JPH0222353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動車の車室後部における荷物収納
装置に関する。

（従来技術） 例えば乗用自動車では一般に車室後部にリヤシ
ートが設けられ、車室後面と、リヤシートバツク
上部との間にはパツケージトレイが設けられる。

上記構成において、リヤシートバツクの少なく
とも一部がリヤシートクツシヨン上に折り畳み可
能とされ、また、上記パツケージトレイが前後方
向に並設された複数の分割板で構成され、これら
分割板が相互に折り畳み可能に連結される場合が
ある（例えば特公昭49−10444号公報）。

ところで上記構成によれば、分割板を折り畳む
ことによつて、車室後部に種々の形状の荷物収納
用空間が形成されるが、折り畳まれる分割板につ
いての有効利用は図られていない。

（考案の目的） この考案は、上記のような事情に注目してなさ
れたもので、車室後部に種々の形状の荷物収納用
空間を形成する場合に、パツケージトレイを構成
する各分割板を有効利用して種々の荷物収納形態
を採り得るようにすることを目的とする。

（考案の構成） 上記目的を達成するためのこの考案の特徴とす
るところは、パツケージトレイが車幅方向に並設
された複数の分割板で構成され、これら各分割板
が相互に枢支されると共に、折り畳まれたリヤシ
ートバツクに対応する分割板が下方回動可能とさ
れた点にある。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

第１図から第４図において、自動車の車室１後
部にはフロア２上にリヤシート３が設けられる。
このリヤシート３はリヤシートクツシヨン４とリ
ヤシートバツク５で構成され、リヤシートバツク
５は一対の左右シートバツク５ａ，５ｂで構成さ
れる。これら左右シートバツク５ａ，５ｂはリヤ
シートクツシヨン４にそれぞれ前後回動自在に枢
支され、前方回動でリヤシートクツシヨン４上に
折り畳み可能とされる。７はリヤウインドであ
る。

上記車室１後面とリヤシートバツク５の間には
間隙が形成され、この間隙は荷物を収納できる空
間とされている。そして、同上車室１後面とリヤ
シートバツク５上部の間隙を覆うようにパツケー
ジトレイ８が設けられる。

上記パツケージトレイ８は車幅方向に並設され
た一対の左右分割板８ａ，８ｂで構成される。こ
れら左右分割板８ａ，８ｂはヒンジ９を介して相
互に枢支される。

上記右分割板８ｂの車幅方向内端部には前後一
対の枢支ピン１１，１１が突設され、その一方、
車室１後面と、右シートバツク５ｂ上部にはこれ
ら枢支ピン１１，１１を嵌脱する自在に嵌合する
支承部材１２，１２が取り付けられる。そして、
この支承部材１２，１２に枢支ピン１１，１１を
嵌合することで左右分割板８ａ，８ｂの車幅方向
内端側が車体静止側に支持される。

一方、左右分割板８ａ，８ｂの車幅方向外端部
は係止手段１３を介して車室１の側板１４にそれ
ぞれ係脱自在に係止される。

上記係止手段１３は次のように構成される。即
ち、側板１４に係止具１５が取り付けられ、この
係止具１５には係止溝１６が形成される。また、
左右分割板８ａ，８ｂの各外端側に係止ピン１８
が車幅方向移動自在に設けられ、この係止ピン１
８はスプリング１９を介し係止溝１６に嵌脱自在
に嵌入される。上記係止ピン１８にはノブ２０が
突設され、スプリング１９に抗するノブ２０の押
動操作で係止溝１６に対する係止ピン１８の嵌合
が解除される。

そして、上記のように係止溝１６に対する係止
ピン１８の嵌合を解除すれば、左分割板８ａはヒ
ンジ９を中心に上下方向回動自在とされ（第２図
図示）、また、右分割板８ｂは枢支ピン１１，１
１を中心に上下方向回動自在とされる。

また、車室１のフロア２上には他の係止具２１
が設けられ、下方回動姿勢の左右分割板８ａ，８
ｂの係止ピン１８が上記他の係止具２１の係止溝
２２に嵌脱自在とされる。そして、この嵌入で左
右分割板８ａ，８ｂの回動端がそれぞれフロア２
上に支持可能とされる。

図例では左シートバツク５ａがリヤシートクツ
シヨン４上に折り畳まれ、左分割板８ａが下方回
動されている。このため、起立姿勢のままの右シ
ートバツク５ｂおよび左右分割板８ａ，８ｂによ
つて、閉じられた荷物収納用空間Ａが形成され
る。そして、この空間Ａには例えば壊れやすく、
そのため他の荷物との接触を避ける必要のある荷
物などが収納可能とされる。

第５図はパツケージトレイ８の他の実施例を示
し、このパツケージトレイ８は左右分割板８ａ，
８ｂの間に更に中間分割板８ｃを有している。そ
して、この中間分割板８ｃの両端にそれぞれ枢支
ピン１１，１１が突設される。

（考案の効果） この考案によれば、パツケージトレイが車幅方
向に並設された複数の分割板で構成され、これら
各分割板が相互に枢支されると共に、折り畳まれ
たリヤシートバツクに対応する分割板が下方回動
可能とされたため、起立姿勢のままの右シートバ
ツクと、パツケージトレイを構成する各分割板と
によつて、閉じられた荷物収納用空間の形成も可
能となる。よつて、各分割板を有効利用して種種
の荷物収納形態を採ることができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は車室後
部の斜視図、第２図はパツケージトレイの正面断
面図、第３図と第４図はそれぞれ第１図の部分拡
大図、第５図はパツケージトレイの他の実施例を
示す斜視図である。 １……車室、３……リヤシート、４……リヤシ
ートクツシヨン、５……リヤシートバツク、８…
…パツケージトレイ、８ａ……左分割板、８ｂ…
…右分割板、８ｃ……中間分割板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室後部にリヤシートが設けられ、このリヤシ
   ートにおけるリヤシートバツクの少なくとも一部
   がリヤシートクツシヨン上に折り畳み可能に設け
   られ、同上車室の後面とリヤシートバツク上部の
   間隙を覆うようにパツケージトレイが設けられた
   自動車の車室後部において、上記パツケージトレ
   イが車幅方向に並設された複数の分割板で構成さ
   れ、これら各分割板が相互に枢支されると共に、
   折り畳まれたリヤシートバツクに対応する分割板
   が下方回動可能とされたことを特徴とする自動車
   の荷物収納装置。