JPH02227285A - 光カード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、光学的に情報の追加書き込み、読み取りが可
能な光カードに関する。

〈従来の技術〉 近年、多くの産業分野において広く利用されている磁気
カードが、より多くの機能の付加を求められるようにな
るに従って、磁気カードよりも記録容量の大きなカード
媒体として光カードが提案されるに至り、なかでも追加
書き込みが可能な光カードは、利用範囲が広く有望視さ
れている。

情報の光学的な記録方式としては、ダイレクト・リード
・アフタ・ライト（ＤＲＡＷ）形式のものがある。この
形式の記録方法は、記録材料にレーザ光などの放射光を
熱源として照射して昇温せし、め、記録材料に物理的、
化学的変化を生ぜしめ、いわゆるヒート・モード記録で
ある。従って記録材料が上述の変化温度にさらされない
限り記録情報が変化しないため、室内、戸外を問わず簡
便に取り扱うことができるという特徴を存する。

ＤＲＡＷ形式の一つの例としては、Ｔｅ（テルル）をは
じめとする低融点金属や、その合金、酸化物、炭化物な
どよりなる無機系記録材料が挙げられる。また、他の例
として有機色素からなる記録材料が挙げられる。基板上
に記録層として加工されたこれら記録材料は、記録光、
たとえば半導体レーザ光の照射により昇温、溶融し、溶
融したレーザ照射部とその周辺の非溶融部との表面張力
の差から孔部すなわちピットを生じ、これによって記録
がなされる。

しかして、従来よりこのＤＲＡＷ形式の記録媒体を適用
して、追加書き込み可能な光カードを製作することが考
えられている。

〈発明が解決しようとする課題〉 ＤＲＡＷ形式の記録材料には、前述のように無機系のも
のと有機色素系のものとが知られているが、前者は、反
射率が高く、記録時のコントラストも大きいという長所
があるものの、記録層として成膜するための蒸着あるい
は、スパッタリングなどの真空技術を要し、大量生産、
発行が前提となるカード生産への展開には問題が残る。

上記の点から有機色素、特に染料系の記録材料は、適当
な溶媒を用いることによりコーテイング材として成膜加
工することができるため、量産性を考慮すると金属系材
料よりも優れているといえる。

有機染料としては、アントラキノン系、ナフトキノン系
、トリフェニルメタン系、カルボシアニン系、メロシア
ニン系、キサンチン系、アゾ系、アジン系、チアジン系
、オキサジン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系
などの染料が挙げられる。中でもカルボシアニン系染料
に代表されるポリメチン鎖を含むシアニン系染料は、大
きな分子吸光係数を持つため、成膜時に高い反射率を持
った膜が得られるので、有機染料系材料の欠点を補う意
味で有望である。

ところで、同じ追記型の光記録媒体であっても、媒体の
形状がディスク状であるかカード状であるかによって、
記録再生装置の方式が異なる。すなわち、ディスク状の
場合には回転運動によって記録・再生が行なわれるのに
対し、カード状の場合には直線往復運動になる。このこ
とは、光学ヘッドが移動する場合であっても、カード媒
体が移動する場合であっても、その移動速度は回転の場
合の線速度よりも装置上の制約から遅くならざるを得な
いということである。

有機染料系の記録材料におけるひとつの欠点として従来
より、再生レーザ光の繰り返し読み出しによる光劣化が
知られている。この点に関しては、その劣化機構の解明
から一重項酸素クエンチャーの添加によりディスク媒体
では実用上問題を生じないレベルにまで解決されてきた
。もちろん、有機染料系の材料をカードに応用する場合
にも、この点は必須であり、やはり一重項酸素クエンチ
ャ−の添加は有効である。しかしながら、前述のとおり
装置上の制約からビームの走査速度が遅いため、ディス
ク媒体での記録材料よりさらなる耐性が必要となる。そ
のために、さらに−重項酸素クエンチャーを添加するこ
とが考えられるが、反射率の低下をまねくため望ましく
ない。

また他の欠点として染料とは言えども、その溶解性は個
々の染料で相異しており、必ずしも十分な成膜を行うた
めの溶解性は得られておらずそのために効率のよい成膜
が行えなかった。

〈課題を解決するための手段〉 本発明は、上記の点に鑑みなされたものであって、光カ
ードの記録材料であって、反射率の低下を招くことなく
繰り返し読み出しに対する劣化に強い記録材料を提供す
るものである。すなわち、光記録層が下記一般式で示さ
れる化合物を含むことを特徴とするものである。一般式
： （上記式においてＡ、Ａ”は置換または無置換の芳香族
環を表し、Ｒ，Ｒ’　は炭素数５または６のシクロアル
キル基を表し、ｎは１〜４を表す、）上記一般式で表さ
れる化合物はカルボニアニンであり、一般式中のＡ、Ａ
’　はベンゼン環、ナフタレン環などであり、その一部
がハロゲン、アルキル基などで置換されていてもよい。

ＲＳＲ’　は炭素数５または６のシクロアルキル基であ
り、具体的にはシクロペンチル基、シクロヘキシル基で
ある。Ｘ−は陰イオンを表し、ハロゲンアニオン、過塩
素酸アニオン、フッ化ホウ素アニオン、ニッケル錯体ア
ニオンなどが挙げられる。

く作用〉 従来、シアニン染料の上記一般式中のＲの位置には、メ
チル基、エチル基などの直鎖アルキル基が結合したもの
が用いられていたが、本発明に示したとおり、Ｒにシク
ロアルキル基を導入することによりカサ高い分子構造と
なり、そのために、高い溶解性を示し、また記録層とし
て、均一性、平滑性の良好な薄膜が得られる。

〈発明の詳述〉 上記シアニン染料の光劣化に対しては、陰イオンにニッ
ケル錯体アニオンを用いることでも、別にニッケル錯体
を添加することによっても防ぐことができる。−重環酸
素クエンチャーとして働くニッケル錯体としては、ビス
（１，２−ジアリール−１，２−エチレンジチオラド）
ニッケル、ビス〔４−（ジメチルアミノ）ジチオベンジ
ルコニッケル、ビス（トリクロロベンゼンジチオール）
ニッケルなどのアニオンとして、あるいは、テトラ（ｔ
−ブチル）アンモニウムなどとの塩として用いることが
できる。

さらに、また、カード媒体でのレーザビームの走査速度
に由来する読み出し時の劣化についても、その機構は明
らかではないが、より耐性のある記録層が得られる。

光記録層を積層する透明基体は、光学的読み出し及び書
き込みに際し支障をきたさないものならばよく、透明性
が高く、複屈折などの光学的歪の少ないものであれば良
い、具体的には、ポリカーボネート、ポリメチルメタク
リレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
ルなどのシートを用いることができる。また、この透明
基体には、レーザ光を導くためのラインや、初期情報と
してのデータなどが、凸凹によるあるいは光学濃度の差
によるパターンとして設けられていてもよい。

光記録層上に設ける緩衝層は、光記録層の感度を調整す
るためと、接着剤による記録層の破壊を防止するためで
あり、場合によっては接着剤によって代用することも可
能である。その他には、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、スチレンオリゴマ、アクリルスチレン
コポリマなどのコーティングによって設けることができ
る。

接着剤としては、光記録層を侵さないものならば特に限
定する必要はなく、室温硬化型、熱硬化型、紫外線硬化
型などの接着剤を用いることができる。

裏打ち基板は、カードとして耐性を保持していればよく
、ポリ塩化ビニルのシートなどを用いることができる。

以下図面を用いてカード構成について説明を行うが、本
発明は以下の実施態様に限定されるものではない。

第１図はカードの断面図であり、光記録Ｎ４が埋設され
てなる光カード１である。光記録層４は本発明によって
示されたシアニン染料を少なくとも含むものである。３
は透明基板であり表面に表面硬化層２などを設けてもよ
い、ｖｉ衝層５は記録層へのピット記録を補助するため
のものであり、接着剤層６を介して９裏打ち基板７が貼
り合わされている。

〈実施例１〉 所定のトラッキング溝を形成したアクリル樹脂製の透明
基板上に、１，１−ジシクロペンチル−３，３，３’　
、３°−テトラメチル−２，２゛インドトリカルボシア
ニンカチオンとビス（トリクロロベンゼンジチオール）
ニッケルアニオンとの塩をシクロヘキサノン溶液から膜
厚が７０ｎｍとなるように塗布し、光記録層とした０次
いで、スチレンオリゴマ（ＳＴ−９５，三洋化成社製）
をシクロヘキサン溶液から塗布し、緩衝層とした後に、
硬質塩化ビニルシートと接着剤（アラルダイト、チバガ
イギー社製）を用いて接着後、カードサイズに打ち抜き
、光カードを作成した。

この様にして作成した光カードを半導体レーザ（８３０
ｍ、８ｍＷ、１０ｋＨｚ　）にて、記録を行なった。

次いで、０．６ｍ−のパワーにて再生を行なったところ
、良好な再生信号が得られた。さらに、繰り返して読み
出しを行なったところ、１ｏｏｏｏ回の読み取り後も再
生信号に変化はみられなかった。

〈実施例２〉 カルボシアニン染料として、１．ｌｏ−ジシクロへキシ
ル−３，３，３°、３°−テトラメチル−２，２−イン
ドトリカルボシアニンバークロレートと、−重環酸素ク
エンチャーとしてビス（トリクロロベンゼンジチオール
）ニッケルテトラ（ｔ−ブチル）アンモニウムとのｌ：
１の混合物を記録層として、実施例１と同様の実験を行
なったところ、同様に再生信号の劣化は認められなかっ
た。

く比較例〉 カルボシアニン染料として、１．１°、３，３゜３°、
３°−へキサメチル−２，２″−インドトリカルボシア
ニンヨーダイドを用いて実施例２と同様の実験を行った
ところ、５００回の繰り返し読み出しにより、再生信号
の劣化が認められた。

〈発明の効果〉 以上説明したように本発明によるシアニン染料を用いる
ことにより、溶解性が高いため効率の良い成膜が可能と
なり、また繰り返し読み出しに対する耐性の高い光カー
ドを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の光カードの一実施例を示す断面図で
ある。 （１）・・・・・・光カード （２）・・・・・・表面硬化層 （３）・・・・・・透明基板 （４）・・・・・・光記録層 （５）・・・・・・緩衝層 （６）・・・・・・接着剤層 （７）・・・・・・裏打ち基板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）透明基体上に少なくとも光記録層、緩衝層を順次
   積層し、さらに接着剤を介して裏打ち基板と貼り合わせ
   てなる光カードであって、前記光記録層が下記一般式で
   示される化合物を含むことを特徴とする光カード。 一般式： ▲数式、化学式、表等があります▼ （上記式においてＡ、Ａ′は置換または無置換の芳香族
   環を表し、Ｒ、Ｒ′は炭素数５または６のシクロアルキ
   ル基を表し、Ｘ＾−は陰イオンを表し、ｎは１〜４を表
   す。）