JPH0223127B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、乗用田植機における昇降制御用整
地フロートに関するもので、従来、この種の昇降
制御用整地フロートは、平面視におけるフロート
の後部を左右両側から欠削して幅狭となし、この
欠削した部分に植込体が作用するようにしてい
た。しかし、この従来型の昇降制御用整地フロー
トでは後側部の接地部分が幅狭となるために安定
性がなく、フロートがその取付部のガタつきのた
めに左右に傾動し易く、このため、田植装置を昇
降制御するための感知性能が悪くなる欠点があつ
た。

この発明は、上記の欠点を解消することを目的
とし、次の技術的手段を講じた。

即ち、走行車体１の後部に昇降リンク１８を介
して田植装置を装着し、該田植装置１４の下部に
設けた整地フロート２４の上下作動で油圧シリン
ダ装置２０を制御作動して前記昇降リンク１８を
介して田植装置１４を昇降制御する制御機構付き
の乗用田植機において、前記油圧シリンダ装置２
０を作動する整地フロート２４を、田植装置１４
の左右中央部に配し、この整地フロート２４の後
側部の平面形状を左右中央部を所定幅で後端から
前側に向けて所定長さ欠削し、この欠削部イに前
記田植装置２４の植込体１７が作用して苗植付け
位置になる構成とし、該欠削部イの左右両側に残
る整地部ロの両側上面を田植装置１４側に前部が
上下動自由となるよう枢着ハしてなる乗用田植機
における昇降制御用整地フロートの構成とした。

この発明の一実施例を図面に基づいて詳述する
と、第１図および第２図において、１は走行車体
で、走行ミツシヨンケース２の前側部にフレーム
３を突出させてその前端に原動機４を塔載し、原
動機４の下部に左右一対の前輪５，５を装着し、
走行ミツシヨンケース２の左右両側へ横ケース
６，６を張出させてこれから後方下方へ向うチエ
ンケース７，７を設けてこれに後輪８，８を装着
し、このチエンケース７，７を連続する連結枠９
に、支柱１０を設けて、これに操縦座席１１を設
けている。１２は操縦ハンドル、１３はチエンジ
レバーを示す。

１４は田植装置で、伝動ケースを兼ねるフレー
ム１５の上部に前方が高位に傾斜する苗タンク１
６を左右往復動するよう装着し、後部に植込体１
７をクランク及び揺動体等を介して上下運動する
ように設け、苗タンク１６から苗を一株分づつ分
割して土壌面に植付けるよう構成している。尚、
この植込体は、左右中央に一基と、これから左右
に等間隔離して四基設けてあり、計５条植えとな
るよう設けられている。

１８は昇降リンクで、前記連結枠９に取付けた
突起枠１９に上、下リンクの基部が枢着され、こ
のリンク１８の後端に田植装置１４が枢結されて
いて、この昇降リンク１８を介して田植装置１４
が昇降自由に設けられている。

２０は油圧シリンダ装置で、シリンダ２１の基
部が前記走行ミツシヨンケース２に枢結され、ピ
ストン２２と前記昇降リンク１８の上リンクに取
付けられた作動アーム２３とを連接してピストン
２２の突出によりリンクが上方へ回動して田植装
置１４を上昇するよう設けられている。

２４は田植装置１４の左右中央部に配置されて
いる中央部の整地フロートであつて、該整地フロ
ート２４の後側部の平面形状を、左右中央部分を
所定幅で後端から前側に向けて欠削し、この欠削
部イに前記田植装置１４の左右中央の植込体１７
が介入して苗が植付けられるように構成してあ
り、この整地フロート２４は、前記欠削部イの両
側の残り部分ロの上面を枢着ハして前側部が上下
動自在になるよう構成している。

２５，２５は側部整地フロートであつて、平面
から見ると後側の左右両側が欠削され、この左右
の欠削部に田植装置１４の左右側方の植込体１
７，１７が作用して苗植付けが行われるよう配設
し、この幅狭部分を枢着して、前部が上下動自由
になるよう設けられている。

２６は感知機構で、前記整地フロート２４と前
記フレーム１５との間に設けられたリンク体２７
の、フロート側取付位置に一端を枢着したロツド
２８の他端を、フレーム１５に取付けたベルクラ
ンク２９の一端に枢着し、ベルクランク２９の他
端に、前記油圧シリンダー装置２０に連動したワ
イヤー３０が取付けられ、該整地フロート２４が
接地圧を受けて一定以上に上下動するときピスト
ン２２が突出し、一定以下に下動するとピストン
２２が引込むよう構成されている。

次に、上例の作用について詳述する。まず、苗
タンク１６中に苗を載置収容して、原動機４から
走行車体１及び田植装置１４側の回転各部を駆動
し、苗植付け作業を開始する。すると、走行車体
１は操縦されながら前進され、これに伴い田植装
置１４がその各整地フロート２４，２５を水田表
面へ接地して牽引される。そして、植込体１７が
上下運動して左右に往復動する苗タンク１６の後
端下部側から苗を一株分づつ分割係合して、前記
整地フロート２４，２５で整地された水田表面へ
次々と植付けて行く。このとき、水田の深さが深
い場合は、走行車体１側の前輪５及び後輪８は耕
盤面に接地するから、田植装置１４側の各整地フ
ロート２４，２５は水田表面に強く押しつけられ
ることになる。すると、中央部の整地フロート２
４の前部が上方へ押上げられ、リンク体２７を介
して上動されると共にロツド２８を介してベルク
ランク２９を作動し、ワイヤー３０を押動する。

このため、油圧制御装置側の油圧切換弁が切替
えられ、油圧シリンダー装置２０のピストン２２
が突出する。したがつて、作動アーム２３、昇降
リンク１８を介し田植装置１４を上昇することに
なる。そして、整地フロート２４の接地圧が適正
になると、ワイヤー２０が引き戻され油圧切替弁
が元に切替えられピストン２２の突出が停止し
て、この適正な高さに保持される。

逆に、水田の深さが浅い場合は、整地フロート
２４が浮き気味となり、ワイヤー３６が引き戻さ
れるから、油圧切替弁が前記と逆に切替えられ、
ピストン２２が引込むため、田植装置１４が整地
フロート２４の接地圧が適正になるまで下降する
ことになる。

このように、田植装置１４は自動的に昇降制御
されるが、この場合、正確な昇降制御は整地フロ
ート２４の上下動が的確であるかどうかにかかつ
ている。然るに、整地フロート２４の形状が、一
条植込部を整地する比較的小型のものでありなが
ら、平面視において、その植込部となる欠削部イ
が左右中央部の後端から前方へ適宜切込まれた構
成となつているから、該フロート２４の後側部は
左右方向に広い部分に亘つて接地されて左右方向
側への安定性がよく、しかも、その実質的な接地
面積はそれほど広くならないから該整地フロート
２４の前部の上下動が良好となり、更に、田植装
置１４側へ枢着部が左右２個所で広い幅をもたせ
て設けられている為に左右のふらつきが少なくて
的確に前部は上下動する。

したがつて、感知機構２６による耕盤深さの検
出が的確となり正確な昇降制御が行われる。

以上、この発明は、油圧シリンダ装置を作動す
る整地フロートの後側部の左右横方向幅を減少さ
せないで、その後側部の接地面積のみを減少させ
ているから左右横方向のふらつきがなくて、前部
の上下動が後部接地部によつて大幅に阻害される
ことがなく、しかも、整地フロートの欠削部の左
右両側の上面で田植装置側へ枢着される為に整地
フロートの横ぶれや前記のふらつきが極めて少な
く、田植装置の昇降制御を的確に行える特有な作
用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例を示したもので、第
１図は側面図、第２図はその要部の簡略平面図、
第３図は要部の側面図を示す。 図中記号、１は走行車体、１４は田植装置、１
７は植込体、１８は昇降リンク、２０は油圧シリ
ンダ装置、２４は整地フロート、イは欠削部、ロ
は残り整地部、ハは枢着部を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 走行車体１の後部に昇降リンク１８を介して
   田植装置１４を装着し、該田植装置１４の下部に
   設けた整地フロート２４の上下作動で油圧シリン
   ダ装置２０を制御作動して前記昇降リンク１８を
   介して田植装置１４を昇降制御する制御機構付き
   の乗用田植機において、前記油圧シリンダ装置２
   ０を作動する整地フロート２４を、田植装置１４
   の左右中央部に配し、この整地フロート２４の後
   側部の平面形状を左右中央部を所定幅で後端から
   前側に向けて所定長さ欠削し、この欠削部イに前
   記田植装置１４の植込体１７が作用して苗植付け
   位置になる構成とし、該欠削部イの左右両側に残
   る整地部ロの両側上面を田植装置１４側に前部が
   上下動自由となるよう枢着ハしてなる乗用田植機
   における昇降制御用整地フロート。