JPH02242262A - 電子写真感光体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子写真感光体に関し、詳しくは繰り返し
使用におけるクリーニング性および耐久性が改善された
有機系電子写真感光体に関する。

〔従来の技術〕

有機光導電性物質を用いた感光層を備えた有機系の電子
写真感光体（以下、単に感光体とも称する）　は、無機
系の感光体に比べて形状の多様性。

安全性（無公害）、高生産性など利点があるが、感度、
化学的安定性１機械的強度の点で問題がある。近年、電
荷の発生と輸送の機能を分けて、それぞれ別の物質に分
担させ、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送物質
を含む電荷輸送層に機能分離した各層を積層して感光層
とする感光体の開発が進み、電荷発生効率の高い物質と
電荷輸送効率の高い物質との組み合わせによる感度の向
上を図り、また、各層別に耐久性の高い材料を選択して
使用することが可能となり、感度が高くて耐久性も改善
された有機系感光体が得られるようになってきた。なか
でも、電荷輸送層を上層とする有機系感光体は、電荷輸
送層の膜厚が厚く、表面が若干化学的に変質して劣化し
たり機械的に磨耗しても感光体特性への影響が比較的少
ないので実用化が進み、数多く使用されるようになって
きた。

現在実用化されている感光体に用いられている電荷輸送
物質は大部分正孔移動度の大きい電子供与性化合物であ
り、従って、感光体の帯電極性は負帯電である。

このような感光体は、一般に、導電性基体上に必要に応
じてブロッキング層を介して電荷発生物質を蒸着したり
あるいは電荷発生物質と結着剤としての有機高分子材料
とを溶剤に混合した塗布液を塗布して電荷発生層を形成
し、その上に有機電荷輸送物質と結着剤としての有機高
分子材料とを溶剤に混合した塗布液を塗布して電荷輸送
層を形成する方法で製造される。

〔発明が解決しようとする課題〕

感光体表面は、実用に際して、コロナ放電、光に繰り返
しさらされ、また、現像剤やトナー、紙。

クリーニングブレードなどに繰り返し接触されて、化学
的１機械的ストレスを受ける。このようなストレスを受
けて、感光体表面が変質して劣化したり、磨耗したり、
傷が生じたりすると、電子写真特性１画像品質が悪化す
るので、このようなストレスに対する感光体表面の安定
性５耐久性を高めることが強く要求されている。ところ
が、前述の有機系感光体は有機高分子、有機光導電物質
が感光体表面に露呈しており、化学的０機械的ストレス
に対しては無機系感光体に比べて弱く、安定性。

耐久性に劣るという欠点を有する。また、これらの性能
は感光体の最表面となる電荷輸送層を形成する材料だけ
でなく表面形状にも左右され、タレ。

ユズ肌、ヘコミなどの表面欠陥のない平滑な表面である
ことが要求される。

この発明は、上述の点に鑑みてなされたものであって、
化学的に安定で、機械的ストレスにも強く、繰り返し使
用におけるクリーニング性および耐久性が改善された有
機系感光体を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的は、この発明によれば、電荷発生層上に有機
電荷輸送物質を含む有機高分子材料からなる電荷輸送層
を備えた感光体において、前記電荷輸送層が５００重量
％以上１００００重量％以下のシリコーンオイルを含有
している感光体とすることによって達成される。

〔作用〕

シリコーンオイルはけい素を含むもので、基本骨格はジ
メチルポリシロキサンであり、耐候性。

耐薬品性、耐磨耗性などに優れ、はっ水性を有し、低摩
擦ですべり性が良いなどの特徴を有するが、また、絶縁
性が高いという特徴も有する。従って電荷輸送層にシリ
コーンオイルを含有させると高絶縁性のために電荷輸送
の機能が阻害されるおそれが考えられた。ところが、塗
布液にシリコーンオイルを添加して塗膜を形成した場合
、シリコーンオイルは膜表面に移行しやすく、シリコー
ンオイルは膜内に均一に分布するのではなく、第３ｒ！
Ａに示すようにその濃度は膜表面で濃く内部へ向かって
急激に減少していることが判った。従って、シリコーン
オイルを含有した電荷輸送層はその本来の機能を阻害さ
れることなく、表面にシリコーンオイルの特徴が付与さ
れることになり、化学的安定性、耐久性の改善された感
光体が得られる。

しかし、シリコーンオイルの含有量が多くなるとその高
絶縁性のために感光体の帯電性能は良くなるが、残留電
位が増大してくる傾向が生じる。

また、表面のすべり性は第４図に示すようにシリコーン
オイル含有量が増すにつれて良くなるが、すべり性が良
すぎるとトナーの付着性、解像度が悪くなり、逆にすべ
り性が悪いと磨耗が大きくなる。傷が発生するなどの問
題が生じる。シリコーンオイルの特徴を生かし、かつ、
特性の優れた感光体を得るためにはシリコーンオイルの
含有量は５００　ｍ　ｆｆｉｐｐｍ以上１００００ρｐ
Ｉ１１の範囲内にあると好適である。

さらに、塗布液にシリコーンオイルを含有させるとその
表面張力を下げることができ、また、塗布されてから乾
燥するまでの間の塗布膜内の対流を抑制することができ
るので、塗膜表面のヘコミ。

ユズ肌などの表面欠陥の発生を抑える効果も得られ、電
荷輸送層の表面欠陥を低減できる利点も得られる。

〔実施例〕

第１図および第２図はこの発明による感光体のそれぞれ
異なる実施例の模式的断面図で、第１図は導電性基体１
上に電荷発生層２．電荷輸送層３を順次積層した構成の
ものであり、第２図は導電性基体ｌ上にブロッキング層
４を形成し、その上に電荷発生層２．電荷輸送層３を順
次積層した構成のものである。

実施例１ 無金属フタロシアニン１重量部、ポリエステル樹脂（商
品名バイロン２００：東洋紡製）　１重ｆ１１部。

ジクロロメタン５重量部をＳＵＳビーズを用いたペイン
トシェーカーで３時間分散したのち、さらに超音波ホモ
ジナイザで３時間分散した塗布液を、所要の機械加工、
トリクレン脱脂を施した外径６０ｉｎ、　　長さ２４７
ｍｍのへｒ円筒基体上にディッピング法により引き上げ
速度７關／秒で塗布し、８０℃で３０分間加熱乾燥して
膜厚１μｍの電荷１発生層を形成した。

次に、下記構造式 前記電荷発生層上にディッピング法で浸漬塗布し、８０
℃で２時間乾燥して、膜厚２０μｍの電荷輸送層を形成
して第１図に示した構成の感光体を作製した。

このようにして作製した感光体を、波長６６０ｎｍのＬ
ＥＤを露光源とする光プリンタを用いて評価した。評価
は、初期、繰り返し印字１０００回、　５０００回にお
ける暗部電位ｖＱ、光ｍ２μＪ　／　ｃｄで露光した部
分の明部電位ｖＬ　および印字画像品質について行った
。その結果を第１表に示す。

第　　１　　表 のヒドラゾン化合物１０　ｍｆｆ１部、ポリカーボネー
ト樹脂（商品名パンライ）　Ｌ　−１２２５：音大製Ｎ
０ｍｍ部をジクロロメタン６５重量部に溶解し、さらに
シリコーンオイル（Ｋ　Ｐ３４０：信越化学工業製）を
１滴（１０００ｍｆｆｉｐｐｍ相当）加えて溶解した塗
布液を第１表に見られるとおり、特性変動はほとんどな
く、画像品質も傷などの発生もなく良好に維持された。

印字５０００回後の感光体について、温度３５℃、相対
湿度８５％の雰囲気中で印字を行ったが、良好な品質の
画像が得られた。

実施例２ 実施例１における電荷輸送層塗布液へのシリコーンオイ
ル含有量を０．５００．２０００．８０００．３０００
０重Ｎｐρｍと変化させ、その他は実施例１と同様にし
て各感光体を作製した。これらの感光体について、実施
例１に準じて、初期右よび印字５０００回後のＶ、、　
ＶＬ、画像品質を調べた。その結果を第２表に示す。

第２表 第２表より、シリコーンオイルの含有量は５００重ｌｐ
ｐｍ以上＋００００重ｆｆｉｐｐｍの範囲内が好適であ
ることが判る。

また、これらの感光体の電荷輸送層中のシリコーンオイ
ルの濃度分布を調べたところ、第３図に示すように表面
の濃度が非常に濃＜、内部に向かって急激に薄くなって
いる結果が得られた。さらに、電荷輸送層表面のすべり
性を調べたところ、第４図に示すようにシリコーンオイ
ルの含有量が多くなるにつれてすべり性が良くなる結果
が得られた。

実施例３ 実施例２で用いたシリコーンオイルＫＰ３４０（７）か
わりに、同じく信越化学工業■製のシリコーンオイルＫ
Ｐ３４１．　ＫＰ３０６などを用いても実施例２と同様
の効果が得られた。

以上の実施例では、電荷発生層は有機系電荷発生物質を
有機系高分子材料に含ませた塗布膜であるが、これに限
られるものではなく、有機系電荷発生物質を例えば蒸着
などで成膜したものでもよく、また、無機系電荷発生物
質を用いた電荷発生層でもよい。さらに、第２図に示し
たように導電性基体と電荷発生層との間にブロッキング
層を設けた構成の感光体の場合にもこの発明は有効であ
る。

なお、シリコーンオイルを有機高分子材料の塗布膜に含
有させたときに、シリコーンオイルが膜内に均一に分布
せず、膜表面の濃度が濃く内部に向かって減少する濃度
勾配を有する現象は、以上の実施例の電荷輸送層の場合
だけでなく、有機高分子材料の塗布膜において常に現れ
ることが判った。従って、機能性を有する有機高分子材
料からなる塗布膜において、その本来の機能性を損なう
ことな（、耐候性、耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性。

すべり性、絶縁性などを改善したいときには、有機高分
子材料に適量のシリコーンオイルを含有させることは有
効な方法である。

〔発明の効果〕

この発明によれば、電荷発生層上に有機電荷輸送物質を
含む有機高分子材料からなる電荷輸送層を備えた感光体
において、前記電荷輸送層に５００重量ρ卯以上１００
００重量ｐｐｍ以下のシリコーンオイルを含有させる。

このように適当量のシリコーンオイルを含有させること
により、電荷輸送層本来の機能を損なうことなく、化学
的に安定で機械的ストレスにも強く、繰り返し使用にお
けるクリーニング性および耐久性の改善された有機系の
電子写真感光体が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの発明に係わる感光体のそれぞ
れ異なる実施例の模式的断面図、第３図は電荷輸送層内
のシリコーンオイル濃度を示す線図、第４図は電荷輸送
層のシリコーンオイル含有ｌと表面のすべり性との関係
を示す線図である。 ｌ　導電性基体、２・・電荷発生層、３　電荷輪第１図 表面からの深さ　（ＩＬｍ） 第３図 第２図 少←シリコーンオイル含有量→多 第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １）電荷発生層上に有機電荷輸送物質を含む有機高分子
   材料からなる電荷輸送層を備えた電子写真感光体におい
   て、前記電荷輸送層が５００重量ｐｐｍ以上１００００
   重量ｐｐｍ以下のシリコーンオイルを含有することを特
   徴とする電子写真感光体。