的あるいは物理的な特性をいう。例えば、選択特性
として8−アザグアニンあるいは6−チオグアニン、お
よびウアバイン耐性の親細胞株を使用した場合、ヒト抗
体産生EBウィルス形質転換細胞とのハイブリドーマの
みがヒボキサンチン、アザセリン、およびウアバインを
含む培養液中で生き残る。
上記選択特性を有する親細胞株は適宜選択される。また
、緑膿菌に反応性を有するヒト抗体産生細胞はヒトB細
胞およびその由来細胞より適宜選択される。
以下、ヒト染色体のみを有し、かつ無限増殖能と8−ア
ザグアニンおよびウアバイン耐性を有する細胞株を親細
胞株としてA血清型緑膿菌に反応性を有するヒト抗体産
生EBウィルス形質転換細胞をヒト抗体産生細胞として
用いてヒトーヒ1〜・ハイブリドーマを作製する場合を
例にあげ、本発明を説明する。
(具体的説明) 1、使用緑膿菌 本発明では便宜上、使用緑膿菌の分類を緑膿菌研究会主
催の血清型別検討委員会の決定による血清型別分類に従
うものとし、A型からM型に属する菌株を使用している
A型からM型に属する菌株は、アメリカン・タイプカル
チャーコレクション(ATCC)、財団法人発酵研究所
(IFO)および東京大学医科学研究所から入手できる
2、 ヒト−ヒト・ハイブリドーマの作製本発明による
、A血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル
抗体を産生ずるヒト−ヒト・ハイブリドーマは、ハイブ
リドーマ作製用の親細胞株MP 4109あるいはその
継代株とヒト抗体産生細胞を公知の方法〔成帯rMON
OcLONAL ANTIBODIESJ p363.
 Plenum Press刊(1980)他〕に準じ
て細胞融合して作製出来る。ヒト抗体産生細胞には、緑
膿菌に対する抗体産生がみられる健常人あるいは緑膿菌
感染症既往歴のある患者の末梢血、リンパ節、扁桃腺、
牌臓や分娩時の屑帯血などから公知の方法により得られ
るB細胞を用いることが出来るが、B細胞にEBウィル
スを感染させて形質転換を行い一定期間培養後、培養上
清中に緑膿菌に反応性を有する抗体の分泌が検出された
EBウィルス形質転換細胞コロニー、あるいはこれらE
Bウィルス形質転換細胞コロニーより単一に選別された
細胞株を用いることが好適である。
次に各工程につき詳細な説明を加える。
血液や上記組織などからのB細胞の分離および濃縮は、
フィコール・コンレイ液等の細胞分画液を用いた比重遠
心法、Eロゼツト形成法、パニング法などを組み合わせ
て効率的に行うことが出来る。さらには、B細胞をホー
クライードマイト−ジエン(PWM)を添加した培養液
中で数日間培養し、B細胞を増殖させた後に細胞融合に
供することも出来る。
EBウィルスによるB細胞の形質転換法は公知の方法〔
例えば、5tej、njtzら、Nature、 26
9.420422(1977))に準じて実施すること
が出来る。8958細胞(感染性のEBウィルスを産生
ずるマーモセット白血球由来細胞)を20%ウシ胎児血
清(以下FC3と略す)を含むRPMI 1640培地
(以下培養液と略すことがある)で培養し、遠心分離に
て得られた静止期に近い7日目の培養上清をウィルス液
とする〔小野ら、第4回日本免疫学会総会記録、399
401(1974) )。B細胞を遠心分離し、吸引に
て上滑を除去して得られるペレットにウィルス液を加え
て分散後、37°C15%炭酸ガス存在下で30分から
1時間インキュベーションする。培養後、遠心分離し、
吸引にて上清を除去した後、ペレットに細胞密度が1×
105個/mlから5 X 10’個/mlとなる様に
培養液を加え、細胞を分散させる。細胞分散液を24ウ
エル培養プレートまたは96ウエル培養プレートの各ウ
ェルに分注し、37℃、5%炭酸ガス存在下で2週間か
ら4週間培養する。この間、3日から4日ごとに培養液
の半量を新しい培養液に交換することが望ましい。
緑膿菌に反応性を有する抗体の検出は、一般のラジオイ
ムノアッセイ法や、酵素抗体法(以下ELISA法と略
す)などの方法〔成帯「単クローン抗体」p144、講
談社刊(1983)等〕により行うことが出来る。本発
明ではELISA法を用いている。すなわち、あらかじ
め緑膿菌の0.3%ホルマリン処理菌体をメンブランフ
ィルタ−に固定し、容器中で細胞の培養上清と一定時間
反応させた後、酵素標識したウサギ抗ヒト抗体を反応さ
せ、酵素反応による基質の呈色割合により目的抗体の産
生の有無および産生量を測定するドツト・イムノバイン
ディングアッセイ法(以下DIBA法と略す)(Ana
l、 Biochem、。
1、]9.142−147(1982)〕 を簡易アッ
セイ法として用いている。
EBウィルス形質転換細胞の増殖コロニーが認められた
各ウェルの培養上清について上記ELISA法により、
目的抗体が存在するウェルを選別した後、このウェル中
の細胞を軟寒天法〔成帯「組織培養応用研究法J p2
89、ソフトサイエンス社刊(1985)等〕あるいは
限界希釈法〔成帯「単クローン抗体」p73、講談社刊
(1983)等〕によりクローニングを行う。さらに、
クローニングにより細胞の増殖が認められた後、再度E
LISA法によるアッセイを行う。
1回から数回のクローニングにより、目的の抗体のみを
分泌する単一細胞株を得ることが出来る。
MP 4109とヒト抗体産生細胞との融合は、ポリエ
チレングリコール(以下、PEGと略す)などの−船釣
な融合試薬や、センダイウィルス (Hemagglutj、nating virus 
of Japan ; HVJ)などのウィルス粒子を
使用して行える6例えば、平均分子量1000から60
00程度のPEGを、RPMI 1640培地やダルベ
ツコの変法イーグル培地(DMEM)中に30%から5
0%(W/V)の濃度に添加したものが融合液として推
奨される。また、融合効率を高めるため、ジメチルスル
ホオキサイド(DMSO)を添加することも望ましい。
また、電気融合装置などを用いた物理的手法によっても
行える。
例えば、HP 4109とEBウィルスによる形質転換
後目的抗体の産生が認められたウェルの細胞や、末梢血
等から分離される抗体産生細胞を1=1から1=10程
度の比率で混合し、細胞融合用培地(50%PEGと1
0%DMSOを含むRPMI 1.640培地等)を加
えて、細胞を融合させる。つぎに、融合したハイブリド
ーマのみの増殖に適した培養液(以下、選択培地と略す
)に、細胞密度が1×105個/mlから5XIOr′
個/mlとなる様に細胞を分散させる。細胞分散液を2
4ウエルまたは96ウエルの培養プレートに分注し、3
7°C15%炭酸ガス存在下で2週間から4週間培養す
る。この間、3日から5日ごとに選択培地の半量を新し
い選択培地と交換することが望ましい。この際、フィー
ダー細胞としてマウスの腹腔浸出細胞等を共存させると
ハイブリトーマの増殖を早めることが出来る。ヒト抗体
産生細胞が無限増殖能を有さない細胞(B細胞)の場合
、選択培地としてヒボキサンチン、アミノプテリン、チ
ミジンを含む培地(以下、HAT培地と略す)あるいは
ヒポキサンチン、アザセリンを含む培地(以下、HA培
地と略す)が使用できる。また、ヒト抗体産生細胞がE
Bウィルス形質転換細胞などの無限増殖能を有する細胞
の場合、選択培地としてHAT培地にウアバインを添加
した培地(HAT−0培地)またはHA培地にウアバイ
ンを添加した培地(HA−0培地)が使用できる。ハイ
ブリドーマの増殖コロニーが認められた各ウェルの培養
上清について上記EL1.SA法により、目的抗体が存
在するウェルを選別した後、限界希釈法によりクローニ
ングを行う。
さらに、クローニングにより細胞の増殖が認められた後
、再度ELISA法によるアッセイを行う。1回から数
回のクローニングにより、目的の抗体のみを分泌する単
一細胞株を得ることが出来る。
本発明のヒト−ヒト・ハイブリドーマの培養は、通常の
培地を用いて行える。例えば、5X10’個/m1から
2×106個/mlの細胞密度となるように培養液に分
散し、適当な細胞培養容器に播種した後、37℃、5%
炭酸ガス存在下で培養できる。培養液の例としては、R
PMI 1640やDMEM等の基礎培地に、Fe2の
適量を添加したものが好適である。また、各種の低血清
あるいは無血清培地も適宜使用できる。例えば、NYS
F 404無血清培地単独、あるいはNYSF 404
無血清培地にウシ血清アルブミンの適量を添加したもの
が推奨される。継代培養は、3日から7日間隔で細胞の
回収と播種の操作を繰り返すとよい。
本発明のヒト−ヒト・ハイブリドーマの凍結保存は一般
的手法により行える。例えば、細胞を適当な細胞凍結保
存液に1×10″′個/mlから5X10’個/mlの
細胞密度となるように分散し、液体窒素あるいは液体窒
素ガス中、または、−20℃から一80℃の冷凍庫中で
凍結保存出来る。細胞凍結保存液には、上記基礎培地や
中性緩衝液等に動物血清、アルブミン、メチルセルロー
ス、ぶどう糖やジメチルスルホオキサイドなどを適宜添
加して用いることが推奨される。
凍結細胞の復元は一般的手法により行える。例えば、凍
結された細胞を含む保存液を温水中で急速に融解し、細
胞を培養液等で洗浄して保存液に含まれるDMSOを洗
い出した後に培養液に分散して培養を行うと良い。
培養上清中の免疫グロブリン量の測定は、般のELIS
A法により行うことができる。例えば、ELISA法に
よる場合は、同相に抗ヒト免疫グロブリン抗体を固定し
くこの時使用される抗体を以下、固相化抗体と略す)、
培養上清の一部を反応させる。次に、酵素標識抗ヒト免
疫グロブリン抗体を反応させ、基質を加え、酵素反応に
より生じる呈色割合より培養上清中の免疫グロブリン量
の測定が行える。ヒトIgM量の測定は、固相化抗体と
して抗ヒトIgM (ミュー鎖特異)抗体を、酵素標識
抗体としてパーオキシダーゼ標識抗ヒトIgM (ミュ
ー鎖特異)抗体を使用することにより行える。
3、 ヒ1−モノクローナル抗体の製造本発明のヒト−
ヒト・ハイブリドーマは、重鎖としでは抗体産生細胞株
由来のもののみを合成、分泌し、通常の動物細胞培養用
の培地中で長期間安定に継代、増殖が可能である。また
、培養物より抗体を精製する際に培地由来の未知の不純
物の混入の恐れのない無血清培地中でも抗体を産生ずる
能力を有しており、緑膿菌感染症の予防、治療用製剤の
組成物調製の為の原料となるヒトモノクローナル抗体を
得るのに最適である。
本発明のヒト−ヒト・ハイブリドーマを無血清培地中で
培養し、培養液より任意の一般的な方法、例えば、ゲル
ろ適法、イオン交換クロマトグラフィー法、ハイドロキ
シアパタイトなどを用いる吸着クロマトグラフィー法な
どの物理化学的精製法や、抗原あるいはヒトモノクロー
ナル抗体に親和性を有する物質(例えばプロティンAや
抗ヒト免疫グロブリン抗体等)を固定化した担体を用い
るアフィニティクロマトグラフィー法や、電気泳動法、
硫酸アンモニウム塩析などの沈澱法等を組み合わせるこ
とにより、A血清型緑膿菌に反応性を有する単一なヒト
モノクローナル抗体を比較的容易に高度に精製出来る。
4、 ヒトモノクローナル抗体製剤の製造本発明のA血
清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体は
、対応する血清型緑膿菌感染に対して高い防御活性を有
している。本発明のヒトモノクローナル抗体は、単独、
あるいは通常用いられる添加剤、賦形剤等を加えて液剤
あるいは凍結乾燥製剤として緑膿菌感染症の予防、治療
に供することが出来る。添加剤、賦形剤には一般に生物
製剤に用いられる天然物、化合物より適宜選択されるが
、抗体の安定性の保持にはアルブミン等の動物性蛋白質
や、デキストラン等の多糖類、アミノ酸、糖類の使用が
良好な結果を与える。また、本発明のヒトモノクローナ
ル抗体は緑膿菌や緑膿菌以外の微生物に反応性を有する
他のモノクローナル抗体やポリクローナル抗体と混合し
た製剤の作製に用いることも出来る。
5、 ヒトモノクローナル抗体による感染症の予防、治
療 実際の緑膿菌感染症の予防、治療にあたっては本発明の
ヒトモノクローナル抗体あるいはそれを含む製剤を単独
または2種以上混合するか、あるいは緑膿菌に反応性を
有する他のモノクローナル抗体あるいはそれを含む製剤
やグロブリン製剤と混合して用いてもよい。
本発明のA血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクロ
ーナル抗体あるいはそれを含む製剤は、緑膿菌感染症の
予防、治療のために直接ヒトに投与可能である。用量、
投与経路は適宜選択されるが、用量は体重(kg)あた
り0.01ないし10mgが好ましく、投与経路は皮内
、皮下、筋肉内、静脈内投与等を適宜選択出来る。
従って、本発明により、緑膿菌感染症の予防、治療、診
断などの広い分野に使用出来るヒトモノクローナル抗体
の工業的生産用の細胞株を提供することが可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではなり1゜ 尚、ハイブリドーマ作製用の親細胞株MP 4109は
微工研に昭和63年10月27日から寄託番号微工研条
寄第2129号として寄託されている。AおよびF血清
型緑膿菌に交差反応性のヒトモノクローナルIgM産生
EBウィルス形質転換細胞株MP 5046は微工研に
昭和62年12月9日から寄託番号微工研条寄第159
9号として寄託されている。緑膿菌研究会分類標準血清
型緑膿菌として、A血清型緑膿菌にはATCC2757
7(IID 1001)を、F血清型緑膿菌にはATC
C27582(IID 1006)を用いた。
実施例1.抗緑膿菌抗体産生ハイブリドーマの作製−1 (1)細胞融合 HP 4109 とMP 5046を10%FC3を含
むRPMI 1640培地(以下、10%FC3培養液
と略すことがある)中で増殖させ、各々集めてRPMI
 1640培地で洗浄した。各々2×107個の細胞を
50耐容量のプラスチック製遠心管中で混合した。遠心
分離(175Xg、10分間)後、上清を吸引除去し、
細胞ペレットに直接、0.5mlの50%PEG (M
、 IN、 1500、和光純薬)および10%DMS
Oを含むRPMI 1640培地を静かに加えゆっくり
回転させ、細胞を融合させた。2分後、10m1のRP
MI 1640培地を加え静かに攪拌後、遠心分離(1
75X g、10分間)した。上清を吸引除去し、細胞
ペレットに20%FC8,2X 10−’Mヒボキサン
チン(シグマ)、1μg/mlアザセリン(シグマ)、
5X10−t″NNウアバイングマ)を含むRPMI 
1640培地(以下、HA罰培地と略すことがある)を
加えて、1×106個/mlの密度となるように懸濁後
、96ウエル平底培養プレートのウェル当たり0.1m
lずつを播種(合計384ウエル)した。細胞は5%炭
酸ガス存在下、37℃で静置培養した。4日後に0.1
mlのHA−0培地を加え、その後、3日から5日毎に
半量のHA −0培地を新しいHA−0培地と交換した
。4週間から5週間後に、合計65ウエルに細胞増殖が
認められた。
(2)抗緑膿菌抗体の検出 培養上清中の抗A血清型緑膿菌ヒト抗体の有無はDIB
A法で調べた。各ウェルの培養上清0,1mlを、1ド
ツト当たり0.4μ&のA血清型緑膿菌ATCC275
77のホルマリン処理乾燥菌体を固定したグリラド入り
ニトロセルロース・メンブレンフィルター(3,1mm
角)と、96ウエルU底マイクロプレート中で反応させ
た。室温で2時間反応させ、ついでパーオキシダーゼ標
識ウサギ抗ヒト・イムノグロブリン抗体(ダコ社)と2
時間反応後、4−クロロ−1−ナフトールを基質として
発色させ、抗原を固定したニトロセルロース・メンブレ
ンフィルター上に肉眼観察で発色が認められたものを抗
体産生が陽性と判定した。
(3)クローニング 細胞増殖が認められた65ウエルの培養上清のうち51
ウエルの培養上清中に抗A血清型緑膿菌抗体産生が認め
られた。51ウエルのうち増殖のよい細胞を含む18ウ
エルを選び、ウェル中の細胞をそれぞれ個別に集め、血
球計算盤を用いて正確に細胞数を計測した。細胞をHA
−0培地に分散し、20個/mlの細胞密度の細胞浮遊
液とした。あらかじめ、ウェル当たりI X 10’個
のマウス肺臓細胞を播種した96ウエル平底培養プレー
ト(以下、フィーダープレートと称する)の各ウェルの
上滑を除去後、細胞浮遊液を各ウェル当たり0,1ml
ずつ播種し、5%炭酸ガス存在下、37℃で静置培養し
た。各細胞当たり1枚のフィーダープレートを使用した
4日後に0.1mlのHA−0培地を加え、その後、3
日から5日毎に半量のHA−0培地を新しいI(A−Q
培地と交換した。2週間から4週間後、増殖の認められ
たウェルについて培養上清中の抗A血清型緑膿菌ヒト抗
体の有無をDIBA法で調べた。A血清型緑膿菌と反応
する抗体産生が陽性と判定されたウェルの細胞を上記の
ごとく再度クローニングした。2回のクローニングによ
り緑膿菌研究会分類の血清型のAおよびF血清型緑膿菌
に交差反応するヒトモノクローナル抗体を産生ずるハイ
プリドーマ阿p 5120からHP 5131の12株
が得られた。
96ウエル平底培養プレート中で十分に増殖したハイブ
リドーマを徐々に拡大培養した。細胞は75%FC5,
10%DMSO,RPMI 1640培地よりなる細胞
保存液にl X 10″個/ml密度となるように懸濁
後、2mlの凍結チューブに分注した。−20℃まで1
分間当たり1℃の速度で冷却後、液体窒素中で凍結保存
した。
(4)抗体産生量の測定 ハイブリドーマが細胞外へ分泌するIgM量の測定は以
下の様に行った。対数増殖期の細胞を集め、10%FC
3培養液にI X 10’個/ml密度となるように懸
濁し、6ウエル培養プレートの各ウェルに1mlずつ播
種し、5%炭酸ガス存在下、37℃で静置培養した。2
4時間後、遠心分離(250x g、10分間)により
培養上清を分離し、上滑中のヒトIgM量をELISA
法にて定量した。ハイブリドーマMP 5120からH
P 5131は、106個の細胞が24時間に、6μg
から56μgのヒトIgMを培養上清中に分泌した。
(5)細胞株の継代安定性の測定 細胞株の継代安定性を細胞増殖性能と抗体産生能より調
べた。
増殖の安定性は培養開始時と継代培養開始3力月後の細
胞について増殖曲線を測定することにより調べた。抗体
産生の安定性は培養開始時、培養開始1力月、2力月、
3力月の細胞のIgM抗体産生量を(4)と同様にして
ELISA法にて測定することにより調べた。
継代培養は、以下のように行った。細胞を2系列独立し
て、10%FC5培養液に5 X 104個/ml密度
となるように懸濁後、底面積25cdのフラスコに4m
lずつ播種し、5%炭酸ガス存在下、37℃で静置培養
した。3日から4日毎に細胞を集め、新鮮な10%FC
5培養液に同密度となるように再度懸濁後、静置培養す
る操作を3力月間連続的に行った。
増殖曲線の測定は、以下のように行った。2系列独立し
て培養した対数増殖期の細胞を集め、10%FC3培養
液に5X]0’個/++1密度となるように懸濁後、6
ウエル培養プレートの各ウェルに1mlずつ計6ウエル
に播種し、5%炭酸ガス存在下、37℃で静置培養した
。1日毎に、1ウエル中の培養物を集め、生細胞および
死細胞密度を計測し、更に、培養上清についてはIgM
量をELISA法にて測定した。
MP 512] は培養開始時および培養開始3力月の
細胞ともほぼ同様な増殖曲線を示した。増殖曲線より計
算される倍加時間は25.5時間であった。また、10
”個の細胞が24時間に分泌するIgMは、培養開始時
には56μg、培養開始1力月後には40μg、2力月
後には45μg、3力月後には42μgで、3力月間の
継代培養中に抗体産生には大きな変化はなかった。
MP 5121は微工研に条寄第2270号として寄託
した。
実施例2.細胞の培養および抗体の精製−IMP 51
21の凍結保存細胞を復元し、10%FCS培養液を用
いて拡大培養し、NYSF 404無血清培地〔矢部則
次、組織培養、11, 458(1985))で更に拡
大培養の後、細胞を集め、5×104個/耐の密度とな
るように500mlのNYSF 404無血清培地に懸
濁し、10枚のフラスコ(底面積175a#)に播種し
た。5日間、5%炭酸ガス存在下、37℃で静置培養し
た。
培養物より遠心分離(400 X g、20分間)によ
り480耐の上清を得、ポアサイズ0.22ミクロンの
メンブランフィルタ−で濾過した。
濾液に480耐の飽和硫酸アンモニウム溶液を加え、4
℃に放置した。翌日、これを遠心分離しく10,OOO
Xg、30分間)、沈澱を集めた。5mlのPBS(−
)で沈澱を溶解し、PBS (−)に対して十分に透析
を行い、粗IgM画分を得た。
精製には、高速液体クロマトグラフィー用のハイドロキ
シアパタイト充填カラムを用い、1m17分の流速で分
画した。HCA−カラム(ガードカラム;4mm X 
10+++m、本体カラム;7.6mm X 100m
m、三井東圧化学株式会社)を、あらかじめ0.15M
塩化ナトリウムを含む0.01Mリン酸ナトリウム緩衝
液(pH7.0)(以下、A液と略す)で十分に洗浄し
、2mlの粗IgM画分を添加した。A液で10分間、
更に75容のA液に対して25容の割合(25%)で0
.25Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)(以下
、B液と略す)を加えた溶液でカラムを15分間洗浄し
た。その後、B液の割合が25%から100%までの直
線濃度勾配溶出を20分間で行った。単一ピークとして
溶出したIgM画分をPBS(−)に対して十分に透析
した。480mlの培養上清より12.3mgのIgM
(N4−2)溶液が得られた。
実施例3.抗緑膿菌抗体産生ハイブリドーマの作製−2 (1) EBウィルス液の調製 EBウィルスを産生放出しているB95−8細胞を、3
X10S個/mlの密度となるように20%FC3を含
むRP)II 1640培地(以下、20%FC3培養
液と略すことがある)に浮遊させ、5%炭酸ガス存在下
、37℃で静置培養した。静止期に近い7日目の培養上
清を遠心分離(800X g、10分間)により集め、
ポアサイズ0.45ミクロンのメンブランフィルタ−(
ミリポア)で濾過し、EBウィルス液とした。
(2)ヒトリンパ球の調製 A血清型緑膿菌に対する血清抗体活性が、DIBA法に
より1000倍希釈まで陽性反応が認められた健常人か
らヘパリン加末梢血50m1を採血した。これに等量の
RPMI 1640培地を加えて2倍に希釈後、半量の
フィコール・パック(ファルマシア)上に界面が乱れな
い様に重層し、室温で遠心分離(40゜×g、30分間
)した。遠心分離後、界面層をパスツールピペットを用
いて取り出し、等量の20%FC5培養液を加えて、室
温で遠心分離(250x g、1o分間)した。沈澱し
た細胞を、20%FC8培養液に懸濁後、さらに1回、
遠心分離の操作を繰り返し、ヒトリンパ球のペレット(
細胞数; 4 X 107個)を得た。
(3) EBウィルスによる形質転換 ヒト抗体産生細胞4 X 107個に対して(1)で調
製したウィルス液40m1を加えて、37℃で1時間イ
ンキュベーションした。インキュベーション後、遠心分
離(250x g、10分間)により細胞を集めた。細
胞を20%FC5培養液に分散し、5 X 10’個/
mlの密度に調整後、0.1mlずつ、96ウエル平底
培養プレートに加え、5%炭酸ガス存在下、37℃で静
置培養した。4日後にO,1mlの20%FC5培養液
を加え、その後、3日から5日ごとに半量の培養液を新
しい培養液で交換した。細胞増殖の認められたウェルに
ついて、実施例1.(2)と同様にして培養上清中の抗
A血清型緑膿菌ヒト抗体の有無を酵素免疫測定法である
DIBA法で測定した。抗体産生が陽性と判定されたウ
ェルの細胞を、24ウエル培養プレートへ拡大培養した
(4)クローニング 抗体検出法によりA血清型緑膿菌との反応性が認められ
たウェルの細胞を、6cmシャーレに移した。6cmシ
ャーレ中で増殖した細胞は実施例1.(3)と同様にし
て液体窒素中に凍結保存した。細胞を含む凍結チューブ
を液体窒素より取り出し、37℃の温浴中で攪拌しなが
ら解凍し、10耐の20%FC3培養液に懸濁した。遠
心分離(250Xg、10分間)により細胞を集め、2
mlの20%FC5培養液に分散し、6cmシャーレに
播種して、5%炭酸ガス存在下、37℃で3日間静置培
養した。増殖した細胞は軟寒天法により1度りローニン
グ操作を行った。先ず、血球計算盤を用いて正確に細胞
数を測定した後、1×10″′個/mlの密度の細胞浮
遊液とし、この細胞浮遊液0.1mlを0.3%アガロ
ース(ジ−プラークアガロース、エフ・エム・シー社)
を含む培養液30m1に加え混合した。つぎに、あらか
じめ0.5%アガロースを含む培養液4mlを分注して
固めた6cmシャーレに、細胞および0.3%アガロー
スを含む培養液3mlを分注して固めた(各細胞あたり
10枚)。
細胞を分注した6cmシャーレは5%炭酸ガス存在下、
37℃で静置培養した。3週間から5週間後、軟寒天中
に細胞が増殖しコロニーが肉眼的に認められるようにな
ったら、各コロニーをパスツールピペットを用いて、あ
らかじめウェル当たり0.1mlの20%FC3培養液
を分注した96ウエル平底培養プレートの各ウェルに移
し培養した。2日後に20%FC3培養液0.1mlを
加え、さらに2日後、細胞増殖の認められたウェルにつ
いて培養上清中の抗緑膿菌モノクローナル抗体の有無を
DIBA法で測定した。抗体産生が陽性と判断されたウ
ェルの細胞を24ウエル培養プレートへ拡大培養した。
3日後、24ウエル培養プレートのウェルについて、培
養上清中の抗緑膿菌抗体の有無をDIBA法で測定した
このうち、培養上清中の抗緑膿菌抗体活性が高いウェル
中の細胞を順次拡大培養し、抗A血清型録膿菌ヒトIg
M産生EBウィルス形質転換細胞コロニ!−@ 965
N5を得た。
(5)細胞融合 各々2×107個の抗A血清型録膿菌ヒトIgM産生E
Bウィルス形質転換細胞コロニー8965N5とMP4
109を用い、実施例1.と同様にして細胞融合を行っ
た。融合細胞をHA−0培地にI X 106個/ml
の密度の細胞懸濁液として、96ウエル平底培養プレー
トのウェル当たりに0.1mlずつ播種(合計384ウ
エル)した。細胞は5%炭酸ガス存在下、37℃で静置
培養した。4日後に0.1mlのHA−0培養液を加え
、その後、4日から5日毎に半量のHA−0培地を新し
いHA −0培地と交換した。細胞が増殖した35ウエ
ルについて、培養上清中の抗緑膿菌抗体の有無をDIB
A法で測定した。IB5.3G12の2ウエルの培養上
清に抗体活性を認めた。これをクローニングし、A血清
型緑膿菌のみに反応するヒトモノクローナル抗体を産生
ずるハイブリドーマMP 5136の1株が得られた。
(6) IgM産生量の測定 (5)の細胞融合により取得したハイブリドーマについ
て、実施例1.(4)と同様にして抗体産生量の測定を
行った。
ハイブリドーマMP 5136は、106個の細胞が2
4時間に、13μgのヒト■gMを培養上清中に分泌し
た。
(7)細胞株の継代安定性 MP 5136を使用する以外は、実施例1.(5)と
同様にして細胞株の増殖性および抗体産生量の安定性を
測定した。
MP 5136は培養開始時および培養開始3力月の細
胞ともほぼ同様な増殖曲線を示した。増殖曲線より計算
される倍加時間は27時間であった。また、106個の
細胞が24時間に分泌するIgM +よ、培養開始時に
は13μg、培養開始1力月後には14μg、2力月後
には8μg、3力月後には12μgで、3力月間の継代
培養中に抗体産生には大きな変化はなかった。
MP 5136は微工研に条寄第2271号として寄託
した。
実施例4.細胞の培養および抗体の精製−2MP 51
36の凍結保存細胞を起こし、10%FC5培養液を用
いて拡大培養し、NYSF 404無血清培地で更に拡
大培養の後、5X]、O’個/mlの細胞密度となるよ
うに50m1のNYSF 404無血清培地に懸濁した
1枚のフラスコ(底面積175d)に播種後、5%炭酸
ガス存在下、37℃で5日間静置培養した。細胞を集め
、5 X 10’個/mlの細胞密度となるように50
0m1のNYSF 404無血清培地に懸濁し、1本の
スターリング培養フラスコ(テクネ)に播種した。5%
炭酸ガス存在下、37℃で5日間、20rpmで攪拌培
養した。485m1の培養物より遠心分離(400xg
、20分間)により480m1の上清を得、ポアサイズ
0.22ミクロンのメンブランフィルタ−で濾過した。
濾液より実施例2と同様の操作により抗体を精製した。
480m1の培養上清より10.5mgのIgM(NI
O−1)溶液が得られた。
実施例5. ヒトモノクローナル抗体の緑膿菌感染に対
する防御活性試験 実施例2および実施例4で得られたヒトモノクローナル
抗体、N4−2、Nl0−1の緑膿菌感染に対する感染
防御活性について検討した。生後、8週から12週令の
マウス(Balb/c、雌)−群5匹から10匹に、マ
ウス1匹当たりヒトモノクローナル抗体を50ng、5
00ng、5μg、50μg含む溶液0.2mlを腹腔
内へ投与し、2時間後にA血清型緑膿菌の菌液を腹腔内
へチャレンジした。対照群にはヒトモノクローナル抗体
の代わりに生理食塩液のみを投与した。A血清型緑膿菌
は、ハートインフュージョン寒天平板培地に播種して、
37℃で一夜培養した。
増殖した菌体コロニーをかきとり、生理食塩液にて希釈
後、5%ムチンを加え、マウス1匹あたり50%致死量
(LD5o値)の8.7倍のチャレンジ菌量となるよう
に調製し、菌液とした。緑膿菌をチャレンジ後、7日目
の各投与群のマウスの生存率から50%有効投与量(E
Dso値)を求めた。N4−2、Nl0−1のEl)、
o値は、各々0.25μg、 0.2μgであった。各
ヒトモノクローナル抗体はそれぞれがA血清型の緑膿菌
の感染に対し高い防御活性を有していた。
実施例6.液剤の調製 実施例2で得られたN4−2と実施例4で得られたNl
0−1を1mg/ml、ヒト血清アルブミン(カルビオ
社)を0.2%(w/v)となるようにPBS(−)に
より各々調製し、ポアサイズ0.22ミクロンのメンブ
ランフィルタ−を用いて除菌濾過した。各抗体を別々に
バイアル当たり1mlずつ無菌分注し、液剤を調製した
1力月間、4℃または37℃の温度に放置した。製剤の
保存安定性はA血清型緑膿菌LPSに対する抗体価をE
LISA法により測定することによって判定した。
抗体価は、次のようにして測定した。
A血清型緑膿菌LPSを0.1Mクエン酸緩衝液(pH
4,0)に溶解(2p g/ml) シ、EIA用96
ウエルプレート(グライナー社)の各ウェルあたり0.
05m1ずつ分注した。37℃に16時間放置し、LP
Sをプレートに吸着させた。液剤希釈系列をウェル中、
室温で2時間反応させた。次に、パーオキシダーゼ結合
ヤギ抗ヒトIgM抗体(タボ社)と2時間反応後、2,
2′アジノビス(3−エチルベンズチアゾリンスルフオ
ニツクアシド)(シグマ社)を基質として発色させ、波
長414nmの吸光度を測定した。吸光度が0.1とな
る希釈倍率を最小自乗法を用いて計算し、これを抗体価
とした。
1力月間4℃または37°Cに放置したN4−2および
Nl0−1の液剤の抗体価は、対照の一80℃に保存の
液剤の抗体価と差はなく、抗体活性が保持されていた。
実施例7. 凍結乾燥製剤の調製 実施例2で得られたN4−2と実施例4で得られたNl
0−1を1mg/ml、ヒト血清アルブミン(カルビオ
社)を0.2%(w/v)となるようにPBS(−)に
より各々調製し、ポアサイズ0.22ミクロンのメンブ
ランフィルタ−を用いて除菌濾過した。各抗体を別々に
バイアル当たり1mlずつ無菌分注し、凍結乾燥して凍
結乾燥製剤を調製した。蒸留水で再溶解し、実施例6と
同様にしてA血清型緑膿菌LPSに対する抗体価を測定
したところ、N4−2およびNl0−1の凍結乾燥製剤
の再溶解液の抗体価は、対照の凍結乾燥未処理液の抗体
価と差はなく、抗体活性が保持されていた。
災1!宸九」 本発明によるヒト−ヒト・ハイブリドーマを適当な生産
用培地を用いて培養し、培養物より精製したヒトモノク
ローナル抗体の単品、又は2種以上の組み合わせ、ある
いは他のヒト抗体と組み合わせることにより、緑膿菌感
染症に対し優れた予防、治療効果が達成される。
本発明のA血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクロ
ーナル抗体を産生ずるヒト−ヒト・ハイブリドーマは、
動物細胞培養用のウシ胎児血清添加培地中で長期間安定
に継代、増殖が可能である。
さらには、培養物よりヒトモノクローナル抗体を精製す
る際に培地由来の未知の不純物の混入の恐れのない無血
清培地中でも抗体を大量に産生する能力を有しており、
緑膿菌感染症の予防、治療用製剤の組成物調製の為の原
料となるヒトモノクローナル抗体を得るのに最適である
。即ち、本発明の新規ヒト−ヒト・ハイブリドーマは高
い抗体分泌能を有し、大量に培養してヒトモノクローナ
ル抗体を製造する場合に、培養期間の短縮化と製造コス
トの低減をもたらすことが出来る。
また、本発明のヒト−ヒト・ハイブリドーマはヒトモノ
クローナル抗体の生産用の細胞株として使用できるだけ
でなく、他の宿主細胞あるいは微生物にグロブリン遺伝
子を導入、発現させる場合のヒト抗体遺伝子調製用の材
料細胞に使用することも出来る。
代理人 弁理士 戸 1)親 男

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、少なくともA血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモ
    ノクローナル抗体を産生するヒト−ヒト・ハイブリドー
    マとそれに由来する細胞株。 2、ヒト染色体のみを有し、かつ無限増殖能を有する細
    胞株とヒト抗体産生細胞とのハイブリドーマである第1
    項記載のヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由来する
    細胞株。 3、ヒト染色体のみを有し、かつ無限増殖能を有する細
    胞株がハイブリドーマの選択特性を有する細胞株である
    第2項記載のヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由来
    する細胞株。 4、ハイブリドーマの選択特性を有する細胞株が微工研
    条寄第2129号あるいはそれに由来する細胞株である
    第3項記載のヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由来
    する細胞株。 5、ヒト抗体産生細胞がEBウィルス形質転換細胞であ
    る第2項記載のヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由
    来する細胞株。 6、EBウィルス形質転換細胞が微工研条寄第1599
    号あるいはそれに由来する細胞株である第5項記載のヒ
    ト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由来する細胞株。 7、産生するヒトモノクローナル抗体が対応する血清型
    緑膿菌の感染に対して防御的である第1項から第6項記
    載のヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由来する細胞
    株。 8、微工研条寄第2270号または条寄第2271号の
    ヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由来する細胞株。 9、第1項から第8項記載のヒト−ヒト・ハイブリドー
    マの作製方法。 10、第1項から第8項記載のヒト−ヒト・ハイブリド
    ーマとそれに由来する細胞株の少なくとも1つを培養し
    、その培養物より精製することよりなるA血清型緑膿菌
    に反応性を有するヒトモノクローナル抗体の調製方法。 11、第1項から第8項記載のヒト−ヒト・ハイブリド
    ーマとそれに由来する細胞株が産生するヒトモノクロー
    ナル抗体。 12、第10項記載の調製方法により調製したヒトモノ
    クローナル抗体。 13、第10項から第12項記載のヒトモノクローナル
    抗体を少なくとも1種含有する緑膿菌感染症の予防、治
    療用の製剤。 14、第13項記載の製剤が液剤である緑膿菌感染症の
    予防、治療用の製剤。 15、第13項記載の製剤が凍結乾燥製剤である緑膿菌
    感染症の予防、治療用の製剤。 16、第13項から第15項記載の予防、治療用の製剤
    を投与することを特徴とする緑膿菌感染症の予防、治療
    方法。
JP1066326A 1986-12-15 1989-03-20 A血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤 Pending JPH02245183A (ja)

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AU52649/90A AU619672B2 (en) 1989-03-20 1990-03-19 Human monoclonal antibody reactive with pseudomonas aeruginosa, cell which produces the antibody, method of production, and pharmaceutical preparation
EP19900904674 EP0414921A4 (en) 1989-03-20 1990-03-19 Human monoclonal antibody reactive with pseudomonas aeruginosa, cell which produces the antibody, method of production, and pharmaceutical preparation
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KR1019900003688A KR900013985A (ko) 1989-03-20 1990-03-20 녹농균에 대한 반응성을 갖는 사람 모노클로널항체
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NO905006A NO905006D0 (no) 1989-03-20 1990-11-19 Humane, monoklonale antistoffer med reaktiviter overfor pseudomonas aeruginosa, celler som kan produsere antistoffene, fremgangsmaater for fremstilling derav og farmasoeytiskepreparater derav.
US08/041,244 US5521085A (en) 1986-12-15 1993-04-01 Transformed cell lines producing human monoclonal antibodies specific for Pseudomonas aeruginosa serotypes

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