JPH07128872A - 電子写真感光体とその製造法 - Google Patents

電子写真感光体とその製造法

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JPH07128872A
JPH07128872A JP27286293A JP27286293A JPH07128872A JP H07128872 A JPH07128872 A JP H07128872A JP 27286293 A JP27286293 A JP 27286293A JP 27286293 A JP27286293 A JP 27286293A JP H07128872 A JPH07128872 A JP H07128872A
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alkyl group
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JP27286293A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kitahara
賢一 北原
Junji Ujihara
淳二 氏原
Tatsuo Nakanishi
達雄 中西
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子写真感光体の感光層の表面強度が高く、
長期間の使用によっても画質以下、感度減退の少ない感
光体を作成することにある。 【構成】 導電性基体上に、少なくても電荷発生層、電
荷輸送層を順次積層してなる電子写真感光体において、
電荷輸送層を2層以上とし、少なくとも表面領域側の層
が、膜厚1〜10μmであって、粘度平均分子量が4.0×10
4以上のポリカーボネートと、10〜50重量%の有機微粒
子とを含有し、基体側の電荷輸送層中の電荷輸送物質の
濃度が、表面領域側の電荷輸送層中の濃度より大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真分野における感
光体に関するもので、複写機やプリンター中に組み込ん
で使用される有機電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真法として最も代表的な、カ
ールソン法での複写機について説明すれば、感光体を一
様に帯電させた後、露光によって電荷を像様に消去せし
め、静電荷潜像を形成する。これをトナーによって現像
して可視化し、次いでそのトナーを紙などの転写体に転
写してから定着する。
【0003】一方、感光体は、残存している付着トナー
の除去や、除電等の表面浄化処理が施され、長期にわた
って繰り返し使用される。
【0004】従って、電子写真感光体としては、帯電特
性及び、感度が良好で、更に暗減衰が低いなど、電子写
真特性は勿論、加えて繰り返し使用での耐刷性、耐摩耗
性、表面に傷が付きにくい等の物理的特性、コロナ放電
によって発生するオゾンに対する耐性、露光時に受ける
紫外線などへの耐久性においても良いことが要求され、
実用上はこれらの点が問題視される。
【0005】これまで電子写真感光体としては、セレ
ン、酸化亜鉛、カドミュウムなどの無機光導電性物質を
感光層の主成分とする所謂無機感光体が、広く用いられ
てきた。しかし、これらの無機感光体は有害なものが多
く環境対策上問題がある。
【0006】従って近年、無公害である有機物を用いた
有機感光体の開発が盛んであり、広く実用化されてきて
いる。中でも電荷発生機能と、電荷輸送機能とを異なる
物質に分担させ、希望する特性をもつ化合物を、広い範
囲から選択し得る所謂機能分離型の感光体が盛んに開発
されている。
【0007】しかし、支持体上に電荷発生層及び電荷輸
送層を順次積層した従来の感光体は電荷輸送層が低分子
の電荷輸送物質を不活性の高分子の樹脂バインダーで結
着することにより形成されているため電荷輸送層は一般
に柔らかいので、機械的特性と電子写真的特性とを両立
させることが必ずしも十分でなく、感度の高い組成また
はある種の樹脂バインダーでは感光体の反復使用時にク
リーニングブレード等の摺擦等によって感光体表面に傷
が生じたり、表面が摩耗したり、また、耐摩耗性の高い
組成又はある種の樹脂バインダーでは感度が低いまたは
残電上昇等の電子写真的特性が満足できなかった。これ
が、近年その指向が強いカールソンプロセスの高速化あ
るいは小型化の障害となっている。
【0008】これらの問題について感光体の表面の摩擦
係数の低減,表面エネルギーの低減,摩耗低減剤とし
て、電荷輸送層にシリコーン含有樹脂(特開昭61-21904
9号、同62-205357号)、フッ素含有樹脂(特開昭50-232
31号、同61-116362号、同61-204633号、同61-270768
号)、あるいはシリコーン樹脂微粒子、フッ素含有樹脂
微粒子(特開昭63-65449号)、メラミン樹脂微粒子(特
開昭60-177349号)の添加が、提案されている。しか
し、微粒子が多量に含有するか又は分散不良のために電
荷輸送層が濁り不透明となって、光透過性が低くなった
り、電荷輸送性能が低下するために、感度低下,画像濃
度の不均一が発生し、問題の解決には至っていない。ま
た電荷輸送層の上に更に各種組成、材料で保護層を設け
ることによる問題点の解決が提案されているが、感度低
下および残電上昇が生じてしまう。また、バインダー樹
脂の高分子量化による問題点の解決法が特開昭60-16815
3号、特開平1-206348号で提案されているが、分子量が
増加するに従いその塗布液の粘度は指数的に上昇してし
まう。そのため電荷輸送層の一般的塗布法である浸漬塗
布において、電荷輸送層の適切膜厚に塗工するにはゆっ
くりと引上げなければならず生産性の低下を招く。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電子写真感
光体の感光層の表面強度が高く、長期間の使用によって
も画質以下、感度減退の少ない感光体を作成することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、導電性
基体上に、少なくても電荷発生層、電荷輸送層を順次積
層してなる電子写真感光体において、電荷輸送層が2層
以上で構成され、少なくとも表面領域側の構成層が、膜
厚1〜10μmであって、粘度平均分子量が40,000以上の
ポリカーボネートと、構成層固形分全体の10〜50重量%
の有機微粒子とを含有し、基体側の電荷輸送層中の電荷
輸送物質の濃度が、表面領域側の電荷輸送層中の濃度よ
り高いことを特徴としている。
【0011】また、電荷輸送層中に含有される有機微粒
子が、シリコーン樹脂粒子であること、さらに、電荷輸
送層の少なくとも表面領域側の構成層の電荷輸送物質と
して、一般式〔I〕で表される電荷輸送物質を含有し、
基体領域側の構成層に一般式〔I〕,〔II〕又は、〔II
I〕で表される電荷輸送物質を含有するのがより望まし
い。
【0012】
【化4】
【0013】式中、Ar1及びAr2はそれぞれアルキル基
又はアリール基を表わし、Ar3はフェニレン基を表わ
し、Ar1,Ar2の一方とAr3とが結合して環を形成して
もよい。R1,R2及びR3はそれぞれ水素原子、アルキ
ル基又はアリール基を表わし、R2とR3とが結合して環
を形成してもよい。
【0014】
【化5】
【0015】式中、Ar4はアルキル基又はアリール基を
表わし、Ar5はフェニレン基を表わす。R4及びR5はそ
れぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を表わし、
4とR5とが結合して環を形成してもよい。
【0016】
【化6】
【0017】式中、Ar6及びAr7はそれぞれアルキル基
又はアリール基を表わし、Ar6,Ar7の一方と窒素原子
に結合しているフェニレン基とが結合して環を形成して
もよい。R6は水素原子、アルキル基又はアリール基を
表わし、R7は水素原子、アルキル基、アルコキシ基又
はハロゲン原子を表わす。
【0018】
【作用】本発明は、高分子量のポリカーボネートと、有
機微粒子とを含有する電荷輸送層をもうけることによっ
て機械的な耐久性が優れた電子写真感光体をつくること
にある。
【0019】有機微粒子の電荷輸送層中への添加は、光
透過性、電荷移動性の確保が困難であったが、その最上
層のみに加えることによって、これら特性を損なう事な
く、潤滑性、強度が向上し、機械的特性を上げることが
できた。
【0020】樹脂の機械的強度は、高分子量のポリカー
ボネートを用いるのが有効であり、分子量の増加ととも
に大きくなることが知られてはいた。しかし、本発明に
より粘度平均分子量40,000以上のポリカーボネートに有
機微粒子を添加すると、「バインダー樹脂の高分子化」
と、「有機微粒子を用いた複合化」による相乗作用によ
り、飛躍的に機械的耐久性が向上することがわかった。
【0021】ここにおいて、有機微粒子はシリコーン樹
脂の粒子であることが望ましく、添加量は最上層固形分
全体の5重量%から50重量%が適当である。5%未満で
あると機械的耐久性向上効果が極めて小さく、50%を越
えると、光透過性、電子写真諸特性に悪影響を与える。
また、有機微粒子の粒径は、0.3〜10μmが適当であり、
さらに望ましくは、0.7〜5μmである。
【0022】さらに、最上層にも、十分な電荷輸送能力
を与えるために、電荷輸送物資を加えてある。添加量
は、最上層固形分全体の10重量%以上だが、基体側より
低濃度とすることにより、感度低下や残留電位上昇をま
ねかず、機械的耐久性低下もない。
【0023】この最上層の膜厚は、0.1〜10μmが適当
で、0.1μm未満であると機械的耐久性向上効果が極めて
弱く、10μmを越えると光透過性、電子写真特性に悪影
響が出てくる。
【0024】本発明に用いられるポリカーボネートは、
下記一般式(I),(II),(III)で示される構造単
位を含有する。
【0025】
【化7】
【0026】式中、R1〜R8は水素原子,ハロゲン原
子,炭素数1〜10の置換または無置換のアルキル基,シ
クロアルキル基,アリール基。
【0027】iは4〜11の整数。
【0028】R9はC1〜C9のアルキル基,アリール
基。
【0029】
【化8】
【0030】式中、R35からR42はそれぞれ独立して水
素原子,ハロゲン原子,アルキル基またはアリール基を
表す。
【0031】
【化9】
【0032】式中、R63〜R70はそれぞれ独立した水素
原子,ハロゲン原子,炭素数1〜10の置換または無置換
のアルキル基,シクロアルキル基,アリール基を表す。
【0033】本発明のポリカーボネートは繰り返し構造
単位が一般式(I)〜(III)で示されるものであり、
単独重合体のみならず共重合体も含まれる。共重合体の
割合は相手によって異なるが5:95〜95:5、好ましく
は10:90〜90:10である。特に一般式(II)で表される
ポリカーボネートについては単独重合体でなく下記一般
式で表される繰り返し構造単位のポリカーボネートの方
が好ましい。これらのバインダーを以下に例示する。
【0034】
【化10】
【0035】式中、R81およびR82はそれぞれ独立して
水素原子、置換,無置換アルキル基またはアリール基を
表し、R83〜R98はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲ
ン原子、置換,無置換アルキル基またはアリール基を表
し、kおよびmは整の数であって、k/mが1〜10にな
るように選択される。
【0036】本発明に用いる代表的な有機微粒子として
は、フッ素系樹脂微粒子,メラミン系微粒子,シリコー
ン系微粒子,ポリオレフィン系樹脂微粒子,ベンゾグア
ナミン系微粒子,ジビニルベンゼン系微粒子,アクリル
系微粒子等が挙げられ、この中で分散性,硬度などの点
からシリコーン微粒子が好ましい。
【0037】本発明において電荷発生層に用いられるキ
ャリア発生物質としては、フタロシアニン顔料、アゾ顔
料、アントラキノン顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔
料、スクエアリウム顔料等が挙げられる。
【0038】本発明では、代表的電荷輸送物質として、
前記一般式〔I〕〜〔III〕で表わされる化合物の少な
くとも一種を用いるとよい。
【0039】以下、前記一般式〔I〕〜〔III〕で表わ
される化合物について順に説明する。
【0040】前記一般式〔I〕において、Ar1,Ar2
表わされるアルキル基は例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等であり、Ar1,Ar2で表わされる
アリール基は例えばフェニル基、ナフチル基等である。
これらの基は置換基を有していてもよく、この場合の置
換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
子等が挙げられる。また、Ar1,Ar2の一方とAr3とが
結合して、例えばカルバゾール環、インドリン環などの
環を形成してもよい。
【0041】前記一般式〔I〕において、R1,R2,R
3で表わされるアルキル基又はアリール基としては前記
Ar1,Ar2で表わされるアルキル基又はアリール基と同
様なものが挙げられ、これらの基は置換基を有していて
もよく、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子、置換アミノ基等が挙げられる。また、R
2とR3とが結合して、例えばインデン環、テトラリン
環、アントラセン環などの環を形成してもよい。
【0042】以下に前記一般式〔I〕の化合物の代表的
具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】
【化16】
【0049】
【化17】
【0050】本発明では、キャリア輸送物質として前記
の化合物の他に、本発明の効果を損わない範囲で他のキ
ャリア輸送物質を使用してもよい。
【0051】次に前記一般式〔II〕において、Ar4で表
わされるアルキル基は例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基等であり、またAr4で表わされるアリ
ール基は例えばフェニル基、ナフチル基、アントラニル
基等である。これらの基は置換基を有していてもよく、
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、置換アミ
ノ基、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
【0052】前記一般式〔II〕において、R4,R5で表
わされるアルキル基又はアリール基としては前記Ar4
表わされるアルキル基又はアリール基と同様なものが挙
げられ、これらの基は置換基を有していてもよく、置換
基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、
アリールオキシ基等が挙げられる。またR4とR5とが結
合して5〜7員の炭素環又は複素環を形成してもよい。
【0053】以下に前記一般式〔II〕の化合物の代表的
具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0054】
【化18】
【0055】
【化19】
【0056】
【化20】
【0057】
【化21】
【0058】
【化22】
【0059】
【化23】
【0060】また、前記一般式〔III〕において、A
r6,Ar7で表わされるアルキル基は例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基等であり、Ar6,Ar7
表わされるアリール基は例えばフェニル基、ナフチル基
等である。これらの基は置換基を有していてもよく、置
換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子
等が挙げられる。また、Ar6,Ar7の一方と窒素原子に
結合しているフェニレン基とが結合して、例えばカルバ
ゾール環などの環を形成してもよい。
【0061】前記一般式〔III〕において、R6,R7
表わされるアルキル基は例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基等であり、R6で表わされるアリール基は例え
ばフェニル基等であり、R7で表わされるアルコキシ基
は例えばメトキシ基、エトキシ基等である。これらの基
はさらに置換基を有していてもよい。
【0062】以下に前記一般式〔III〕の化合物の代表
的具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0063】
【化24】
【0064】
【化25】
【0065】
【化26】
【0066】キャリア発生層及びキャリア輸送層の形成
に使用される溶剤或は分散媒としては、ブチルアミン、
N,N-ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロホルム、1,2-ジクロルエタン、ジクロルメタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。キ
ャリア発生層若しくはキャリア輸送層の形成にバインダ
を用いる場合に、このバインダとしては前記ポリカーボ
ネートのほかに任意のものを用いることができるが、特
に疎水性でかつ誘電率が高い電気絶縁性のフィルム形成
能を有する高分子重合体が好ましい。こうした重合体と
しては、例えば次のものを挙げることができるが、勿論
これらに限定されるものではない。
【0067】1)ポリエステル 2)メタクリル樹脂 3)アクリル樹脂 4)ポリ塩化ビニル 5)ポリ塩化ビニリデン 6)ポリスチレン 7)ポリビニルアセテート 8)スチレン−ブタジエン共重合体 9)塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体 10)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 11)塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体 12)シリコーン樹脂 13)シリコーン−アルキッド樹脂 14)フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 15)スチレン−アクリル共重合樹脂 16)スチレン−アルキッド樹脂 17)ポリ−N−ビニルカルバゾール 18)ポリビニルブチラール 19)ポリカーボネートZ樹脂 これらのバインダは、単独或いは2種以上の混合物とし
て用いることができる。
【0068】電荷輸送層を形成する方法としては、基体
領域側は浸漬塗工法,スプレー塗工法,円形量規制型塗
工法等の塗工法を用いて塗工することができる。一方表
面領域側は、基体領域側の膜を極力溶解させないため
に、スプレー塗工法,円形量規制塗工法といった方法を
用いて膜を形成する。円形量規制塗布法については特開
昭58-189061号、スプレー塗布については特願平3-90250
号および特開平3-269538号に詳しく述べられている。
【0069】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0070】実施例1 ポリアミド樹脂CM-8000(東レ(株)社製)30gを、メ
タノール900ml,1-ブタノール100mlの混合溶媒中に投入
し、50℃で加熱溶解した。この液を外径80mmのアルミニ
ュウムドラム基体上に浸漬塗布し、膜厚0.5μmの中間層
を形成した。
【0071】次に、ポリエステル樹脂バイロン200(東
洋紡(株)社製)5gを1,2-ジクロルエタン1000mlに溶解
し、これに電荷発生物質として「化27」10gを添加し
て、均一に混合するためサンドミルにて20時間撹拌し
た。前記中間層上に浸漬塗布し、膜厚0.5μmの電荷発生
層を形成させた。
【0072】
【化27】
【0073】次に、電荷輸送物質として前記例示化合物
1−1、150gと電荷輸送層バインダーとして、粘度平
均分子量20,000のポリカーボネート樹脂(I)ユーピロ
ンZ-200(三菱ガス化学(株)社製)150gを1,2-ジクロ
ルエタン1000mlに溶解した。この液を、前記電荷発生層
のうえに浸漬塗布を行った後、100℃で60分間乾燥し、
平均膜厚25μmの下層の電荷輸送層を形成した。
【0074】この上に電荷輸送物質として前記例示化合
物1−1、25gとバインダーとして粘度平均分子量80,0
00のポリカーボネート樹脂(II)ユーピロンZ-800(三
菱ガス化学(株)社製)25gと有機微粒子として粒径2μ
mのシリコーン粒子(東芝シリコーン(株)社製トスパー
ル120)12gを1,2-ジクロルエタン600mlに溶解した。こ
の液を前記電荷輸送層のうえに円形量規制型塗布機によ
り塗布した。100℃,60分乾燥し、平均膜厚5μmの上層
の電荷輸送層を形成せしめた(シリコーン微粒子含有率
19.4重量%)。
【0075】実施例2 実施例1で、基体側の構成層の電荷輸送物質を、例示化
合物IIー14とし、他は実施例1と同一とした。
【0076】実施例3 実施例1で、表面側の構成層のバインダーをBPZ型ポ
リカーボネート粘度平均分子量50,000(帝人化成(株)社
製)とし、かつ膜厚を7μmとする。他は実施例1と同
一とした。
【0077】実施例4 実施例1で、電荷発生物質を「化28」とし、表面層側構
成層の膜厚を2μmとした他は実施例1と同一とした。
【0078】
【化28】
【0079】実施例5 実施例1で、シリコーン粒子を粒径0.8μm(東芝シリコ
ーン(株)社製トスパール108)のものとする。他は実施
例1と同一とした。
【0080】実施例6 実施例1で、シリコーン粒子の添加量を40gとする。他
は実施例1と同一とした。
【0081】実施例7 実施例1で、表面側の構成層の電荷輸送物質添加量を5
g、シリコーン粒子の添加量を4gとする。他は実施例
1と同一とした。
【0082】実施例8 実施例1で電荷輸送層の表面側の層をスプレー塗布機に
より層を形成した。
【0083】実施例9 実施例1で表面側の構成層のバインダーを「化29」粘度
平均分子量100,000とする以外は同一とした。
【0084】
【化29】
【0085】次に、比較例の作成方法を示す。
【0086】比較例1 実施例1と同様にして中間層、電荷発生層を塗布した。
次に実施例1で、電荷輸送層の基体側を形成させた液を
用いて、塗布乾燥条件を調節し、膜厚約30μmの電荷輸
送層を電荷発生層上に形成した。(浸漬塗布、100℃,6
0分乾燥) 比較例2 実施例1で、シリコーン粒子を除いた以外は同一とし
た。
【0087】比較例3 実施例1で、表面側の構成層バインダーを粘度平均分子
量30,000(三菱ガス化学社製ユーピロンZ-300)以下は
実施例1と同一とした。
【0088】比較例4 実施例1で、シリコーン粒子を5g添加した以外は同一
とした(シリコーン粒子含有率9.1重量%)。
【0089】比較例5 実施例1で、シリコーン粒子を55g添加した以外は同一
とした(シリコーン粒子含有率52.4重量%)。
【0090】比較例6 実施例1で、表面側の電荷輸送層の膜厚を、約0.8μmと
した以外は同一とした。
【0091】比較例7 実施例1で、表面側の電荷輸送層の膜厚を、約12μmと
した以外は同一とした。
【0092】比較例8 実施例1で、表面側の電荷輸送層中の電荷輸送物質を除
いた以外は同一とした。
【0093】比較例9 実施例1で表面側の電荷輸送中の電荷輸送物質を40gと
した以外は同一とした。
【0094】得られた感光体試料をコニカ(株)社製複写
機U-BIX4045に搭載し、10万コピー実写テストを行
った。実写テスト前後の画質不良の有無、表面電位の変
化、及び、膜厚減耗量について調べた。
【0095】結果は、表1にまとめて示したが、表中、 Vb:黒紙電位、反射濃度1.3の原稿に対する表面電位 Vw:白紙電位、反射濃度0.0の原稿に対する表面電位 Vr:残留電位、除電後の残留電位 また、表面の減摩耗についての評価は、10万コピー終了
後感光体膜厚を測定し、初期の値と比較した。
【0096】
【表1】
【0097】実施例に示すごとく本発明内の感光体は、
微粒子の添加と高分子量ポリカーボネートとの相乗効果
によりいずれも実用上十分な特性を示すのに対し、発明
外の比較例は、いずれかの特性が悪く実用上問題が有る
ことがわかる。
【0098】
【発明の効果】本発明により、電子写真感光体の感光層
の表面強度が高く、長期間の使用によっても画質以下、
感度減退の少ない感光体を作成することができる。従来
有機微粒子の電荷輸送層中への添加は、光透過性、電荷
移動性の確保が困難であったが、薄層の最上層へのみ加
えることによって、これら特性を損なう事なく、潤滑
性、強度が向上して、機械的特性を上げることができ
た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、少なくても電荷発生層
    および電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光
    体において、前記電荷輸送層が電荷輸送物質を含有する
    複数の構成層からなり、該複数の構成層のうち、少なく
    とも前記感光体の表面領域側の構成層が粘度平均分子量
    40,000以上のポリカーボネートと、前記構成層固形分全
    体の10〜50重量%の有機微粒子とを含有する膜厚1〜10
    μmの層であって、前記感光体の基体領域側の構成層中
    に含有される電荷輸送物質の濃度が、前記表面領域側の
    構成層中の濃度よりも高いことを特徴とする電子写真感
    光体。
  2. 【請求項2】 前記有機微粒子がシリコーン樹脂微粒子
    であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 前記電荷輸送層の少なくとも表面領域側
    の構成層に、一般式〔I〕で表される電荷輸送物質を含
    有し、基体領域側の構成層に一般式〔I〕,〔II〕又
    は、〔III〕で表される電荷輸送物質を含有することを
    特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。 【化1】 式中、Ar1及びAr2はそれぞれアルキル基又はアリール
    基を表わし、Ar3はフェニレン基を表わし、Ar1,Ar2
    の一方とAr3とが結合して窒素原子を含む環を形成し
    てもよい。R1,R2及びR3はそれぞれ水素原子、アル
    キル基又はアリール基を表わし、R2とR3とが結合して
    環を形成してもよい。 【化2】 式中、Ar4はアルキル基又はアリール基を表わし、Ar5
    はフェニレン基を表わす。R4及びR5はそれぞれ水素原
    子、アルキル基又はアリール基を表わし、R4とR5とが
    結合して環を形成してもよい。 【化3】 式中、Ar6及びAr7はそれぞれアルキル基又はアリール
    基を表わし、Ar6,Ar7の一方と窒素原子に結合してい
    るフェニレン基とが結合して環を形成してもよい。R6
    は水素原子、アルキル基又はアリール基を表わし、R7
    は水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原
    子を表わす。
  4. 【請求項4】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生層
    及び、電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光
    体において、前記電荷輸送層が、電荷輸送物質を含有す
    る複数の構成層からなり、該複数の構成層のうち、前記
    感光体の表面領域側の構成層が粘度平均分子量40,000以
    上のポリカーボネートと該構成層全固形分の10重量%以
    上50重量%以下の有機微粒子とを含有する塗工液を用い
    て、円形量規制型塗布機により形成され、前記基体領域
    側の構成層が、前記表面領域側の構成層よりも電荷輸送
    物質の濃度が高い塗工液により形成されることを特徴と
    する電子写真感光体の製造法。
  5. 【請求項5】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生層
    及び、電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光
    体において、前記電荷輸送層が、電荷輸送物質を含有す
    る複数の構成からなり、該複数の構成層のうち、前記感
    光体の表面領域側の構成層が粘度平均分子量40,000以上
    のポリカーボネートと該構成層全固形分の10重量%以上
    50重量%以下の有機微粒子と含有する塗工液を用いて、
    スプレー塗布機により形成され、前記基体領域側の構成
    層が、前記表面領域側の構成層よりも電荷輸送物質の濃
    度が高い塗工液により形成されることを特徴とする電子
    写真感光体の製造法。
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