JPH02221414A

JPH02221414A - 複合繊維糸条

Info

Publication number: JPH02221414A
Application number: JP4169389A
Authority: JP
Inventors: Atsushi Iwagami; 岩上　厚; Yoshinori Kawashima; 能則川島; Junichi Yokoyama; 淳一横山
Original assignee: Mitsubishi Rayon Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date: 1989-02-23
Filing date: 1989-02-23
Publication date: 1990-09-04

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は本格的で独特のシルキー調風合を有する布帛に
利用できる複合繊維糸条に関するものである。

（従来の技術）従来から固有粘度差、即ち重合度差を有する２種類のポ
リエステル重合体を貼合せ型（サイド・パイ・サイド）
に接合された複合繊維糸条は広く知られている。このポ
リエステル系複合繊維糸条は捲縮性能が高く、バルキー
性能、ストレンチ性能に優れるため、主として編成用と
して実用化されてきた。しかしポリエステル長繊維のシ
ルキー織物としては展開されておらず、使用するポリマ
ー、貼合せ比率、フィラメント群内での構成、クリンプ
の位相など高度の細デニールシルキー織物用途を狙いと
して従来技術は全くといってよいほど提案されていない
。

（発明が解決しようとする課題）ポリエステル繊維は衣料用繊維として優れた特性を有す
るが、他の溶融紡糸法による合成繊維と同様に、表面が
滑らかであるという性質をも有している。この表面が滑
らかであるという性質は、天然繊維に対して大きく異な
る特性の１つであり、風合や光沢等が異なる原因の１つ
でもある。またポリエステル系の潜在捲縮性を有する貼
合せ型の複合繊維において、低熱収縮側の重合体成分と
して重合度の低いポリエチレンテレフタレート（固有粘
度０．５０〜０．６０）を用い、高熱収縮側の重合体成
分として重合度の高いポリエチレンテレフタレート（固
有粘度０．７０−０．８０）を用いたポリエステル繊維
が工業的に製造されているが、この繊維には次に挙げる
ような欠点があった。

■　紡糸温度における２１１類のポリエステル重合体の
溶融粘度が異なるため、吐出孔出側における大きなニー
リング現象により紡糸の安定性が低下する。

■　捲縮形態が均一で位相にズレがな（、ナチュラル感
に欠け、張りとか腰がない。

本発明は前記従来のポリエステル繊維による課題を解決
しようとするもので、その目的は新規なポリエステル重
合体からなる極めてシルクに近い優れた特性を有する異
繊度、異捲縮性の複合繊維糸条を提供せんとするもので
ある。

（課題を解決するための手段及び作用）このため本発明
は、２種類のポリエステル重合体成分Ａ、　Ｂからなる
異繊度、異捲縮性を有する貼合せ型フィラメント群と、
重合体成分Ａ及び重合体成分Ｂがそれぞれ１００％であ
るｔ４！ｍのないフィラメントとが混在してなるもので
、これを課題を解決するための手段とするものである。

以下本発明をその構成、作用と共に詳しく説明する。

本発明における異繊度、異捲縮性複合繊維糸条は、具体
的には第１図（ａ）　（ｂ）に例示した繊維横断面形状
を有する繊維群からなるものをいうが、勿論図示された
ものに限定されるものではない。

本発明における低熱収縮側の重合体成分Ａは、少なくと
も９５モル％以上がエチレンテレフタレート単位からな
るポリエチレンテレフタレートであることが必要である
。

また本発明における高熱収縮側の重合体成分Ｂは、８５
モル％以上がエチレンテレフタレート単位から構成され
、重合体成分Ａと比較し、易アルカリ減量性を兼備して
なる改質ポリエチレンテレフタレートであることが必要
である。なお、エチレンテレフタレート単位が８５モル
％未満では、複合繊維糸条の強力が小さくなって、延撚
以陣の工程で単繊維切れによる毛羽等のトラブルが生じ
易い。

更に本発明の複合繊維糸条は熱分解を抑えるため、２種
類の重合体成分Ａ、Ｂを２７０〜３００℃の範囲で複合
紡糸するのが好ましい。この場合、２［ｉ類の重合体成
分Ａ、Ｂは紡糸時の溶融粘度をほぼ等しくするのが好ま
しい、なお、溶融粘度が異なる場合は、異形断面糸につ
いては形状のコントロールが難しく、吐出孔出側での大
きなりリーニング現象が賭けられない。

一方２種類の重合体成分Ａ、Ｂの比率は、Ａ：Ｂ−２５
〜７５　：　７５〜２５の範囲で検討したが、高度なシ
ルキー調風合に適する比率として、５０：５０が最も好
ましいことが分った０本発明における重合体成分Ｂは、
重合体成分Ａと比較し、易アルカリ減量性を有すること
が必要である。これは複合繊維糸条の減量が容易である
こと、しかも重合体成分Ｂが選択的にアルカリ減量され
ることは、本発明における２種類の重合体成分の組合わ
せに基づ（好ましい効果の１つである。

更に重合体成分Ｂとしては、ジカルボン酸、アルキルス
ルホン酸ナトリウム、ポリエチレングーリコール、イソ
フタル酸等の成分を含む改質ポリエチレンテレフタレー
トが好ましく、本発明のポリエステル異繊度、異捲縮性
複合繊維糸条の商品価値を一段と高めるものである。

また本発明の異繊度、異捲縮性を有する貼合せ型の複合
繊維糸条は、公知のサイド・パイ・サイド型複合溶融紡
糸装置を用いて容易に得ることができる。即ち、第２図
において１は紡糸口金装置で、吐出孔−孔当りの重合体
成分Ａ。

Ｂの比率を変えるために設けた各種孔径の異なった前板
２を有する紡糸口金３から、２７０〜３００℃で溶融し
た２種類の重合体成分Ａ、Ｂを単独及び貼合せて吐出し
、混繊糸状とした後直交する冷却風で冷却したあと、油
剤を付与して未延伸糸として巻取る。このときの巻取速
度は１０００〜３０００ｍ／分の範囲であるのが好まし
い。引き続いて該未延伸糸を従来公知の延′燃機を用い
、７０、〜９５℃に加熱した供給ローラと引取りローラ
の間で最大破断延伸倍率の０．７〜０．８５の範囲の延
伸倍率で延伸し、供給ローラと引取リローラ間に設けた
１００〜１８０℃の範囲の加熱体の上を接触走行させて
熱処理を施す。なお、本発明における重合体成分Ｂが易
アルカリ減量性を示す理由は、添加成分によるポリマー
鎖微細構造の乱れによるものと推定される。

次に本発明のポリエステル異繊度、異捲縮性複合繊維糸
条は、異繊度で、かつ捲縮形態の異なるフィラメントと
、捲縮のない成分が各々混在しているため、布帛に張り
、腰が付与されて独特な風合を呈し、布帛の表面に極め
て好ましい効果が得られる。公知のようにサイド・パイ
・サイド型貼合せ複合繊維糸条では、個々の単繊維のス
パイラルクリンプの位相が一致して、恰もスパイラル状
のモノフィラメントの如き強く集束した外観を呈し易く
、この集束部は布帛表面に筋状となって現われ、同時に
風合を硬くするので、その位相をずらし、異繊度、異捲
縮性の混繊糸条とすることが重要である。更に本発明に
係る異繊度、異捲縮性複合繊維糸条を使って編成又は製
織した布帛をアルカリ減量すると、両成分のアルカリ減
量速度差に基づき更に効果的なものとなる。なお、本発
明でいうアルカリ減量加工としては、工業的に採用され
ている公知のあらゆるアルカリ減量加工法が利用可能で
ある。

（実施例）以下本発明を下記実施例〔Ｉ）＠に基づき更に具体的に
説明する。

（１）　　重合体成分Ａとして、実質的にエチレンテレ
フタレート単位のみからなる固有粘度が０゜６８のポリ
エチレンテレフタレートを用い、重合体成分Ｂとしてジ
カルボン酸成分に５−ナトリウムスルホイソフタル酸を
２．３モル％、アジピン酸を４．８モル％共重合成分と
して含む固有粘度が０．５７の改質ポリエチレンテレフ
タレートを用いて、複合溶融紡糸装置により、該Ａ成分
２８８℃、該Ｂ成分２７８℃で各々溶融混練し、第２図
に示す吐出孔を有する紡糸口金装置１から２８５℃で紡
出し、延伸熱処理を施して第１図（ａ）に示す単繊維横
断面形状を有する５０デニール、２４フイラメントの異
繊度、異捲縮性複合繊維を得た。

この異繊度、異捲縮性複合繊維糸条を緯糸に用い、経糸
には５０デニール／２４フイラメントのポリエチレンテ
レフタレートを用いて、緯糸９８零／吋、経糸７５羽７
２本／吋の密度で平の規格で製織したあと、緯方向１０
％、経方向５％のリラックス率にて１８０℃×１分間プ
レヒートセットを施し、しがるのち次の条件にて精練、
アルカリ減量加工を施した。

（精練）エマルゲン９０９　（３０％）（花王石鹸社製）　　Ｌｇ／ｌソーダ灰　　　　　　２ｇ／　１溶　　　比　　　　　　　　１：１００温　　　度　　
　　　　　　９８℃ 時　　　間　　　　　　　　３０分（アルカリ減量加工）カセイソーダ　　　　２０ｇ／　Ｉ！溶　　　比　　　　　　　　１：３０温　　　度　　　　　　　　ｉｏｏ’ｃ　（Ｂｏｉｌ）
時　　　間　　　　　　　　６０分中　　　和　　　　　　　　酢酸（９９％Ｈｃｃ／１得
られた布帛はアルカリ減量率が２２％であり、膨らみの
ある柔らかい風合を保ったまま高度のドレープ性を示し
た。またこの布帛の緯糸を抜糸して電子顕微鏡で観察し
たところ、重合体成分Ｂ側に微細孔を有していた。勿論
アルカリ減量処理する前の緯糸にはこのような微細孔は
見られなかった。

（９）重合体成分Ａとして、実質的にエチレンテレフタ
レート単位のみからなる固有粘度が０゜６８のポリエチ
レンテレフタレートを用い、重合体成分Ｂとしてポリエ
チレングリコール（分子量２００００）を３重量％、ア
ルキルスルホン酸ナトリウムを０６４８重量％添加して
成る固有粘度が０．６９のポリエチレンテレフタレート
を用いて、複合溶融紡糸装置により、Ａ成分２９５℃、
Ｂ成分２８５℃で各々溶融混練し、以下実施例（１）と
同じ方法で紡出し、延伸熱処理−製織、プレヒートセッ
ト、精練、アルカリ減量加工を施し、アルカリ減量率が
２３％の膨らみのある柔らかい風合を持ったドレープ性
のある布帛を得た。該布帛の緯糸を抜糸して電子顕微鏡
で観察したところ、重合体成分Ｂ側に、山まゆの筋と類
領した溝が繊維軸と平行方向に並んで生じていた。

（発明の効果）以上詳細に説明した如く本発明は、２種類のポリエステ
ル重合体からなる異繊度、異捲縮性を有する貼合せ型フ
ィラメント群と、重合体Ａ及びＢが１００％で構成され
る捲縮のないフィラメント群とを混在させたので、アル
カリ減量加工を施すことにより優れた膨らみを有し、高
度なドレープ性が付与され、表面改質された特異な風合
を呈する複合繊維糸条が得られる。なお、紡糸温度２７
０〜３００℃における２種類の重合体成分の溶融粘度を
ほぼ等しくすれば、紡糸吐出孔出側でのニーリング現象
が小さいので工程安定性が良好となる。従って本発明の
複合繊維糸条によると、シワ加工、シボ発現が容易であ
り、用途分野も広く、特に衣料用に好適なポリエステル
複合繊維糸条とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）　（ｂ）は本発明の夫々異なる実施例を示
すポリエステル異繊度、興捲縮性複合繊維糸条の横断面
図、第２図は本発明のポリエステル異繊度、異捲縮性複
合繊維糸条を得るための紡糸口金装置の１実施例を示す
断面図である。図の主要部分の説明Ａ・−重合体成分Ｂ−・・−重合体成分１−・・紡糸口金装置２−・前板３−・−口金板（α）第１図（ｂ）第２図 ○ ■ ■

Claims

【特許請求の範囲】

２種類のポリエステル重合体成分Ａ、Ｂからなる異繊度
、異捲縮性を有する貼合せ型フィラメント群と、重合体
成分Ａ及び重合体成分Ｂが夫々１００％で構成される捲
縮のないフィラメント群とが混在してなる複合繊維糸条
。