JPH0223218Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、液体の注出口を自由に前後動できる
液体容器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、液体容器は内容器を囲んだ外装ケースの
上端に水切部材を結合し、下端に底部材を結合し
て、水切部材の液体供給口である中央開口に吐出
パイプを備えた中栓を着脱自在に装着し、水切部
材の上端にベローズポンプ内蔵の上蓋ケースを開
閉自在に装着し、外装ケース前面に吐出パイプの
吐出口と連通する導水パイプを垂下し、下端を前
後摺動自在とし、上端を水切部材の前壁に枢支し
たカバー体を設け、カバー体の下壁に導水パイプ
の下部を貫通する透孔を穿設し、左、右側壁内面
にそれぞれ後端より前端に向けて網目状とした摺
動部を設ける一方、外装ケースの前壁にカバー体
をガイドする案内台座を設け、案内台座の左、右
側壁外面にそれぞれ突片を設け、内容器内の液体
をベローズポンプの作動により吐出パイプを介し
て導水パイプ下端の注出口より注出すると共に、
コツプ等の液体受器の種類に応じて、液体受器の
受け口中央に導水パイプの下端の注出口を配置す
るようカバー体と共に前後摺動していたが、この
種の液体容器では案内台座及びカバー体の成形時
内部中空で薄肉のために、案内台座の左、右側壁
がそれぞれ内側へ大きくそりかえり、同様にカバ
ー体の左、右側壁もそれぞれ内側へ大きくそりか
えつて規定寸法のものが少く非常に不均一となる
ため案内台座の両突片とカバー体の両摺動部とが
互いに強く押しあつて全く弾性力がなくなり、ス
ライドできないという欠点があつた。又、導水パ
イプの下部のみをカバー体下壁の透孔内に貫通さ
せて係止しているだけなので前後摺動する導水パ
イプが非常に不安定ですぐに離脱してしまう恐れ
があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の点に鑑みてなされたものであつ
て、構造簡単にしてしかも導水パイプを確実かつ
スムーズに前後摺動できる液体容器を提供するに
ある。

〔考案の構成〕

本考案によれば、案内台座の左、右側壁の下部
外面に前端より後端に向けて波型とした被摺動部
をそれぞれ相対して設け、各被摺動部の上、下に
前端より後端に向けて切り欠いた長孔をそれぞれ
穿設する一方、カバー体の内壁上面に導水パイプ
の上部を係止する係止片を設け、下壁に導水パイ
プの下端部を貫通する透孔を穿設すると共に左、
右側壁内端に案内台座の被摺動部に当接して摺動
するガイド突起をそれぞれ設ける構成だけで目的
を達成しようとするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

１はベローズポンプ８の押圧により内容器２内
の液体を吐出する空気圧利用の液体容器で、内容
器２を囲んだ外装ケース３と、この外装ケースの
上端に結合した水切部材４と、この水切部材の中
央に設けた液体供給用の開口に挿入し、かつ内容
器内に垂下の揚水パイプ５と揚水パイプに連通の
吐出パイプ６とを備えた中栓７と、水切部材の上
面に開閉自在に装着し、かつベローズポンプ８を
内蔵した上蓋ケース９と、外装ケースの下端に結
合した底部材１０と、外装ケースの前面で上端を
水切部材の前壁に枢支し、下端を前後摺動自在と
したカバー体１１と、外装ケースの前壁に結合
し、カバー体をガイドする案内台座１２と、上端
を吐出パイプ６の吐出口と連通し、下端をカバー
体に設けた導水パイプ用透孔に挿通した導水パイ
プ１３とから構成されている。

内容器２はガラス、又はステンレス製の一重び
ん又は真空二重びんである。外装ケース３は薄い
鉄板を円筒状に形成し、上端を内側へ折り曲げ、
下部内側にネジ輪１４を張設して下端を内側へカ
ーリングしている。外装ケースの上部前壁に後述
の案内台座１２を係止する案内台座用の透孔を穿
設している。

水切部材４は中央に内容器２の口元と連通しか
つ液体を供給する液体供給用の開口を設け、この
開口を形成する内周壁上端前部に設けた嘴部１５
と、嘴部の上端前部を除く開口上端よりすりばち
状に拡がつた口元受部１６と、口元受部外端より
下方に垂下し、外装ケースの上端を無理嵌めする
外周壁部１７とを一体成形している。嘴部１５は
外装ケースの上端前面に突出しており、内側に後
述の中栓の吐出パイプ６を載置し、先端下壁に吐
出パイプの吐出口を挿通する吐出パイプ用の開口
を穿設している。嘴部１５は先端左、右外側壁に
後述のカバー体を係合する円弧状溝をそれぞれ設
け、この円弧状溝のほぼ中央にカバー体の枢支用
突起を嵌合する嵌合溝を穿設している。

中栓７は上蓋ケース内のベローズポンプ８の空
気を内容器内に送給するように内部の一部を素通
りしており、この中栓下端には先端が内容器底部
に近接して内容器内液体を送液する揚水パイプ５
を設け、この揚水パイプの後端を中栓内で吐出パ
イプ６の後端と連通している。この吐出パイプ６
は水切部材の嘴部１５に載置されて、その先端の
吐出口を嘴部の吐出パイプ用の開口に貫通させて
下向きに設けている。

上蓋ケース９は水切部材４の後部上端にヒンジ
装置１８を介して開閉自在に装着されており、ベ
ローズポンプ８と、ベローズポンプの上面に載置
した上板１９と、プツシユ弁２０と、ベローズポ
ンプを押し拡げているスプリング２１と、プツシ
ユ弁上面を押圧する押体２２と、このベローズポ
ンプ８、上板１９、プツシユ弁２０、押体２２を
囲んだ上蓋２３と下蓋２４と、上蓋ケースを水切
部材に係止するロツク装置２５と、押体の上下動
を規制する操作つまみ２６とを備えている。下蓋
２４は上蓋の下端内周に嵌合しており、かつ下蓋
中央にはゴム弁を介して空気排出用孔が穿設され
ている。

底部材１０は外装ケースの下端を閉鎖する底板
２７と、内容器の底部を押上げる締上げ部材２８
と、液体容器を底板を介して回転する回転台座２
９とからなつている。底板２７はドーナツ型に形
成されており、上端外周にネジ輪１４に螺着する
ネジを刻設し、中央の開口を形成する周壁に締上
げ用ネジを刻設し、下端部に回転台座を係合する
係合部を設けている。締上げ部材２８は有底筒状
に形成されており、外周に底板の締上げ用ネジに
螺着するネジを刻設し、このネジの螺締めにて内
容器の底部を押上げている。回転台座２９はリン
グ体に形成されており、上部を底板の係合部に遊
嵌自在に係合している。

カバー体１１は第２図に示すようにカバー体前
壁部３０と、カバー体左、右側壁部３１，３１
と、カバー体下壁部３３とを合成樹脂材料にて一
体成形しており、カバー体左、右側壁部３１，３
１の上端にそれぞれ水切部材の嘴部１５の左、右
側外壁に設けた円弧状溝内に係合する円弧状片３
２，３２を設け、この円弧状片３２，３２の内側
に嘴部１５の円弧状溝の嵌合溝内に嵌合してカバ
ー体を枢支する枢支用突起３４，３４をそれぞれ
突設している。

カバー体前壁部３０は、上部内側に導水パイプ
１３の係止爪４６を係合する係止片３５を設けて
いる。カバー体左、右側壁部３１，３１はそれぞ
れ相対して上端より下端に向けて末拡がり状に形
成されており、下端内壁面にそれぞれガイド突起
３６，３６を突設している。

カバー体下壁部３３は、導水パイプ１３の下部
を貫通する導水パイプ用の透孔３７を穿設してい
る。

案内台座１２は第２図に示すように外装ケース
の前壁に当接する案内台座当接部３８と、案内台
座当接部の両側に垂直に延設した案内台座左、右
側壁部３９，３９と、前面切り欠た案内台座下壁
部４０とを合成樹脂材料にて一体成形している。

この案内台座当接部３８の後壁には、外装ケー
スの案内台座用の透孔に係止する止片４１，４１
を設けている。案内台座左、右側壁部３９，３９
は互いに対称であつて、それぞれ上端の巾を狭く
下端の巾を広くした下端に向つて末拡がり状に形
成されており、下部外壁に前端より後端にかけて
凹凸を交互に配置した波型の被摺動部４２を設
け、この被摺動部の上、下の前端より後端にかけ
てそれぞれ切り欠き長孔４３，４３を穿設してい
る。

第３図は案内台座の別実施例であつて、案内台
座下壁部４０の内側後端中央に直上リブ４４を垂
設し、この直上リブにバネ４５を張設して、バネ
の一端を案内台座左側壁部３９の被摺動部４２内
壁に係止し、他端を案内台座右側壁部３９の被摺
動部４２内壁に係止して両被摺動部により大きな
弾性力を与えている。

導水パイプ１３は第２図に示すように上端を吐
出パイプ６の吐出口よりも大きな広口とし、次第
に小さい径として下端をカバー体の導水パイプ用
の透孔３７に貫通する細口とした中空の合成樹脂
パイプであつて、上部前面にカバー体の導水パイ
プ用の係止片３５に係止する係止爪４６を設け、
下部外周に環状リブ４７を設けている。この環状
リブは導水パイプ１３の下端がカバー体の導水パ
イプ用の透孔３７を貫通した状態で、この透孔３
７の上面に当接するように透孔の口径よりも大き
な外径としている。

〔考案の効果〕

本考案に於いては、案内台座の被摺動部の上、
下を前端より後端にかけて切り欠いた長孔を穿設
しているだけなので構造が極めて簡単で、しかも
案内台座の被摺動部が内外に向けて弾性力を有す
ることとなるために、被摺動部の弾性変形に相応
してカバー体を導水パイプと共に極めてスムーズ
に前後摺動することができる。

又、導水パイプの上端をカバー体に係止し、下
部をカバー体下壁の透孔内に貫通固定しているの
で確実に導水パイプをカバー体に装着することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の縦断面図、第２図は本
考案の要部を示す分解斜視図、第３図は本考案の
案内台座の別実施例の斜視図である。 １……液体容器、２……内容器、３……外装ケ
ース、４……水切部材、６……吐出パイプ、８…
…ベローズポンプ、９……上蓋ケース、１１……
カバー体、１２……案内台座、１３……導水パイ
プ、３５……カバー体の係止片、３６……ガイド
突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内容器を囲んだ外装ケースの上端に水切部材を
   結合し、水切部材の中央開口に吐出パイプを備え
   た中栓を着脱自在に装着し、水切部材の上端にベ
   ローズポンプ内蔵の上蓋ケースを開閉自在に装着
   し、外装ケース前面に吐出パイプの吐出口と連通
   する導水パイプを垂下し、水切部材の前壁に、導
   水パイプを内側に係止し、かつ下端を前後摺動自
   在としたカバー体を枢支し、外装ケースの前壁に
   カバー体をガイドする案内台座を装着し、内容器
   内の液体をベローズポンプの作動により吐出パイ
   プを介し導水パイプ下端の注出口より注出する液
   体容器に於いて、上記案内台座の左、右側壁の下
   部外面に前端より後端に向けて波型とした被摺動
   部をそれぞれ相対して設け、各被摺動部の上、下
   に前端より後端に向けて切り欠いた長孔をそれぞ
   れ穿設する一方、カバー体の内壁上面に導水パイ
   プの上部を係止する係止片を設け、下壁に導水パ
   イプの下端部を貫通する透孔を穿設すると共に
   左、右側壁内端に案内台座の被摺動部に当接して
   摺動するガイド突起をそれぞれ設けたことを特徴
   とする液体容器。