JPH0335235Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ポンプ押板を押圧することによりエ
アーポンプを操作してその加圧空気によつて液体
容器本体内の液体を一連の液体注出通路を通して
外部へ注出し得るようにしたポンプ注液式液体容
器に関し、さらに詳しくはそのようなポンプ注液
式液体容器の不使用時にポンプ押板の下動を規制
するためのポンプ押板ロツク構造に関するもので
ある。

（従来技術） 第３図及び第４図には、従来の一般的なポンプ
注液式液体容器（例えば実開昭60−109543号公
報）におけるポンプ押板ロツク構造が示されてい
るが、この従来例のポンプ押板ロツク構造におい
ては、蓋体１１１の上部中央に設けられた押板摺
動穴１１９内にポンプ押板１１３が回動及び上下
動自在なる如くして設置されており、該ポンプ押
板１１３を操作レバー１２１で蓋体１１１に対し
て水平回動操作せしめることにより該ポンプ押板
１１３の押圧操作を規制したり許容したりし得る
ようになつている。即ち、この従来例のポンプ押
板ロツク構造では、ポンプ押板１１３の筒壁１３
２の下部外側面に外向きの係合片１３３を形成
し、他方蓋体側の押板摺動穴１１９内面に、ポン
プ押板１１３の水平回動位置によつて係合片１３
３が係合したりあるいは非係合となる係合受部１
３４を設けており、該ポンプ押板１１３を操作レ
バー１２１を回動操作せしめることによりポンプ
押板１１３をロツク（上下動不能）したりロツク
解除（上下動可能）したりし得るようになつてい
る。又、ポンプ押板１１３を回動操作するための
操作レバー１２１は、レバー部材１２２とツマミ
部材１２３とを有しており、該両部材１２２，１
２３を、蓋体１１１の上面に形成したガイド穴１
２０の口縁を上下から挟むようにして配置させた
状態で両者（レバー部材１２２とツマミ部材１２
３）を蓋体内側からビス１２４で連結して、該操
作レバー１２１がガイド穴１２０の口縁から外れ
ないように取付けられている。

ところが、この従来のポンプ注液式液体容器に
おけるポンプ押板ロツク構造では、ポンプ押板１
１３をロツクまたはロツク解除するための操作レ
バー１２１が、レバー部材１２２、ツマミ部材１
２３及び該両部材１２２，１１３を結合固定する
ためのビス１２４からなる複数の部材で構成され
ているので、部品点数が多くなるとともに、該操
作レバー１２１を蓋体１１１に装着する際にレバ
ー部材１２２とツマミ部材１２３をビス１２４で
連結しなければならないので、その取付作業が面
倒であるという問題があつた。

（考案の目的） 本考案は、上記した従来のポンプ注液式液体容
器におけるポンプ押板ロツク構造の問題点に鑑
み、構成が簡単でしかも組付作業も容易に行なえ
るようにしたポンプ押板ロツク構造を備えたポン
プ注液式液体容器を提供することを目的とするも
のである。

（目的を達成するための手段） 本考案は、蓋体に設けているポンプ押板を押圧
操作することにより該蓋体内に収容されているエ
アーポンプを操作してそのエアーポンプからの加
圧空気によつて液体容器本体内に収容されている
液体を一連の液体注出通路を通して外部へ注出し
得るようにしたポンプ注液式液体容器において、
前記蓋体の内部に、前記ポンプ押板の下動を規制
する押板ロツク部材を、前記蓋体の下面側開口部
から該蓋体内に挿入しさらに該押板ロツク部材の
操作部を前記蓋体の外側から操作可能なる如くし
しかも前記エアーポンプの底板に上向きに一体形
成された支持部の上面で下から支持させた状態で
設置していることを特徴とするものである。

（作用） 本考案のポンプ注液式液体容器は、ポンプ押板
の下動を規制する押板ロツク部材を、蓋体の下面
側開口部から蓋体内に挿入ししかもポンプ底板に
形成した支持部の上面で支持させているので、該
押板ロツク部材を支持するための特別な支持部材
が不必要となる。

（実施例） 第１図及び第２図を参照して本考案の実施例を
説明すると、この実施例のポンプ注液式液体容器
は、外ケース４の内部に真空断熱二重瓶製の内容
器５を収容しさらに該外ケース４の上部に環状の
肩部材６を備えてなる液体容器本体１と、蓋体１
１内にベローズ式のエアーポンプ１２、ポンプ押
板１３及び押板ロツク部材１４を収容してなる蓋
ユニツト２と、内容器５の内外を連絡する導液管
ユニツト３とを備えて構成されている。

導液管ユニツト３は、液体容器本体１の給液口
７を開閉する栓３１に下方向に延びる縦管３２と
横方向に延びる横管３３とを栓内液通路３４を介
して相互に連通状態で取付けて構成されている。
尚、縦管３２、栓内液通路３４及び横管３３で、
内容器５の内外を連絡する一連の液体注出通路１
０を構成している。

横管３３の先端には、比較的短小な長さをもつ
下向きの注口管５３が無理嵌め（無理嵌合部５
４）固定されている。この注口管５３と横管３３
先端との間には、内容器５内の液体がなくなつた
ときに横管３３先端から注口管５３内に吐出され
る気液混りの液体から空気を分離するための、い
わゆるスプラツシユ防止用の空気通路５５が形成
されている。又、この注口管５３の内面には、該
注口管５３を横管３３の先端に対して所定深さだ
け挿し込んだ位置で位置決めするための内向きの
縦リブ５６が形成されている。

肩部材６の周壁部の一部には、その上面から適
宜深さに達する切欠１７が形成されている。この
切欠１７は、導液管ユニツト３を装着するときに
その横管３３を嵌入させるためのものである。
又、肩部材６の内面には、蓋ユニツト２を螺着脱
させるための雌ネジ１８が形成されている。

蓋ユニツト２の蓋体１１は、肩部材６の外径と
同径の外径を有し且つかなりの高さを有する略円
筒形に形成されている。又該蓋体１１の上部は、
外筒２１と該外筒２１の上端から半径方向に適宜
間隔を隔て且つ適宜深さだけ内側下方に折返して
なる内筒２２とを有する２重構造となつている。
内筒２２の内部はポンプ押板１３を収容するため
の押板摺動穴１９となる。この押板摺動穴１９の
内面には、ポンプ押板１３が蓋体１１に対して回
動しないようにするための縦向きガイド２３が形
成されている。又、蓋体１１の上面（外筒２１と
内筒２２の間の上面）には、後述する押板ロツク
部材１４の操作部４２を上方に突出させるための
ガイド穴２０が形成されている。外筒２１内面の
下端部には、後述するようにポンプ底板１５に形
成した係合突片５１を嵌合させるための小凹部２
４が周方向に複数箇所（例えば３〜４箇所）形成
されている。

ポンプ押板１３は、逆円筒容器形に成形されて
おり、該ポンプ押板１３の側壁２５外面には上記
押板摺動穴１９内面の縦向きガイド２３と係合す
る突条２６が形成されていて、該突条２６を縦向
きガイド２３に係合させることによつてポンプ押
板１３が押板摺動穴１９内で回動不能なる状態で
上下方向にのみ摺動し得るようになつている。又
このポンプ押板１３の側壁２５の外面下端には、
周方向に等間隔をもつて合計４箇所にそれぞれ所
定角度範囲（例えば角度10〜15゜の範囲）だけ外
方に向けて突出する小突片２７，２７…が一体形
成されている。このポンプ押板１３は、蓋体１１
の下方から押板摺動穴１９内に挿入して組付けら
れる。尚、ポンプ押板１３は、外向きの各小突片
２７，２７…が蓋体内筒２２の下面に衝合してい
るため、押板摺動穴１９の上方に抜け出すことは
ない。

押板ロツク部材１４は、蓋体内筒２２の外径よ
りわずかに大きい内径をもつ環状部４１の上部に
上方に突出する操作部４２を一体成形するととも
に該環状部４１の内面下端に前記ポンプ押板１３
の小突片２７，２７…と係脱自在に係合する内向
きの小突片４７，４７…（合計４つ）を一体成形
して構成されている。環状部４１は、筒状部４５
の下端外面に外向きフランジ４６を一体成形して
いる。

そしてこの押板ロツク部材１４は、蓋体１１の
下面側開口部から上方に向けて挿入してその筒状
部４５を蓋体内筒２２の外側に嵌合させるととも
に操作部４２を蓋体１１上面のガイド穴２０を通
して上方に突出させるようにして装着され、この
装着状態においては操作部４２がガイド穴２０内
で左右に弧回動できる範囲内で該押板ロツク部材
１４を蓋体１１に対して弧回動せしめ得るように
なつている。そして押板ロツク部材１４の装着状
態で操作部４２を蓋体１１上面のガイド穴２０内
における左右いずれか一端側に位置させた状態で
は、押板ロツク部材１４側の各小突片４７，４７
…がそれぞれポンプ押板１３側の各小突片２７，
２７…の直下近接位置に重合するようになり、又
該操作部４２をガイド穴２０の他端側に位置させ
た状態では、該押板ロツク部材１４側の各小突片
４７，４７…がそれぞれポンプ押板１３側の各小
突片２７，２７…に対して上下方向に完全に非重
合状態となるように設計されている。

エアーポンプ１２は、ブロー成型によつて成形
されたベローズ筒３６の下面側に硬質合成樹脂製
のポンプ底板１５を設けさらに該ベローズ筒３６
の上面側に環状のベローズ押え３７を設けるとと
もに、ベローズ筒３６の上部中央に設けられた吸
入口３８に吸入弁４０を設けて構成されている。
尚、ポンプ底板１５の中央部には吐出口３９が設
けられている。ベローズ筒３６は、この実施例で
は、下部側が大径（ベローズ大径部３６ａ）で上
部側が小径（ベローズ小径部３６ｂ）となつてお
り、該ベローズ大径部３６ａが蓋体１１の内筒２
２下端よりさらに下側に位置しさらに該ベローズ
小径部３６ｂがポンプ休止時において蓋体１１の
内筒２２の内側（ポンプ押板１３の側壁２５の内
側）に所定高さ範囲だけ差し込まれるようにして
設置されている。尚、このようにベローズ筒３６
の上部ベローズ小径部３６ｂを形成し、該ベロー
ズ小径部３６ｂを蓋体内筒２２内に差し込むよう
にして設置すると、通常ほとんど利用されていな
い蓋体内筒２２内の空所を有効利用できる。又、
このベローズ筒３６においては、ベローズ大径部
３６ａの肉厚さを薄くし、それに比してベローズ
小径部３６ｂの肉厚さをやや厚くしている。

ポンプ底板１５の外周部には、前記蓋体外筒２
１の下端部内面に形成した小凹部２４（合計３〜
４箇所）にそれぞれ無理嵌合される係合突片５１
（合計３〜４箇所）が突出形成されている。そし
てこのエアーポンプ１２は、ベローズ筒部分を蓋
体１１の下面側開口部から該蓋体１１内に差し込
んだ状態で、ポンプ底板１５の各係合突片５１を
蓋体外筒２１の下端部内面の各小凹部２４内に無
理嵌合させることにより、該蓋体１１に一体化さ
れている。

ポンプ底板１５の外周寄り上面には、ベローズ
筒３６の外側において前記押板ロツク部材１４を
下方から支持するための支持部１６が一体成形さ
れている。この支持部１６は、この実施例ではポ
ンプ底板１５の外周寄り上面における、周方向に
角度90゜づつ変位させた位置の合計４箇所に、蓋
体１１内における最上部に位置させた状態の押板
ロツク部材１４のフランジ４６下面に衝合する高
さを有する脚１６ａ，１６ａ…をそれぞれ一体成
形して形成されている。従つて押板ロツク部材１
４は該各脚１６ａ，１６ａ…の上面で支持されて
いて、もし押板ロツク部材１４がポンプ押板１３
によつて下方に押圧されても該押板ロツク部材１
４が下動することがないようになつている。

ポンプ底板１５の下面側には、前記肩部材６に
形成した雌ネジ１８に螺合可能なる雄ネジ５２が
形成されていて、この蓋ユニツト２全体を肩部材
６の上部に螺着脱自在に装着することができるよ
うになつている。尚、導液管ユニツト３及び蓋ユ
ニツト２の装着状態では、ポンプ吐出口３９が栓
内空気通路３５を介して内容器５内と連通するよ
うになつている。

そしてこの実施例のポンプ注液式液体容器にお
いては、押板ロツク部材１４をロツク状態に位置
させておけば、幼児などが誤つてポンプ押板１３
を押しても該ポンプ押板１３が下動されることが
なく安全である。又、使用時には、押板ロツク部
材１４の操作部４２を操作して該押板ロツク部材
１４をロツク解除させた後、ポンプ押板１３を押
圧すれば、エアーポンプ１２が押圧操作されてそ
の加圧空気が内容器５内に吹き込まれ、その加圧
空気によつて内容器５内の液体を一連の液体注出
通路１０を通して外部へ注出することができる。

（考案の効果） 本考案のポンプ注液式液体容器は、ポンプ押板
１３の下動を規制する押板ロツク部材１４を、蓋
体１１の下面側開口部から蓋体１１内に挿入しし
かも押板ロツク部材１４の環状部４１をポンプ底
板１５に一体形成された支持部１６の上面で下か
ら支持させているので、押板ロツク部材１４を取
付けるに際して該押板ロツク部材１４を蓋体１１
の下面側開口部から該蓋体１１内に単に挿入する
だけでよく、その取付作業が簡単となるととも
に、押板ロツク部材１４を支持するための特別の
支持部材を使用することなく既存のポンプ底板１
５を利用して行なえ、部品点数を削減することが
できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかるポンプ注液式
液体容器の縦断面図、第２図は第１図のポンプ注
液式液体容器の分解斜視図、第３図は従来のポン
プ注液式液体容器の上部を断面とした側面図、第
４図は第３図の一部分解図である。 １……液体容器本体、２……蓋ユニツト、３…
…導液管ユニツト、５……内容器、６……肩部
材、１０……液体注出通路、１１……蓋体、１２
……エアーポンプ、１３……ポンプ押板、１４…
…押板ロツク部材、１５……ポンプ底板、１６…
…支持部、４２……操作部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋体１１に設けているポンプ押板１３を押圧操
   作することにより該蓋体１１内に収容されている
   エアーポンプ１２を操作してそのエアーポンプ１
   ２からの加圧空気によつて液体容器本体１内に収
   容されている液体を一連の液体注出通路１０を通
   して外部へ注出し得るようにしたポンプ注液式液
   体容器であつて、前記蓋体１１の内部に、前記ポ
   ンプ押板１３の下動を規制する押板ロツク部材１
   ４が、前記蓋体１１の下面側開口部から該蓋体１
   １内に挿入されさらに該押板ロツク部材１４の操
   作部４２を前記蓋体１１の外側から操作可能なる
   如くししかも前記エアーポンプ１２の底板１５に
   上向きに一体形成された支持部１６の上面で下か
   ら支持させた状態で設置されていることを特徴と
   するポンプ注液式液体容器。