JP3092846B2 - 光カード - Google Patents
光カードInfo
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- JP3092846B2 JP3092846B2 JP01035906A JP3590689A JP3092846B2 JP 3092846 B2 JP3092846 B2 JP 3092846B2 JP 01035906 A JP01035906 A JP 01035906A JP 3590689 A JP3590689 A JP 3590689A JP 3092846 B2 JP3092846 B2 JP 3092846B2
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- Japan
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- optical card
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は光学的に書込みが可能な光カードに関する。
<従来の技術とその問題点> 近年、各分野に広く用いられている磁気カードに対し
て高い機能の付加が求められようになるにつれて、磁気
カードより記憶容量が大きなカード媒体として、光カー
ドが提案されるに至り、なかでも追加書込みが可能な光
カードは利用範囲が広く有望視されている。
て高い機能の付加が求められようになるにつれて、磁気
カードより記憶容量が大きなカード媒体として、光カー
ドが提案されるに至り、なかでも追加書込みが可能な光
カードは利用範囲が広く有望視されている。
光学的な書込み情報の記録方法としては、ダイレクト
・リード・アフタ・ライト(DRAW)形式のものがある。
この形式の記録方法は、記録材料にレーザ光などの放射
光を熱源として照射して記録材料に物理的、化学的変化
を与えることによりデジタル的に記録を行なうヒート・
モード記録であり、記録材料を永久変形させる温度で加
熱しない限り記録が消滅することがないという利点があ
る。
・リード・アフタ・ライト(DRAW)形式のものがある。
この形式の記録方法は、記録材料にレーザ光などの放射
光を熱源として照射して記録材料に物理的、化学的変化
を与えることによりデジタル的に記録を行なうヒート・
モード記録であり、記録材料を永久変形させる温度で加
熱しない限り記録が消滅することがないという利点があ
る。
DRAW形式の光記録材料としてはTe系化合物やシアニン
系色素といった材料が検討されている。
系色素といった材料が検討されている。
これらの記録材料は半導体レーザー等の830±15nmの
光が照射されると、照射部が昇温・溶融し、この溶融し
たレーザ光照射部とその周辺の溶融していない固化した
部分との表面張力の差により、レーザ光照射部をその周
辺に排除して孔部、すなわちビットを形成する方法が採
用されている。
光が照射されると、照射部が昇温・溶融し、この溶融し
たレーザ光照射部とその周辺の溶融していない固化した
部分との表面張力の差により、レーザ光照射部をその周
辺に排除して孔部、すなわちビットを形成する方法が採
用されている。
しかして、従来からこのようなDRAW形式の光記録媒体
を適用して追加書込み可能な光カードを作成することが
考えられている。
を適用して追加書込み可能な光カードを作成することが
考えられている。
しかしながら、前記のDRAW形式を適用して追加書込み
可能な光カードを作成する場合には次に述べる問題があ
る。すなわち、この形式の光記録媒体は、レーザ光を受
けた光記録層の部分が温度上昇して光記録層を形成する
Te系合金あるいは有機色素が昇華または溶融してビット
が形成される。このため、一般にこの形式の光記録媒体
では、光記録層の書込み面と対向するカード基板に空間
層を設けている。そして、記録媒体はディスク型に製作
して強固なカートリッジに納めて外力から保護してい
る。
可能な光カードを作成する場合には次に述べる問題があ
る。すなわち、この形式の光記録媒体は、レーザ光を受
けた光記録層の部分が温度上昇して光記録層を形成する
Te系合金あるいは有機色素が昇華または溶融してビット
が形成される。このため、一般にこの形式の光記録媒体
では、光記録層の書込み面と対向するカード基板に空間
層を設けている。そして、記録媒体はディスク型に製作
して強固なカートリッジに納めて外力から保護してい
る。
しかるに、記録媒体としてのカードは、ディスクとは
異なる。一般にキャッシュカードやクレジットカード
は、携帯して使用されており、種々の外力が加わって変
形や破損の恐れがあるために、これらの外力に耐えうる
強度をもたせる必要があり、且つカードとしての機能上
から薄いことが必要である。このため、記録層に隣接し
て空間層を持った従来のDRAW形式の記録媒体の構造をそ
のまま適用してカードを製作すると、カードの強度低下
と厚型化を招来するために、前記の記録媒体の構造その
まま採用して光カードを製作することが難しい。そこ
で、DRAW形式を適用して追加書込み可能な光カードを製
作するためには、光記録層に隣接して空間層を設けずに
カード基板、光記録層およびそのほかの透明層などの各
層全体を一体に密着する構造を採用することを考えてい
る。そして、この光カードでは記録層にビットを形成す
るために、Te系合金や色素が昇華または溶融し、レーザ
光の照射部から移動、除去をさまたげない、空間層にか
わるものとして熱可塑性樹脂が考えられるが、空気と比
較すると移動、除去しようとするTe系合金や色素に対し
て抵抗となってしまうため、レーザ光による書込み感度
を下げる方向に働いてしまっていた。
異なる。一般にキャッシュカードやクレジットカード
は、携帯して使用されており、種々の外力が加わって変
形や破損の恐れがあるために、これらの外力に耐えうる
強度をもたせる必要があり、且つカードとしての機能上
から薄いことが必要である。このため、記録層に隣接し
て空間層を持った従来のDRAW形式の記録媒体の構造をそ
のまま適用してカードを製作すると、カードの強度低下
と厚型化を招来するために、前記の記録媒体の構造その
まま採用して光カードを製作することが難しい。そこ
で、DRAW形式を適用して追加書込み可能な光カードを製
作するためには、光記録層に隣接して空間層を設けずに
カード基板、光記録層およびそのほかの透明層などの各
層全体を一体に密着する構造を採用することを考えてい
る。そして、この光カードでは記録層にビットを形成す
るために、Te系合金や色素が昇華または溶融し、レーザ
光の照射部から移動、除去をさまたげない、空間層にか
わるものとして熱可塑性樹脂が考えられるが、空気と比
較すると移動、除去しようとするTe系合金や色素に対し
て抵抗となってしまうため、レーザ光による書込み感度
を下げる方向に働いてしまっていた。
以上のような問題点を解決するために、従来のDRAW形
式の記録媒体の構造としては異にし、カードとしての機
能を持たせるために薄くし、しかも外力に耐えうる強度
を持たせるために記録層に隣接した空間層をなくし、記
録感度を落とさずに記録層と基板とを密着構造とするた
めに空間層の変わりにバッファー層を設けることが検討
されている。
式の記録媒体の構造としては異にし、カードとしての機
能を持たせるために薄くし、しかも外力に耐えうる強度
を持たせるために記録層に隣接した空間層をなくし、記
録感度を落とさずに記録層と基板とを密着構造とするた
めに空間層の変わりにバッファー層を設けることが検討
されている。
このバッファー層を構成する樹脂は適当な溶剤で樹脂
を溶かして光記録層上に塗布してバッファー層として形
成するが、このように溶剤を用いて樹脂を光記録層に塗
布してバッファー層を形成する場合、溶剤の種類によっ
ては光記録層を溶解させてしまうといった悪影響を与え
ないような溶剤を選択する必要がある。しかしながら、
このように限定された溶剤に溶解する樹脂は極めて種類
が少なく、適当な樹脂を選択することが大変難しい問題
となっている。
を溶かして光記録層上に塗布してバッファー層として形
成するが、このように溶剤を用いて樹脂を光記録層に塗
布してバッファー層を形成する場合、溶剤の種類によっ
ては光記録層を溶解させてしまうといった悪影響を与え
ないような溶剤を選択する必要がある。しかしながら、
このように限定された溶剤に溶解する樹脂は極めて種類
が少なく、適当な樹脂を選択することが大変難しい問題
となっている。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、過酷な使用条件にも耐える光カードであっ
て、薄型化のためにバッファ層を用い、しかもバッファ
層に含まれる溶剤や、その上に施される接着層中の硬化
剤等によって光記録層が侵されたり劣化することのない
光カードを提供することにあり、耐熱性や耐久性に優れ
る光カードの構成を提案するものである。
て、薄型化のためにバッファ層を用い、しかもバッファ
層に含まれる溶剤や、その上に施される接着層中の硬化
剤等によって光記録層が侵されたり劣化することのない
光カードを提供することにあり、耐熱性や耐久性に優れ
る光カードの構成を提案するものである。
<課題を解決するための手段> このようなカード化することにより必要となるバッフ
ァー層形式による問題を解決するために、本発明は、記
録材料として無置換のナフタロシアニン、金属ナフタロ
シアニンもしくは金属化合物ナフタロシアニンから選択
された少なくとも一種とすることにより、耐溶剤性を向
上させて、バッファー層の記録材料上への塗布を可能に
し、裏打ち層と密着させた、カードとしての必要な空間
層を持たない構造としたものである。本発明に用いるナ
フタロシアニン化合物は、化学構造式で示すと、 であって、無置換とは、外側のベンゼン環にアルキル基
その他の置換基が付加していないことを意味する。上記
化学構造式において、Mが水素2つの場合には、ナフタ
ロシアニン(C32H18N8)を意味し、Mが金属の場合に
は、金属ナフタロシアニンとなる。金属としては、Cu、
Ni、Ge、Fe、In、Mg、Pb、Pd、V、Co、Nb、Al、Sn、Ga
があげられる。本発明に用いるナフタロシアニン化合物
は、Mが金属酸化物や金属ハロゲン化物である場合も含
まれる。
ァー層形式による問題を解決するために、本発明は、記
録材料として無置換のナフタロシアニン、金属ナフタロ
シアニンもしくは金属化合物ナフタロシアニンから選択
された少なくとも一種とすることにより、耐溶剤性を向
上させて、バッファー層の記録材料上への塗布を可能に
し、裏打ち層と密着させた、カードとしての必要な空間
層を持たない構造としたものである。本発明に用いるナ
フタロシアニン化合物は、化学構造式で示すと、 であって、無置換とは、外側のベンゼン環にアルキル基
その他の置換基が付加していないことを意味する。上記
化学構造式において、Mが水素2つの場合には、ナフタ
ロシアニン(C32H18N8)を意味し、Mが金属の場合に
は、金属ナフタロシアニンとなる。金属としては、Cu、
Ni、Ge、Fe、In、Mg、Pb、Pd、V、Co、Nb、Al、Sn、Ga
があげられる。本発明に用いるナフタロシアニン化合物
は、Mが金属酸化物や金属ハロゲン化物である場合も含
まれる。
本発明の無置換のナフタロシアニン、金属ナフタロシ
アニンあるいは金属化合物ナフタロシアニンを成膜する
手段として蒸着法が有効であり、真空中で加熱により昇
華させて成膜することができる。
アニンあるいは金属化合物ナフタロシアニンを成膜する
手段として蒸着法が有効であり、真空中で加熱により昇
華させて成膜することができる。
有機物を蒸着する場合問題となるのは、加熱による分
解である。
解である。
すなわち蒸着させるために加熱用のボート等に仕込ま
れた試料のうち何かが分解してしまうが、有機物の蒸着
の場合重要な要因となる。
れた試料のうち何かが分解してしまうが、有機物の蒸着
の場合重要な要因となる。
蒸着させるための加熱温度としては有機物の分解温度
以下におさえることが必要であるが、真空度、蒸着レー
トとの関係から、蒸着時の加熱温度と分解温度がはなれ
ているなど安定でしかも昇華し易いものが望まれる。
以下におさえることが必要であるが、真空度、蒸着レー
トとの関係から、蒸着時の加熱温度と分解温度がはなれ
ているなど安定でしかも昇華し易いものが望まれる。
代表的なものとしては酸化バナジルナフタロシアニン
ジクロル錫ナフタロシアニン、鉛ナフタロシアニンがあ
り、これらは蒸着効率の点で優れており、すなわち分解
をそれほど生じず蒸着が行なえ、830nmに対する反射
率、吸収率も高く、光記録特性もよく、又、830nmに対
する読み出し耐性も十分にもっている。
ジクロル錫ナフタロシアニン、鉛ナフタロシアニンがあ
り、これらは蒸着効率の点で優れており、すなわち分解
をそれほど生じず蒸着が行なえ、830nmに対する反射
率、吸収率も高く、光記録特性もよく、又、830nmに対
する読み出し耐性も十分にもっている。
<発明の詳述・作用> 本発明の光カードの基本的構成を第1図および第2図
を参照して説明する。
を参照して説明する。
透明基板1は通常ポリカーボネート樹脂、ポリカーボ
ネート−スチレン混合樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などでレー
ザー光にて読み取りの際のトラッキングを可能とするた
めの案内溝が形成されている。
ネート−スチレン混合樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などでレー
ザー光にて読み取りの際のトラッキングを可能とするた
めの案内溝が形成されている。
この上に無置換のフタロシアニン、金属ナフタロシア
ニンあるいは金属化合物ナフタロシアニンを蒸着法によ
り300Åから2000Å、好ましくは500Å〜900Åの厚みに
成膜し記録層2とする。無置換の金属ナフタロシアニン
は、半導体レーザーから放出される波長830nmのレーザ
ービームに対し大きな光吸収率を有すると同時に波長83
0nmのレーザービームに対する反射率が大きく30〜35%
に達する。パルス幅50μ秒、カード搬送速度60mm/sec、
スポット径3μmで4〜6mWのレーザー出力に充分にピ
ット形成でき書込み可能であるとともに0.7mWの読み取
りのレーザー光によっては反射率が低下するようなこと
はない。
ニンあるいは金属化合物ナフタロシアニンを蒸着法によ
り300Åから2000Å、好ましくは500Å〜900Åの厚みに
成膜し記録層2とする。無置換の金属ナフタロシアニン
は、半導体レーザーから放出される波長830nmのレーザ
ービームに対し大きな光吸収率を有すると同時に波長83
0nmのレーザービームに対する反射率が大きく30〜35%
に達する。パルス幅50μ秒、カード搬送速度60mm/sec、
スポット径3μmで4〜6mWのレーザー出力に充分にピ
ット形成でき書込み可能であるとともに0.7mWの読み取
りのレーザー光によっては反射率が低下するようなこと
はない。
<発明の効果> 記録層として溶剤可溶型の色素が検討されており、ス
ピンコート等の方式で塗布出来るため、経済的な理由で
有効性が指摘されている。しかし、この時用いられる溶
剤としては色素を十分に溶解することと、案内溝が形成
された基板を侵さないことが必要であり、色素の光記録
媒体としての特性を維持させながら、溶解性を持たせる
ことが重要なノウハウとなっている。光ディスクの場合
は空間層を設けてあるために問題はないが、光カードの
場合はバッファー層中の溶剤に対する耐性がさらに必要
となり選択が増々むずかしくなる。本発明によれば無置
換のナフタロシアニン化合物が溶剤に対して不溶なた
め、バッファー層の選択の幅が増す。
ピンコート等の方式で塗布出来るため、経済的な理由で
有効性が指摘されている。しかし、この時用いられる溶
剤としては色素を十分に溶解することと、案内溝が形成
された基板を侵さないことが必要であり、色素の光記録
媒体としての特性を維持させながら、溶解性を持たせる
ことが重要なノウハウとなっている。光ディスクの場合
は空間層を設けてあるために問題はないが、光カードの
場合はバッファー層中の溶剤に対する耐性がさらに必要
となり選択が増々むずかしくなる。本発明によれば無置
換のナフタロシアニン化合物が溶剤に対して不溶なた
め、バッファー層の選択の幅が増す。
バッファー層としては、ウレタン系樹脂、ゴム系樹
脂、シリコーン樹脂、スチレン等のオリゴマーをあげる
ことができる。
脂、シリコーン樹脂、スチレン等のオリゴマーをあげる
ことができる。
さらに光カードの場合、このバッファー層上に密着構
造にするための接着剤を塗布するが、接着剤中の硬化剤
と光記録層の色素がバッファー層を通過し反応すること
がある。
造にするための接着剤を塗布するが、接着剤中の硬化剤
と光記録層の色素がバッファー層を通過し反応すること
がある。
本発明の無置換のナフタロシアニンあるいは金属ナフ
タロシアニン、金属化合物ナフタロシアニンは、溶剤に
不溶なため、接着剤が硬化するまでの間にバッファー層
を膨潤させ浸みこむ硬化剤と色素との反応も抑えられ問
題とならない。以下実施例により説明を行なう。
タロシアニン、金属化合物ナフタロシアニンは、溶剤に
不溶なため、接着剤が硬化するまでの間にバッファー層
を膨潤させ浸みこむ硬化剤と色素との反応も抑えられ問
題とならない。以下実施例により説明を行なう。
<実施例1> 先ず、カード基板1を作成した。つまり、ガラス板
(BK−7)にフォトレジスト(AZ−1350:米国シップレ
ー社製商品名)をスピンコータにて塗布する。その後で
カッティングマシンにてアルゴンレーザー光により露光
現像し幅0.8μm、トラックピッチ2.5μm、深さ0.07μ
mの案内溝を形成した。次に、この原板にニッケルスタ
ンパ法にて0.05〜0.1μmの導電膜を形成した後ニッケ
ル電鋳法にて0.35mm厚さのスタンパを形成した。その
後、このスタンパに感光性樹脂を塗布して、0.4mmで100
ミリ×80mmサイズのポリカーボネイト基板をおしあて、
紫外線を照射して硬化させることによりこの基板に案内
溝を形成してカード基板1とした。次に、カード基板1
の表面に、バナジルナフタロシアニンを抵抗加熱蒸着法
により700Åの厚さに形成し、光記録層とした。
(BK−7)にフォトレジスト(AZ−1350:米国シップレ
ー社製商品名)をスピンコータにて塗布する。その後で
カッティングマシンにてアルゴンレーザー光により露光
現像し幅0.8μm、トラックピッチ2.5μm、深さ0.07μ
mの案内溝を形成した。次に、この原板にニッケルスタ
ンパ法にて0.05〜0.1μmの導電膜を形成した後ニッケ
ル電鋳法にて0.35mm厚さのスタンパを形成した。その
後、このスタンパに感光性樹脂を塗布して、0.4mmで100
ミリ×80mmサイズのポリカーボネイト基板をおしあて、
紫外線を照射して硬化させることによりこの基板に案内
溝を形成してカード基板1とした。次に、カード基板1
の表面に、バナジルナフタロシアニンを抵抗加熱蒸着法
により700Åの厚さに形成し、光記録層とした。
また比較としてNK125(日本感光色素(株)製商品
名)シアニン色素をメチルセロソルブに溶解させて、同
様700Åの膜圧に塗布した。この時シクロヘキサノンの
ようなケトン系の溶剤だと、ポリカーボネート基板を侵
すため、水、アルコール、セロソルブ系で塗布する必要
がある。
名)シアニン色素をメチルセロソルブに溶解させて、同
様700Åの膜圧に塗布した。この時シクロヘキサノンの
ようなケトン系の溶剤だと、ポリカーボネート基板を侵
すため、水、アルコール、セロソルブ系で塗布する必要
がある。
次にバッファ層としてはポリカーボネート基板及びNK
125を侵さない樹脂を選択しなければならないが、この
条件を満たすとともに、光記録感度を低下させないもの
をみつけることはむずかしい。一方、バナジルナフタロ
シアニンは、溶剤に不溶なため、ポリカーボネート基板
の耐溶剤性を向上させる働きもする。
125を侵さない樹脂を選択しなければならないが、この
条件を満たすとともに、光記録感度を低下させないもの
をみつけることはむずかしい。一方、バナジルナフタロ
シアニンは、溶剤に不溶なため、ポリカーボネート基板
の耐溶剤性を向上させる働きもする。
バッファー層としてエチレン−酢ビ共合重体樹脂であ
るエバフレックスEV40X(三井・デュポンケミカル社製
商品名)の5%シクロヘキサノン溶液を塗布、乾燥し
て、NK125、及びバナジルナフタロシアニン膜上に形成
しようとした。NK1256及び記録層を形成していない、ポ
リカーボネート基板は侵されて、案内溝が消滅してしま
い形成出来ない。これに対して、バナジルナフタロシア
ニン膜上については形成可能であった。
るエバフレックスEV40X(三井・デュポンケミカル社製
商品名)の5%シクロヘキサノン溶液を塗布、乾燥し
て、NK125、及びバナジルナフタロシアニン膜上に形成
しようとした。NK1256及び記録層を形成していない、ポ
リカーボネート基板は侵されて、案内溝が消滅してしま
い形成出来ない。これに対して、バナジルナフタロシア
ニン膜上については形成可能であった。
次いで、バッファー層3の上にエポキシ系接着剤4
(チバガイギー社製アラルダイト)を介して透明基板5
である0.3mm厚さで100mm×80mmサイズの硬質白色ポリ塩
化ビニルとを接着、硬化後にカードサイズ85.5mm×56mm
に打抜き、光カードを製作した。
(チバガイギー社製アラルダイト)を介して透明基板5
である0.3mm厚さで100mm×80mmサイズの硬質白色ポリ塩
化ビニルとを接着、硬化後にカードサイズ85.5mm×56mm
に打抜き、光カードを製作した。
この様にして製作した光カードを半導体レーザ(8mW
100KHz)で記録したところ、良好な記録が出来た。
100KHz)で記録したところ、良好な記録が出来た。
<実施例2> バナジルナフタロシアニンを抵抗加熱蒸着法により70
0Åの厚さに形成し光記録層とした。
0Åの厚さに形成し光記録層とした。
作製した光記録層は830nmの光に対し33%の反射、87
%の吸収が得られ、蒸着効率も高い事がわかった。
%の吸収が得られ、蒸着効率も高い事がわかった。
さらに光記録層2の表面に電子線硬化型シリコーン樹
脂であるXE17−802(東芝シリコーン(株)製商品名)
をスクリーン印刷法にて塗布した後、15Mradの電子線を
照射することにより樹脂を硬化させ20μ厚のバッファー
層3を形成した。バナジルナフタロシアニンを光記録層
としたことにより、ポリカーボネートの基板1は侵され
ない。
脂であるXE17−802(東芝シリコーン(株)製商品名)
をスクリーン印刷法にて塗布した後、15Mradの電子線を
照射することにより樹脂を硬化させ20μ厚のバッファー
層3を形成した。バナジルナフタロシアニンを光記録層
としたことにより、ポリカーボネートの基板1は侵され
ない。
次いで、バッファ層3の上にエポキシ系接着剤4(チ
バガイギー社製商品名アラルダイト)を介して透明基板
5である0.3mm厚さで100mm×80mmサイズの硬質白色PVC
とを接着、硬化後にカードサイズ85.5mm×56mmに打抜
き、光カードを製作した。
バガイギー社製商品名アラルダイト)を介して透明基板
5である0.3mm厚さで100mm×80mmサイズの硬質白色PVC
とを接着、硬化後にカードサイズ85.5mm×56mmに打抜
き、光カードを製作した。
この様にして製作した光カードを半導体レーザ(8mW
100KHz)で記録したところ、良好な結果が出来た。
100KHz)で記録したところ、良好な結果が出来た。
<実施例3> ジクロル錫ナフタロシアニンを抵抗加熱蒸着法により
700Åの厚さに形成した光記録層とした。
700Åの厚さに形成した光記録層とした。
作製した光記録層は830nmの反射が32%と高く吸収も8
2%と高い。蒸着効率も高い事がわかった。
2%と高い。蒸着効率も高い事がわかった。
さらに光記録層2の表面にUV硬化型シリコーン樹脂で
あるXE17−803(東芝シリコーン(株)製 商品名)を
スクリーン印刷法にて塗布した後、50mJの照射を行ない
硬化させ、20μ厚のバッファー層(3)を形成した。
あるXE17−803(東芝シリコーン(株)製 商品名)を
スクリーン印刷法にて塗布した後、50mJの照射を行ない
硬化させ、20μ厚のバッファー層(3)を形成した。
次いで裏打ち基板(5)を接着剤で接着し、光カード
としたものに、半導体レーザ(4mW,1KHz)で記録したと
ころ、コントラスト0.8の記録が得られた。
としたものに、半導体レーザ(4mW,1KHz)で記録したと
ころ、コントラスト0.8の記録が得られた。
<実施例4> 鉛ナフタロシアニンを抵抗加熱蒸着法により700Åの
厚さに形成し、光記録層として作製した光記録層は830n
mの反射が29%と高く吸収も75%と高い。
厚さに形成し、光記録層として作製した光記録層は830n
mの反射が29%と高く吸収も75%と高い。
このものの蒸着効率は非常に高く、分解しづらい特性
を有していることがわかった。
を有していることがわかった。
さらに実施例3と同様に光カード化したものは半導体
レーザ(4mW,1KHz)で記録したところ、コントラスト0.
8の記録が得られた。
レーザ(4mW,1KHz)で記録したところ、コントラスト0.
8の記録が得られた。
第1図は、本発明の光カードの一実施例を示す断面図、
第2図は同じく本発明の光カードの一実施例を示す平面
図である。 1……透明基板、2……記録層 3……バッファー層、4……接着層 5……カード基板
第2図は同じく本発明の光カードの一実施例を示す平面
図である。 1……透明基板、2……記録層 3……バッファー層、4……接着層 5……カード基板
Claims (4)
- 【請求項1】記録・再生波長に対し定められた屈折率、
透過率等の光学特性を持つ透明層と、光記録層の保護と
カードの機械的特性を保護するための裏打層の間に、少
なくとも光記録層とバッファ層を狭持してなる光カード
において、光記録層を無置換のナフタロシアニン、金属
ナフタロシアニンもしくは金属化合物ナフタロシアニン
のうち少なくとも一種で形成したことを特徴とする光カ
ード。 - 【請求項2】バッファ層が、ウレタン系樹脂、ゴム系樹
脂、シリコーン樹脂もしくはスチレンのオリゴマーから
選択される一種であることを特徴とする請求項(1)に
記載の光カード。 - 【請求項3】無置換の金属化合物ナフタロシアニンが、
酸化バナジウムナフタロシアニンまたは、ジクロル錫ナ
フタロシアニンであることを特徴とする請求項(1)ま
たは(2)に記載の光カード。 - 【請求項4】無置換の金属ナフタロシアニンが、鉛ナフ
タロシアニンであることを特徴とする請求項(1)また
は(2)に記載の光カード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01035906A JP3092846B2 (ja) | 1988-07-25 | 1989-02-15 | 光カード |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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