JPH02245184A - B血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤 - Google Patents

B血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤

Info

Publication number
JPH02245184A
JPH02245184A JP1066327A JP6632789A JPH02245184A JP H02245184 A JPH02245184 A JP H02245184A JP 1066327 A JP1066327 A JP 1066327A JP 6632789 A JP6632789 A JP 6632789A JP H02245184 A JPH02245184 A JP H02245184A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
human
pseudomonas aeruginosa
cells
hybridoma
antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1066327A
Other languages
English (en)
Inventor
Tamotsu Fukuda
福田 保
Isao Ono
小野 魁
Shiro Shigeta
士郎 茂田
Yasuyuki Kuroiwa
保幸 黒岩
Hisayoshi Ooka
大岡 久芳
Yuko Yanai
柳井 祐子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP1066327A priority Critical patent/JPH02245184A/ja
Priority to PCT/JP1990/000367 priority patent/WO1990011350A1/ja
Priority to CA002028815A priority patent/CA2028815A1/en
Priority to EP19900904674 priority patent/EP0414921A4/en
Priority to AU52649/90A priority patent/AU619672B2/en
Priority to KR1019900003688A priority patent/KR900013985A/ko
Publication of JPH02245184A publication Critical patent/JPH02245184A/ja
Priority to FI905644A priority patent/FI905644A0/fi
Priority to NO90905006A priority patent/NO905006L/no
Priority to US08/041,244 priority patent/US5521085A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用公国 本発明は、B血清型の緑膿菌(シュードモナス・エルギ
ノーザ、Pseudomonas aeruginos
a)に対するヒトモノクローナル抗体を大量、かつ安定
に供給することを可能とするヒト−ヒト・ハイブリドー
マ細胞株と、その産生するヒトモノクローナル抗体およ
びそれを有効成分とする緑膿菌感染症の予防、治療用の
製剤に関するものである。
貨来の技術 緑膿菌感染症は、各種基礎疾患を有する患者や免疫抑制
作用を有する薬剤の投与を受けている患者に多く発生す
る日和見感染症である。現在、緑膿菌感染症は最も治療
の困難な感染症と考えられている。すなわち、緑膿菌は
これまで常用されてきた抗生物質のほとんどすべてに対
して耐性を示すばかりでなく、近年開発された抗生物質
に対しても容易に耐性が誘導される傾向が強い。そのた
め、宿主側の緑膿菌処理能力の増強をめざした予防、治
療法の研究がなされている。
近年、緑膿菌感染症の治療に健常人の血清あるいは血漿
から精製したヒト免疫グロブリンあるいはその化学的修
飾物を有効成分とするグロブリン製剤を用いることが多
い。しかし、これらの製剤に含まれる抗体のうち緑膿菌
に対し親和性を有し、かつ、治療に有効な抗体の量は一
定せず、また、その含量が少ないため、これらの製剤の
予防、治療効果を疑問視する向きも多い。そのため、低
用量で有効なヒトモノクローナル抗体の開発が急がれて
いる。
緑膿菌は外膜上に存在するリポ多糖体 (lipopolysaccharide、以下LPS
と略す)分子上の〇−多糖側鎖を認識する免疫抗体、す
なわち緑膿菌の血清型特異O抗原に対する抗体を用いて
血清型別分類がなされている。緑膿菌の血清型別分類に
関しては現在でも多くの議論があるが、日本ではA型か
らM型までの13種の血清型に分類する緑膿菌研究会分
類(Homma、 Japan J、 Exp、 Me
d、、 329−336(1976))が広く用いられ
ている。臨床現場で緑膿菌感染患者より分離される緑膿
菌の血清型の割合はほぼ一定しており、13種の血清型
のうちA、B、E、G、■型の5種の血清型の菌が占め
る率が高いことが知られている。
一方、緑膿菌に対するマウスモノクローナル抗体は、ケ
ーラーとミルスタインにより開発されたマウス−マウス
・ハイブリドーマ技術(Ki5hlerとMilste
in、 Nature、 256.495−497(1
975))を用いて作製されて以来〔例えば、Hanc
ockら、Infect。
Immun、、 37.166−171 (1982)
 )、型別診断への応用〔例えば、明治製菓、EP 1
01039]や、感染防御に有用なモノクローナル抗体
の検索のための基礎研究などに用いられてきた。
サドッフらは、緑膿菌の血清型特異LPS分子上の〇−
多糖側鎖に対するマウスモノクローナル抗体が、マウス
の感染実験において、対応する血清型の菌による致死感
染に対して高い防御活性を有することを報告した(Sa
doffら、Abstracts ofthe 198
2 Interscience Conference
 onAntimicrobial Agents a
nd Chemotherapy、 Nn253(19
82) ]。その後の報告にも、緑膿菌の血清型特異0
抗原に対するマウスあるいはヒトモノクローナル抗体の
インビボおよびインビトロの試験系での有効性が示され
ている 〔例えば、Sawadaら、J、 Infect、 D
is、、 150.570576 (1984) 、中
村警防ら、日本細菌学雑誌、39゜337 (1984
)、Pennington、 Infect、 Imm
un、、 54゜239−244 (1986)、5u
zukiら、 Microbiol、 Immunol
31、959−966 (1,987)、Zwerrn
ikら、Infect。
Immunity、 56.1873−1879 (1
988) )。また、血清型特異的ヒトモノクローナル
抗体の緑膿菌感染症の予防、治療への利用については、
本発明者らによる血清型特異LPS分子上の〇−多糖側
鎖を単独に認識する抗体が特許出願明細書〔特開昭60
−248626号〕におよび複数の〇−多糖側鎖を共通
に認識する抗体が特許出願明細書[国際公開番号υ08
8104669]にその他、幾つかの特許出願明細書〔
ジエネティック システムズ コーポレーション、EP
 163493とBE 905890、帝人株式会社、
11086103754、湧永製薬株式会社、特開昭6
1−091134号、メルク エンド カムパニー イ
ンコーホレーテッド、EP 256713)に記載され
ている。
発明が解決しようとする問題点 ヒトモノクローナル抗体の作製は、−船釣にはヒトのB
細胞にエプスタイン・バー・ウィルス(Epstein
−Barr virus、以下EBウィルスと略す)を
感染させてEBウィルス形質転換細胞とするか、B細胞
などのヒト抗体産生細胞と無限増殖能を有する親細胞株
を細胞融合してヒト−マウス・ヘテロハイブリドーマあ
るいはヒト−ヒト・ハイブリドーマとすることにより行
われる。
EBウィルス形質転換法により作製したEBウィルス形
質転換細胞は一般に抗体産生量が低く、継代安定性に劣
り、また、比較的栄養要求性が高いため、無血清培地を
用いた大量培養生産には適さない。マウスミエローマを
親細胞株に用いてヒト抗体産生細胞と融合した場合、作
製されたヒト−マウス・ヘテロハイブリドーマはヒト抗
体と共にマウスの蛋白質を合成、分泌するため、ヒトへ
投与するヒトモノクローナル抗体の生産株として用いる
には必ずしも適当でない。また、ヒト染色体のみを有し
、かつ無限増殖能を有する細胞を親細胞株に用いて、ヒ
ト抗体産生細胞と融合してヒト−ヒト・ハイブリドーマ
を作製する場合も幾っがの問題点がある。例えば、ヒト
ミエローマに由来する親細胞株とヒト抗体産生細胞の融
合効率は低い。
また、EBウィルス形質転換細胞に由来する親細胞株と
ヒト抗体産生細胞の融合効率は比較的高いが、作製され
たヒトーヒ1−・ハイブリドーマは抗原特異性が不明な
抗体を同時に産生したり、その抗体産生量が低いものが
多い。ヒトミエローマとEBウィルス形質転換細胞のハ
イブリドーマに由来する親細胞株とヒト抗体産生細胞の
融合により作製されたヒト−ヒト・ハイブリドーマは比
較的高い抗体産生量を示すが、抗原特異性を有さない抗
体を同時に産生ずる性質は解消されていない。
問題を解決するための手段 本発明者らは、B血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモ
ノクローナル抗体を産生するヒト−ヒト・ハイブリドー
マが作製出来ること、また、該ヒトヒト・ハイブリドー
マが各種培地中で安定に増殖し、比較的大量の抗体産生
を長期継続すること、更には、該ヒト−ヒト・ハイブリ
ドーマを培養し、その培養物よりB血清型緑膿菌に反応
性を有するヒトモノクローナル抗体が調製出来ることを
見いだした。
本発明者らは、これらの結果に基づき、該ヒト−ヒト・
ハイブリドーマの産生ずる抗体の緑膿菌感染に対する防
御活性を試験し、本発明を完成するに至った。
本発明でいうヒト−ヒト・ハイブリドーマとは、ヒト染
色体のみを有し、かつ無限増殖能を有する親細胞株とヒ
ト抗体産生細胞との融合により作製されるヒト染色体の
みを有するハイブリドーマをいう。
本発明でいう選択特性とは、作製したハイブリドーマを
未融合の細胞より選別することを可能とする親細胞株の
化学的あるいは物理的な特性をいう。例えば、選択特性
として8−アザグアニンあるいは6−チオグアニン、お
よびウアバイン耐性の親細胞株を使用した場合、ヒト抗
体産生F!.Bウィルス形質転換細胞とのハイブリドー
マのみがヒポキサンチン、アザセリン、およびウアバイ
ンを含む培養液中で生き残る。
上記選択特性を有する親細胞株は適宜選択される。また
、緑膿菌に反応性を有するヒト抗体産生細胞はヒトB細
胞およびその由来細胞より適宜選択される。
以下、ヒト染色体のみを有し、かつ無限増殖能と8−ア
ザグアニンおよびウアバイン耐性を有する細胞株を親細
胞株として、B血清型緑膿菌に反応性を有するヒト抗体
産生EBウィルス形質転換細胞をヒト抗体産生細胞とし
て用いてヒト−ヒト・ハイブリドーマを作製する場合を
例にあげ、本発明を説明する。
(具体的説明) 1、使用緑膿菌 本発明では便宜上、使用緑膿菌の分類を緑膿菌研究会主
催の血清型別検討委員会の決定による血清型別分類に従
うものとし、A型からM型に属する菌株を使用している
A型からM型に属する菌株は、アメリカン・タイプカル
チャーコレクション(ATCC)、財団法人発酵研究所
(IFO)および東京大学医科学研究所から入手できる
2、 ヒト−ヒト・ハイブリドーマの作製本発明による
、B血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル
抗体を産生ずるヒト−ヒト・ハイブリドーマは、ハイブ
リドーマ作製用の親細胞株MP 4109あるいはその
継代株とヒト抗体産生細胞を公知の方法〔成帯rMON
OcLONAL ANTIBODIESJ p363.
 Plenum Press刊(1980)他〕に準じ
て細胞融合して作製出来る。ヒト抗体産生細胞には、緑
膿菌に対する抗体産生がみられる健常人あるいは緑膿菌
感染症既往歴のある患者の末梢血、リンパ節、扁桃腺、
肺臓や分娩時の膳帯血などから公知の方法により得られ
るB細胞を用いることが出来るが、B細胞にEBウィル
スを感染させて形質転換を行い一定期間培養後、培養上
清中に緑膿菌に反応性を有する抗体の分泌が検出された
EBウィルス形質転換細胞コロニー、あるいはこれらE
Bウィルス形質転換細胞コロニーより単一に選別された
細胞株を用いることが好適である。
次に各工程につき詳細な説明を加える。
血液や上記組織などからのB細胞の分離および濃縮は、
フィコール・コンレイ液等の細胞分画液を用いた比重遠
心法、Eロゼツト形成法、パニング法などを組み合わせ
て効率的に行うことが出来る。さらには、B細胞をボー
クウィードマイトージェ′?(PWM)を添加した培養
液中で数日間培養し、=12− B細胞を増殖させた後に細胞融合に供することも出来る
EBウィルスによるB細胞の形質転換法は公知の方法〔
例えば、5teinitzら、Nature、 269
.、420422(1977))に準じて実施すること
が出来る。B95−8細胞(感染性のEBウィルスを産
生するマーモセット白血球由来細胞)を20%ウシ胎児
血清(以下FC3と略す)を含むRPMI 1640培
地(以下培養液と略すことがある)で培養し、遠心分離
にて得られた静止期に近い7日目の培養上清をウィルス
液とする〔小野ら、第4回日本免疫学会総会記録、39
9−401(1974) )。B細胞を遠心分離し、吸
引にて上清を除去して得られるペレットにウィルス液を
加えて分散後、37℃、5%炭酸ガス存在下で30分か
ら1時間インキュベーションする。培養後、遠心分離し
、吸引にて上清を除去した後、ペレットに細胞密、度が
I X 10’個/mlから5 X 10’個/mlと
なる様に培養液を加え、細胞を分散させる。細胞分散液
を24ウエル培養プレー1〜または96ウエル培養プレ
ートの各ウェルに分注し、37℃、5%炭酸ガス存在下
で2週間から4週間培養する。この間、3日から4日ご
とに培養液の半量を新しい培養液に交換することが望ま
しい。
緑膿菌に反応性を有する抗体の検出は、一般のラジオイ
ムノアッセイ法や、酵素抗体法(以下ELISA法と略
す)などの方法〔成帯[単クローン抗体J p144、
講談社刊(1983)等〕により行うことが出来る。本
発明ではELISA法を用いている。すなわち、あらか
じめ緑膿菌の0.3%ホルマリン処理菌体をメンブラン
フィルタ−に固定し、容器中で細胞の培養上清と一定時
間反応させた後、酵素標識したウサギ抗ヒト抗体を反応
させ、酵素反応による基質の呈色割合により目的抗体の
産生の有無および産生量を測定するドツト・イムノバイ
ンディングアッセイ法(以下DIBA法と略す) [A
nal。
Bjochem、、 119.142−147(198
2)]を簡易アッセイ法として用いている。
EBウィルス形質転換細胞の増殖コロニーが認められた
各ウェルの培養上清について上記ELISA法により、
目的抗体が存在するウェルを選別した後、このウェル中
の細胞を軟寒天法〔成帯「組織培養応用研究法J p2
89、ソフトサイエンス社刊(1985)等〕あるいは
限界希釈法〔成帯「単クローン抗体」p73、講談社刊
(1983)等〕によりクローニングを行う。さらに、
クローニングにより細胞の増殖が認められた後、再度E
LISA法によるアッセイを行う。
1回から数回のクローニングにより、目的の抗体のみを
分泌する単一細胞株を得ることが出来る。
Ml’ 4109とヒト抗体産生細胞との融合は、ポリ
エチレングリコール(以下、PEGと略す)などの−船
釣な融合試薬や、センダイウィルス (Hemagglutinating virus o
f Japan ; HVJ)などのウィルス粒子を使
用して行える。例えば、平均分子量1000から600
0程度のPEGを、RPMI 1640培地やダルベツ
コの変法イーグル培地(DMEM)中に30%から50
%(W/V)の濃度に添加したものが融合液として推奨
される。また、融合効率を高めるため、ジメチルスルホ
オキサイド(DMSO)を添加することも望ましい。ま
た、電気融合装置などを用いた物理的手法によっても行
える。
例えば、MP 4109とEBウィルスによる形質転換
後目的抗体の産生が認められたウェルの細胞や、末梢血
等から分離される抗体産生細胞を1:1から1=10程
度の比率で混合し、細胞融合用培地(50%PEGと1
0%DMSOを含むRPMI 1640培地等)を加え
て、細胞を融合させる。つぎに、融合したハイブリドー
マのみの増殖に適した培養液(以下、選択培地と略す)
に、細胞密度がtxto、’個/耐から5×106個/
mlとなる様に細胞を分散させる。細胞分散液を24ウ
エルまたは96ウエルの培養プレートに分注し、37℃
、5%炭酸ガス存在下で2週間から4週間培養する。こ
の間、3日から5日ごとに選択培地の半量を新しい選択
培地と交換することが望ましい。この際、フィーダー細
胞としてマウスの腹腔浸出細胞等を共存させるとハイブ
リドーマの増殖を早めることが出来る。ヒト抗体産生細
胞が無限増殖能を有さない細胞(B細胞)の場合、選択
培地としてヒボキサンチン、アミノプテリン、チミジン
を含む培地(以下、HAT培地と略す)あるいはヒポキ
サンチン、アザセリンを含む培地(以下、HA培地と略
す)が使用できる。また、ヒト抗体産生細胞がEBウィ
ルス形質転換細胞などの無限増殖能を有する細胞の場合
、選択培地としてHAT培地にウアバインを添加した培
地(HAT−0培地)またはHA培地にウアバインを添
加した培地(HA−0培地)が使用できる。ハイブリド
ーマの増殖コロニーが認められた各ウェルの培養上清に
ついて上記ELISA法により、目的抗体が存在するウ
ェルを選別した後、限界希釈法によりクローニングを行
う。
さらに、クローニングにより細胞の増殖が認められた後
、再度ELISA法によるアッセイを行う。1回から数
回のクローニングにより、目的の抗体のみを分泌する単
一細胞株を得ることが出来る。
本発明のヒト−ヒト・ハイブリドーマの培養は、通常の
培地を用いて行える。例えば、5 X 10’個/ml
から2 X 10’個/mlの細胞密度となるように培
養液に分散し、適当な細胞培養容器に播種した後、37
℃、5%炭酸ガス存在下で培養できる。培養液の例とし
ては、RPMI 1640やDMEM等の基礎培地に、
Fe2の適量を添加したものが好適である。また、各種
の低血清あるいは無血清培地も適宜使用できる。例えば
、NYSF 404無血清培地単独、あるいはNYSF
 404無血清培地にウシ血清アルブミンの適量を添加
したものが推奨される。継代培養は、3日から7目間隔
で細胞の回収と播種の操作を繰り返すとよい。
本発明のヒト−ヒト・ハイブリドーマの凍結保存は一般
的手法により行える。例えば、細胞を適当な細胞凍結保
存液にI X 105個/mlから5 X 107個/
m1の細胞密度となるように分散し、液体窒素あるいは
液体窒素ガス中、または、−20℃から一80℃の冷凍
庫中で凍結保存出来る。細胞凍結保存液には、上記基礎
培地や中性緩衝液等に動物血清、アルブミン、メチルセ
ルロース、ぶどう糖やジメチルスルホオキサイドなどを
適宜添加して用いることが推奨される。
凍結細胞の復元は一般的手法により行える。例えば、凍
結された細胞を含む保存液を温水中で急速に融解し、細
胞を培養液等で洗浄して保存液に含まれるDMSOを洗
い出した後に培養液に分散して培養を行うと良い。
培養上清中の免疫グロブリン量の測定は、般のELIS
A法により行うことができる。例えば、ELISA法に
よる場合は、固相に抗ヒト免疫グロブリン抗体を固定し
くこの時使用される抗体を以下、同相化抗体と略す)、
培養上清の一部を反応させる。次に、酵素標識抗ヒト免
疫グロブリン抗体を反応させ、基質を加え、酵素反応に
より生じる呈色割合より培養上清中の免疫グロブリン量
の測定が行える。ヒトIgに量の測定は、固相化抗体と
して抗ヒトIgM (ミュー鎖特異)抗体を、酵素標識
抗体とし、てパーオキシダーゼ標識抗ヒトIgM (ミ
ュー鎖特異)抗体を使用することにより行える。
3、 ヒトモノクローナル抗体の製造 本発明のヒト−ヒト・ハイブリドーマは、重鎖としては
抗体産生細胞株由来のもののみを合成、分泌し、通常の
動物細胞培養用の培地中で長期間安定に継代、増殖が可
能である。また、培養物より抗体を精製する際に培地由
来の未知の不純物の混入の恐れのない無血清培地中でも
抗体を産生ずる能力を有しており、緑膿菌感染症の予防
、治療用製剤の組成物調製の為の原料となるヒトモノク
ローナル抗体を得るのに最適である。
本発明のヒト−ヒト・ハイブリドーマを無血清培地中で
培養し、培養液より任意の一般的な方法、例えば、ゲル
ろ過払、イオン交換クロマトグラフィー法、ハイドロキ
シアパタイトなどを用いる吸着クロマトグラフィー法な
どの物理化学的精製法や、抗原あるいはヒトモノクロー
ナル抗体に親和性を有する物質(例えばプロティンAや
抗ヒト免疫グロブリン抗体等)を固定化した担体を用い
るアフィニティクロマトグラフィー法や、電気泳動法、
硫酸アンモニウム塩析などの沈澱法等を組み合わせるこ
とにより、B血清型緑膿菌に反応性を有する単一なヒト
モノクローナル抗体を比較的容易に高度に精製出来る。
4、 ヒトモノクローナル抗体製剤の製造本発明のB血
清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体は
、対応する血清型緑膿菌感染に対して高い防御活性を有
している。本発明のヒトモノクローナル抗体は、単独、
あるいは通常用いられる添加剤、賦形剤等を加えて液剤
あるいは凍結乾燥製剤として緑膿菌感染症の予防、治療
に供することが出来る。添加剤、賦形剤には一般に生物
製剤に用いられる天然物、化合物より適宜選択されるが
、抗体の安定性の保持にはアルブミン等の動物性蛋白質
や、デキストラン等の多糖類、アミノ酸、糖類の使用が
良好な結果を与える。また、本発明のヒトモノクローナ
ル抗体は緑膿菌や緑膿菌以外の微生物に反応性の他のモ
ノクローナル抗体やポリクローナル抗体と混合した製剤
の作製に用いることも出来る。
5、 ヒトモノクローナル抗体による感染症の予防、治
療 実際の緑膿菌感染症の予防、治療にあたっては本発明の
ヒトモノクローナル抗体あるいはそれを含む製剤を単独
または2種以上混合するか、あるいは緑膿菌に反応性を
有する他のモノクローナル抗体あるいはそれを含む製剤
やグロブリシ製剤と混合して用いてもよい。
本発明のB血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクロ
ーナル抗体あるいはそれを含む製剤は、緑膿菌感染症の
予防、治療のために直接ヒトに投与可能である。用量、
投与経路は適宜選択されるが、用量は体重(kg)あた
り0.01ないし10mgが好ましく、投与経路は皮内
、皮下、筋肉内、静脈内投与等を適宜選択出来る。
従って、本発明により、緑膿菌感染症の予防、治療、診
断などの広い分野に使用出来るヒトモノクローナル抗体
の工業的生産用の細胞株を提供することが可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、ハイブリドーマ作製用の親細胞株MP 4109は
微工研に昭和63年10月27日から寄託番号微工研条
寄第2129号として寄託されている。緑膿菌研究会分
類標準血清型緑膿菌として、B血清型緑膿菌にはATC
C27578(IID 1002)、ATCC2758
3(IDD 1007)、ATCC27589(IDD
 1013)、IDD 5004を用いた。
実施例1.抗緑膿菌抗体産生ハイブリドーマの作製 (1) EBウィルス液の調製 EBウィルスを産生放出しているB95−8細胞を、3
 X 10’個/mlの密度となるように20%FC5
を含むRPMI 1640培地(以下、20%FC3培
養液と略すことがある)に浮遊させ、5%炭酸ガス存在
下、37℃で静置培養した。静止期に近い7日目の培養
上清を遠心分離(800Xg、10分間)により集め、
ポアサイズ0.45ミクロンのメンブランフィルタ−(
ミリボア)でろ過し、EBウィルス液とした。
(2)ヒトリンパ球の調製 B血清型緑膿菌に対する血清抗体活性が、DIBA法に
より1000倍希釈まで陽性反応が認められた健常人か
らヘパリン加末梢血50m1を採血した。これに等量の
RPMI 1640培地を加えて2倍に希釈後、半量の
フィコール・パック(ファルマシア)上に界面が乱れな
い様に重層し、室温で遠心分離(400Xg、30分間
)した。遠心分離後、界面層をパスツールピペットを用
いて取り出し、等量の20%FC5培養液を加えて、室
温で遠心分離(250x g、10分間)した。沈澱し
た細胞を、20%FC3培養液に懸濁後、さらに1回、
遠心分離の操作を繰り返し、ヒトリンパ球のペレット(
細胞数;3.5 X 10’個)を得た。
(3) EBウィルスによる形質転換 ヒト抗体産生細胞3.5 X 107個に対して(1)
で調製したウィルス液35m1を加えて、37℃で1時
間インキュベーションした。インキュベーション後、遠
心分離(250X g、10分間)により細胞を集めた
細胞を20%FC5培養液に分散し、5 X 10’個
/mlの密度に調整後、0.1mlずつ、96ウエル平
底培養プレートに播種(合計672ウエル)した。細胞
は5%炭酸ガス存在下、37℃で静置培養した。4日後
に0.1mlの20%FC3培養液を加え、その後、3
日から5日ごとに半量の培養液を新しい培養液で交換し
た。3週間後に、すべてのウェルに細胞増殖が認められ
た。
(4)抗緑膿菌抗体の検出 培養上清中の抗B血清型緑膿菌ヒト抗体の有無はDIB
A法で調べた。各ウェルの培養上清0.1mlを、1ド
ツト当たり0.4μgのB血清型緑膿菌ATCC275
78のホルマリン処理乾燥菌体を固定したグリッド入り
ニトロセルロース・メンブレンフィルター(3,1mm
角)と、96ウエルU底マイクロプレート中で反応させ
た。室温で2時間反応させ、ついでパーオキシダーゼ標
識ウサギ抗ヒト・イムノグロブリン抗体(ダコ社)と2
時間反応後、4−クロロ−1−ナフトールを基質として
発色させ、抗原を固定したニトロセルロース・メンブレ
ンフィルター上に肉眼観察で発色が認められたものを抗
体産生が陽性と判定した。
(5)クローニング 抗体検出法によりB血清型緑膿菌との反応性が認められ
た64ウエルの細胞を、24ウエル培養プレート、6ウ
エル培養プレート、6cmシャーレへと順次拡大培養し
た。細胞増殖の認められた6cmシャーレについて(4
)と同様にして培養上清中の抗B血清型緑膿菌ヒト抗体
の有無をDIBA法で測定した。抗体産生が陽性と判定
された52枚のうち活性の強い16枚の60nlシヤー
レ中の細胞は軟寒天法によりクローニング操作を行った
。先ず、血球計算盤を用いて正確に細胞数を測定した後
、l X 10’個/mlの密度の細胞浮遊液とし、こ
の細胞浮遊液0.1mlを0.3%アガロース(ジ−プ
ラークアガロース、エフ・エム・シー社)を含む培養液
30m1に加え混合した。つぎに、あらかじめ0.5%
アガロースを含む培養液4mlを分注して固めた6c、
mシャーレに、細胞および0.3%アガロースを含む培
養液3mlを分注して固めた(各細胞あたり10枚)。
細胞を分注した6cmシャーレは5%炭酸ガス存在下、
37℃で静置培養した。3週間から5週間後、軟寒天中
に細胞が増殖しコロニーが肉眼的に認められるようにな
ったら、各コロニーをパスツールピペットを用いて、あ
らかじめウェル当たり0.1mlの20%FC3培養液
を分注した96ウエル平底培養プレートの各ウェルに移
し培養した。2日後に20%FC5培養液0 、1ml
を加え、さらに2日後、細胞増殖の認められたウェルに
ついて培養上清中の抗緑膿菌モツクローナル抗体の有無
をDIBA法で測定した。2枚の6cmシャーレに由来
する軟寒天コロニーに抗体産生が認められた。これらの
コロニーを順次拡大培養し、抗B血清型緑膿菌ヒトIg
Mを産生するEBウィルス形質転換細胞コロニー6L1
ON1.6L1ON2.6L1ON3.6L1ON4を
得た。
(6)細胞融合 抗B血清型録膿菌ヒトIgM産生EBウィルス形質転換
細胞コロニー6L1ON2とMP 4109を10%F
C5を含むRPMI 1640培地(以下、10%FC
3培養液と略すことがある)中で増殖させ、各々集めて
RPMI 1640培地で洗浄した。各々3 X 10
’個の細胞を50m1容量のプラスチック製遠心管中で
混合した。遠心分離(175X g、10分間)後、上
清を吸引除去し、細胞ペレットに直接、0.5mlの5
0%PEG(M、W、1500、和光純薬)および10
%DMSOを含むRPMI 1640培地を静かに加え
ゆっくり回転させ、細胞を融合させた。
2分後、10m1のRPMI 1640培地を加え静か
に撹拌後、遠心分離(175x g、10分間)した。
上清を吸引除去し、細胞ペレッ1〜に20%FC3,2
X 10−’Mヒポキサンチン(シグマ)、1μg/m
lアザセリン(シグマ)、5 X 10−GM ウアバ
イン(シグマ)を含むRPM11640培地(以下、H
A−0培地と略すことがある)を加えて、I X 10
’個/mlの密度となるように懸濁後、96ウエル平底
培養プレートのウェル当たり0.1耐ずつを播種(合計
192ウエル)した。細胞は5%炭酸ガス存在下、37
℃で静置培養した。4日後に0.1mlのHA−0培地
を加え、その後、3日から5日毎に半量のHA−0培地
を新しいHA−0培地と交換した。
4週間から5週間後に、合計26ウエルに細胞増殖が認
められた。
(7)クローニング 細胞増殖が認められた26ウエルの培養上清のうち20
ウエルの培養上清中に抗B血清型緑膿菌抗体産生が認め
られた。20ウエルの細胞をそれぞれ個別に集め、血球
計算盤を用いて正確に細胞数を計測した。細胞をHA−
0培地に分散し、20個/mlの細胞密度の細胞浮遊液
とした。あらかじめ、ウェル当たり] X 10”個の
マウス肺臓細胞を播種した96ウエル平底培養プレート
(以下、フィーダープレ−トと称する)の各ウェルの上
清を除去後、細胞浮遊液を各ウェル当たり0.1耐ずつ
播種し、5%炭酸ガス存在下、37℃で静置培養した。
各細胞光たり1枚のフィーダープレー1−を使用した。
4日後に0.1耐のHA−0培地を加え、その後、3日
から5日毎に半量のHA−0培地を新しいHA−0培地
と交換した。2週間から4週間後、増殖の認められたウ
ェルについ・て培養上清中の抗B血清型緑膿菌ヒト抗体
の有無をDIBA法で調べた。B血清型緑膿菌と反応す
る抗体産生が陽性と判定されたウェルの細胞を上記のご
とく再度クローニングした。2回のクローニングにより
B血清型緑膿菌(ATCC27578、ATCC275
83、ATCC27589、II[) 5004)に反
応するヒトモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マHP 5090からMP 5098およびMP 51
47の10株が得られた。
96ウエル平底培養プレート中で十分に増殖したハイブ
リドーマを除々に拡大培養した。細胞を75%FC3,
10%DMSO115%RPMI 1640培地よりな
る細胞保存液にI X 10’個/耐密度となるように
懸濁後、2mlの凍結チューブに分注した。−20℃ま
で1分間当たり1℃の速度で冷却後、液体窒素中で凍結
保存した。 (8)抗体産生量の測定ハイブリドーマが
細胞外へ分泌するIgM量の測定は以下の様に行った。
対数増殖期の細胞を集め、10%FC3培養液にlXl
0’個/ml密度となるように懸濁し、6ウエル培養プ
レートの各ウェルに1mlずつ播種し、5%炭酸ガス存
在下、37℃で静置培養した。24時間後、遠心分離(
250X g、10分間)により培養上清を分離し、上
清中のヒトIgM量をELISA法にて定量した。ハイ
ブリドーマは、10G個の細胞が24時間に8μgから
38μgのヒトIgMを培養上清中に分泌した。
(9)細胞株の継代安定性の測定 細胞株の継代安定性を細胞増殖性能と抗体産生能より調
べた。
増殖の安定性は培養開始時と継代培養開始3力月後の細
胞について増殖曲線を測定することにより調べた。抗体
産生の安定性は培養開始時、培養開始1力月、2力月、
3力月の細胞のIgに抗体産 9q− 少量を(8)と同様にしてELISA法にて測定するこ
とにより調へた。
継代培養は、以下のように行った。抗体産生量の多いM
P 5093、MP 5095、MP 5097につい
て2系列独立して、10%FC5培養液に5X104個
/ml密度となるように懸濁後、底面積25fflのフ
ラスコに4m1ずつ播種し、5%炭酸ガス存在下、37
℃で静置培養した。3日から4日毎に細胞を集め、新鮮
な10%FC3培養液に同密度となるように再度懸濁後
、静置培養する操作を3力月間連続的に行った。
増殖曲線の測定は、以下のように行った。肝5093、
MP 5095、MP 5097について2系列独立し
て培養した対数増殖期の細胞を集め、lO%FC3培養
液に5X104個/ml密度となるように懸濁後、6ウ
エル培養プレートの各ウェルに1mlずつ計6ウエルに
播種し、5%炭酸ガス存在下、37℃で静置培養した。
1日毎に、1ウエル中の培養物を集め、生細胞および死
細胞密度を計測し、更に、培養上清についてはIgM量
をELISA法にて測定した。
各細胞株は培養開始時および培養開始3力月の細胞とも
ほぼ同様な増殖曲線を示した。増殖曲線より計算される
MP 5093、MP 5095、MP 5097の倍
加時間は各々25.5.25.25.5時間であった。
10’個の細胞が24時間に分泌するIg旧よ、MP 
5093、肝5095では、3力月の継代培養中に低下
した。しかし、MP 5097では10’個の細胞が2
4時間に分泌する1、gMLよ、培養開始時には20μ
g、2力月後には22μ&、3力月後には15μgで、
3力月間の継代培養中に抗体産生には大きな変化はなか
った。
MP 5097は微工研に条寄第2268号として寄託
した。
実施例2.細胞の培養および抗体の精製MP 5097
の凍結保存細胞を復元し、10%FC3培養液を用いて
拡大培養し、N’/SF 404無血清培地〔矢部則次
、組織培養、11.458(1985) )で更に拡大
培養の後、細胞を集め、5 X 104個/mlの密度
となるように500m1の1jYsF 404無血清培
地に懸濁し、10枚のフラスコ(底面積175a?)に
播種した。
5日間、5%炭酸ガス存在下、37℃で静置培養した。
培養物より遠心分離(400%g、20分間)によす’
180m1の上清を得、ポアサイズ0.22ミクロンの
メンブランフィルタ−で濾過した。
濾液に480m1の飽和硫酸アンモニウム溶液を加え、
4℃に放置した。翌日、これを遠心分離しく]0.OO
OXg、30分間)、沈殿を集めた。5mlのPBS(
=)で沈殿を溶解し、PBS(−)に対して十分に透析
を行い、粗IgM画分を得た。
精製には、高速液体クロマトグラフィー用のハイドロキ
シアパタイト充填カラムを用い、 1 ml/分の流速
で分画した。0CA−カラム(ガードカラム;4mmX
10wl、本体カラム;7.61wX 100mm、三
井東圧化学株式会社)を、あらかじめ0.15M塩化ナ
トリウムを含む0.01阿リン酸ナトリウム緩衝液(p
H7,0)(以下、A液と略す)で十分に洗浄し、2耐
の粗IgM画分を添加した。A液で10分間、更に75
容のA液に対して25容の割合(25%)で0.25M
 リン酸ナトリウム緩衝液(pH7,5) (以下、B
液と略す)を加えた溶液でカラムを15分間洗浄した。
その後、B液の割合が25%から100%までの直線濃
度勾配溶出を20分間で行った。単一ピークとして溶出
したIgM画分をPBS(−)に対して十分に透析した
。480m1の培養上清より12.1mgのIgM (
N3−8)溶液が得られた。
実施例3. ヒトモノクローナル抗体の緑膿菌感染に対
する防御活性試験 実施例2で得られたヒトモノクローナル抗体、N3−8
の緑膿菌感染に対する感染防御活性について検討した。
生後、8週から12週令のマウス(Balb/C1雌)
−群5匹から10匹に、マウス1回当たりヒトモノクロ
ナール抗体を50ng、500ng、5μg、50μg
含む溶液0.2mlを腹腔内へ投与し、2時間後にB血
清型緑膿菌(F−1860)の菌液を腹腔内へチャレン
ジした。対照群にはヒトモノクローナル抗体の代わりに
生理食塩液のみを投与した。B血清型緑膿菌は、ハート
インフュージョン寒天平板培地に播種して、37℃で一
夜培養した。増殖した菌体コロニーをかきとり、生理食
塩液にて希釈後、5%ムチンを加え、マウス1匹あたり
50%敷死量(LD5o値)の20倍のチャレンジ菌量
となるように調製し、菌液とした。緑膿菌をチャレンジ
後、7日M 目の各投与群のマウスの生存率から50%有効投与量(
EDso値)を求めた。N3−8のED、 o値は、0
.74μgであった。本ヒトモノクロ−ナル5抗体はB
血清型の緑膿菌の感染に対し高い防御活性を有していた
実施例4.液剤の調製 実施例2で得られたN3−8を1 mg/ml、ヒト血
清アルブミン(カルビオ社)を0.2%(w/v)とな
るようにPBS(−)により調製し、ポアサイズ0.2
2ミクロンのメンブランフィルタ−を用いて除菌濾過し
た。
抗体をバイアル当たり1mlずつ無菌分注し、液剤を調
製した。1力月間、4℃または37℃の温度に放置した
。製剤の保存安定性はB血清型緑膿菌LPSに対する抗
体価をELISA法により測定することによって判定し
た。
抗体価は、次のようにして測定した。
B血清型緑膿菌(ATCC27578)LPSをO,1
Mクエン酸緩衝液(pH4,0)に溶解(2μg/ml
) L、EIA用96ウエルプレート(グライナー社)
の各ウェルあたり0.05m1ずつ分注した。、37℃
に16時間放置し、LPSをプレートに吸着させた。液
剤希釈系列をウェル中、室温で2時間反応させた。次に
、パーオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIgM抗体(タボ社
)と2時間反応後、2,2″−アジノビス(3−エチル
ベンズチアゾリンスルフオニツクアシド)(シグマ社)
を基質として発色させ、波長414nmの吸光度を測定
した。吸光度が0.1となる希釈倍率を最小自乗法を用
いて計算し、これを抗体価とした。
1力月間4℃または37℃に放置したN3−8の抗体価
は、対照の一80℃に保存の液剤の抗体価と差はなく、
抗体活性が保持されていた。
実施例5.凍結乾燥製剤の調製 実施例2で得られたN3−8を1 mg/ml、ヒト血
清アルブミン(カルビオ社)を0.2%(w/v)とな
るようにPBS(−)により調製し、ポアサイズ0.2
2ミクロンのメンブランフィルタ−を用いて除菌濾過し
た。
抗体をバイアル当たり1mlずつ無菌分注し、凍結乾燥
して凍結乾燥製剤を調製した。蒸留水で再溶解し、実施
例4と同様にしてB血清型緑膿菌(ATCC2757g
) LPSに対する抗体価を測定したところ、N3−8
の凍結乾燥製剤の再溶解液の抗体価は、対照の凍結乾燥
無処理液の抗体価と差はなく、抗体活性が保持されてい
た。
見旦例例果 本発明によるヒト−ヒト・ハイブリドーマを適当な生産
用培地を用いて培養し、培養物より精製したヒトモノク
ローナル抗体の単品、又は2種以上の組み合わせ、ある
いは他のヒト抗体と組み合わせることにより、緑膿菌感
染症に対し優れた予防、治療効果が達成される。
本発明のB血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクロ
ーナル抗体を産生ずるヒト−ヒト・ハイブリドーマは、
動物細胞培養用のウシ胎児血清添加培地中で長期間安定
に継代、増殖が可能である。
さらには、培養物よりヒトモノクローナル抗体を精製す
る際に培地由来の未知の不純物の混入の恐れのない無血
清培地中でも抗体を大量に産生ずる能力を有しており、
緑膿菌感染症の予防、治療用製剤の組成物調製の為の原
料となるヒトモノクローナル抗体を得るのに最適である
。即ち、本発明の新規ヒト−ヒト・ハイブリドーマは高
い抗体分泌能を有し、大量に培養してヒトモノクローナ
ル抗体を製造する場合に、培養期間の短縮化と製造コス
トの低減をもたらすことが出来る。
また、本発明のヒト−ヒト・ハイブリドーマはヒトモノ
クローナル抗体の生産用の細胞株として使用できるだけ
でなく、他の宿主細胞あるいは微生物にグロブリン遺伝
子を導入、発現させる場合のヒト抗体遺伝子調製用の材
料細胞に使用することも出来る。
代理人 弁理士 戸 1)親 男

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、少なくともB血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモ
    ノクローナル抗体を産生するヒト−ヒト・ハイブリドー
    マとそれに由来する細胞株。 2、ヒト染色体のみを有し、かつ無限増殖能を有する細
    胞株とヒト抗体産生細胞とのハイブリドーマである第1
    項記載のヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由来する
    細胞株。 3、ヒト染色体のみを有し、かつ無限増殖能を有する細
    胞株がハイブリドーマの選択特性を有する細胞株である
    第2項記載のヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由来
    する細胞株。 4、ハイブリドーマの選択特性を有する細胞株が微工研
    条寄第2129号あるいはそれに由来する細胞株である
    第3項記載のヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由来
    する細胞株。 5、ヒト抗体産生細胞がEBウィルス形質転換細胞であ
    る第2項記載のヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由
    来する細胞株。 6、産生するヒトモノクローナル抗体が対応する血清型
    緑膿菌の感染に対して防御的である第1項から第5項記
    載のヒト−ヒト・ハイブリドーマとそれに由来する細胞
    株。 7、微工研条寄第2268号のヒト−ヒト・ハイブリド
    ーマとそれに由来する細胞株。 8、第1項から第7項記載のヒト−ヒト・ハイブリドー
    マの作製方法。 9、第1項から第7項記載のヒト−ヒト・ハイブリドー
    マとそれに由来する細胞株の少なくとも1つを培養し、
    その培養物より精製することよりなるB血清型緑膿菌に
    反応性を有するヒトモノクローナル抗体の調製方法。 10、第1項から第7項記載のヒト−ヒト・ハイブリド
    ーマとそれに由来する細胞株が産生するヒトモノクロー
    ナル抗体。 11、第9項記載の調製方法により調製したヒトモノク
    ローナル抗体。 12、第9項から第11項記載のヒトモノクローナル抗
    体を少なくとも1種含有する緑膿菌感染症の予防、治療
    用の製剤。 13、第12項記載の製剤が液剤である緑膿菌感染症の
    予防、治療用の製剤。 14、第12項記載の製剤が凍結乾燥製剤である緑膿菌
    感染症の予防、治療用の製剤。 15、第12項から第14項記載の予防、治療用の製剤
    を投与することを含んでなる緑膿菌感染症の予防、治療
    方法。
JP1066327A 1986-12-15 1989-03-20 B血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤 Pending JPH02245184A (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1066327A JPH02245184A (ja) 1989-03-20 1989-03-20 B血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤
PCT/JP1990/000367 WO1990011350A1 (fr) 1989-03-20 1990-03-19 Anticorps monoclonal humain reagissant avec le pseudomonas aeruginosa, cellule produisant cet anticorps, procede de production et preparation pharmaceutique
CA002028815A CA2028815A1 (en) 1989-03-20 1990-03-19 Human monoclonal antibodies having reactivity with pseudomonas aeruginosa, cells capable of producing the same, methods for production thereof and pharmaceutical preparations thereof
EP19900904674 EP0414921A4 (en) 1989-03-20 1990-03-19 Human monoclonal antibody reactive with pseudomonas aeruginosa, cell which produces the antibody, method of production, and pharmaceutical preparation
AU52649/90A AU619672B2 (en) 1989-03-20 1990-03-19 Human monoclonal antibody reactive with pseudomonas aeruginosa, cell which produces the antibody, method of production, and pharmaceutical preparation
KR1019900003688A KR900013985A (ko) 1989-03-20 1990-03-20 녹농균에 대한 반응성을 갖는 사람 모노클로널항체
FI905644A FI905644A0 (fi) 1989-03-20 1990-11-14 Med pseudomonas aeruginosa reaktiva maenniskans monoklonala motkroppar, celler som kan producera dessa, foerfaranden foer framstaellning av dessa och farmaceutiska preparat innehaollande dessa.
NO90905006A NO905006L (no) 1989-03-20 1990-11-19 Humane, monoklonale antistoffer med reaktiviter overfor pseudomonas aeruginosa, celler som kan produsere antistoffene, fremgangsmaater for fremstilling derav og farmasoeytiskepreparater derav.
US08/041,244 US5521085A (en) 1986-12-15 1993-04-01 Transformed cell lines producing human monoclonal antibodies specific for Pseudomonas aeruginosa serotypes

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1066327A JPH02245184A (ja) 1989-03-20 1989-03-20 B血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH02245184A true JPH02245184A (ja) 1990-09-28

Family

ID=13312636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1066327A Pending JPH02245184A (ja) 1986-12-15 1989-03-20 B血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02245184A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5196337A (en) Human monoclonal antibody, and its production and use
AU585200B2 (en) Monoclonal antibodies reactive with endotoxin core
JPS60251881A (ja) ヒト−リンフオブラストイド細胞系及びこれから誘導されたハイブリド−マ
EP0174204B1 (en) Gram-negative bacterial endotoxin blocking monoclonal antibodies and cells producing the same and formulations containing the same, and the production of all thereof
EP0341684B1 (en) Human monoclonal antibody, hybridoma producing the same and pharmaceutical
JPH0798000B2 (ja) ガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリン
JPS59137497A (ja) 抗原特異的免疫グロブリン生産性ヒト/ヒトハイブリド−マ及びその生産する抗体
KR880001567B1 (ko) 경부암을 위한 인체-인체융합세포
KR910004868B1 (ko) 인체 단일 클론항체 및 그것을 활성성분으로 함유하는 감염증의 예방 및 치료용 약학적 제제
JP2565303B2 (ja) 緑膿菌感染症の予防治療剤
JPH02245184A (ja) B血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤
WO1990003186A1 (en) Gram-negative bacterial endotoxin blocking monoclonal antibodies
GB2138445A (en) Monoclonal antibody to aspergillus fungi
RU2699193C1 (ru) Штамм гибридных культивируемых клеток H.sapiens/Mus musculus 8D4E9-Ba-LF-продуцент человеческих моноклональных антител против летального фактора возбудителя сибирской язвы
US5521085A (en) Transformed cell lines producing human monoclonal antibodies specific for Pseudomonas aeruginosa serotypes
JPH02245186A (ja) G血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤
JPH02245185A (ja) E血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤
JPH02245183A (ja) A血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造法及び製剤
JPH02295482A (ja) I血清型緑膿菌に反応性を有するヒトモノクローナル抗体、その産生細胞、製造方法及び製剤
EP0414921A1 (en) Human monoclonal antibody reactive with pseudomonas aeruginosa, cell which produces the antibody, method of production, and pharmaceutical preparation
Takasaki et al. Variants deficient in phagocytosis of latex beads isolated from the murine macrophagelike cell line J774.
JP2587770B2 (ja) 形質転換細胞
KR920001381B1 (ko) 칸디다에 대한 사람 단일클론성 항체
JPH03127994A (ja) ヒト型抗ジフテリア毒素モノクローナル抗体およびそれを分泌するハイブリドーマ
JPH02429A (ja) ヒトbリンパ芽球様細胞株、抗体産生ハイブリドーマ、抗体および抗体の製造法